問1民法(賃貸借)の短期賃貸借
賃貸借に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.処分の権限を有しない者が賃貸借をする場合には、所定の賃貸借は、それぞれ当該各号に定める期間(建物の賃貸借については三年)を超えることができない。
- イ.短期賃貸借に定める期間は、更新することができる。ただし、その更新は所定の期間内にしなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 602条のとおり → 正しい
民法第602条「次の各号に掲げる賃貸借は、それぞれ当該各号に定める期間を超えることができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 603条のとおり → 正しい
民法第603条「前条に定める期間は、更新することができる」e-Gov原文
ひっかけ処分の権限を有しない者の賃貸借は期間制限(建物3年・土地5年等)。短期賃貸借は所定の期間内に『更新』できる(602条・603条)。
解説処分の権限を有しない者が賃貸借をする場合には、次の各号に掲げる賃貸借は、それぞれ当該各号に定める期間を超えることができない(山林10年・土地5年・建物3年・動産6箇月)(602条)。短期賃貸借を押さえる。
補足処分権限のない者(不在者の管理人等)がする賃貸借は期間が制限される。契約でこれより長い期間を定めても法定の期間となる。所定期間内に更新できる。
問2民法(賃貸借)の短期賃貸借の更新
短期賃貸借の更新及び短期賃貸借に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.短期賃貸借に定める期間は、所定の期間内に更新をすることにより、更新することができる。
- イ.処分の権限を有しない者がする建物の賃貸借は、契約で五年と定めた場合には、その期間は五年となる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 603条のとおり → 正しい
民法第603条「前条に定める期間は、更新することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 建物は3年を超えられず契約で長く定めても3年 → 『五年となる』は誤り
民法第602条「次の各号に掲げる賃貸借は、それぞれ当該各号に定める期間を超えることができない」e-Gov原文
ひっかけ短期賃貸借は所定期間内に『更新』可。処分権限のない者の建物賃貸借は『3年』が上限(5年と定めても3年)(603条・602条)。
解説前条に定める期間は、更新することができる。ただし、その期間満了前、土地については一年以内、建物については三箇月以内、動産については一箇月以内に、その更新をしなければならない(603条)。短期賃貸借の更新を押さえる。
補足短期賃貸借は期間満了前の所定期間内に更新できる。処分権限のない者の賃貸借は法定期間を超えられず、長く定めても法定期間に短縮される。
問3民法(賃貸借)の不動産賃貸借の対抗力
不動産賃貸借の対抗力及び賃貸人たる地位の移転に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。
- イ.賃貸借の対抗要件を備えた場合において、その不動産が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 605条のとおり → 正しい
民法第605条「不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 605条の2第1項のとおり → 正しい
民法第605条の2「その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する」e-Gov原文
ひっかけ不動産賃貸借は『登記』で第三者に対抗できる(借地借家法の建物引渡し等でも可)。対抗要件を備えた不動産が譲渡されると賃貸人たる地位は『譲受人に移転』(605条・605条の2)。
解説不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる(605条)。不動産賃貸借の対抗力を押さえる。
補足不動産賃貸借は登記により第三者対抗力を得る(借家では建物の引渡しで対抗力)。対抗要件を備えた賃借権のある不動産が譲渡されると、賃貸人たる地位が新所有者に移転する。
問4民法(賃貸借)の不動産の賃貸人たる地位の移転
不動産の賃貸人たる地位の移転及び短期賃貸借の更新に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.賃貸借の対抗要件を備えた場合において、その不動産が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する。
- イ.短期賃貸借に定める期間は、更新することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 605条の2第1項のとおり → 正しい
民法第605条の2「その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 更新することができる → 『更新することができない』は誤り
民法第603条「前条に定める期間は、更新することができる」e-Gov原文
ひっかけ対抗要件を備えた不動産が譲渡されると賃貸人たる地位は『譲受人に移転』(賃借人の承諾不要)。短期賃貸借は所定期間内に『更新』可(605条の2・603条)。
解説前条、借地借家法第十条又は第三十一条その他の法令の規定による賃貸借の対抗要件を備えた場合において、その不動産が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する(605条の2第1項)。不動産の賃貸人たる地位の移転を押さえる。
補足対抗要件を備えた賃借権のある不動産の譲渡では賃貸人たる地位が当然に移転する(賃借人の承諾不要)。ただし賃貸人が地位を留保する合意も可能である。
問5民法(賃貸借)の合意による不動産の賃貸人たる地位の移転
合意による不動産の賃貸人たる地位の移転及び賃借人による妨害の停止の請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不動産の譲渡人が賃貸人であるときは、その賃貸人たる地位は、賃借人の承諾を要しないで、譲渡人と譲受人との合意により、譲受人に移転させることができる。
