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相続税法・第6

相続税法の問題(15問)

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6章では、みなし相続財産・相続税の納税義務者・相続税の課税財産の範囲・贈与税の課税財産の範囲・みなし贈与を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年6月時点の法令に準拠
1相続税の納税義務者

相続税の納税義務者に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 相続又は遺贈により財産を取得した者で、当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有するものは、相続税を納める義務がある。
  • 相続又は遺贈によりこの法律の施行地にある財産を取得した個人で、財産取得時に施行地に住所を有しない者も、相続税を納める義務がある。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
1条の3第1項1号のとおり → 正しい

相続税法第1条の3当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有するものe-Gov原文

正しい
1条の3第1項4号のとおり → 正しい

相続税法第1条の3この法律の施行地にある財産を取得した個人で当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有しないものe-Gov原文

ひっかけ相続税の納税義務者は『住所の有無』と『取得財産の所在』で区分される(1条の3)。

解説相続税の納税義務者は、財産取得者の住所の有無、国籍、過去10年の住所歴などにより区分される。施行地に住所を有する者は原則として取得財産の全部について(無制限)、住所を有しない者でも施行地にある財産を取得した者はその財産について(制限)納税義務を負う。住所・国籍・財産の所在という複数の要素で課税範囲が決まる仕組みを押さえる。

補足無制限納税義務者は国内外の全財産が課税対象、制限納税義務者は施行地にある財産のみが課税対象となる(2条)。納税義務者の区分が課税財産の範囲に直結する。

2相続税の課税財産の範囲

相続税の課税財産の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 施行地に住所を有する無制限納税義務者については、その者が相続又は遺贈により取得した財産の全部に対し、相続税を課する。
  • 施行地に住所を有しない制限納税義務者については、その者が取得した財産のうち、この法律の施行地外にあるものに対しても相続税を課する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
2条1項のとおり → 正しい

相続税法第2条相続又は遺贈により取得した財産の全部に対し、相続税を課するe-Gov原文

誤り
施行地にある財産のみ課税 → 施行地外も課税は誤り

相続税法第2条相続又は遺贈により取得した財産でこの法律の施行地にあるものに対し、相続税を課するe-Gov原文

ひっかけ無制限納税義務者は全財産、制限納税義務者は『施行地にある財産』のみ課税(2条)。

解説課税財産の範囲は納税義務者の区分で決まる。無制限納税義務者(住所を有する者等)は国内外を問わず取得財産の全部が課税対象(2条1項)、制限納税義務者(住所を有しない者等)は施行地にある財産のみが課税対象(2条2項)である。住所の有無が、全世界課税か国内財産課税かを分ける軸になる。

補足贈与税についても、贈与税の納税義務者の区分(1条の4)に応じて課税財産の範囲が同様に定められている(2条の2)。相続税と贈与税で並行した構造になっている。

3贈与税の課税財産の範囲

贈与税の課税財産の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 贈与税の無制限納税義務者については、その者が贈与により取得した財産のうち、この法律の施行地にあるものに限り、贈与税を課する。
  • 贈与税の制限納税義務者については、その者が贈与により取得した財産でこの法律の施行地にあるものに対し、贈与税を課する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
全部に課税 → 『施行地にあるものに限り』は誤り

相続税法第2条の2贈与により取得した財産の全部に対し、贈与税を課するe-Gov原文

正しい
2条の2第2項のとおり → 正しい

相続税法第2条の2贈与により取得した財産でこの法律の施行地にあるものに対し、贈与税を課するe-Gov原文

ひっかけ贈与税も相続税と同じ構造。無制限は全財産、制限は施行地にある財産(2条の2)。

解説贈与税の課税財産の範囲は、贈与税の納税義務者の区分(1条の4)に応じて定まる。無制限納税義務者は贈与により取得した財産の全部(2条の2第1項)、制限納税義務者は施行地にある財産のみ(2項)が課税対象になる。相続税(2条)と並行した構造であり、相続も贈与も『誰が・どこにある財産を取得したか』で課税範囲が決まる。

