問1意匠登録を受けることができない意匠
意匠法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある意匠、他人の業務に係る物品等と混同を生ずるおそれがある意匠等については、意匠登録を受けることができない。
- イ.期間及び期日に関する特許法第三条から第五条までの規定は、意匠法に規定する期間及び期日に準用する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 5条のとおり → 正しい
意匠法第5条「次に掲げる意匠については、第三条の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 68条のとおり → 正しい
意匠法第68条「特許法第三条から第五条まで(期間及び期日)の規定は、この法律に規定する期間及び期日に準用する」e-Gov原文
ひっかけ公序良俗違反・混同・機能不可欠形状のみの意匠は登録を『受けられない』。期間期日の特許法の規定は意匠法に『準用』(5条・68条)。
解説公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある意匠、他人の業務に係る物品・建築物・画像と混同を生ずるおそれがある意匠、物品の機能を確保するために不可欠な形状のみからなる意匠等については、3条の要件を満たしても意匠登録を受けることができない(5条、不登録事由)。意匠登録を受けることができない意匠を押さえる。
補足意匠の不登録事由(5条)は特許法32条(不特許事由)に対応する。機能確保に不可欠な形状のみの意匠は保護すると技術独占を招くため除外される。
問2意匠の審査官による審査
意匠の審査官による審査及び登録を受けられない意匠に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.特許庁長官は、審査官に意匠登録出願を審査させなければならない。
- イ.公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある意匠であつても、新規性・創作非容易性があれば意匠登録を受けることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 16条のとおり → 正しい
意匠法第16条「特許庁長官は、審査官に意匠登録出願を審査させなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 登録を受けられない → 『新規性創作非容易性があれば受けられる』は誤り
意匠法第5条「次に掲げる意匠については、第三条の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができない」e-Gov原文
ひっかけ特許庁長官は審査官に意匠登録出願を『審査させる』(審査主義)。公序良俗違反等の意匠は登録を『受けられない』(16条・5条)。
解説特許庁長官は、審査官に意匠登録出願を審査させなければならない(16条)。意匠は特許・商標と同様に実体審査を経て登録される(審査主義。無審査の実用新案と異なる)。意匠の審査官による審査を押さえる。
補足意匠は実体審査(審査主義)を経て登録される。審査官が新規性・創作非容易性・不登録事由等を審査し、拒絶理由がなければ登録査定となる。
問3意匠の拒絶の査定
意匠の拒絶の査定及び登録料の納付期限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.審査官は、意匠登録出願が所定の拒絶理由のいずれかに該当するときは、その意匠登録出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。
- イ.第一年分の登録料は、意匠登録をすべき旨の査定又は審決の謄本の送達があつた日から三十日以内に納付しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 17条のとおり → 正しい
意匠法第17条「拒絶をすべき旨の査定をしなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 43条1項のとおり → 正しい
意匠法第43条「査定又は審決の謄本の送達があつた日から三十日以内に納付しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ所定の拒絶理由に該当するとき審査官は『拒絶査定をしなければならない』。第一年分の登録料は謄本送達日から『30日以内』(17条・43条)。
解説審査官は、意匠登録出願が3条・5条・9条等の所定の拒絶理由のいずれかに該当するときは、その意匠登録出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない(17条)。意匠の拒絶の査定を押さえる。
補足意匠の拒絶査定に先立ち、審査官は拒絶理由を通知し意見書提出の機会を与える(19条で特許法50条を準用)。拒絶査定に不服なら拒絶査定不服審判を請求できる(46条)。
