問1民法(代理②)の意思表示の効力発生時期等
民法の意思表示・代理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。
- イ.代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、自己のためにしたものとみなす。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 97条1項のとおり → 正しい
民法第97条「意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる」e-Gov原文
ひっかけ意思表示は『到達した時』に効力(到達主義)。顕名を欠く代理行為は『自己のためにしたものとみなす』(相手方が悪意有過失なら本人に効果帰属)(97条・100条)。
解説意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる(97条1項)。意思表示の効力発生時期等を押さえる。
補足意思表示は原則として到達主義による。代理では顕名が必要で、顕名を欠くと原則代理人自身の行為とみなされる(相手方が悪意・有過失なら本人に効果帰属)。
問2民法(代理②)の本人のためにすることを示さない意思表示
本人のためにすることを示さない意思表示及び意思表示の効力発生時期に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、自己のためにしたものとみなす。
- イ.意思表示は、その通知が相手方に到達しなくても、表意者が通知を発した時からその効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- イ.誤り
- 到達した時から効力を生ずる(到達主義) → 『発した時から効力を生ずる』は誤り
民法第97条「意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる」e-Gov原文
ひっかけ顕名を欠く代理行為は『自己のためにしたものとみなす』。意思表示は『到達した時』に効力(到達主義)(100条・97条)。
解説代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、自己のためにしたものとみなす。ただし、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、前条第一項の規定を準用する(100条)。本人のためにすることを示さない意思表示を押さえる。
補足顕名を欠く代理行為は原則代理人自身の行為とみなされるが、相手方が本人のためと知り又は知り得たときは本人に効果が帰属する。意思表示は到達主義による。
問3民法(代理②)の代理人の行為能力
代理人の行為能力及び権限の定めのない代理人の権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。
- イ.権限の定めのない代理人は、保存行為及び代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内における利用又は改良を目的とする行為のみをする権限を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 102条本文のとおり → 正しい
民法第102条「制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 103条のとおり → 正しい
民法第103条「権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する」e-Gov原文
ひっかけ制限行為能力者も『代理人』になれ、その行為は行為能力制限を理由に取り消せない。権限の定めのない代理人は『保存・利用・改良』のみ(102条・103条)。
解説制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない(102条本文)。代理人の行為能力を押さえる。
補足代理人には行為能力は不要で、制限行為能力者が代理人としてした行為は取り消せない(本人が承知で選任したため)。権限の定めのない代理人は保存・利用・改良行為に限られる。
問4民法(代理②)の権限の定めのない代理人の権限
権限の定めのない代理人の権限及び代理人の行為能力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。
- イ.制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限を理由に取り消すことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 103条のとおり → 正しい
民法第103条「権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 行為能力の制限によっては取り消せない → 『取り消すことができる』は誤り
民法第102条「制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない」e-Gov原文
ひっかけ権限の定めのない代理人は『保存・利用・改良』のみ(処分行為は不可)。制限行為能力者の代理行為は取り消せない(103条・102条)。
解説権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。一保存行為 二代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為(103条)。権限の定めのない代理人の権限を押さえる。
補足権限の定めのない代理人は保存行為(財産の現状維持)と性質を変えない範囲の利用・改良行為のみでき、処分行為はできない。制限行為能力者の代理行為は取り消せない。
問5民法(代理②)の任意代理人による復代理人の選任
任意代理人による復代理人の選任及び法定代理人による復代理人の選任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。
- イ.法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 104条のとおり → 正しい
民法第104条「本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 105条前段のとおり → 正しい
民法第105条「法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる」e-Gov原文
ひっかけ任意代理人の復任は『本人の許諾又はやむを得ない事由』が必要。法定代理人は『自己の責任』で自由に復任できる(104条・105条)。
解説委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない(104条)。任意代理人による復代理人の選任を押さえる。
補足任意代理人は本人の信任に基づくため復任が制限されるが、法定代理人は本人の意思によらず選任されるため自己の責任で自由に復任できる。
問6民法(代理②)の法定代理人による復代理人の選任
法定代理人による復代理人の選任及び権限の定めのない代理人の権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。
- イ.権限の定めのない代理人は、保存行為のほか、代理の目的である物の性質を変える処分行為も自由にする権限を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 105条前段のとおり → 正しい
