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地方税法・第9

住民税(地方税法)の問題(15問)

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9章では、道府県民税の納税義務者・市町村民税の納税義務者・所得割の課税標準・個人住民税の賦課期日・均等割・所得割の意義を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年6月時点の法令に準拠
1道府県民税の納税義務者(個人)

道府県民税の個人の納税義務者に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 道府県内に住所を有する個人は、均等割額及び所得割額の合算額により道府県民税を課される。
  • 道府県内に事務所、事業所又は家屋敷を有する個人で、当該事務所等を有する市町村内に住所を有しない者は、均等割額により道府県民税を課される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
24条1項のとおり → 正しい

地方税法第24条均等割額及び所得割額の合算額によりe-Gov原文

正しい
24条1項2号のとおり → 正しい

地方税法第24条道府県内に事務所、事業所又は家屋敷を有する個人で当該事務所、事業所又は家屋敷を有する市町村内に住所を有しない者e-Gov原文

ひっかけ住所を有する個人は『均等割+所得割』、事務所等のみ(住所なし)の個人は『均等割のみ』(24条)。

解説個人の道府県民税は、その者の道府県との結びつき方で課税内容が分かれる。道府県内に住所を有する個人は均等割と所得割の両方(24条1項1号)、道府県内に事務所・事業所・家屋敷を有するが住所のない個人は均等割のみ(2号)で課される。住所地での負担(応能・応益の両面)と、事務所等の所在地での最小限の負担(均等割)を区別する。

補足個人住民税は、応益課税としての均等割と、応能課税としての所得割からなる。法人には所得割はなく、均等割と法人税割が課される点と対比して押さえる。

2市町村民税の納税義務者(個人)

市町村民税の個人の納税義務者に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 市町村内に住所を有する個人は、均等割額及び所得割額の合算額により市町村民税を課される。
  • 市町村内に住所を有する個人は、所得割額のみにより市町村民税を課され、均等割額は課されない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
294条1項のとおり → 正しい

地方税法第294条市町村内に住所を有する個人e-Gov原文

誤り
均等割も課される → 『所得割のみ』は誤り

地方税法第294条均等割額及び所得割額の合算額によりe-Gov原文

ひっかけ市町村内に住所を有する個人は『均等割+所得割』。所得割だけではない(294条)。

解説個人の市町村民税は、道府県民税と並行した構造で、市町村内に住所を有する個人に均等割額及び所得割額の合算額により課される(294条1項1号)。市町村内に事務所・事業所・家屋敷を有するが住所のない個人には均等割のみ(2号)が課される。道府県民税(24条)と市町村民税(294条)は、課税団体が異なるだけで納税義務者・課税方式の枠組みが同じである点を押さえる。

補足個人住民税(道府県民税・市町村民税)は、原則として住所地の市町村が両方をあわせて賦課徴収し、道府県民税分を道府県に払い込む。納税者にとっては一体として扱われる。

3所得割の課税標準

個人住民税の所得割の課税標準に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 道府県民税の所得割の課税標準は、前年の所得について算定した総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額とする。
  • 市町村民税の所得割の課税標準も、前年の所得について算定した総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額とする。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
32条1項のとおり → 正しい

地方税法第32条前年の所得について算定した総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額とするe-Gov原文

正しい
313条1項のとおり → 正しい

地方税法第313条前年の所得について算定した総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額とするe-Gov原文

ひっかけ住民税の所得割は『前年の所得』が課税標準。その年の所得ではない(32条・313条)。

解説個人住民税の所得割の課税標準は、前年の所得について算定した総所得金額・退職所得金額・山林所得金額である(道府県民税32条1項、市町村民税313条1項)。所得税が原則としてその年の所得に課税する現年課税であるのに対し、住民税の所得割は前年の所得に課税する前年課税である点が大きな違いである。賦課期日(1月1日)現在の住所地の市町村が、前年の所得に基づいて課税する。

補足総所得金額等の計算は、特別の定めがある場合を除き、所得税法の規定による計算の例によるものとされる(32条2項・313条2項)。所得税の所得計算が住民税の所得割の基礎になる。

