問1法人税の納税義務者
法人税の納税義務者に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内国法人は、この法律により、法人税を納める義務がある。
- イ.公益法人等は、収益事業を行う場合であっても、法人税を納める義務を負わない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 4条1項本文のとおり → 正しい
法人税法第4条「内国法人は、この法律により、法人税を納める義務がある」e-Gov原文
- イ.誤り
- 収益事業を行う場合は納税義務を負う → 『負わない』は誤り
法人税法第4条「公益法人等又は人格のない社団等については、収益事業を行う場合」e-Gov原文
ひっかけ内国法人は原則納税義務あり。公益法人等は『収益事業を行う場合等』に限り納税義務を負う(4条)。
解説法人税の納税義務者は、まず内国法人と外国法人に分かれる。内国法人は原則として法人税を納める義務があるが(4条1項本文)、公益法人等や人格のない社団等は収益事業を行う場合等に限り納税義務を負う(同項ただし書)。公益目的の活動そのものには課税せず、収益事業の部分のみ課税するという仕組みである。法人の種類ごとに納税義務の範囲が異なる点を押さえる。
補足公共法人(地方公共団体等)は法人税を納める義務がない(4条2項)。公益法人等が収益事業に限り課税されるのとは異なり、公共法人は全面的に納税義務を負わない。
問2公共法人・外国法人の納税義務
公共法人及び外国法人の納税義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.公共法人は、法人税を納める義務がない。
- イ.外国法人は、国内源泉所得を有するとき等には、法人税を納める義務がある。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 4条2項のとおり → 正しい
法人税法第4条「公共法人は、前項の規定にかかわらず、法人税を納める義務がない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 4条3項のとおり → 正しい
法人税法第4条「外国法人は、第百三十八条第一項(国内源泉所得)に規定する国内源泉所得を有するとき」e-Gov原文
ひっかけ公共法人は納税義務なし。外国法人は『国内源泉所得』があれば納税義務を負う(4条)。
解説公共法人は法人税の納税義務がない(4条2項)。外国法人は、国内源泉所得を有するとき、法人課税信託の引受けを行うとき等に法人税の納税義務を負う(4条3項)。内国法人が全世界所得に課税されるのに対し、外国法人は日本に源泉のある所得に限って課税される、という違いを押さえる。
補足外国法人のうち人格のない社団等については、国内源泉所得で収益事業から生ずるものを有するときに限り納税義務を負う。法人の種類により課税の範囲がさらに細分される。
問3各事業年度の所得の金額の計算
各事業年度の所得の金額の計算に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。
- イ.内国法人に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の課税標準は、各事業年度の所得の金額である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 22条1項のとおり → 正しい
法人税法第22条「益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする」e-Gov原文
ひっかけ法人税の所得は『益金−損金』。課税標準はその所得の金額(21条・22条)。
解説各事業年度の所得に対する法人税の課税標準は各事業年度の所得の金額であり(21条)、その所得の金額は益金の額から損金の額を控除して計算する(22条1項)。所得税が10種類の所得区分ごとに金額を計算するのと異なり、法人税は事業年度を単位に益金と損金の差額として一括して所得を計算する。この益金・損金の中身(22条2項・3項)と、会計との関係(4項)が法人税の所得計算の核心になる。
補足益金・損金は、企業会計上の収益・費用をそのまま用いるのではなく、『別段の定め』による加算・減算(益金不算入・損金不算入等)を経て法人税法上の金額に調整される。
問4益金の額
益金の額に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資本等取引以外の取引に係る当該事業年度の収益の額である。
- イ.無償による資産の譲渡又は役務の提供に係る収益の額は、益金の額に算入されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 22条2項のとおり → 正しい
法人税法第22条「資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする」e-Gov原文