補足贈与税は相続税を補完する税で、生前贈与による相続税の回避を防ぐ役割を持つ。納税義務者・課税財産の範囲が相続税と対応して定められているのはこのためである。

4みなし相続財産(生命保険金)

相続又は遺贈により取得したものとみなされる生命保険金に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 被相続人の死亡により相続人その他の者が生命保険契約の保険金を取得した場合、一定の部分は、相続又は遺贈により取得したものとみなされる。
  • このみなし相続財産となる生命保険金は、保険料を誰が負担したかにかかわらず、取得した保険金の全額である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
3条1項のとおり → 正しい

相続税法第3条相続又は遺贈により取得したものとみなすe-Gov原文

誤り
被相続人負担分の割合相当部分のみ → 『全額』は誤り

相続税法第3条被相続人が負担した保険料e-Gov原文

ひっかけ死亡保険金は『被相続人が負担した保険料の割合分』だけがみなし相続財産。全額ではない(3条)。

解説被相続人の死亡により取得する生命保険金は、本来の相続財産ではないが、相続を契機に受け取る経済的利益であるため、みなし相続財産として相続税の対象になる(3条1項1号)。課税対象となるのは、保険金のうち被相続人が負担した保険料の割合に相当する部分である。被相続人以外が保険料を負担していた部分は、相続税ではなく別の課税関係(一時所得や贈与)になる。

補足相続人が取得した死亡保険金は、500万円に法定相続人の数を乗じた金額を限度として非課税とされる(12条1項6号)。みなし相続財産に算入したうえで、非課税枠が別に設けられている。

5みなし相続財産(退職手当金)

相続又は遺贈により取得したものとみなされる退職手当金に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 被相続人に支給されるべきであった退職手当金で、被相続人の死亡後5年以内に支給が確定したものは、相続又は遺贈により取得したものとみなされる。
  • 被相続人に支給されるべきであった退職手当金、功労金その他これらに準ずる給与は、みなし相続財産の対象となり得る。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
条文は『3年以内』 → 5年以内は誤り

相続税法第3条被相続人の死亡後三年以内に支給が確定したものe-Gov原文

正しい
3条1項2号のとおり → 正しい

相続税法第3条退職手当金、功労金その他これらに準ずる給与e-Gov原文

ひっかけ死亡退職金がみなし相続財産になるのは『死亡後3年以内に支給確定』のもの。5年ではない(3条)。

解説被相続人の死亡により支給される退職手当金・功労金等は、相続を契機に受け取る経済的利益であるためみなし相続財産となる(3条1項2号)。対象となるのは、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものである。3年を経過した後に支給が確定したものは、相続税ではなく受け取った遺族の一時所得として所得税の対象になる。期間(3年以内)で課税関係が分かれる点を押さえる。

補足相続人が取得した退職手当金等も、生命保険金と同様に、500万円に法定相続人の数を乗じた金額を限度として非課税とされる(12条1項7号)。

6みなし贈与(生命保険金)

贈与により取得したものとみなされる生命保険金に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 生命保険契約の保険事故が発生した場合に、保険料の全部又は一部が保険金受取人以外の者によって負担されていたときは、その負担部分に相当する保険金は、贈与により取得したものとみなされる。
  • この場合、保険金受取人は、その保険料を負担した者から贈与により取得したものとみなされる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
5条1項のとおり → 正しい

相続税法第5条保険料の全部又は一部が保険金受取人以外の者によつて負担されたものであるときe-Gov原文

正しい
5条1項のとおり贈与者は保険料負担者 → 正しい

相続税法第5条贈与により取得したものとみなすe-Gov原文

ひっかけ死亡を伴わない保険事故での保険金は、保険料を負担した『他人』からのみなし贈与になり得る(5条)。

解説生命保険金は、被相続人の死亡によるものはみなし相続財産(3条)だが、死亡を伴わない保険事故で、保険料を保険金受取人以外の者が負担していた場合には、その負担部分が保険料負担者から保険金受取人への贈与とみなされる(5条1項、みなし贈与)。誰が保険料を負担したか、保険事故が死亡か否かで、相続税・贈与税・所得税のいずれの対象になるかが分かれる。

