問1履行期と履行遅滞
債務不履行及び解除権の消滅に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務の履行について確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した時から遅滞の責任を負う。
- イ.解除権を有する者が故意若しくは過失によって契約の目的物を著しく損傷し、若しくは返還することができなくなつたとき等は、解除権は、消滅する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 412条1項のとおり → 正しい
民法第412条「その期限の到来した時から遅滞の責任を負う」e-Gov原文
- イ.正しい
- 548条のとおり → 正しい
民法第548条「解除権を有する者が故意若しくは過失によって契約の目的物を著しく損傷し」e-Gov原文
ひっかけ確定期限があるときは『期限到来時』から履行遅滞。解除権者が故意過失で目的物を著しく損傷等すると解除権は『消滅』(412条・548条)。
解説債務の履行について確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した時から遅滞の責任を負う(412条1項)。不確定期限があるときは期限到来後に履行の請求を受けた時又は期限到来を知った時のいずれか早い時から、期限を定めないときは履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う(同条2項・3項)。履行期と履行遅滞を押さえる。
補足履行遅滞の起算点は期限の種類により異なる。マンションの管理委託契約等の債務の履行遅滞の判断に関わる。
問2民法上の履行不能
履行不能及び解除権の消滅に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務の履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして不能であるときは、債権者は、その債務の履行を請求することができない。
- イ.解除権を有する者が故意に契約の目的物を著しく損傷したときであつても、その解除権は消滅しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 412条の2第1項のとおり → 正しい
民法第412条の2「その債務の履行を請求することができない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 解除権は消滅する → 『消滅しない』は誤り
民法第548条「解除権を有する者が故意若しくは過失によって契約の目的物を著しく損傷し」e-Gov原文
ひっかけ履行が『社会通念に照らして不能』なら債権者は履行を請求できない。解除権者が故意過失で目的物を著しく損傷等すると解除権は『消滅』(412条の2・548条)。
解説債務の履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして不能であるときは、債権者は、その債務の履行を請求することができない(412条の2第1項)。民法上の履行不能を押さえる。
補足履行不能の場合、履行請求はできないが、債務不履行による損害賠償(415条)や契約の解除は可能である。原始的不能(契約成立時に不能)でも損害賠償は妨げられない。
問3民法上の受領遅滞
受領遅滞及び催告による解除権の消滅に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができない場合において、その債務の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、履行の提供をした時からその引渡しをするまで、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、その物を保存すれば足りる。
- イ.解除権の行使について期間の定めがないときは、相手方は、解除権を有する者に対し、相当の期間を定めて確答を催告することができ、その期間内に解除の通知を受けないときは、解除権は、消滅する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 413条1項のとおり → 正しい
民法第413条「自己の財産に対するのと同一の注意をもって、その物を保存すれば足りる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 547条のとおり → 正しい
民法第547条「その期間内に解除の通知を受けないときは、解除権は、消滅する」e-Gov原文
ひっかけ『受領遅滞』では特定物の債務者の注意義務が『自己の財産と同一の注意』に軽減。解除権の相手方は催告して確答なければ解除権を『消滅』させられる(413条・547条)。
解説債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができない場合において、その債務の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、履行の提供をした時からその引渡しをするまで、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、その物を保存すれば足りる(413条1項)。民法上の受領遅滞を押さえる。
補足受領遅滞により債務者の保存義務は善管注意義務から自己の財産と同一の注意義務に軽減され、増加費用は債権者負担となる。
問4履行遅滞中又は受領遅滞中の履行不能と帰責事由
履行遅滞中又は受領遅滞中の履行不能と帰責事由及び受領遅滞に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務者がその債務について遅滞の責任を負つている間に当事者双方の責めに帰することができない事由によつてその債務の履行が不能となつたときは、その履行の不能は、債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなす。
- イ.債権者が特定物の引渡債務の履行を受けることを拒んだ場合であつても、債務者は、その物の引渡しをするまで、善良な管理者の注意をもって保存しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 413条の2第1項のとおり → 正しい
