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民法・第8

民法(抵当権④)の問題(15問)

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この章で確認する論点

8章では、民法上の抵当権の内容・民法上の抵当権の効力の及ぶ範囲・民法上の抵当権の被担保債権の範囲・民法上の抵当権の順位・民法上の抵当権の順位の変更を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

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問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年7月時点の法令に準拠
1民法上の抵当権の内容

抵当権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立つて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
  • 抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
369条1項のとおり → 正しい

民法第369条他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有するe-Gov原文

正しい
398条の2のとおり → 正しい

民法第398条の2一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができるe-Gov原文

ひっかけ抵当権は目的物の『占有を移転しない』非占有担保で、優先弁済を受ける権利。根抵当権は不特定債権を『極度額』の限度で担保(369条・398条の2)。

解説抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する(369条1項)。地上権及び永小作権も抵当権の目的とすることができる(同条2項)。抵当権の内容を押さえる。

補足抵当権は目的物の占有を設定者に残したまま担保とする点で質権と異なる。マンションの敷地・区分所有権には住宅ローンの抵当権が設定されることが多い。

2民法上の抵当権の効力の及ぶ範囲

抵当権の効力の及ぶ範囲及び根抵当権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産に付加して一体となつている物に及ぶ。
  • 根抵当権は、担保すべき不特定の債権の範囲を定めることなく、債務者との間のあらゆる債権を極度額の限度で担保するものである。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
370条のとおり → 正しい

民法第370条抵当権は、抵当地の上に存する建物を除きe-Gov原文

誤り
一定の範囲に属する不特定の債権を担保する → 『あらゆる債権を担保する』は誤り

民法第398条の2一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができるe-Gov原文

ひっかけ抵当権は『付加一体物』に及ぶ(抵当地上の建物は別個の不動産で除く)。根抵当権は『一定の範囲』の不特定債権を担保(範囲の定めが必要)(370条・398条の2)。

解説抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産(抵当不動産)に付加して一体となっている物に及ぶ。ただし、設定行為に別段の定めがある場合等はこの限りでない(370条)。抵当権の効力の及ぶ範囲を押さえる。

補足付加一体物(従物・付合物等)には抵当権の効力が及ぶが、土地の抵当権はその上の建物には及ばない(土地と建物は別個の不動産)。根抵当権は債権の範囲を限定して定める必要がある。

3民法上の抵当権の被担保債権の範囲

抵当権の被担保債権の範囲及び抵当不動産の時効取得による抵当権の消滅に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、原則として、その満期となつた最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。
  • 債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当権は、これによつて消滅する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
375条1項のとおり → 正しい

民法第375条その満期となった最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができるe-Gov原文

正しい
397条のとおり → 正しい

民法第397条抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当権は、これによって消滅するe-Gov原文

ひっかけ利息等の定期金は原則『満期となった最後の2年分』のみ抵当権を行使できる。第三者が取得時効の要件を満たす占有をすると抵当権は『消滅』(375条・397条)。

解説抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の2年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。ただし、それ以前の定期金についても、満期後に特別の登記をしたときはこの限りでない(375条1項)。抵当権の被担保債権の範囲を押さえる。

補足後順位抵当権者や第三者を保護するため、利息等の優先弁済は原則として最後の2年分に制限される。元本には制限がない。

4民法上の抵当権の順位

抵当権の順位及び効力の及ぶ範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による。
  • 抵当権は、抵当不動産に付加して一体となつている物には、いかなる場合も及ばない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
373条のとおり → 正しい

民法第373条その抵当権の順位は、登記の前後によるe-Gov原文

誤り
付加一体物に及ぶ → 『いかなる場合も及ばない』は誤り

民法第370条抵当権は、抵当地の上に存する建物を除きe-Gov原文

ひっかけ同一不動産の数個の抵当権の順位は『登記の前後』による。抵当権は『付加一体物』に及ぶ(370条・373条)。

解説同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による(373条)。抵当権の順位を押さえる。

補足抵当権の優先順位は登記の先後で決まる(先に登記した抵当権が優先)。順位は各抵当権者の合意で変更でき(登記が効力要件、374条)、マンションの担保順位の把握に関わる。

5民法上の抵当権の順位の変更

抵当権の順位の変更及び抵当権の消滅時効に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当権の順位は、各抵当権者の合意によつて変更することができ、その順位の変更は、その登記をしなければ、その効力を生じない。
  • 抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によつて消滅しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
374条のとおり → 正しい