問4意匠登録の査定
意匠登録の査定及び審査官による審査に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.審査官は、意匠登録出願について拒絶の理由を発見しないときは、意匠登録をすべき旨の査定をしなければならない。
- イ.意匠登録出願の審査は、特許庁長官が自ら行い、審査官に審査させることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 18条のとおり → 正しい
意匠法第18条「意匠登録をすべき旨の査定をしなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 審査官に審査させなければならない → 『審査官に審査させることはできない』は誤り
意匠法第16条「特許庁長官は、審査官に意匠登録出願を審査させなければならない」e-Gov原文
ひっかけ拒絶理由を発見しないとき審査官は『登録査定をしなければならない』。審査は『審査官』が行う(18条・16条)。
解説審査官は、意匠登録出願について拒絶の理由を発見しないときは、意匠登録をすべき旨の査定をしなければならない(18条)。意匠登録の査定を押さえる。
補足登録査定後、出願人が第一年分の登録料を納付すると意匠権の設定登録がされ意匠権が発生する(20条)。
問5意匠の無効審判の請求登録前の実施による通常実施権
意匠の無効審判の請求登録前の実施による通常実施権及び無効審決確定の効果に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.所定の者であつて、意匠登録無効審判の請求の登録前に、意匠登録が無効事由に該当することを知らないで日本国内において当該意匠又はこれに類似する意匠の実施である事業をしている者等は、所定の範囲内で通常実施権を有する。
- イ.意匠登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、意匠権は、初めから存在しなかつたものとみなす。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 30条のとおり → 正しい
意匠法第30条「意匠登録が第四十八条第一項各号のいずれかに該当することを知らないで、日本国内において当該意匠又はこれに類似する意匠の実施である事業をしているもの又はその事業の準備をしているもの」e-Gov原文
- イ.正しい
- 49条のとおり → 正しい
意匠法第49条「意匠権は、初めから存在しなかつたものとみなす」e-Gov原文
ひっかけ無効審判の請求登録前の善意実施者は『中用権』を有する。無効審決確定により意匠権は『初めから存在しなかった』ものとみなす(30条・49条)。
解説所定の者であって、意匠登録無効審判の請求の登録前に、意匠登録が無効事由に該当することを知らないで日本国内において当該意匠又はこれに類似する意匠の実施である事業をしている者又はその準備をしている者は、その実施・準備をしている意匠及び事業の目的の範囲内で通常実施権を有する(30条、中用権)。無効審判の請求登録前の実施による通常実施権を押さえる。
補足意匠の中用権(30条)は特許法80条に対応する。無効審判の請求登録前に善意で実施していた者を保護する法定通常実施権である。
問6意匠権等の存続期間満了後の通常実施権(原意匠権者)
意匠権等の存続期間満了後の通常実施権及び拒絶の査定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.出願日前又は同日の意匠登録出願に係る意匠権のうち登録意匠に類似する意匠に係る部分が後の意匠権と抵触する場合において、その意匠権の存続期間が満了したときは、その原意匠権者は、原意匠権の範囲内において通常実施権を有する。
- イ.審査官は、意匠登録出願が所定の拒絶理由に該当するときであつても、拒絶をすべき旨の査定をすることを要しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 31条1項のとおり → 正しい
意匠法第31条「その意匠権の存続期間が満了したときは、その原意匠権者は、原意匠権の範囲内において」e-Gov原文
- イ.誤り
- 拒絶査定をしなければならない → 『査定をすることを要しない』は誤り
意匠法第17条「拒絶をすべき旨の査定をしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ抵触する先の意匠権の存続期間満了後、原意匠権者は原意匠権の範囲内で『通常実施権』を有する。拒絶理由該当時は『拒絶査定』(31条・17条)。
解説出願日前又は同日の意匠登録出願に係る意匠権のうち登録意匠に類似する意匠に係る部分が後の意匠権と抵触する場合において、その意匠権の存続期間が満了したときは、その原意匠権者は原意匠権の範囲内において当該意匠権又は専用実施権について通常実施権を有する(31条1項、法定通常実施権)。意匠権等の存続期間満了後の通常実施権を押さえる。