民法第413条の2「その履行の不能は、債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなす」e-Gov原文
- イ.誤り
- 自己の財産と同一の注意で足りる → 『善良な管理者の注意を要する』は誤り
民法第413条「自己の財産に対するのと同一の注意をもって、その物を保存すれば足りる」e-Gov原文
ひっかけ『履行遅滞中』に双方無責で履行不能になると『債務者の帰責事由』とみなす(危険が債務者に移転)。受領遅滞では債務者の注意義務が軽減(413条の2・413条)。
解説債務者がその債務について遅滞の責任を負っている間に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその債務の履行が不能となったときは、その履行の不能は、債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなす(413条の2第1項)。逆に受領遅滞中の履行不能は債権者の帰責事由によるものとみなす(同条2項)。履行遅滞中又は受領遅滞中の履行不能と帰責事由を押さえる。
補足履行遅滞中の履行不能は債務者に、受領遅滞中の履行不能は債権者に帰責されるとみなされ、危険の所在が遅滞の当事者に移る。
問5民法上の履行の強制
履行の強制及び解除の効果に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務者が任意に債務の履行をしないときは、債権者は、民事執行法その他の法令の規定に従い、直接強制、代替執行、間接強制その他の方法による履行の強制を裁判所に請求することができる。
- イ.当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 414条1項のとおり → 正しい
民法第414条「直接強制、代替執行、間接強制その他の方法による履行の強制を裁判所に請求することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 545条1項のとおり → 正しい
民法第545条「各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う」e-Gov原文
ひっかけ任意に履行しないときは『直接強制・代替執行・間接強制』等の履行の強制を裁判所に請求できる。解除の効果は『原状回復義務』(第三者の権利を害せない)(414条・545条)。
解説債務者が任意に債務の履行をしないときは、債権者は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定に従い、直接強制、代替執行、間接強制その他の方法による履行の強制を裁判所に請求することができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときはこの限りでない(414条1項)。民法上の履行の強制を押さえる。
補足履行の強制には直接強制・代替執行・間接強制があり、債務の性質により方法が異なる。解除により契約は遡及的に消滅し原状回復義務が生じるが、解除前の第三者は保護される。
問6民法上の損害賠償の方法
損害賠償の方法及び履行の強制に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める。
- イ.債務者が任意に債務の履行をしないときであつても、債権者は、履行の強制を裁判所に請求することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 417条のとおり → 正しい
民法第417条「損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める」e-Gov原文
- イ.誤り
- 履行の強制を請求できる → 『請求することはできない』は誤り
民法第414条「直接強制、代替執行、間接強制その他の方法による履行の強制を裁判所に請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ損害賠償は別段の意思表示がなければ『金銭賠償』が原則。任意に履行しないときは『履行の強制』を裁判所に請求できる(417条・414条)。
解説損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める(417条、金銭賠償の原則)。民法上の損害賠償の方法を押さえる。
補足損害賠償は原則として金銭で行う(金銭賠償の原則)。当事者の特約があれば原状回復等の方法も可能である。
問7民法上の過失相殺
過失相殺に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務の不履行又はこれによる損害の発生若しくは拡大に関して債権者に過失があつたときであつても、裁判所は、これを考慮して損害賠償の責任及びその額を定めることはできない。
- イ.債務の不履行又はこれによる損害の発生若しくは拡大に関して債権者に過失があつたときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 考慮して責任・額を定める → 『定めることはできない』は誤り
民法第418条「これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める」e-Gov原文
- イ.正しい
- 418条のとおり → 正しい
民法第418条「これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める」e-Gov原文
ひっかけ債務不履行の過失相殺は、債権者に過失があると裁判所が『必ず考慮』して責任・額を定める(不法行為の過失相殺は任意的考慮)(418条)。
解説債務の不履行又はこれによる損害の発生若しくは拡大に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める(418条、過失相殺)。民法上の過失相殺を押さえる。
補足債務不履行の過失相殺(418条)は、債権者に過失があれば裁判所が必ず考慮して責任・額を定める(責任の否定もありうる)。不法行為の過失相殺(722条2項)は額のみの任意的考慮で、責任は否定されない点と異なる。
問8民法上の金銭債務の特則
