ホーム弁理士章別対策>第18
特許法・第18

特許法(審判の手続・再審・審決取消訴訟⑤)の問題(15問)

この章を解く(15問)→

この章で確認する論点

18章では、方式に違反した場合の決定による却下・不適法な審判請求の審決による却下・特許審判における審理の方式・特許審判への参加・特許審判の証拠調べ及び証拠保全を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

特許法を他資格と横断して確認する場合は、知的財産法を学べる資格と無料問題も使えます。

問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年7月時点の法令に準拠
1方式に違反した場合の決定による却下

特許の審判及び審決取消訴訟に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 審判長は、請求書が第百三十一条の規定に違反しているときは、請求人に対し、相当の期間を指定して、請求書について補正をすべきことを命じなければならない。
  • 裁判所は、審決取消訴訟の提起があつた場合において、当該請求を理由があると認めるときは、当該審決又は決定を取り消さなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
133条1項のとおり → 正しい

特許法第133条請求書について補正をすべきことを命じなければならないe-Gov原文

正しい
181条1項のとおり → 正しい

特許法第181条当該審決又は決定を取り消さなければならないe-Gov原文

ひっかけ請求書が方式に違反するときは審判長が『補正を命じなければならない』。裁判所は請求に理由があれば審決を『取り消さなければならない』(133条・181条)。

解説審判長は、請求書が131条(審判請求の方式)の規定に違反しているときは、請求人に相当の期間を指定して補正を命じなければならない(133条1項)。方式違反は直ちに却下せず補正の機会を与える。方式に違反した場合の決定による却下を押さえる。

補足方式違反の請求書はまず補正命令が発せられ、補正されないと決定で却下される(133条3項)。不適法で補正不能な請求は審決で却下される(135条)。

2不適法な審判請求の審決による却下

不適法な審判請求の審決による却下及び方式違反の補正命令に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 不適法な審判の請求であつて、その補正をすることができないものについては、被請求人に答弁書を提出する機会を与えないで、審決をもつてこれを却下することができる。
  • 審判長は、請求書が第百三十一条の規定に違反しているときであつても、請求人に対し、補正を命ずることを要しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
135条のとおり → 正しい

特許法第135条被請求人に答弁書を提出する機会を与えないで、審決をもつてこれを却下することができるe-Gov原文

誤り
補正を命じなければならない → 『命ずることを要しない』は誤り

特許法第133条請求書について補正をすべきことを命じなければならないe-Gov原文

ひっかけ補正不能な不適法審判請求は答弁書の機会を与えず『審決で却下』できる。方式違反は『補正を命じなければならない』(135条・133条)。

解説不適法な審判の請求であって、その補正をすることができないものについては、被請求人に答弁書を提出する機会を与えないで、審決をもってこれを却下することができる(135条)。補正できない不適法な請求(利害関係を欠く等)は本案審理せず却下する。不適法な審判請求の審決による却下を押さえる。

補足補正不能な不適法請求は答弁の機会を与えず審決で却下できる(135条)。補正可能な方式違反は補正命令(133条)を経る点で区別される。

3特許審判における審理の方式

特許審判における審理の方式及び審決取消訴訟の被告適格に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許無効審判及び延長登録無効審判は口頭審理により、これら以外の審判は書面審理による。ただし、いずれも申立て又は職権で他方の方式によるものとすることができる。
  • 審決取消訴訟においては、原則として特許庁長官を被告としなければならないが、特許無効審判等に対するものにあつては、その審判の請求人又は被請求人を被告としなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
145条のとおり → 正しい

特許法第145条特許無効審判及び延長登録無効審判は、口頭審理によるe-Gov原文

正しい
179条のとおり → 正しい

特許法第179条前条第一項の訴えにおいては、特許庁長官を被告としなければならないe-Gov原文

ひっかけ無効審判等は『口頭審理』・その他は『書面審理』が原則。審決取消訴訟は原則『特許庁長官』が被告・無効審判等は『審判の当事者』が被告(145条・179条)。

解説特許無効審判及び延長登録無効審判は口頭審理による(145条1項本文)。これら以外の審判(拒絶査定不服審判・訂正審判等)は書面審理による(同条2項本文)。いずれも申立て又は職権で他方の方式によることができる。特許審判における審理の方式を押さえる。