- イ.誤り
- 無償取引も益金に算入 → 『算入されない』は誤り
法人税法第22条「有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供」e-Gov原文
ひっかけ益金は『有償・無償を問わず』。無償譲渡・無償の役務提供も収益として益金に算入(22条2項)。
解説益金の額は、別段の定めを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡・役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る収益の額である(22条2項)。無償取引であっても、時価相当額の収益が生じたものとして益金に算入される点が、企業会計と異なる法人税法独自の扱いである。資本等取引(出資・配当等)に係るものは益金から除かれる。
補足受取配当等のように、企業会計上は収益でも法人税法上は『別段の定め』により益金に算入しないもの(益金不算入、23条)もある。原則(22条2項)と別段の定めの関係を押さえる。
問5損金の額
損金の額に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当該事業年度の販売費及び一般管理費等の費用は、償却費を除き、当該事業年度終了の日までに債務が確定しないものであっても、損金の額に算入される。
- イ.当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額は、損金の額に算入される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 債務未確定の費用は損金に算入されない → 『算入される』は誤り
法人税法第22条「償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く」e-Gov原文
- イ.正しい
- 22条3項1号のとおり → 正しい
法人税法第22条「売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額」e-Gov原文
ひっかけ費用は『債務確定基準』。償却費を除き、期末までに債務が確定しないものは損金にならない(22条3項)。
解説損金の額は、当該事業年度の収益に係る売上原価等(22条3項1号)、販売費・一般管理費その他の費用(2号)、資本等取引以外の取引に係る損失(3号)からなる。このうち費用については、償却費以外で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものは除かれる(債務確定基準)。見込みの費用を計上して所得を圧縮することを防ぐ趣旨である。原価・費用・損失の三本柱と、費用の債務確定基準を押さえる。
補足減価償却費は債務確定を要しない『償却費』として、債務確定基準の例外に位置づけられる。一定の限度額の範囲で、債務の確定にかかわらず損金に算入できる。
問6公正処理基準
所得の金額の計算と会計処理の基準に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.益金の額及び損金の額は、別段の定めがあるものを除き、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算される。
- イ.資本等取引とは、法人の資本金等の額の増加又は減少を生ずる取引のみをいい、法人が行う利益又は剰余金の分配は含まれない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 22条4項のとおり → 正しい
法人税法第22条「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算される」e-Gov原文
- イ.誤り
- 利益・剰余金の分配も含む → 『含まれない』は誤り
ひっかけ所得計算は『公正処理基準』が土台。資本等取引には配当(利益・剰余金の分配)も含まれる(22条)。
解説益金・損金は、別段の定めを除き、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準(公正処理基準)に従って計算される(22条4項)。企業会計を出発点にしつつ、税法独自の別段の定めで調整する構造である。また、所得計算から除かれる資本等取引には、資本金等の額の増減を生ずる取引だけでなく、法人が行う利益・剰余金の分配や残余財産の分配・引渡しも含まれる(5項)。損益取引と資本取引を区別する基準になる。
補足剰余金の配当のような利益の分配は資本等取引であり損金にならない一方、寄附金や交際費は損益取引だが別段の定めで損金算入が制限される。資本等取引か損益取引かと、別段の定めによる制限は別の論点である。
問7資本等取引
資本等取引に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.資本等取引に係る収益の額は、各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入される。