- イ.不動産の賃借人は、所定の対抗要件を備えた場合において、その不動産の占有を第三者が妨害しているときは、その第三者に対する妨害の停止の請求をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 605条の3のとおり → 正しい
民法第605条の3「その賃貸人たる地位は、賃借人の承諾を要しないで、譲渡人と譲受人との合意により、譲受人に移転させることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 605条の4のとおり → 正しい
民法第605条の4「次の各号に掲げるときは、それぞれ当該各号に定める請求をすることができる」e-Gov原文
ひっかけ賃貸人(譲渡人)と譲受人の『合意』により賃借人の承諾なく賃貸人たる地位を移転可。対抗要件を備えた賃借人は第三者に『妨害停止・返還請求』(605条の3・605条の4)。
解説不動産の譲渡人が賃貸人であるときは、その賃貸人たる地位は、賃借人の承諾を要しないで、譲渡人と譲受人との合意により、譲受人に移転させることができる(605条の3)。合意による不動産の賃貸人たる地位の移転を押さえる。
補足賃貸人と譲受人の合意で賃貸人たる地位を移転できる(賃借人の承諾不要)。対抗要件を備えた賃借人は不動産賃借権に基づく妨害排除・返還請求ができる。
問6民法(賃貸借)の不動産の賃借人による妨害の停止の請求等
不動産の賃借人による妨害の停止の請求及び賃貸人たる地位の移転に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不動産の賃借人は、所定の対抗要件を備えた場合において、その不動産の占有を第三者が妨害しているときは、その第三者に対する妨害の停止の請求をすることができる。
- イ.賃貸借の対抗要件を備えた不動産が譲渡された場合であっても、その不動産の賃貸人たる地位は、当然には譲受人に移転しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 605条の4のとおり → 正しい
民法第605条の4「次の各号に掲げるときは、それぞれ当該各号に定める請求をすることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 賃貸人たる地位は譲受人に移転する → 『当然には移転しない』は誤り
民法第605条の2「その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する」e-Gov原文
ひっかけ対抗要件を備えた賃借人は第三者に『妨害停止・返還請求』。対抗要件を備えた不動産が譲渡されると賃貸人たる地位は『当然に譲受人に移転』(605条の4・605条の2)。
解説不動産の賃借人は、対抗要件を備えた場合において、その不動産の占有を第三者が妨害しているときはその第三者に対する妨害の停止の請求を、その不動産を第三者が占有しているときはその第三者に対する返還の請求をすることができる(605条の4)。不動産の賃借人による妨害の停止の請求等を押さえる。
補足対抗要件を備えた賃借人は賃借権に基づく妨害排除・返還請求ができる(賃貸人に代位せずに直接請求可)。賃貸人たる地位は不動産の譲渡で当然に移転する。
問7民法(賃貸借)の賃借人による修繕
賃借人による修繕及び妨害の停止の請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不動産の賃借人は、所定の対抗要件を備えた場合であっても、その不動産の占有を妨害する第三者に対して妨害の停止を請求することはできない。
- イ.賃借物の修繕が必要である場合において、賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき、又は急迫の事情があるときは、賃借人は、その修繕をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 妨害の停止等の請求ができる → 『請求することはできない』は誤り
民法第605条の4「次の各号に掲げるときは、それぞれ当該各号に定める請求をすることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 607条の2のとおり → 正しい
民法第607条の2「賃借人は、その修繕をすることができる」e-Gov原文
ひっかけ対抗要件を備えた賃借人は第三者に『妨害停止請求』可。賃貸人が相当期間内に修繕せず又は急迫の事情があれば賃借人が『自ら修繕』できる(605条の4・607条の2)。
解説賃借物の修繕が必要である場合において、賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき、又は急迫の事情があるときは、賃借人は、その修繕をすることができる(607条の2)。賃借人による修繕を押さえる。
補足賃借人による修繕は、通知後に賃貸人が相当期間内に修繕しない場合又は急迫の事情がある場合に認められる(費用は必要費として償還請求できる)。
問8民法(賃貸借)の賃料の支払時期
賃料の支払時期及び賃借人による修繕に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.賃借物の修繕が必要である場合であっても、賃借人が自ら修繕をすることは一切できない。
- イ.賃料は、動産、建物及び宅地については毎月末に、その他の土地については毎年末に、支払わなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 所定の場合は賃借人が修繕できる → 『一切できない』は誤り
民法第607条の2「賃借人は、その修繕をすることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 614条のとおり → 正しい
民法第614条「動産、建物及び宅地については毎月末に、その他の土地については毎年末に、支払わなければならない」e-Gov原文
ひっかけ賃借人は所定の場合『自ら修繕』できる。賃料は建物・宅地は『毎月末』、その他の土地は『毎年末』(後払いが原則)(607条の2・614条)。
