問1民法上の事務管理
事務管理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.義務なく他人のために事務の管理を始めた者は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理をしなければならない。
- イ.管理者は、事務管理を始めたことを遅滞なく本人に通知しなければならない。ただし、本人が既にこれを知っているときは、この限りでない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 697条1項のとおり → 正しい
民法第697条「その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理」e-Gov原文
- イ.正しい
- 699条のとおり → 正しい
民法第699条「管理者は、事務管理を始めたことを遅滞なく本人に通知しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ事務管理は義務なく他人の事務を管理する行為で、『本人の利益に適合する方法』で行う。管理者は開始を『遅滞なく通知』(697条・699条)。
解説義務なく他人のために事務の管理を始めた者は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理をしなければならない(697条1項)。事務管理を押さえる。
補足事務管理は法律上の義務なく他人の事務を管理する行為で、管理者は本人の利益に適合する方法で管理し、本人の意思を知り又は推知できるときはその意思に従う。マンションで管理者が緊急に共用部分を修繕する場合等に問題となる。
問2民法上の緊急事務管理
緊急事務管理及び管理者の通知義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。
- イ.管理者は、事務管理を始めたときであっても、本人が既に知っている場合を除き、本人に通知する必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 698条のとおり → 正しい
民法第698条「悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 遅滞なく本人に通知しなければならない → 『通知する必要はない』は誤り
民法第699条「管理者は、事務管理を始めたことを遅滞なく本人に通知しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ緊急事務管理は『悪意・重過失』でなければ損害賠償責任を負わない(責任軽減)。管理者は開始を『遅滞なく通知』(698条・699条)。
解説管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない(698条)。緊急事務管理を押さえる。
補足緊急事務管理では管理者の責任が軽減され、悪意又は重大な過失がある場合のみ損害賠償責任を負う。管理者は事務管理の開始を遅滞なく本人に通知する義務を負う。
問3民法上の管理者の通知義務
管理者の通知義務及び事務管理の継続に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.管理者は、事務管理を始めたことを遅滞なく本人に通知しなければならない。ただし、本人が既にこれを知っているときは、この限りでない。
- イ.管理者は、本人又はその相続人若しくは法定代理人が管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 699条のとおり → 正しい
民法第699条「管理者は、事務管理を始めたことを遅滞なく本人に通知しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 700条のとおり → 正しい
民法第700条「本人又はその相続人若しくは法定代理人が管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ管理者は開始を『遅滞なく通知』し、本人等が管理できるに至るまで事務管理を『継続』(本人の意思に反する等は除く)(699条・700条)。
解説管理者は、本人又はその相続人若しくは法定代理人が管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならない。ただし、事務管理の継続が本人の意思に反し、又は本人に不利であることが明らかであるときは、この限りでない(700条)。管理者の通知義務を押さえる。
補足管理者は本人が管理できるようになるまで事務管理を継続する義務を負う(途中で放置すると本人に損害を与えるため)。ただし本人の意思に反し又は不利が明らかなときは継続を要しない。
問4民法上の管理者による事務管理の継続
事務管理の継続及び事務管理の方法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.管理者は、本人又はその相続人若しくは法定代理人が管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならない。ただし、事務管理の継続が本人の意思に反し、又は本人に不利であることが明らかであるときは、この限りでない。
- イ.義務なく他人のために事務の管理を始めた者は、本人の意思を知り、又はこれを推知することができるときであっても、その意思に従う必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 700条のとおり → 正しい
民法第700条「本人又はその相続人若しくは法定代理人が管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 本人の意思に従って事務管理をしなければならない → 『その意思に従う必要はない』は誤り
民法第697条「その意思に従って事務管理をしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ管理者は本人等が管理できるに至るまで事務管理を『継続』。本人の意思を知り又は推知できるときは『その意思に従う』(700条・697条)。
解説管理者は、本人又はその相続人若しくは法定代理人が管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならない(700条)。管理者による事務管理の継続を押さえる。
補足管理者は本人の意思を知り又は推知できるときはその意思に従って管理する。管理は本人が管理できるようになるまで継続する義務がある。
問5民法上の事務管理への委任の規定の準用
事務管理への委任の規定の準用及び費用の償還請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.受任者の報告義務等に関する第六百四十五条から第六百四十七条までの規定は、事務管理について準用する。
- イ.管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 701条のとおり → 正しい
民法第701条「第六百四十五条から第六百四十七条までの規定は、事務管理について準用する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 702条1項のとおり → 正しい
民法第702条「管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ事務管理には受任者の報告義務等(645〜647条)が準用される。管理者は『有益な費用』の償還を請求できる(701条・702条)。
解説第六百四十五条から第六百四十七条までの規定は、事務管理について準用する(701条)。事務管理への委任の規定の準用を押さえる。