補足当事者系審判(無効審判等)は口頭審理、査定系審判(拒絶査定不服審判等)は書面審理が原則である。当事者の攻撃防御の必要性の違いによる。

4特許審判への参加

特許審判への参加及び不適法な審判請求の却下に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 共同して審判を請求することができる者は、審理の終結に至るまでは、請求人としてその審判に参加することができる。
  • 不適法な審判の請求でその補正をすることができないものについても、必ず被請求人に答弁書を提出する機会を与えなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
148条1項のとおり → 正しい

特許法第148条審理の終結に至るまでは、請求人としてその審判に参加することができるe-Gov原文

誤り
答弁書の機会を与えないで却下できる → 『必ず機会を与えなければならない』は誤り

特許法第135条被請求人に答弁書を提出する機会を与えないで、審決をもつてこれを却下することができるe-Gov原文

ひっかけ共同審判請求できる者は審理終結まで『請求人として参加』できる。補正不能な不適法請求は答弁書の機会を与えず『却下』できる(148条・135条)。

解説共同して審判を請求することができる者は、審理の終結に至るまでは請求人としてその審判に参加することができる(148条1項、当事者参加)。参加人は被参加人が請求を取り下げた後も審判手続を続行できる(同条2項)。特許審判への参加を押さえる。

補足審判への参加には、共同請求人適格者による当事者参加(148条1項)と、利害関係人による補助参加(同条3項)がある。当事者参加人は独立して手続を続行できる。

5特許審判の証拠調べ及び証拠保全

特許審判の証拠調べ及び証拠保全並びに再審の請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 審判に関しては、当事者若しくは参加人の申立てにより又は職権で、証拠調べをすることができる。
  • 確定した取消決定及び確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
150条1項のとおり → 正しい

特許法第150条当事者若しくは参加人の申立により又は職権で、証拠調をすることができるe-Gov原文

正しい
171条1項のとおり → 正しい

特許法第171条確定した取消決定及び確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができるe-Gov原文

ひっかけ審判の証拠調べは『申立て又は職権』でできる。確定した取消決定・確定審決には当事者・参加人が『再審』を請求できる(150条・171条)。

解説審判に関しては、当事者若しくは参加人の申立てにより又は職権で、証拠調べをすることができる(150条1項、職権証拠調べ)。証拠保全も同様にできる(同条2項)。特許審判の証拠調べ及び証拠保全を押さえる。

補足審判は職権探知主義を採り、当事者の申立てがなくても職権で証拠調べ・証拠保全ができる(150条)。民事訴訟の弁論主義と異なる。

6特許審判における職権審理

特許審判における職権審理及び審判への参加に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 審判においては、当事者又は参加人が申し立てない理由についても審理することができるが、請求人が申し立てない請求の趣旨については審理することができない。
  • 共同して審判を請求することができる者であつても、請求人としてその審判に参加することはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
153条のとおり → 正しい

特許法第153条当事者又は参加人が申し立てない理由についても、審理することができるe-Gov原文

誤り
請求人として参加できる → 『参加することはできない』は誤り

特許法第148条審理の終結に至るまでは、請求人としてその審判に参加することができるe-Gov原文

ひっかけ審判では申し立てない『理由』は審理できる(職権審理)が、申し立てない『請求の趣旨』は審理できない。共同審判請求適格者は『参加』できる(153条・148条)。

解説審判においては、当事者又は参加人が申し立てない理由についても審理することができる(153条1項、職権審理主義)。ただし請求人が申し立てない請求の趣旨については審理できない(同条3項、不告不理の原則)。特許審判における職権審理を押さえる。