4個人住民税の賦課期日

個人住民税の賦課期日に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 個人の道府県民税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の1月1日とする。
  • 個人の市町村民税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の4月1日とする。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
39条のとおり → 正しい

地方税法第39条個人の道府県民税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とするe-Gov原文

誤り
条文は1月1日 → 4月1日は誤り

地方税法第318条個人の市町村民税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とするe-Gov原文

ひっかけ個人住民税の賦課期日は道府県民税・市町村民税とも『1月1日』(39条・318条)。

解説個人の道府県民税(39条)も市町村民税(318条)も、賦課期日は当該年度の初日の属する年の1月1日である。1月1日現在の住所地の市町村が、前年の所得を課税標準として、その年度の個人住民税を課する。年の途中で他の市町村に引っ越しても、その年度は1月1日時点の住所地で課税される点を押さえる。

補足1月1日に住所を有する市町村で課税されるため、年の途中の転居は翌年度の課税団体に影響する。固定資産税の賦課期日(1月1日)と同じく、1月1日が地方税の重要な基準日である。

5均等割・所得割の意義

道府県民税の用語の意義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 均等割とは、均等の額により課する道府県民税をいう。
  • 所得割とは、所得により課する道府県民税をいう。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
23条1号のとおり → 正しい

地方税法第23条均等割均等の額により課する道府県民税をいうe-Gov原文

正しい
23条2号のとおり → 正しい

地方税法第23条所得割所得により課する道府県民税をいうe-Gov原文

ひっかけ均等割=均等の額で課す、所得割=所得で課す。負担の決め方が違う(23条)。

解説道府県民税の用語として、均等割は均等の額により課する道府県民税(23条1号)、所得割は所得により課する道府県民税(2号)と定義される。均等割は所得の多寡にかかわらず一定額を負担する応益的な部分、所得割は所得に応じて負担する応能的な部分である。個人住民税は、この均等割と所得割の組合せで構成される。市町村民税についても同様の定義が置かれている(292条)。

補足個人住民税にはこのほか、利子割・配当割・株式等譲渡所得割といった分離課税的な部分もある。基本は均等割と所得割だが、特定の所得には別の課税方式が用意されている。

6法人税割の意義

住民税の法人税割に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 道府県民税の法人税割とは、法人の所得の金額を課税標準として課する道府県民税をいう。
  • 市町村民税の法人税割とは、法人税額を課税標準として課する市町村民税をいう。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
課税標準は法人税額 → 『所得の金額』は誤り

地方税法第23条法人税額を課税標準として課する道府県民税e-Gov原文

正しい
292条3号のとおり → 正しい

地方税法第292条法人税額を課税標準として課する市町村民税e-Gov原文

ひっかけ法人税割の課税標準は『法人税額』。法人の所得の金額そのものではない(23条・292条)。

解説法人に課される住民税の中心は法人税割で、その課税標準は法人税額である(道府県民税23条3号、市町村民税292条3号)。法人の所得の金額に直接課税するのではなく、国の法人税の額を基礎として、それに一定の税率を乗じて算定する。個人の所得割が前年の所得を課税標準とするのに対し、法人税割は法人税額を課税標準とする点で計算の出発点が異なる。

補足法人にも均等割が課され、資本金等の額や従業者数に応じて額が定まる。法人住民税は均等割と法人税割からなり、個人住民税(均等割+所得割)とは所得割・法人税割の部分で構成が異なる。

7道府県民税の納税義務者(法人)

道府県民税の法人の納税義務者に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 道府県内に事務所又は事業所を有する法人は、均等割額及び法人税割額の合算額により道府県民税を課される。
  • 道府県内に寮、宿泊所、クラブその他これらに類する施設を有する法人で当該道府県内に事務所又は事業所を有しないものは、所得割額により道府県民税を課される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
24条1項3号のとおり → 正しい