補足意匠権の存続期間満了後の通常実施権(31条)は、先の意匠権が満了しても後の抵触する意匠権により実施できなくなる不都合を防ぐ。特許法81条・82条に対応する。
問7意匠権等の存続期間満了後の通常実施権(専用実施権者等)
意匠権等の存続期間満了後の専用実施権者等の通常実施権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.抵触する先の意匠権の存続期間が満了したときであつても、その満了の際に存する専用実施権者等は、原権利の範囲内において通常実施権を有しない。
- イ.抵触する先の意匠権の存続期間が満了したときは、その満了の際に現にその存続期間が満了した意匠権についての専用実施権又は通常実施権を有する者は、原権利の範囲内において通常実施権を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 通常実施権を有する → 『有しない』は誤り
意匠法第32条「専用実施権又はその意匠権若しくは専用実施権についての通常実施権を有する者は、原権利の範囲内において」e-Gov原文
- イ.正しい
- 32条のとおり → 正しい
意匠法第32条「専用実施権又はその意匠権若しくは専用実施権についての通常実施権を有する者は、原権利の範囲内において」e-Gov原文
ひっかけ存続期間満了後、その際に存する『専用実施権者等』も原権利の範囲内で通常実施権を有する(32条)。
解説抵触する先の意匠権の存続期間が満了したときは、その満了の際に現にその存続期間が満了した意匠権についての専用実施権又はその意匠権・専用実施権についての通常実施権を有する者は、原権利の範囲内において当該意匠権又はその満了の際に存する専用実施権について通常実施権を有する(32条)。存続期間満了後の専用実施権者等の通常実施権を押さえる。
補足31条が原意匠権者を、32条がその際に存する専用実施権者・通常実施権者を保護する。いずれも先の意匠権満了後の実施の継続を認める法定通常実施権である。
問8意匠の登録料
意匠の登録料に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠権の設定の登録を受ける者は、登録料を納付することを要しない。
- イ.意匠権の設定の登録を受ける者又は意匠権者は、登録料として、存続期間の満了までの各年について、所定の額を納付しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 登録料を納付する → 『納付することを要しない』は誤り
意匠法第42条「意匠権の設定の登録を受ける者又は意匠権者は、登録料として」e-Gov原文
- イ.正しい
- 42条1項のとおり → 正しい
意匠法第42条「意匠権の設定の登録を受ける者又は意匠権者は、登録料として」e-Gov原文
ひっかけ意匠権の設定登録を受ける者又は意匠権者は、各年について『登録料を納付』する(42条)。
解説意匠権の設定の登録を受ける者又は意匠権者は、登録料として、存続期間の満了までの各年について、一件ごとに所定の額を納付しなければならない(42条1項。国に属する意匠権には適用しない)。意匠の登録料を押さえる。
補足意匠の登録料は各年ごとに納付する(毎年)。特許のような請求項単位ではなく一件単位である。国に属する意匠権は登録料が不要である(42条2項)。
問9意匠における既納の登録料の返還
意匠における既納の登録料の返還に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.既納の特許料の返還に関する特許法の規定は、意匠の登録料には準用されない。
- イ.既納の特許料の返還に関する特許法第百十一条の規定は、意匠の登録料に準用される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 意匠の登録料に準用される → 『準用されない』は誤り
意匠法第45条「特許法第百十一条第一項(第三号を除く。)から第三項まで(既納の特許料の返還)の規定は、登録料に準用する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 45条のとおり → 正しい
意匠法第45条「特許法第百十一条第一項(第三号を除く。)から第三項まで(既納の特許料の返還)の規定は、登録料に準用する」e-Gov原文
ひっかけ既納の特許料の返還に関する特許法の規定は、意匠の登録料に『準用』される(45条)。
解説特許法111条1項(3号を除く)から3項まで(既納の特許料の返還)の規定は、意匠の登録料に準用する(45条)。過誤納の登録料等は所定の期間内に請求すれば返還される。意匠における既納の登録料の返還を押さえる。
補足意匠法は登録料・審判・訴訟等の多くの規定で特許法を準用する。既納の特許料の返還(特許法111条)も意匠の登録料に準用される。
問10意匠の登録料の納付期限