補足保険料負担者・被保険者・保険金受取人の三者の関係により課税関係が変わる。負担者と受取人が同一なら一時所得(所得税)、負担者が被相続人で死亡保険金ならみなし相続財産(3条)となる。

7相続税の非課税財産

相続税の非課税財産に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 墓所、霊びょう及び祭具並びにこれらに準ずるものの価額は、相続税の課税価格に算入しない。
  • 公益を目的とする事業を行う者が相続又は遺贈により取得した財産で、その公益を目的とする事業の用に供することが確実なものであっても、相続税の課税価格に算入される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
12条1項2号のとおり → 正しい

相続税法第12条墓所、霊びよう及び祭具並びにこれらに準ずるものe-Gov原文

誤り
公益事業用財産は非課税 → 『算入される』は誤り

相続税法第12条当該公益を目的とする事業の用に供することが確実なものe-Gov原文

ひっかけ墓所・祭具や公益事業用財産は非課税(課税価格に算入しない)(12条)。

解説相続税の非課税財産は、社会通念や公益的配慮から課税になじまないものとして12条が限定列挙する。皇位とともに受けた物(1号)、墓所・霊びょう・祭具等(2号)、公益事業用財産で事業の用に供することが確実なもの(3号)、一定の生命保険金・退職手当金(6号・7号)などである。これらは課税価格に算入されない。何が非課税財産に当たるかを条文の列挙で押さえる。

補足債務控除(13条)や葬式費用の控除は、財産そのものが非課税になるのではなく、課税価格の計算上、財産の価額から差し引かれるものである。非課税財産(12条)と債務控除(13条)は別の仕組みである。

8生命保険金の非課税限度額

相続人が取得した生命保険金の非課税に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 相続人が取得した生命保険金については、一定の金額に相当する部分が、相続税の課税価格に算入されない。
  • 生命保険金の非課税限度額は、500万円に被相続人の相続人の数を乗じて算出した金額である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
12条1項6号のとおり → 正しい

相続税法第12条相続税の課税価格に算入しないe-Gov原文

正しい
12条1項6号イの算式どおり → 正しい

相続税法第12条五百万円に当該被相続人の第十五条第二項に規定する相続人の数を乗じて算出した金額e-Gov原文

ひっかけ死亡保険金の非課税限度は『500万円 × 相続人の数』(12条)。

解説相続人が取得した死亡保険金は、500万円に被相続人の相続人の数を乗じた金額(非課税限度額)までが非課税となり、課税価格に算入されない(12条1項6号)。残された遺族の生活保障という保険金の性質に配慮した規定である。退職手当金についても同様の非課税枠がある(7号)。みなし相続財産として課税対象に取り込んだうえで、一定の非課税枠を設けるという構造を押さえる。

補足非課税の適用を受けられるのは相続人が取得した保険金に限られ、相続を放棄した者や相続人以外の者が取得した保険金には非課税枠は適用されない。誰が取得したかで非課税の可否が変わる。

9債務控除

相続税の課税価格の計算における債務控除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 無制限納税義務者については、被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの(公租公課を含む)は、課税価格の計算上、控除されない。
  • 無制限納税義務者については、被相続人に係る葬式費用も、課税価格の計算上、控除される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
債務は控除される → 『控除されない』は誤り

相続税法第13条被相続人の債務で相続開始の際現に存するものe-Gov原文

正しい
13条1項2号のとおり → 正しい

相続税法第13条被相続人に係る葬式費用e-Gov原文

ひっかけ無制限納税義務者は『被相続人の債務』と『葬式費用』を課税価格から控除できる(13条)。

解説相続税は、取得した財産から被相続人の債務等を差し引いた正味の財産に課税する。無制限納税義務者については、被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの(公租公課を含む。13条1項1号)と、被相続人に係る葬式費用(2号)を課税価格から控除する。葬式費用は被相続人の債務ではないが、相続に伴い必然的に生じる費用として特に控除が認められている。

補足制限納税義務者については、控除できる債務の範囲が、施行地にある財産に係るものなどに限定され(13条2項)、葬式費用は控除の対象とされていない。納税義務者の区分により債務控除の範囲が異なる。