- イ.資本等取引とは、法人の資本金等の額の増加又は減少を生ずる取引並びに法人が行う利益又は剰余金の分配及び残余財産の分配又は引渡しをいう。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 資本等取引は益金に算入されない → 『算入される』は誤り
法人税法第22条「資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする」e-Gov原文
- イ.正しい
- 22条5項の定義どおり → 正しい
法人税法第22条「法人の資本金等の額の増加又は減少を生ずる取引」e-Gov原文
ひっかけ資本等取引(出資・配当・残余財産分配)は損益に影響させない。益金にも損金にもしない(22条)。
解説資本等取引は、出資の受入れや配当・残余財産の分配のように、株主との間の資本のやり取りであり、法人の損益(もうけ)とは区別される。そのため、資本等取引に係るものは益金(22条2項)にも損金(22条3項3号)にも算入されない。利益の分配である配当を損金にできないのは、それが費用ではなく稼いだ利益の処分だからである。損益取引と資本取引の区別が所得計算の前提になる。
補足資本金等の額や利益積立金額は、資本等取引等を通じて増減し、受取配当等の益金不算入額やみなし配当の計算などの基礎となる。資本等取引の範囲はこれらの計算にも影響する。
問8受取配当等の益金不算入
受取配当等の益金不算入に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内国法人が受ける剰余金の配当等の額は、一定の金額が、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入されない。
- イ.受取配当等の益金不算入は、外国法人から受ける配当の額についても、内国法人から受ける場合と同様に適用される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- イ.誤り
- 外国法人からの配当は対象から除かれる → 『同様に適用』は誤り
法人税法第23条「外国法人若しくは公益法人等又は人格のない社団等から受けるもの」e-Gov原文
ひっかけ受取配当の益金不算入は『内国法人からの配当』が対象。外国法人からの配当は対象外(23条)。
解説配当は、支払法人の段階で法人税が課された利益の分配であるため、それを受け取った法人の益金にそのまま算入すると二重課税になる。これを調整するのが受取配当等の益金不算入で、内国法人が受ける剰余金の配当等の一定額を益金に算入しない(23条1項)。ただし、日本の法人税が課されていない外国法人から受ける配当などは対象から除かれる。二重課税の調整という趣旨から、対象範囲が定まっている点を押さえる。
補足益金不算入となる割合は、保有する株式等が完全子法人株式等・関連法人株式等・非支配目的株式等のいずれに当たるかによって異なる。株式等の区分ごとに不算入割合が定められている。
問9寄附金の損金不算入
寄附金の損金不算入に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内国法人が各事業年度において支出した寄附金の額は、その全額が、各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入される。
- イ.内国法人が国又は地方公共団体に対して支出した寄附金の額は、損金算入限度額の計算の基礎となる寄附金の額の合計額に算入しない(全額が損金に算入される)。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 限度額を超える部分は損金不算入 → 『全額損金算入』は誤り
- イ.正しい
- 37条3項により合計額に算入しない=全額損金算入 → 正しい
法人税法第37条「同項に規定する寄附金の額の合計額に算入しない」e-Gov原文
ひっかけ一般の寄附金は『限度額超過分が損金不算入』。国・地方公共団体への寄附金は全額損金算入(37条)。
解説寄附金は事業との対価関係が乏しいため、無制限に損金算入を認めると課税ベースが浸食される。そこで一般の寄附金は損金算入限度額を超える部分を損金不算入とする(37条1項)。一方、国又は地方公共団体に対する寄附金や財務大臣が指定した指定寄附金は、公益性が高いため損金不算入の計算の基礎となる寄附金の額の合計額に算入されず、全額が損金に算入される(37条3項)。寄附金の種類ごとに損金算入の扱いが異なる点を押さえる。
補足特定公益増進法人に対する寄附金は、一般の寄附金とは別枠の損金算入限度額が設けられている。全額損金算入される国等への寄附金とも、一般の寄附金とも異なる第三の扱いである。
問10法人税の確定申告