意匠の登録料の納付期限及び審査官による審査に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.第一年分の登録料は、意匠登録をすべき旨の査定又は審決の謄本の送達があつた日から三十日以内に納付しなければならない。
- イ.特許庁長官は、審査官に意匠登録出願を審査させなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 43条1項のとおり → 正しい
意匠法第43条「査定又は審決の謄本の送達があつた日から三十日以内に納付しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 16条のとおり → 正しい
意匠法第16条「特許庁長官は、審査官に意匠登録出願を審査させなければならない」e-Gov原文
ひっかけ第一年分の登録料は謄本送達日から『30日以内』(請求により30日を限り延長可)。第二年以後は『前年以前』に納付(43条)。
解説第一年分の登録料は、意匠登録をすべき旨の査定又は審決の謄本の送達があった日から30日以内に納付しなければならない(43条1項)。第二年以後の各年分の登録料は前年以前に納付する(同条2項)。意匠の登録料の納付期限を押さえる。
補足意匠の登録料は毎年納付が必要である。第一年分は30日以内、第二年以後は前年以前に納付する。納付を怠ると意匠権が消滅しうる。
問11意匠の補正却下決定不服審判
意匠の補正却下決定不服審判及び無効審判の請求登録前の実施による通常実施権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.補正の却下の決定を受けた者は、その決定に不服があるときは、その決定の謄本の送達があつた日から三月以内に補正却下決定不服審判を請求することができる。
- イ.意匠登録無効審判の請求の登録前に、意匠登録が無効事由に該当することを知らないで当該意匠の実施である事業をしている者であつても、通常実施権を有しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 47条1項のとおり → 正しい
意匠法第47条「その決定の謄本の送達があつた日から三月以内に補正却下決定不服審判を請求することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 善意実施者は中用権を有する → 『通常実施権を有しない』は誤り
意匠法第30条「意匠登録が第四十八条第一項各号のいずれかに該当することを知らないで、日本国内において当該意匠又はこれに類似する意匠の実施である事業をしているもの又はその事業の準備をしているもの」e-Gov原文
ひっかけ補正却下の決定に不服の者は決定謄本送達日から『3月以内』に補正却下決定不服審判を請求できる。無効審判請求登録前の善意実施者は『中用権』を有する(47条・30条)。
解説17条の2第1項の補正却下の決定を受けた者は、その決定に不服があるときは、決定謄本の送達があった日から3月以内に補正却下決定不服審判を請求できる(47条1項。ただし補正却下後の新出願をしたときを除く)。意匠の補正却下決定不服審判を押さえる。
補足意匠には補正却下決定不服審判(47条)があり、拒絶査定不服審判(46条)と並ぶ査定系審判である。特許・商標には補正却下決定不服審判はない(意匠特有)。
問12意匠登録の無効審決確定の効果
意匠登録の無効審決確定の効果に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、意匠権は、審決確定の時から存在しなかつたものとみなす。
- イ.意匠登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、意匠権は、初めから存在しなかつたものとみなす(後発的無効事由の場合を除く)。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 初めから存在しなかつたものとみなす → 『審決確定の時から存在しなかつたものとみなす』は誤り
意匠法第49条「意匠権は、初めから存在しなかつたものとみなす」e-Gov原文
- イ.正しい
- 49条のとおり → 正しい
意匠法第49条「意匠権は、初めから存在しなかつたものとみなす」e-Gov原文
ひっかけ無効審決確定により意匠権は『初めから存在しなかった』ものとみなす(後発的無効事由は該当時から)(49条)。
解説意匠登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、意匠権は初めから存在しなかったものとみなす(49条本文、遡及効)。ただし後発的無効事由(48条1項4号)に該当する場合は、その事由に該当するに至った時から存在しなかったものとみなす(同条ただし書)。意匠登録の無効審決確定の効果を押さえる。
補足無効審決には遡及効があり、原則として意匠権は初めからなかったことになる。ただし条約違反等の後発的無効事由の場合は該当時からの遡及にとどまる。特許法125条に対応する。
問13意匠の審査に関する規定の拒絶査定不服審判への準用