地方税法第24条道府県内に事務所又は事業所を有する法人e-Gov原文

誤り
法人は所得割を課されない → 『所得割額により』は誤り

地方税法第24条道府県内に寮、宿泊所、クラブその他これらに類する施設e-Gov原文

ひっかけ法人住民税は『均等割+法人税割』。所得割は個人だけ。寮等のみの法人は均等割のみ(24条)。

解説法人の道府県民税は、道府県内に事務所・事業所を有する法人には均等割と法人税割(24条1項3号)、寮・宿泊所等のみを有し事務所等を有しない法人には均等割のみ(4号)が課される。所得割は個人にのみ課される部分であり、法人には課されない。事務所等の有無で法人税割の有無が分かれる点を押さえる。

補足法人住民税の法人税割は、法人が事務所等を有する複数の道府県・市町村に対し、従業者数等の基準で按分して納付する(分割基準)。複数の地方団体にまたがる法人の課税には按分の仕組みがある。

8住民基本台帳と住所を有する個人

市町村民税における住所を有する個人と住民基本台帳に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 住民基本台帳法の適用を受ける者については、住民基本台帳に記録されているか否かにかかわらず、すべて「市町村内に住所を有する個人」として市町村民税の納税義務者となる。
  • 市町村は、住民基本台帳に記録されていない個人が現に市町村内に住所を有する場合には、その者を住民基本台帳に記録されている者とみなして、市町村民税を課することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
台帳に記録されている者をいう → 『記録の有無にかかわらず』は誤り

地方税法第294条当該市町村の住民基本台帳に記録されている者をいうe-Gov原文

正しい
294条3項のとおり → 正しい

地方税法第294条住民基本台帳に記録されていない個人が当該市町村内に住所を有する者である場合には、その者を当該住民基本台帳に記録されている者とみなして、その者に市町村民税を課することができるe-Gov原文

ひっかけ原則は『住民基本台帳に記録されている者』が住所を有する個人。記録がなくても実際に住所があれば課税できる(294条)。

解説市町村民税の「市町村内に住所を有する個人」は、住民基本台帳法の適用を受ける者については、原則として当該市町村の住民基本台帳に記録されている者をいう(294条2項、台帳主義)。ただし、台帳に記録されていない個人が現に市町村内に住所を有する場合には、その者を記録されている者とみなして市町村民税を課することができる(3項)。形式(台帳)を原則としつつ、実質(現に住所がある)による課税も認める仕組みである。

補足みなし課税をした市町村が、その者が他の市町村の住民基本台帳に記録されていることを知ったときは、その旨を当該他の市町村に通知し、二重課税を防ぐ仕組みになっている(294条3項・4項)。

9所得割の課税標準と所得税法の準用

個人住民税の所得割の課税標準の算定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 所得割の課税標準である総所得金額等は、特別の定めがある場合を除き、所得税法の規定による総所得金額等の計算の例により算定する。
  • 所得割の課税標準は、その年の所得について算定する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
32条2項のとおり → 正しい

地方税法第32条所得税法第二十二条第二項又は第三項の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額の計算の例により算定するe-Gov原文

誤り
前年の所得 → 『その年の所得』は誤り

地方税法第32条前年の所得について算定した総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額とするe-Gov原文

ひっかけ住民税の所得割は『前年の所得』を、『所得税法の計算の例』で算定する(32条)。

解説個人住民税の所得割の課税標準は前年の所得であり(32条1項、前年課税)、その総所得金額・退職所得金額・山林所得金額は、特別の定めがある場合を除き、所得税法の規定による計算の例により算定される(2項)。所得計算の中身は所得税と共通だが、課税の対象とする年度がずれる(所得税は現年、住民税は前年)点が要点である。所得税の確定申告の内容が、翌年度の住民税の所得割の基礎になる。

補足所得税と住民税では、所得控除の額(基礎控除・配偶者控除等)が一部異なる。所得の計算は共通でも、控除額や非課税の範囲に差があるため、税額がそのまま比例するわけではない。