補足事務管理には委任の報告義務・受取物引渡義務・金銭消費の責任の規定が準用される。もっとも報酬請求権はなく、有益費の償還請求ができるにとどまる。
問6民法上の管理者による費用の償還請求等
管理者による費用の償還請求及び事務管理の継続に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる。
- イ.管理者は、本人又はその相続人等が管理をすることができるに至る前であっても、いつでも自由に事務管理を中止することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 702条1項のとおり → 正しい
民法第702条「管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 本人等が管理できるに至るまで継続しなければならない → 『いつでも自由に中止できる』は誤り
民法第700条「本人又はその相続人若しくは法定代理人が管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ管理者は『有益な費用』の償還を請求できる(報酬請求権はない)。事務管理は本人等が管理できるに至るまで『継続』(700条・702条)。
解説管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる(702条1項)。管理者による費用の償還請求等を押さえる。
補足事務管理では有益費の償還請求と債務の代弁済請求が認められる(報酬請求権はない)。本人の意思に反する管理は現存利益の限度でのみ費用償還が認められる。
問7民法上の不当利得の返還義務
不当利得の返還義務及び費用の償還請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.管理者は、本人のために有益な費用を支出しても、本人に対しその償還を請求することはできない。
- イ.法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 有益な費用の償還を請求できる → 『請求することはできない』は誤り
民法第702条「管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 703条のとおり → 正しい
民法第703条「その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う」e-Gov原文
ひっかけ管理者は『有益な費用』の償還を請求できる。善意の受益者の不当利得返還は『現存利益』(利益の存する限度)(702条・703条)。
解説法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う(703条)。不当利得の返還義務を押さえる。
補足善意の受益者は現存利益(利益の存する限度)を返還すれば足りる。過払いの管理費等の返還はこの不当利得の問題となる。
問8民法上の悪意の受益者の返還義務等
悪意の受益者の返還義務及び不当利得の返還義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.法律上の原因なく利益を受け他人に損失を及ぼした善意の受益者は、その利益の存する限度にかかわらず、受けた利益の全額を返還しなければならない。
- イ.悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 善意の受益者は利益の存する限度(現存利益)で返還 → 『全額を返還しなければならない』は誤り
民法第703条「その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う」e-Gov原文
- イ.正しい
- 704条のとおり → 正しい
民法第704条「悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ善意の受益者は『現存利益』を返還。悪意の受益者は『利益+利息』を返還し、なお損害があれば賠償(703条・704条)。
解説悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う(704条)。悪意の受益者の返還義務等を押さえる。
補足善意の受益者は現存利益の返還で足りるが、悪意の受益者は受けた利益に利息を付して返還し、損害があれば賠償責任も負う(返還範囲が重い)。
問9民法上の債務の不存在を知ってした弁済
債務の不存在を知ってした弁済及び期限前の弁済に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務者は、弁済期にない債務の弁済として給付をしたときは、その給付したものの返還を請求することができる。
- イ.債務の弁済として給付をした者は、その時において債務の存在しないことを知っていたときは、その給付したものの返還を請求することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 期限前の弁済は返還を請求できない → 『返還を請求することができる』は誤り
民法第706条「その給付したものの返還を請求することができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 705条のとおり → 正しい
民法第705条「その時において債務の存在しないことを知っていたときは、その給付したものの返還を請求することができない」e-Gov原文
ひっかけ期限前の弁済は原則『返還請求できない』(錯誤による場合は利益を返還)。債務の不存在を知ってした弁済(非債弁済)も『返還請求できない』(706条・705条)。
解説債務の弁済として給付をした者は、その時において債務の存在しないことを知っていたときは、その給付したものの返還を請求することができない(705条)。債務の不存在を知ってした弁済を押さえる。
補足債務がないと知りながら弁済した者は返還請求できない(非債弁済)。期限前の弁済も原則返還請求できないが、錯誤による場合は債権者が中間利息相当の利益を返還する。
問10民法上の期限前の弁済
期限前の弁済及び事務管理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務者は、弁済期にない債務の弁済として給付をしたときは、その給付したものの返還を請求することができない。
- イ.義務なく他人のために事務の管理を始めた者は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理をしなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 706条のとおり → 正しい
民法第706条「その給付したものの返還を請求することができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 697条1項のとおり → 正しい
民法第697条「その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理」e-Gov原文
ひっかけ期限前の弁済は『返還請求できない』(期限の利益を放棄したにすぎない)。事務管理は『本人の利益に適合する方法』で行う(706条・697条)。
解説債務者は、弁済期にない債務の弁済として給付をしたときは、その給付したものの返還を請求することができない(706条)。期限前の弁済を押さえる。
補足期限前の弁済は期限の利益の放棄にすぎないため返還請求できない。ただし錯誤により給付した場合は債権者が中間利息相当額を返還する。
問11民法上の他人の債務の弁済
他人の債務の弁済及び悪意の受益者の返還義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務者でない者が錯誤によって債務の弁済をした場合において、債権者が善意で証書を滅失させ若しくは損傷し、担保を放棄し、又は時効によってその債権を失ったときは、その弁済をした者は、返還の請求をすることができない。