民法第105条「法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 保存・利用・改良のみ → 『性質を変える処分行為も自由にできる』は誤り
民法第103条「権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する」e-Gov原文
ひっかけ法定代理人は『自己の責任』で自由に復任可。権限の定めのない代理人は『保存・利用・改良』のみ(処分は不可)(105条・103条)。
解説法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。この場合において、やむを得ない事由があるときは、本人に対してその選任及び監督についての責任のみを負う(105条)。法定代理人による復代理人の選任を押さえる。
補足法定代理人は自己の責任で復任できるが、やむを得ない事由による復任なら選任・監督の責任のみを負う。権限の定めのない代理人は処分行為ができない。
問7民法(代理②)の復代理人の権限等
復代理人の権限等及び法定代理人による復代理人の選任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することはできない。
- イ.復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 自己の責任で選任できる → 『選任することはできない』は誤り
民法第105条「法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 106条1項のとおり → 正しい
民法第106条「復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する」e-Gov原文
ひっかけ法定代理人は『自己の責任』で復任可。復代理人はその権限内で『本人を代表』(代理人ではなく本人の代理人)(105条・106条)。
解説復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する(106条1項)。復代理人の権限等を押さえる。
補足復代理人は代理人の代理人ではなく本人の代理人であり、本人を代表する。本人・第三者に対して代理人と同一の権利義務を有する。
問8民法(代理②)の代理権の濫用
代理権の濫用及び代理権の消滅事由に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委任による代理権は、本人の死亡によっては消滅しない。
- イ.代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 代理権は本人の死亡によって消滅する → 『消滅しない』は誤り
民法第111条「代理権は、次に掲げる事由によって消滅する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 107条のとおり → 正しい
民法第107条「その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす」e-Gov原文
ひっかけ代理権は『本人の死亡』等で消滅。代理権の濫用は相手方が目的を知り又は知り得たとき『無権代理とみなす』(111条・107条)。
解説代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす(107条)。代理権の濫用を押さえる。
補足代理権の濫用でも相手方が善意無過失なら有効だが、相手方が濫用目的を知り又は知り得たときは無権代理とみなされる。代理権は本人の死亡等で消滅する。
問9民法(代理②)の代理権授与の表示による表見代理等
代理権授与の表示による表見代理等及び復代理人の権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.復代理人は、本人及び第三者に対して、代理人と同一の権利を有し、義務を負うことはない。
- イ.第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 代理人と同一の権利義務を有する → 『有することはない』は誤り
- イ.正しい
- 109条1項本文のとおり → 正しい
民法第109条「その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う」e-Gov原文
ひっかけ復代理人は本人・第三者に対し『代理人と同一の権利義務』。代理権授与を表示した本人は表見代理の『責任を負う』(106条・109条)。
解説第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない(109条1項)。代理権授与の表示による表見代理等を押さえる。
補足代理権授与の表示による表見代理では、本人が代理権授与を表示すると、無権代理でも本人が責任を負う(第三者が悪意・有過失のときを除く)。復代理人は代理人と同一の権利義務を有する。
問10民法(代理②)の代理権の消滅事由
代理権の消滅事由及び権限の定めのない代理人の権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理権は、本人の死亡、代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと等の事由によって消滅する。
- イ.権限の定めのない代理人は、保存行為及び代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内における利用又は改良を目的とする行為のみをする権限を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 111条1項のとおり → 正しい
民法第111条「代理権は、次に掲げる事由によって消滅する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 103条のとおり → 正しい
民法第103条「権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する」e-Gov原文
ひっかけ代理権は『本人の死亡・代理人の死亡・破産・後見開始』等で消滅(任意代理は委任終了でも消滅)。権限の定めのない代理人は『保存・利用・改良』のみ(111条・103条)。
解説代理権は、次に掲げる事由によって消滅する。一本人の死亡 二代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと(111条1項)。代理権の消滅事由を押さえる。
補足代理権は本人の死亡・代理人の死亡/破産/後見開始で消滅する(委任による代理権は委任の終了でも消滅する)。権限の定めのない代理人は処分行為ができない。
問11民法(代理②)の代理権消滅後の表見代理等
代理権消滅後の表見代理等及び代理権の濫用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後にその代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負う。
- イ.代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合には、相手方がその目的を知っていたときであっても、常に有効な代理行為となる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 112条1項本文のとおり → 正しい
民法第112条「代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負う」e-Gov原文
- イ.誤り