意匠の審査に関する規定の拒絶査定不服審判への準用及び登録を受けられない意匠に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.補正の却下及び補正却下後の新出願に関する規定は、拒絶査定不服審判には準用されない。
- イ.公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある意匠であつても、意匠登録を受けることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 拒絶査定不服審判に準用される → 『準用されない』は誤り
意匠法第50条「第十七条の二及び第十七条の三の規定は、拒絶査定不服審判に準用する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 登録を受けられない → 『受けることができる』は誤り
意匠法第5条「次に掲げる意匠については、第三条の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができない」e-Gov原文
ひっかけ補正の却下・補正却下後の新出願の規定は拒絶査定不服審判に『準用』される。公序良俗違反等の意匠は登録を『受けられない』(50条・5条)。
解説補正の却下(17条の2)及び補正却下後の新出願(17条の3)の規定は、拒絶査定不服審判に準用する(50条。この場合「三月」を「三十日」等と読み替える)。拒絶査定不服審判の請求と同時にした補正が却下されうる。意匠の審査に関する規定の拒絶査定不服審判への準用を押さえる。
補足拒絶査定不服審判でも補正却下(50条で17条の2を準用)ができる。審判段階での補正の適否を審判官が判断する仕組みである。
問14意匠の審判に関する特許法の準用
意匠の審判に関する特許法の準用及び意匠登録の査定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.審判の請求、審判官、審判の手続、訴訟との関係等に関する特許法の規定は、意匠登録無効審判等には準用されない。
- イ.審査官は、意匠登録出願について拒絶の理由を発見しないときであつても、意匠登録をすべき旨の査定をしてはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 意匠の審判に準用される → 『準用されない』は誤り
意匠法第52条「特許法第百三十一条第一項及び第二項、第百三十一条の二」e-Gov原文
- イ.誤り
- 登録査定をしなければならない → 『査定をしてはならない』は誤り
意匠法第18条「意匠登録をすべき旨の査定をしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ審判の請求・審判官・審判の手続等の特許法の規定は意匠の審判に『準用』される。拒絶理由を発見しなければ『登録査定』(52条・18条)。
解説特許法131条(審判請求の方式)・131条の2から134条まで・135条から154条まで(審判官・審判の手続)・155条・156条・157条・158条等の規定は、意匠登録無効審判・拒絶査定不服審判・補正却下決定不服審判に準用する(52条)。意匠の審判に関する特許法の準用を押さえる。
補足意匠の審判手続は特許法の審判規定を広く準用する。審判請求の方式・審判官・口頭書面審理・審決等の手続が特許法により規律される。
問15意匠の期間及び期日に関する特許法の準用
意匠の期間及び期日に関する特許法の準用及び登録料の納付期限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.期間及び期日に関する特許法の規定は、意匠法に規定する期間及び期日には準用されない。
- イ.第一年分の登録料は、意匠登録をすべき旨の査定又は審決の謄本の送達があつた日から六月以内に納付しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 意匠法に準用される → 『準用されない』は誤り
意匠法第68条「特許法第三条から第五条まで(期間及び期日)の規定は、この法律に規定する期間及び期日に準用する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 30日以内に納付 → 『六月以内に納付』は誤り
意匠法第43条「査定又は審決の謄本の送達があつた日から三十日以内に納付しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ期間及び期日に関する特許法の規定は意匠法に『準用』される。第一年分の登録料は謄本送達日から『30日以内』(68条・43条)。
解説特許法3条から5条まで(期間及び期日)の規定は、意匠法に規定する期間及び期日に準用する(68条)。期間の計算方法・期間の延長・期日の変更等が特許法により規律される。意匠の期間及び期日に関する特許法の準用を押さえる。
補足意匠法は期間・期日の計算等の総則的規定も特許法を準用する。産業財産権法として手続の統一が図られている。