10贈与税の課税価格

贈与税の課税価格に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 贈与税の無制限納税義務者については、その年中において贈与により取得した財産の価額の合計額をもって、贈与税の課税価格とする。
  • 贈与税の課税価格は、贈与者ごとに、その贈与者から取得した財産の価額により計算する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
21条の2第1項のとおり → 正しい

相続税法第21条の2その年中において贈与により取得した財産の価額の合計額e-Gov原文

誤り
受贈者単位で1年分を合算 → 『贈与者ごと』は誤り

相続税法第21条の2その年中において贈与により取得した財産の価額の合計額e-Gov原文

ひっかけ贈与税は『受贈者が1年間にもらった財産の合計』で課税(暦年課税)。贈与者単位ではない(21条の2)。

解説贈与税の課税価格は、受贈者がその年(1月1日から12月31日)の間に贈与により取得した財産の価額の合計額である(21条の2第1項、暦年課税)。複数の贈与者から贈与を受けた場合も、受贈者を単位として1年分を合算する。所得税と同じく暦年を計算単位とし、受贈者ごとに課税する点を押さえる。

補足相続時精算課税を選択した場合は、特定の贈与者からの贈与について暦年課税とは別の計算方法(累積で計算し相続時に精算)が適用される。原則の暦年課税と相続時精算課税は別系統である。

11相続税の申告書

相続税の申告書に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 相続税の申告書は、課税価格の合計額がその遺産に係る基礎控除額を超え、納付すべき相続税額があるときに提出を要する。
  • 相続税の申告書は、その相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内に提出しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
27条1項のとおり → 正しい

相続税法第27条その遺産に係る基礎控除額を超える場合e-Gov原文

正しい
27条1項の申告期限どおり → 正しい

相続税法第27条その相続の開始があつたことを知つた日の翌日から十月以内e-Gov原文

ひっかけ相続税の申告期限は『相続開始を知った日の翌日から10月以内』。基礎控除以下なら原則申告不要(27条)。

解説相続税の申告書は、課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額を超え、計算した相続税額がある場合に、相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内に提出しなければならない(27条1項)。基礎控除額以下であれば原則として申告は不要である。所得税(翌年3月15日)や贈与税(翌年3月15日)と異なり、相続開始を起点とする10月以内という期限の定め方を押さえる。

補足配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例の適用を受けて納付税額が0になる場合でも、それらの適用を受けるためには申告書の提出が要件となる。税額が0でも申告が必要な場合がある点に注意する。

12贈与税の申告書

贈与税の申告書に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 贈与税の申告書は、贈与を受けた日の翌日から2月以内に提出しなければならない。
  • 贈与税の申告書は、課税価格、贈与税額その他の事項を記載し、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
翌年2月1日〜3月15日 → 『贈与日の翌日から2月以内』は誤り

相続税法第28条その年の翌年二月一日から三月十五日までe-Gov原文

正しい
28条1項のとおり提出先は納税地の所轄税務署長 → 正しい

相続税法第28条課税価格、贈与税額その他財務省令で定める事項を記載した申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならないe-Gov原文

ひっかけ贈与税の申告期限は『翌年2月1日から3月15日まで』。贈与の都度ではなく1年分をまとめて申告(28条)。

解説贈与税の申告書は、その年の翌年2月1日から3月15日までに、課税価格・贈与税額等を記載して納税地の所轄税務署長に提出する(28条1項)。暦年課税では受贈者が1年間に受けた贈与を合算して翌年に申告するため、贈与の都度ではなくまとめて申告する。所得税の確定申告期限(翌年2月16日から3月15日)と終期は同じだが、始期(2月1日)が異なる点に注意する。

補足相続税の申告期限が相続開始を知った日の翌日から10月以内であるのに対し、贈与税は翌年2月1日から3月15日までと、起点と期間の定め方が異なる。税目ごとの申告期限を整理して押さえる。