- 相手方が目的を知っていたとき無権代理とみなす → 『常に有効な代理行為となる』は誤り
民法第107条「その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす」e-Gov原文
ひっかけ代理権消滅後も、消滅を知らなかった第三者には本人が『表見代理の責任』。代理権濫用は相手方が悪意なら『無権代理とみなす』(112条・107条)。
解説他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後にその代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負う。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない(112条1項)。代理権消滅後の表見代理等を押さえる。
補足代理権消滅後の表見代理は、第三者が代理権消滅を知らず(かつ無過失)のときに本人が責任を負う。代理権濫用は相手方が目的を知り又は知り得たとき無権代理とみなされる。
問12民法(代理②)の無権代理の相手方の催告権
無権代理の相手方の催告権及び代理権消滅後の表見代理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後にその代理権の範囲内においてその他人がした行為について、消滅の事実を知らなかった善意無過失の第三者に対しても、その責任を負わない。
- イ.無権代理の場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができ、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 消滅を知らなかった第三者に責任を負う → 『責任を負わない』は誤り
民法第112条「代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負う」e-Gov原文
- イ.正しい
- 114条のとおり → 正しい
民法第114条「相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる」e-Gov原文
ひっかけ代理権消滅後も善意無過失の第三者には本人が『責任』。無権代理の相手方は本人に追認の『催告』可(無確答は拒絶擬制)(112条・114条)。
解説前条の場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす(114条)。無権代理の相手方の催告権を押さえる。
補足無権代理の相手方は本人に追認の催告ができ、本人が確答しなければ追認拒絶とみなされる(制限行為能力者の催告では追認擬制となるのと逆)。代理権消滅後の表見代理では善意無過失の第三者が保護される。
問13民法(代理②)の無権代理の相手方の取消権
無権代理の相手方の取消権及び本人のためにすることを示さない意思表示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理権を有しない者がした契約は、本人が追認をしない間であっても、相手方はこれを取り消すことができない。
- イ.代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、常に本人のためにしたものとみなす。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 追認しない間は相手方が取り消すことができる → 『取り消すことができない』は誤り
民法第115条「本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 自己のためにしたものとみなす → 『常に本人のためにしたものとみなす』は誤り
ひっかけ無権代理の相手方は本人が追認しない間は契約を『取消し』可(悪意の相手方を除く)。顕名を欠く代理行為は『自己のためにしたものとみなす』(115条・100条)。
解説代理権を有しない者がした契約は、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる。ただし、契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、この限りでない(115条)。無権代理の相手方の取消権を押さえる。
補足無権代理の相手方(善意)は本人が追認するまで契約を取り消せる(催告権と異なり善意が要件)。顕名を欠く代理行為は原則代理人自身の行為とみなされる。
問14民法(代理②)の無権代理人の責任
無権代理人の責任及び任意代理人による復代理人の選任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明できず本人の追認も得られない場合であっても、相手方に対して何らの責任も負わない。
- イ.委任による代理人は、本人の許諾を得なくても、いつでも自由に復代理人を選任することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 履行又は損害賠償の責任を負う → 『何らの責任も負わない』は誤り
民法第117条「相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う」e-Gov原文
- イ.誤り
- 許諾又はやむを得ない事由が必要 → 『いつでも自由に選任できる』は誤り
民法第104条「本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない」e-Gov原文
ひっかけ無権代理人は代理権を証明できず追認も得られなければ、相手方の選択に従い『履行又は損害賠償』の責任。任意代理人の復任は『許諾又はやむを得ない事由』が必要(117条・104条)。
解説他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う(117条1項)。無権代理人の責任を押さえる。
補足無権代理人は無過失責任として履行又は損害賠償の責任を負う(相手方が悪意・有過失のとき等は免責)。任意代理人の復任は制限される。
問15民法(代理②)の単独行為の無権代理
単独行為の無権代理及び復代理人の権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.単独行為については、いかなる場合であっても無権代理に関する規定が準用されることはない。
- イ.復代理人は、その権限内の行為についても、本人を代表することはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 所定の場合に準用する → 『いかなる場合も準用されることはない』は誤り
民法第118条「その代理権を争わなかったときに限り、第百十三条から前条までの規定を準用する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 本人を代表する → 『本人を代表することはない』は誤り
民法第106条「復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する」e-Gov原文
ひっかけ単独行為の無権代理も『所定の同意等がある場合』に無権代理の規定を準用。復代理人はその権限内で『本人を代表』(118条・106条)。
解説単独行為については、その行為の時において、相手方が、代理人と称する者が代理権を有しないで行為をすることに同意し、又はその代理権を争わなかったときに限り、第百十三条から前条までの規定を準用する(118条)。単独行為の無権代理を押さえる。
補足単独行為の無権代理は原則効果を生じないが、相手方が代理権のないことに同意・不争のときに限り無権代理の規定を準用する。復代理人は本人を代表する。