10事務所等を有する個人への道府県民税

事務所等を有する個人に対する道府県民税に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 道府県内に事務所、事業所又は家屋敷を有する個人で住所を有しない者は、均等割額及び所得割額の合算額により道府県民税を課される。
  • 道府県内に住所を有する個人は、均等割額及び所得割額の合算額により道府県民税を課される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
均等割のみ → 『均等割+所得割』は誤り

地方税法第24条道府県内に事務所、事業所又は家屋敷を有する個人で当該事務所、事業所又は家屋敷を有する市町村内に住所を有しない者e-Gov原文

正しい
24条1項1号のとおり → 正しい

地方税法第24条均等割額及び所得割額の合算額によりe-Gov原文

ひっかけ事務所・家屋敷だけ(住所なし)の個人は『均等割のみ』。住所があれば『均等割+所得割』(24条)。

解説個人に対する道府県民税は、道府県との結びつきの度合いで課税範囲が分かれる。住所を有する個人には所得に応じた所得割と均等割の両方(24条1項1号)、住所はないが事務所・事業所・家屋敷を有する個人には応益的な均等割のみ(2号)が課される。別荘(家屋敷)を持つだけの者にも均等割が課される一方、所得割は住所地でのみ課される、という仕組みを押さえる。

補足同一の道府県内であっても、住所のある市町村と事務所等のある市町村が異なる場合、住所地では均等割+所得割、事務所等の所在地では均等割のみが課されることがある。

11市町村民税の納税義務者(法人)

市町村民税の法人の納税義務者に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 市町村内に事務所又は事業所を有する法人は、均等割額及び法人税割額の合算額により市町村民税を課される。
  • 市町村内に寮、宿泊所、クラブその他これらに類する施設を有する法人で当該市町村内に事務所又は事業所を有しないものは、均等割額により市町村民税を課される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
294条1項3号のとおり → 正しい

地方税法第294条市町村内に事務所又は事業所を有する法人e-Gov原文

正しい
294条1項4号のとおり → 正しい

地方税法第294条寮、宿泊所、クラブその他これらに類する施設e-Gov原文

ひっかけ法人市町村民税も道府県民税と同じ構造。事務所等あり→均等割+法人税割、寮等のみ→均等割のみ(294条)。

解説法人の市町村民税は、市町村内に事務所・事業所を有する法人には均等割と法人税割(294条1項3号)、寮・宿泊所等のみを有し事務所等を有しない法人には均等割のみ(4号)が課される。道府県民税(24条)と市町村民税(294条)は課税団体が異なるだけで構造が共通し、法人にはいずれも所得割が課されない。事務所等の有無が法人税割の有無を分ける。

補足法人住民税の均等割は、資本金等の額と従業者数の規模区分により額が定まる。所得や法人税額が0でも均等割は課されるため、赤字法人にも均等割の負担が生じる。

12道府県民税の課税方式

道府県民税の課税方式に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 道府県民税は、その全ての納税義務者に対し、均等割額及び所得割額の合算額により課する。
  • 道府県内に住所を有する個人に対しては、均等割額及び所得割額の合算額により道府県民税を課する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
区分により課税方式が異なる → 『全ての者に合算額』は誤り

地方税法第24条均等割額及び所得割額の合算額によりe-Gov原文

正しい
24条1項1号のとおり → 正しい

地方税法第24条均等割額及び所得割額の合算額によりe-Gov原文

ひっかけ『均等割+所得割の合算』は住所を有する個人だけ。法人や事務所等のみの個人は別の組合せ(24条)。

解説道府県民税の課税方式は、納税義務者の区分ごとに異なる(24条1項)。住所を有する個人は均等割+所得割、事務所等のみを有する個人は均等割のみ、事務所等を有する法人は均等割+法人税割、というように、誰がどの結びつきを持つかで課税の組合せが決まる。「全員一律」ではなく、区分ごとの組合せで課税内容が変わる点を押さえる。

補足このほか、利子等の支払を受ける個人には利子割、特定配当等を受ける個人には配当割など、特定の所得に応じた課税方式も24条に列挙されている。課税方式は納税義務者と所得の種類で細分される。