補足審判は職権審理主義により申立てない理由も審理できるが、その場合は当事者に意見申立ての機会を与える(153条2項)。請求の趣旨(審理対象)を超える審理はできない。

7特許審判の請求の取下げ

特許審判の請求の取下げに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 審判の請求は、第百三十四条第一項の答弁書の提出があつた後は、相手方の承諾を得なくても、取り下げることができる。
  • 審判の請求は、審決が確定するまでは取り下げることができるが、答弁書の提出があつた後は、相手方の承諾を得なければ取り下げることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
承諾を得なければ取り下げられない → 『承諾を得なくても取り下げられる』は誤り

特許法第155条相手方の承諾を得なければ、取り下げることができないe-Gov原文

正しい
155条のとおり → 正しい

特許法第155条審判の請求は、審決が確定するまでは、取り下げることができるe-Gov原文

ひっかけ審判請求は審決確定まで取下げ可だが、『答弁書の提出後』は相手方の承諾が必要(155条)。

解説審判の請求は、審決が確定するまでは取り下げることができる(155条1項)。ただし答弁書の提出があった後は、相手方の承諾を得なければ取り下げることができない(同条2項。相手方の応訴の利益を保護)。特許審判の請求の取下げを押さえる。

補足答弁書提出後の取下げに相手方の承諾を要するのは、相手方の権利確定への期待を保護するためである。請求項ごとの取下げも可能である(155条3項)。

8特許審判の審理の終結の通知

特許審判の審理の終結の通知に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 審判長は、特許無効審判以外の審判において、事件が審決をするのに熟したときであつても、審理の終結を通知することを要しない。
  • 審判長は、特許無効審判以外の審判においては、事件が審決をするのに熟したときは、審理の終結を当事者及び参加人に通知しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
審理の終結を通知しなければならない → 『通知することを要しない』は誤り

特許法第156条審理の終結を当事者及び参加人に通知しなければならないe-Gov原文

正しい
156条1項のとおり → 正しい

特許法第156条審理の終結を当事者及び参加人に通知しなければならないe-Gov原文

ひっかけ審決に熟したときは審判長が『審理の終結』を当事者・参加人に通知する(156条)。

解説審判長は、特許無効審判以外の審判においては、事件が審決をするのに熟したときは、審理の終結を当事者及び参加人に通知しなければならない(156条1項)。審理終結の通知後は原則として新たな主張立証はできず、審決がされる。特許審判の審理の終結の通知を押さえる。

補足審理終結の通知は審決の前段階で、以後の攻撃防御を締め切る意味を持つ。特許無効審判では審決の予告制度(164条の2)との関係で通知の要件が異なる。

9特許審判における費用の負担

特許審判における費用の負担に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許無効審判及び延長登録無効審判に関する費用の負担は、常に当事者の申立てによって定めなければならない。
  • 特許無効審判及び延長登録無効審判に関する費用の負担は、審判が審決により終了するときはその審決をもつて、審判が審決によらないで終了するときは審判による決定をもつて、職権で、定めなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
職権で定める → 『常に当事者の申立てによって定める』は誤り

特許法第169条職権で、定めなければならないe-Gov原文

正しい
169条1項のとおり → 正しい

特許法第169条審判が審決により終了するときはその審決をもつて、審判が審決によらないで終了するときは審判による決定をもつて、職権で、定めなければならないe-Gov原文

ひっかけ無効審判等の費用の負担は審決又は決定をもって『職権で』定める(169条)。

解説特許無効審判及び延長登録無効審判に関する費用の負担は、審判が審決により終了するときはその審決をもって、審決によらないで終了するときは審判による決定をもって、職権で定めなければならない(169条1項)。当事者系審判では敗訴当事者が費用を負担する。特許審判における費用の負担を押さえる。