解説賃料は、動産、建物及び宅地については毎月末に、その他の土地については毎年末に、支払わなければならない。ただし、収穫の季節があるものについては、その季節の後に遅滞なく支払わなければならない(614条)。賃料の支払時期を押さえる。
補足賃料の支払時期は民法では後払い(毎月末等)が原則である(実務では特約で前払いとすることが多い)。賃借人による修繕は一定の場合に認められる。
問9民法(賃貸借)の賃借人の通知義務
賃借人の通知義務及び賃料の支払時期に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.建物の賃料は、特約がなくても、毎月初めに前払で支払わなければならない。
- イ.賃借物が修繕を要し、又は賃借物について権利を主張する者があるときは、賃借人は、遅滞なくその旨を賃貸人に通知しなければならない。ただし、賃貸人が既にこれを知っているときは、この限りでない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 建物は毎月末(後払い) → 『毎月初めに前払で支払う』は誤り
民法第614条「動産、建物及び宅地については毎月末に、その他の土地については毎年末に、支払わなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 615条のとおり → 正しい
民法第615条「賃借人は、遅滞なくその旨を賃貸人に通知しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ賃料は建物・宅地は『毎月末』(後払い)。賃借物が修繕を要し又は権利主張者があれば賃借人は『遅滞なく通知』(615条・614条)。
解説賃借物が修繕を要し、又は賃借物について権利を主張する者があるときは、賃借人は、遅滞なくその旨を賃貸人に通知しなければならない。ただし、賃貸人が既にこれを知っているときは、この限りでない(615条)。賃借人の通知義務を押さえる。
補足賃借人は賃借物の修繕の要否や第三者の権利主張について賃貸人に通知する義務を負う(賃貸人が対応できるようにするため)。賃料は原則後払いである。
問10民法(賃貸借)の賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了
賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了及び不動産賃貸借の対抗力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.賃借物の全部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合には、賃貸借は、これによって終了する。
- イ.不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 616条の2のとおり → 正しい
民法第616条の2「賃借物の全部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合には、賃貸借は、これによって終了する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 605条のとおり → 正しい
民法第605条「不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる」e-Gov原文
ひっかけ賃借物の全部が使用収益不能になると賃貸借は『当然に終了』(解除不要)。不動産賃貸借は『登記』で第三者に対抗できる(616条の2・605条)。
解説賃借物の全部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合には、賃貸借は、これによって終了する(616条の2)。賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了を押さえる。
補足賃借物の全部が使用収益不能となると賃貸借は当然に終了する(一部滅失の場合は賃料減額・解除の問題となる)。賃貸借は登記で第三者対抗力を得る。
問11民法(賃貸借)の期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ
期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ及び賃借人の通知義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合、建物の賃貸借は解約の申入れの日から三箇月を経過することによって終了する。
- イ.賃借物が修繕を要し、又は賃借物について権利を主張する者があるときであっても、賃借人は、賃貸人に通知する必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 617条1項のとおり → 正しい
民法第617条「各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 遅滞なく通知しなければならない → 『通知する必要はない』は誤り
民法第615条「賃借人は、遅滞なくその旨を賃貸人に通知しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ期間の定めのない賃貸借は『いつでも解約申入れ』可(建物は申入れから3箇月で終了)。賃借物の修繕の要否等は賃借人が『遅滞なく通知』(617条・615条)。
解説当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合、土地は1年、建物は3箇月、動産・貸席は1日の経過によって終了する(617条1項)。期間の定めのない賃貸借の解約の申入れを押さえる。
補足期間の定めのない賃貸借は各当事者がいつでも解約を申し入れることができ、建物は申入れから3箇月の経過で終了する(借地借家法により借家では賃貸人からの解約に制限がある)。
問12民法(賃貸借)の期間の定めのある賃貸借の解約をする権利の留保
期間の定めのある賃貸借の解約権の留保及び賃借物の全部滅失等による終了に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.賃借物の全部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合であっても、賃貸借は、当然には終了しない。