金銭債務の特則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.金銭の給付を目的とする債務の不履行による損害賠償の額は、常に約定利率によって定め、法定利率によって定めることはない。
- イ.金銭の給付を目的とする債務の不履行による損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 遅滞時の法定利率による(約定利率が超えるとき約定利率) → 『常に約定利率』は誤り
民法第419条「債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める」e-Gov原文
- イ.正しい
- 419条1項のとおり → 正しい
民法第419条「債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める」e-Gov原文
ひっかけ金銭債務の遅延損害金は『遅滞時の法定利率』(約定利率が法定利率を超えるときは約定利率)。債権者は損害の証明を要しない(419条)。
解説金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による(419条1項)。金銭債務の不履行については、債権者は損害の証明を要さず、不可抗力をもって抗弁とすることができない(同条2項・3項)。民法上の金銭債務の特則を押さえる。
補足金銭債務(管理費・修繕積立金等)の遅延損害金は法定利率(又は約定利率)で計算され、債権者は実損害の証明が不要である。管理費滞納の遅延損害金の算定に関わる。
問9民法上の賠償額の予定
賠償額の予定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者が債務の不履行について損害賠償の額を予定したときは、その賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げる。
- イ.当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができ、賠償額の予定は履行の請求又は解除権の行使を妨げず、違約金は賠償額の予定と推定する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 履行の請求又は解除権の行使を妨げない → 『妨げる』は誤り
民法第420条「賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 420条のとおり → 正しい
民法第420条「賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない」e-Gov原文
ひっかけ賠償額の予定は履行の請求・解除権の行使を『妨げない』。『違約金』は賠償額の予定と『推定』(420条)。
解説当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。違約金は、賠償額の予定と推定する(420条)。民法上の賠償額の予定を押さえる。
補足賠償額の予定があると債権者は実損害の証明なしに予定額を請求できる。予定があっても履行請求や解除は妨げられない。違約金は賠償額の予定と推定される。
問10民法上の同時履行の抗弁
同時履行の抗弁及び履行遅滞に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。
- イ.債務の履行について確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した時から遅滞の責任を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- イ.正しい
- 412条1項のとおり → 正しい
民法第412条「その期限の到来した時から遅滞の責任を負う」e-Gov原文
ひっかけ双務契約では相手方が履行を提供するまで自己の履行を拒める(同時履行の抗弁)。ただし相手方の債務が弁済期にないときは拒めない(533条)。
解説双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときはこの限りでない(533条)。民法上の同時履行の抗弁を押さえる。
補足同時履行の抗弁は双務契約の対価的な債務が同時履行の関係にあることに基づく。敷金返還と明渡しの関係等で問題となる(判例上、明渡しが先履行)。
問11民法上の債務者の危険負担等
債務者の危険負担等及び同時履行の抗弁に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなつたときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。
- イ.双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供する前であつても、自己の債務の履行を拒むことはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 536条1項のとおり → 正しい
民法第536条「債権者は、反対給付の履行を拒むことができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 相手方の提供まで拒める → 『提供前でも拒めない』は誤り
ひっかけ双方無責で債務が履行不能になると、債権者は『反対給付の履行を拒める』(債務者主義的な危険負担)。同時履行の抗弁は相手方の提供まで拒める(536条・533条)。
解説当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる(536条1項)。債権者の責めに帰すべき事由によって履行不能となったときは、債権者は反対給付の履行を拒めない(同条2項)。民法上の債務者の危険負担等を押さえる。
補足双方無責の履行不能では債権者が反対給付を拒める(履行拒絶権)。債権者に帰責事由があるときは反対給付を拒めない。改正で危険負担は履行拒絶権構成となった。
問12民法上の解除権の行使
解除権の行使に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.契約又は法律の規定により当事者の一方が解除権を有するときの解除の意思表示は、撤回することができる。
- イ.契約又は法律の規定により当事者の一方が解除権を有するときは、その解除は、相手方に対する意思表示によってし、その意思表示は撤回することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 撤回することができない → 『撤回することができる』は誤り