- イ.悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還する必要はなく、現存利益を返還すれば足りる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 707条1項のとおり → 正しい
民法第707条「債務者でない者が錯誤によって債務の弁済をした場合において、債権者が善意で証書を滅失させ若しくは損傷し、担保を放棄し、又は時効によってその債権を失ったときは、その弁済をした者は、返還の請求をすることができない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 利益に利息を付して返還しなければならない → 『現存利益を返還すれば足りる』は誤り
民法第704条「悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ他人の債務を錯誤で弁済し、債権者が善意で証書滅失・担保放棄・時効消滅させたときは『返還請求できない』(債権者保護)。悪意の受益者は『利益+利息』を返還(707条・704条)。
解説債務者でない者が錯誤によって債務の弁済をした場合において、債権者が善意で証書を滅失させ若しくは損傷し、担保を放棄し、又は時効によってその債権を失ったときは、その弁済をした者は、返還の請求をすることができない(707条1項)。他人の債務の弁済を押さえる。
補足他人の債務を弁済した者は原則返還請求できるが、債権者が善意で証書滅失・担保放棄等をした場合は返還請求できない(債権者保護)。弁済者は債務者に求償できる。
問12民法上の不法原因給付
不法原因給付及び他人の債務の弁済に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務者でない者が錯誤によって債務の弁済をした場合、債権者が善意で担保を放棄した等のときであっても、その弁済をした者は返還の請求をすることができる。
- イ.不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 債権者善意の担保放棄等のとき返還請求できない → 『返還の請求をすることができる』は誤り
民法第707条「その弁済をした者は、返還の請求をすることができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 708条のとおり → 正しい
民法第708条「不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない」e-Gov原文
ひっかけ他人の債務を錯誤で弁済し債権者が善意で担保放棄等したときは『返還請求できない』。不法原因給付も『返還請求できない』(受益者にのみ不法があるときを除く)(707条・708条)。
解説不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない(708条)。不法原因給付を押さえる。
補足不法な原因(賭博・愛人契約等)のためにした給付は返還請求できない(クリーンハンズの原則)。ただし不法性が受益者側にのみある場合は返還請求できる。
問13民法上の贈与契約の意義
贈与及び不当利得の返還義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示すれば、相手方が受諾をしなくても、その効力を生ずる。
- イ.法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け他人に損失を及ぼした者であっても、その利益を返還する義務を負うことはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 相手方の受諾により効力を生ずる → 『受諾をしなくても効力を生ずる』は誤り
民法第549条「相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 利益の存する限度で返還義務を負う → 『返還する義務を負うことはない』は誤り
民法第703条「その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う」e-Gov原文
ひっかけ贈与は『無償で与える意思表示+受諾』で成立(諾成契約)。法律上の原因なく利益を受けた者は『不当利得』の返還義務(549条・703条)。
解説贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる(549条)。贈与契約の意義を押さえる。
補足贈与は無償・片務・諾成契約である。相手方の受諾により成立する。法律上の原因のない利益は不当利得として返還義務が生じる。
問14民法上の書面によらない贈与の解除
書面によらない贈与の解除及び緊急事務管理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.書面によらない贈与であっても、各当事者が解除をすることはできない。
- イ.管理者が本人の身体等に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をした場合、悪意又は重大な過失がなくても、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 各当事者が解除をすることができる → 『解除をすることはできない』は誤り
民法第550条「書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 悪意又は重大な過失でなければ責任を負わない → 『悪意重過失がなくても責任を負う』は誤り
民法第698条「悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない」e-Gov原文
ひっかけ書面によらない贈与は『各当事者が解除できる』(履行の終わった部分を除く)。緊急事務管理は『悪意・重過失』でなければ責任を負わない(550条・698条)。
解説書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない(550条)。書面によらない贈与の解除を押さえる。
補足書面によらない贈与は履行前であれば各当事者が解除できる(軽率な贈与から贈与者を保護)。ただし履行の終わった部分は解除できない。
問15民法上の死因贈与
死因贈与及び贈与に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、遺贈に関する規定が準用されることはない。
- イ.贈与は、当事者の一方がある財産を有償で相手方に与える意思を表示することによって、その効力を生ずる契約である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 遺贈に関する規定を準用する → 『準用されることはない』は誤り
民法第554条「その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 無償で与える意思を表示する → 『有償で与える』は誤り
民法第549条「当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し」e-Gov原文
ひっかけ死因贈与は『遺贈に関する規定を準用』(性質に反しない限り)。贈与は『無償』契約(有償ではない)(554条・549条)。
解説贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する(554条)。死因贈与を押さえる。
補足死因贈与は贈与者の死亡により効力を生ずる贈与で、遺贈の規定が準用される(撤回等)。贈与は無償・片務の諾成契約である。