法人税の確定申告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内国法人は、各事業年度終了の日の翌日から3月以内に、確定申告書を税務署長に提出しなければならない。
- イ.確定申告書は、株主総会等の承認を経た確定した決算に基づくことを要しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 条文は2月以内 → 3月以内は誤り
法人税法第74条「各事業年度終了の日の翌日から二月以内に」e-Gov原文
- イ.誤り
- 確定した決算に基づく必要がある → 『要しない』は誤り
ひっかけ法人税の確定申告は『事業年度終了の翌日から2月以内』『確定した決算に基づく』(74条)。
解説内国法人は、各事業年度終了の日の翌日から2月以内に、株主総会等の承認を経た確定した決算に基づき、確定申告書を税務署長に提出しなければならない(74条1項、確定決算主義)。会社が確定した決算で計上した利益を出発点に課税所得を計算するため、決算の確定が申告の前提となる。所得税の確定申告(翌年2月16日から3月15日)と期限の定め方が異なる点も押さえる。
補足定款の定め等により決算が事業年度終了後2月以内に確定しない場合などには、申請により確定申告書の提出期限を延長できる特例がある(75条・75条の2)。原則の2月以内と延長の特例を区別する。
問11事業年度の意義
事業年度の意義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.事業年度とは、法人の財産及び損益の計算の単位となる期間で、法令で定めるもの又は法人の定款等に定めるものをいう。
- イ.法令又は定款等に定める会計期間が1年を超える場合には、その期間を開始の日以後1年ごとに区分した各期間を事業年度とする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 13条1項のとおり → 正しい
法人税法第13条「法人の財産及び損益の計算の単位となる期間」e-Gov原文
- イ.正しい
- 13条1項ただし書のとおり → 正しい
法人税法第13条「その開始の日以後一年ごとに区分した各期間」e-Gov原文
ひっかけ事業年度は会計期間が基準。ただし1年を超えるときは1年ごとに区切る(事業年度は最長1年)(13条)。
解説事業年度は、法人税の所得を計算する単位となる期間で、原則として法令又は定款等に定める会計期間による(13条1項)。ただし、その会計期間が1年を超える場合は、開始の日以後1年ごとに区分した各期間を事業年度とするため、税法上の事業年度は最長でも1年となる。法令・定款等に会計期間の定めがない法人は、一定期間内に会計期間を定めて税務署長に届け出る(2項)。所得計算の時間的単位を画す基本規定である。
補足事業年度の中途で解散・合併等があった場合には、事業年度をその事由の日で区切る『みなし事業年度』の定めがある(14条)。原則の事業年度と、特別な事由によるみなし事業年度を区別する。
問12実質所得者課税の原則
実質所得者課税の原則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.資産又は事業から生ずる収益の法律上帰属するとみられる者が単なる名義人であって、その収益を享受しない場合には、その収益を享受する法人に帰属するものとして法人税法を適用する。
- イ.この原則は、収益の帰属について、名義(形式)が実質と異なる場合に、実質に従って課税の帰属を判定するものである。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 11条のとおり → 正しい
法人税法第11条「その収益は、これを享受する法人に帰属するものとして」e-Gov原文
- イ.正しい
- 実質に従って帰属を判定する趣旨どおり → 正しい
法人税法第11条「資産又は事業から生ずる収益の法律上帰属するとみられる者が単なる名義人であつて」e-Gov原文
ひっかけ課税の帰属は『名義』でなく『実質(収益を享受する者)』で決める(11条)。
解説実質所得者課税の原則は、収益の法律上の帰属者が単なる名義人にすぎず、実際にはその者以外の法人がその収益を享受している場合に、収益を享受する法人に帰属するものとして課税する原則である(11条)。名義の貸し借り等による課税回避を防ぎ、実質に即した課税を行う趣旨である。所得税法11条にも同様の原則があり、形式ではなく実質で課税の帰属を判定するという考え方は所得課税に共通する。
補足実質所得者課税は『誰に帰属するか』の判定原則であり、取引そのものを否認する同族会社の行為計算否認(132条)とは別の規定である。帰属の判定と行為計算の否認を混同しない。
問13法人税額等の損金不算入
法人税額等の損金不算入に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内国法人が納付する法人税の額(本税)は、各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入される。