補足費用負担の定めは当事者系審判(無効審判等)で問題となり、査定系審判(拒絶査定不服審判等)では請求人が自己の費用を負担する(169条3項)。

10特許法の再審の請求

特許法の再審の請求及び審理の方式に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 確定した取消決定及び確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができる。
  • 特許無効審判及び延長登録無効審判は、口頭審理による。ただし、審判長は、当事者若しくは参加人の申立てにより又は職権で、書面審理によるものとすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
171条1項のとおり → 正しい

特許法第171条確定した取消決定及び確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができるe-Gov原文

正しい
145条1項のとおり → 正しい

特許法第145条特許無効審判及び延長登録無効審判は、口頭審理によるe-Gov原文

ひっかけ確定した取消決定・確定審決には当事者・参加人が『再審』を請求できる。無効審判等は『口頭審理』が原則(171条・145条)。

解説確定した取消決定及び確定審決に対しては、当事者又は参加人は再審を請求することができる(171条1項)。再審の事由は民事訴訟法338条1項・2項等が準用される(同条2項)。特許法の再審の請求を押さえる。

補足再審は確定した審決等の重大な瑕疵を是正する非常の不服申立てである。詐害審決に対する第三者の再審請求(171条の2)もある。

11特許法の再審の請求期間

特許法の再審の請求期間及び証拠調べに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 再審は、請求人が取消決定又は審決が確定した後再審の理由を知つた日から三十日以内に請求しなければならない。
  • 審判に関しては、当事者の申立てがなければ、職権で証拠調べをすることはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
173条1項のとおり → 正しい

特許法第173条再審の理由を知つた日から三十日以内に請求しなければならないe-Gov原文

誤り
職権で証拠調べできる → 『職権でできない』は誤り

特許法第150条当事者若しくは参加人の申立により又は職権で、証拠調をすることができるe-Gov原文

ひっかけ再審は再審の理由を知った日から『30日以内』に請求する。審判の証拠調べは『職権』でもできる(173条・150条)。

解説再審は、請求人が取消決定又は審決が確定した後再審の理由を知った日から30日以内に請求しなければならない(173条1項)。責めに帰することができない理由で期間内に請求できないときは、その理由がなくなった日から所定の期間内で請求できる(同条2項)。特許法の再審の請求期間を押さえる。

補足再審の請求期間は再審の理由を知った日から30日以内である。ただし取消決定・審決の確定後3年(172条)を経過すると原則として請求できない。

12再審により回復した特許権の効力の制限

再審により回復した特許権の効力の制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 無効にした特許に係る特許権が再審により回復した場合には、その特許権の効力は制限されることなく、回復前の実施にも及ぶ。
  • 無効にした特許に係る特許権等が再審により回復した場合において、その特許が物の発明についてされているとき等は、特許権の効力が所定の範囲で制限される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
効力が制限される → 『制限されることなく回復前の実施にも及ぶ』は誤り

特許法第175条無効にした特許に係る特許権若しくは無効にした存続期間の延長登録に係る特許権が再審により回復した場合e-Gov原文

正しい
175条のとおり → 正しい

特許法第175条無効にした特許に係る特許権若しくは無効にした存続期間の延長登録に係る特許権が再審により回復した場合e-Gov原文

ひっかけ再審により回復した特許権の効力は所定の範囲で『制限される』(回復前の善意の実施等を保護)(175条)。

解説取り消し・無効にした特許に係る特許権が再審により回復した場合等において、その特許が物の発明についてされているときは、当該取消決定・審決の確定後再審請求の登録前に善意に輸入・製造等をした物には特許権の効力が及ばない等、特許権の効力が所定の範囲で制限される(175条)。再審により回復した特許権の効力の制限を押さえる。

補足いったん消滅した特許権が再審で回復した場合、消滅を信頼して実施した善意の第三者を保護するため、回復した特許権の効力が制限される。

13再審の請求の登録前の善意実施による通常実施権

再審の請求の登録前の善意実施による通常実施権及び再審の請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 取消決定又は審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に日本国内において当該発明の実施である事業をしている者であつても、通常実施権を有しない。
  • 確定した取消決定及び確定審決に対しては、再審を請求することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
善意の実施者は通常実施権を有する → 『有しない』は誤り