13相続税・贈与税の納付

相続税及び贈与税の納付に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 期限内申告書を提出した者は、その申告書の提出期限の翌日から1月以内に、申告書に記載した相続税額又は贈与税額に相当する税を国に納付すれば足りる。
  • 修正申告書を提出した者は、相続税を当然に分割して納付することができ、申告書の提出期限までに全額を納付する必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
提出期限までに納付 → 『翌日から1月以内』は誤り

相続税法第33条これらの申告書の提出期限までにe-Gov原文

誤り
提出期限までの納付が原則 → 『当然に分割納付』は誤り

相続税法第33条相当する相続税又は贈与税を国に納付しなければならないe-Gov原文

ひっかけ相続税・贈与税は『申告書の提出期限まで』に金銭で一括納付が原則(33条)。

解説期限内申告書又は修正申告書を提出した者は、これらの申告書の提出期限までに、記載した相続税額又は贈与税額に相当する税を国に納付しなければならない(33条)。納付は金銭で期限までに一括が原則である。一度に金銭で納付することが困難な場合に、年賦による延納や、相続財産による物納が、一定の要件と税務署長の許可のもとで例外的に認められる。原則(期限内一括金銭納付)と例外(延納・物納)を区別する。

補足延納は金銭での分割払い、物納は金銭以外の相続財産での納付で、いずれも申請と税務署長の許可を要する。相続税には延納・物納の両方があるが、贈与税には物納が認められていない。

14連帯納付の義務

相続税の連帯納付の義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 同一の被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した者は、その相続税について、互いに連帯納付の責めに任ずることはない。
  • 連帯納付の義務は、各人が相続又は遺贈により受けた利益の額にかかわらず、相続税の全額について無限に及ぶ。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
34条1項で連帯納付の責めを負う → 『任ずることはない』は誤り

相続税法第34条互いに連帯納付の責めに任ずるe-Gov原文

誤り
受けた利益の価額を限度 → 『無限に及ぶ』は誤り

相続税法第34条当該相続又は遺贈により受けた利益の価額に相当する金額を限度としてe-Gov原文

ひっかけ共同相続人は互いに連帯納付の義務を負うが、『受けた利益の価額』が限度(34条)。

解説相続税は、同一の被相続人から財産を取得した全ての者が、その相続税について互いに連帯納付の責めに任ずる(34条1項)。これは、相続税の確実な徴収のための制度である。ただし、各人が負う連帯納付の責めは、その者が相続又は遺贈により受けた利益の価額に相当する金額を限度とし、無限に及ぶわけではない。連帯納付の存在(任ずる)と、その限度(受けた利益の価額)の両方を押さえる。

補足連帯納付義務には、申告期限から一定期間の経過や延納・納税猶予の適用などにより解除される場合がある。連帯納付は無期限・無限定に及ぶものではなく、一定の歯止めが設けられている。

15贈与税の納税義務者

贈与税の納税義務者に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 贈与により財産を取得した個人で、財産取得時にこの法律の施行地に住所を有する者は、贈与税を納める義務を負わない。
  • 贈与税は、財産を贈与した者(贈与者)に対して課される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
納税義務を負う → 『負わない』は誤り

相続税法第1条の4贈与により財産を取得した次に掲げる者であつて、当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有するものe-Gov原文

誤り
納税義務者は受贈者 → 『贈与者に課される』は誤り

相続税法第1条の4次の各号のいずれかに掲げる者は、この法律により、贈与税を納める義務があるe-Gov原文

ひっかけ贈与税を納めるのは『もらった人(受贈者)』。あげた人(贈与者)ではない(1条の4)。

解説贈与税の納税義務者は、贈与により財産を取得した者(受贈者)である(1条の4第1項)。財産を渡した贈与者ではなく、利益を受けた受贈者が課税される点が要点である。受贈者の住所の有無、国籍、過去10年の住所歴などにより、相続税と同様に納税義務の範囲(無制限・制限)が区分される。誰が納税義務者かを取り違えないことが、贈与税の出発点になる。

補足贈与税は受贈者が納めるのが原則だが、受贈者が贈与税を納付しない場合に、贈与者が一定の範囲で連帯納付の責めを負うことがある。原則の納税義務者と、補完的な連帯納付は別の論点である。