- イ.当事者が賃貸借の期間を定めた場合であっても、その一方又は双方がその期間内に解約をする権利を留保したときは、期間の定めのない賃貸借の解約の申入れに関する規定を準用する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 全部使用収益不能で賃貸借は終了する → 『当然には終了しない』は誤り
- イ.正しい
- 618条のとおり → 正しい
民法第618条「当事者が賃貸借の期間を定めた場合であっても、その一方又は双方がその期間内に解約をする権利を留保したときは、前条の規定を準用する」e-Gov原文
ひっかけ賃借物の全部が使用収益不能になると賃貸借は『当然に終了』。期間を定めても解約権を『留保』すれば期間の定めのない賃貸借の解約規定を準用(616条の2・618条)。
解説当事者が賃貸借の期間を定めた場合であっても、その一方又は双方がその期間内に解約をする権利を留保したときは、前条の規定を準用する(618条)。期間の定めのある賃貸借の解約をする権利の留保を押さえる。
補足期間を定めた賃貸借でも解約権を留保すれば、期間の定めのない賃貸借と同様に解約の申入れができる。賃借物の全部滅失では賃貸借が当然に終了する。
問13民法(賃貸借)の賃貸借の更新の推定等
賃貸借の更新の推定及び期間の定めのない賃貸借の解約の申入れに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.賃貸借の期間が満了した後に賃借人が賃借物の使用又は収益を継続し、賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときであっても、賃貸借が更新されたものと推定されることはない。
- イ.当事者が賃貸借の期間を定めなかったときであっても、各当事者は、解約の申入れをすることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 同一の条件で更に賃貸借をしたと推定する → 『推定されることはない』は誤り
民法第619条「従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定する」e-Gov原文
- イ.誤り
- いつでも解約の申入れができる → 『することはできない』は誤り
民法第617条「各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる」e-Gov原文
ひっかけ期間満了後に賃借人が使用継続し賃貸人が異議を述べないと『更新推定』(黙示の更新)。期間の定めのない賃貸借は『いつでも解約申入れ』可(619条・617条)。
解説賃貸借の期間が満了した後賃借人が賃借物の使用又は収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定する(619条1項)。賃貸借の更新の推定等を押さえる。
補足黙示の更新では従前と同一条件で更新が推定されるが、期間の定めのないものとなり、各当事者は解約を申し入れできる。従前の担保は消滅するが敷金は存続する。
問14民法(賃貸借)の賃貸借の解除の効力
賃貸借の解除の効力及び賃料の支払時期に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.賃貸借の解除をした場合には、その解除は、契約の当初にさかのぼってその効力を生ずる。
- イ.建物の賃料は、特約がない限り、毎月初めに前払で支払わなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 将来に向かってのみ効力を生ずる → 『契約の当初にさかのぼって効力を生ずる』は誤り
民法第620条「その解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 建物は毎月末(後払い) → 『毎月初めに前払で支払う』は誤り
民法第614条「動産、建物及び宅地については毎月末に、その他の土地については毎年末に、支払わなければならない」e-Gov原文
ひっかけ賃貸借の解除は『将来に向かってのみ』効力(遡及しない=告知)。賃料は建物・宅地は『毎月末』(後払い)(620条・614条)。
解説賃貸借の解除をした場合には、その解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる。この場合においては、損害賠償の請求を妨げない(620条)。賃貸借の解除の効力を押さえる。
補足継続的契約である賃貸借の解除は将来効のみ(既往の法律関係は覆らない)である。賃料は原則後払いで、建物は毎月末に支払う。
問15民法(賃貸借)の敷金
敷金及び不動産賃貸借の対抗力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.賃貸人は、敷金を受け取っている場合において賃貸借が終了し賃貸物の返還を受けたときであっても、賃借人の債務の額を控除することなく、受け取った敷金の全額を返還しなければならない。
- イ.不動産の賃貸借は、これを登記したときであっても、その不動産について物権を取得した第三者に対抗することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 債務の額を控除した残額を返還する → 『控除せず全額を返還する』は誤り
民法第622条の2「その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 登記したときは第三者に対抗できる → 『対抗することができない』は誤り
民法第605条「不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる」e-Gov原文
ひっかけ敷金は賃貸借終了・返還時に賃借人の債務額を『控除した残額』を返還。不動産賃貸借は『登記』で第三者に対抗できる(622条の2・605条)。
解説賃貸人は、敷金を受け取っている場合において、賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき等は、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない(622条の2)。敷金を押さえる。
補足敷金は賃貸借に基づく賃借人の債務を担保する金銭で、賃貸借終了・明渡し後に未払賃料等を控除した残額が返還される。不動産賃貸借は登記で第三者対抗力を得る。