特許法第176条当該取消決定又は審決が確定した後再審の請求の登録前に善意にe-Gov原文

誤り
再審を請求できる → 『請求することができない』は誤り

特許法第171条確定した取消決定及び確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができるe-Gov原文

ひっかけ確定後再審請求の登録前に善意で実施事業をしている者は『通常実施権』を有する(中用権類似)。確定した取消決定・審決には『再審』を請求できる(176条・171条)。

解説取り消し・無効にした特許に係る特許権等が再審により回復した場合等において、当該取消決定・審決の確定後再審請求の登録前に善意に日本国内において当該発明の実施である事業をしている者又はその準備をしている者は、その実施等の範囲内で通常実施権を有する(176条、中用権類似の法定通常実施権)。再審の請求の登録前の善意実施による通常実施権を押さえる。

補足特許権が消滅したと信頼して善意で実施していた者は、再審で特許権が回復しても法定通常実施権により保護される(176条)。無効審判請求登録前の中用権(80条)に類似する。

14審決取消訴訟の被告適格

審決取消訴訟の被告適格及び証拠調べに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 審決取消訴訟においては、特許無効審判に対するものであつても、いかなる場合も特許庁長官を被告としなければならない。
  • 審判に関しては、証拠調べをすることはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
無効審判等は審判の当事者が被告 → 『いかなる場合も特許庁長官を被告』は誤り

特許法第179条前条第一項の訴えにおいては、特許庁長官を被告としなければならないe-Gov原文

誤り
証拠調べをすることができる → 『することはできない』は誤り

特許法第150条当事者若しくは参加人の申立により又は職権で、証拠調をすることができるe-Gov原文

ひっかけ審決取消訴訟は原則『特許庁長官』が被告だが、無効審判等に対するものは『審判の当事者』(請求人又は被請求人)が被告(179条)。

解説審決取消訴訟においては、特許庁長官を被告としなければならない(179条本文)。ただし特許無効審判・延長登録無効審判又はこれらの確定審決に対する再審の審決に対するものは、その審判又は再審の請求人又は被請求人を被告としなければならない(同条ただし書)。審決取消訴訟の被告適格を押さえる。

補足査定系審判(拒絶査定不服審判等)の審決取消訴訟は特許庁長官が被告、当事者系審判(無効審判等)は相手方当事者が被告となる。

15審決又は決定の取消し

審決又は決定の取消し及び方式違反の補正命令に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 裁判所は、審決取消訴訟の提起があつた場合において、当該請求を理由があると認めるときであつても、当該審決又は決定を取り消すことを要しない。
  • 審判長は、請求書が第百三十一条の規定に違反しているときであつても、補正を命ずることなく、直ちに請求を却下しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
取り消さなければならない → 『取り消すことを要しない』は誤り

特許法第181条当該審決又は決定を取り消さなければならないe-Gov原文

誤り
補正を命じなければならない → 『補正を命ずることなく直ちに却下する』は誤り

特許法第133条請求書について補正をすべきことを命じなければならないe-Gov原文

ひっかけ裁判所は請求に理由があれば審決を『取り消さなければならない』(取消後は審判官が更に審理)。方式違反はまず『補正を命ずる』(181条・133条)。

解説裁判所は、審決取消訴訟の提起があった場合において、当該請求を理由があると認めるときは、当該審決又は決定を取り消さなければならない(181条1項)。取消判決が確定したときは、審判官が更に審理を行い審決又は決定をする(同条2項、取消判決の拘束力)。審決又は決定の取消しを押さえる。

補足審決取消訴訟で取消判決が確定すると、審判官は更に審理を行う(181条2項)。取消判決の判断は審判官を拘束する(行政事件訴訟法33条)。