民法第540条「前項の意思表示は、撤回することができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 540条のとおり → 正しい
民法第540条「前項の意思表示は、撤回することができない」e-Gov原文
ひっかけ解除は『相手方に対する意思表示』でし、その意思表示は『撤回できない』(法律関係の安定)(540条)。
解説契約又は法律の規定により当事者の一方が解除権を有するときは、その解除は、相手方に対する意思表示によってする。この意思表示は、撤回することができない(540条)。民法上の解除権の行使を押さえる。
補足解除は一方的意思表示(単独行為)で行い、相手方の同意を要しない。いったんした解除の意思表示は撤回できず、法律関係を不安定にしない。
問13民法上の解除の効果
解除の効果及び同時履行の抗弁に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者の一方がその解除権を行使したときであつても、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負わない。
- イ.双務契約の当事者の一方は、相手方の債務が弁済期にないときであつても、相手方が履行を提供するまで自己の債務の履行を拒むことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 原状回復義務を負う → 『負わない』は誤り
民法第545条「各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う」e-Gov原文
- イ.誤り
- 相手方の債務が弁済期にないときは拒めない → 『弁済期にないときも拒める』は誤り
民法第533条「相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない」e-Gov原文
ひっかけ解除により各当事者は相手方を『原状に復させる義務』を負う。同時履行の抗弁は相手方の債務が『弁済期にないとき』は主張できない(545条・533条)。
解説当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。金銭を返還するときは受領の時からの利息を付す(545条)。民法上の解除の効果を押さえる。
補足解除により契約は遡及的に消滅し、当事者は原状回復義務を負う。金銭の返還には利息を付し、原状回復義務相互は同時履行の関係に立つ。解除前の第三者は保護される。
問14民法上の催告による解除権の消滅
催告による解除権の消滅及び履行不能に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.解除権の行使について期間の定めがない場合において、相手方が相当の期間を定めて確答を催告し、その期間内に解除の通知を受けないときであつても、解除権は消滅しない。
- イ.債務の履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして不能であるときであつても、債権者は、その債務の履行を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 期間内に解除の通知を受けないと解除権は消滅する → 『消滅しない』は誤り
民法第547条「その期間内に解除の通知を受けないときは、解除権は、消滅する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 履行を請求できない → 『請求することができる』は誤り
民法第412条の2「その債務の履行を請求することができない」e-Gov原文
ひっかけ解除権の期間の定めがないとき、相手方の催告に『確答しない』と解除権は『消滅』。履行不能なら履行を『請求できない』(547条・412条の2)。
解説解除権の行使について期間の定めがないときは、相手方は、解除権を有する者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に解除をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。その期間内に解除の通知を受けないときは、解除権は、消滅する(547条)。民法上の催告による解除権の消滅を押さえる。
補足解除権の相手方は、いつ解除されるか不安定な地位に置かれるため、催告により解除権者に確答を求め、確答がなければ解除権を消滅させて法律関係を安定させることができる。
問15解除権者の故意による目的物の損傷等による解除権の消滅
解除権者の故意による目的物の損傷等による解除権の消滅及び損害賠償の方法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.解除権を有する者が故意に契約の目的物を著しく損傷したときであつても、その解除権は消滅しない。
- イ.損害賠償は、別段の意思表示がないときは、常に原状回復の方法によってする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 解除権は消滅する → 『消滅しない』は誤り
民法第548条「解除権を有する者が故意若しくは過失によって契約の目的物を著しく損傷し」e-Gov原文
- イ.誤り
- 金銭賠償の原則 → 『常に原状回復の方法による』は誤り
民法第417条「損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める」e-Gov原文
ひっかけ解除権者が故意過失で目的物を著しく損傷・加工改造等すると解除権は『消滅』。損害賠償は『金銭賠償』が原則(548条・417条)。
解説解除権を有する者が故意若しくは過失によって契約の目的物を著しく損傷し、若しくは返還することができなくなったとき、又は加工若しくは改造によってこれを他の種類の物に変えたときは、解除権は、消滅する。ただし、解除権を有する者がその解除権を有することを知らなかったときはこの限りでない(548条)。解除権者の故意による目的物の損傷等による解除権の消滅を押さえる。
補足解除権者が目的物を著しく損傷等すると原状回復が困難になるため解除権が消滅する。ただし解除権があることを知らなかったときは消滅しない。