- イ.内国法人が納付する道府県民税及び市町村民税の額は、各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 法人税の本税は損金不算入 → 『算入される』は誤り
ひっかけ法人税・住民税の本税は損金にならない。所得から差し引くと課税ベースが循環してしまう(38条)。
解説法人税や住民税(道府県民税・市町村民税)の本税は、所得の金額の計算上、損金の額に算入されない(38条1項・2項)。これらを損金にすると、税額が所得を減らし所得がまた税額を減らすという循環が生じるため、政策的に損金不算入とされている。延滞税・加算税などの附帯税が損金不算入とされるのも、罰則的な性質から損金算入を認めない趣旨である。どの租税が損金になり、どれがならないかを整理して押さえる。
補足事業税や固定資産税など、所得計算の対象となる事業に係る租税公課は、原則として損金に算入される。全ての税金が損金不算入になるわけではなく、税目ごとに扱いが分かれる。
問14不正行為等に係る費用等の損金不算入
不正行為等に係る費用等の損金不算入に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内国法人が隠蔽仮装行為によりその法人税の負担を減少させようとする場合でも、その隠蔽仮装行為に要する費用の額は、損金の額に算入される。
- イ.隠蔽仮装行為により生ずる損失の額は、費用とは異なり、損金の額に算入される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 隠蔽仮装の費用は損金不算入 → 『算入される』は誤り
法人税法第55条「当該隠蔽仮装行為に要する費用の額又は当該隠蔽仮装行為により生ずる損失の額」e-Gov原文
- イ.誤り
- 費用も損失も損金不算入 → 『損失は算入される』は誤り
ひっかけ不正(隠蔽・仮装)に要する費用も、それにより生じた損失も損金にならない(55条)。
解説所得や法人税額の計算の基礎となるべき事実を隠蔽・仮装してその法人税の負担を減少させ又は減少させようとする場合、その隠蔽仮装行為に要する費用の額や、その行為により生ずる損失の額は損金の額に算入されない(55条1項)。不正行為に係る支出に課税上の利益を与えないための規定で、費用だけでなく損失も対象になる点が要点である。
補足55条は、隠蔽仮装行為により法人税以外の租税の負担を減少させようとする場合にも準用される(同条2項)。また、帳簿書類等で原価・費用・損失の額の基礎が明らかでない場合の損金不算入の特例(同条3項)も置かれている。
問15中間申告
法人税の中間申告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内国法人である普通法人は、その事業年度が3月を超える場合には、中間申告書を提出しなければならない。
- イ.中間申告書は、前事業年度の法人税額にかかわらず、必ず提出しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 事業年度が6月を超える場合に必要 → 『3月を超える場合』は誤り
- イ.誤り
- 一定額以下等は提出不要 → 『必ず提出』は誤り
ひっかけ中間申告は『事業年度が6月超』のとき。前年度の税額が小さければ提出不要(71条)。
解説内国法人である普通法人は、その事業年度が6月を超える場合に、事業年度開始の日以後6月を経過した日から2月以内に中間申告書を提出しなければならない(71条1項)。ただし、前事業年度の法人税額を基礎として計算した金額が10万円以下である場合等には、中間申告書の提出を要しない(同項ただし書)。期間(6月超)と免除(前年度税額が小さい場合)の二つの要件を押さえる。
補足中間申告には、前事業年度の実績を基礎とする方法のほか、その期間を一事業年度とみなして仮決算を行い計算する方法(仮決算による中間申告、72条)もある。業績が前年より落ち込んだ場合に納付額を抑えられる。
問16法人税の納税義務者と公共法人
法人税の納税義務者と公共法人に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内国法人は、この法律により、法人税を納める義務がある。
- イ.公共法人は、法人税を納める義務がある。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 条文どおり
法人税法第4条「内国法人は、この法律により、法人税を納める義務がある」e-Gov原文
- イ.誤り
- 対象・期限・例外の取り違え
法人税法第4条「公共法人は、前項の規定にかかわらず、法人税を納める義務がない」e-Gov原文
ひっかけ期限・主体・対象・例外の入れ替えに注意する。
解説法人税の納税義務者と公共法人は、条文上の主体・期限・例外を一語ずつ確認する。税法は数字や提出先の入れ替えで誤答を作りやすいため、条文の効果までセットで押さえる。
補足条文引用はe-Gov法令APIで照合する。