13市町村民税の課税方式

市町村民税の課税方式に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 市町村民税は、市町村内に住所を有する個人に対し、所得割額のみにより課する。
  • 市町村内に事務所又は事業所を有する法人に対しては、所得割額により市町村民税を課する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
均等割も課される → 『所得割額のみ』は誤り

地方税法第294条均等割額及び所得割額の合算額によりe-Gov原文

誤り
法人は均等割+法人税割 → 『所得割額により』は誤り

地方税法第294条均等割額及び法人税割額の合算額によりe-Gov原文

ひっかけ個人は『均等割+所得割』、法人は『均等割+法人税割』。所得割と法人税割を取り違えさせる肢に注意(294条)。

解説市町村民税では、個人(住所を有する者)は均等割+所得割、法人(事務所等を有する者)は均等割+法人税割で課される(294条1項)。所得割は個人にのみ、法人税割は法人にのみ課される部分で、両者を入れ替えると誤りになる。均等割は個人・法人いずれにも共通して課される点も押さえる。

補足個人・法人とも均等割が課されるが、個人の均等割は定額、法人の均等割は資本金等の額・従業者数で段階的に定まる。同じ均等割でも個人と法人で額の決め方が異なる。

14住民基本台帳未記録者への課税

住民基本台帳に記録されていない者に対する市町村民税の課税に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 市町村は、住民基本台帳に記録されていない個人が現に市町村内に住所を有する場合であっても、その者に市町村民税を課することはできない。
  • この規定により市町村民税を課された者に対しては、その者が記録されている住民基本台帳に係る市町村も、重ねて市町村民税を課することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
みなして課税できる → 『課することはできない』は誤り

地方税法第294条その者を当該住民基本台帳に記録されている者とみなして、その者に市町村民税を課することができるe-Gov原文

誤り
二重課税は防止される → 『重ねて課することができる』は誤り

地方税法第294条市町村民税を課することができないe-Gov原文

ひっかけ台帳になくても現に住所があれば課税できる。ただし記録地と現住所地で二重には課さない(294条)。

解説住民基本台帳に記録されていない個人でも、現に市町村内に住所を有する場合には、その市町村が記録されている者とみなして市町村民税を課することができる(294条3項)。この場合、その者が住民基本台帳に記録されている市町村は、重ねて市町村民税を課することができない(4項)。実質(現に住所がある市町村)で課税しつつ、形式(台帳記録地)との二重課税を防ぐ調整がなされている。

補足みなし課税をした市町村は、その者が他市町村の住民基本台帳に記録されていることを知ったときは、その旨を当該他市町村に通知する(294条3項後段)。市町村間の調整により二重課税を回避する。

15住民税の用語の対比(均等割・所得割)

住民税の用語に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 所得割とは、法人税額を課税標準として課する道府県民税をいう。
  • 均等割とは、所得の額に応じて課する市町村民税をいう。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
所得割は所得により課する → 『法人税額を課税標準』は誤り

地方税法第23条所得割所得により課する道府県民税をいうe-Gov原文

誤り
均等割は均等の額により課する → 『所得の額に応じて』は誤り

地方税法第292条均等割均等の額により課する市町村民税をいうe-Gov原文

ひっかけ均等割=均等の額、所得割=所得、法人税割=法人税額。3つの『割』の課税標準を取り違えない(23条・292条)。

解説住民税の課税方式を表す用語は、課税標準で区別される。均等割は均等の額により課する(所得の多寡によらない一定額)、所得割は所得により課する、法人税割は法人税額を課税標準として課する(道府県民税23条、市町村民税292条)。「均等割=均等の額」「所得割=所得」「法人税割=法人税額」という対応を取り違えると誤りになる。それぞれの『割』が何を基準に課されるかを正確に押さえる。

補足これらの用語は道府県民税(23条)と市町村民税(292条)で並行して定義されており、内容は同じである。課税団体が違うだけで、均等割・所得割・法人税割の意味は両者で共通する。