民法第374条抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができるe-Gov原文

正しい
396条のとおり → 正しい

民法第396条その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しないe-Gov原文

ひっかけ抵当権の順位の変更は『各抵当権者の合意』+『登記』(利害関係者の承諾も必要)。抵当権は債務者・設定者に対しては被担保債権と『同時』でなければ時効消滅しない(374条・396条)。

解説抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができる。ただし、利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければならない(374条1項)。この順位の変更は、その登記をしなければ効力を生じない(同条2項)。抵当権の順位の変更を押さえる。

補足順位の変更には全抵当権者の合意と利害関係者の承諾が必要で、登記が効力発生要件である(対抗要件ではない)。抵当権は被担保債権が存続する限り、債務者等との関係では単独では時効消滅しない(付従性)。

6民法上の抵当権の処分

抵当権の処分及び抵当権の順位に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる。
  • 同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、被担保債権の発生の前後による。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
376条1項のとおり → 正しい

民法第376条その抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができるe-Gov原文

誤り
登記の前後による → 『被担保債権の発生の前後による』は誤り

民法第373条その抵当権の順位は、登記の前後によるe-Gov原文

ひっかけ抵当権者は『転抵当』『抵当権・順位の譲渡放棄』ができる(抵当権の処分)。順位は『登記』の前後(債権発生の前後ではない)(376条・373条)。

解説抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし(転抵当)、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる(376条1項)。抵当権の処分を押さえる。

補足抵当権の処分には、転抵当・抵当権の譲渡・抵当権の放棄・順位の譲渡・順位の放棄がある。抵当権者が自己の優先弁済権を柔軟に活用する制度である。

7抵当権に係る代価弁済

代価弁済及び抵当権消滅請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が代価を弁済したときであつても、抵当権者の請求がない限り、抵当権は消滅しない。
  • 抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
抵当権者の請求に応じた代価弁済で消滅する → 『代価を弁済しても消滅しない』は誤り

民法第378条その代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅するe-Gov原文

正しい
378条のとおり → 正しい

民法第378条その代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅するe-Gov原文

ひっかけ『代価弁済』は抵当権者の請求に応じて第三取得者が代価を弁済し、抵当権が消滅する制度(378条)。

解説抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する(378条)。抵当権に係る代価弁済を押さえる。

補足代価弁済は抵当権者から請求する点で、第三取得者から請求する抵当権消滅請求(379条)と異なる。いずれも抵当不動産の第三取得者を保護する制度である。

8民法上の抵当権消滅請求

抵当権消滅請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当不動産の主たる債務者及び保証人は、抵当不動産の第三取得者として、抵当権消滅請求をすることができる。
  • 抵当不動産の第三取得者は、第三百八十三条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
第三取得者ができる制度 → 『主たる債務者・保証人ができる』は誤り

民法第379条抵当不動産の第三取得者は、第三百八十三条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができるe-Gov原文

正しい
379条のとおり → 正しい

民法第379条抵当不動産の第三取得者は、第三百八十三条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができるe-Gov原文

ひっかけ抵当権消滅請求ができるのは抵当不動産の『第三取得者』(主たる債務者・保証人・その承継人は不可)(379条)。

解説抵当不動産の第三取得者は、383条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる(379条)。抵当権消滅請求を押さえる。

補足抵当権消滅請求は第三取得者が抵当権者に一定額の弁済等を申し出て抵当権の消滅を求める制度である。主たる債務者・保証人は全額弁済義務があるためこの請求はできない(380条)。

9抵当権消滅請求の時期

抵当権消滅請求の時期に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当不動産の第三取得者は、抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生した後においても、抵当権消滅請求をすることができる。
  • 抵当不動産の第三取得者は、抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生する前に、抵当権消滅請求をしなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
差押えの効力発生前にしなければならない → 『効力発生後もできる』は誤り

民法第382条競売による差押えの効力が発生する前に、抵当権消滅請求をしなければならないe-Gov原文

正しい
382条のとおり → 正しい

民法第382条競売による差押えの効力が発生する前に、抵当権消滅請求をしなければならないe-Gov原文

ひっかけ抵当権消滅請求は、競売による差押えの効力が発生する『前』にしなければならない(382条)。

解説抵当不動産の第三取得者は、抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生する前に、抵当権消滅請求をしなければならない(382条)。抵当権消滅請求の時期を押さえる。

補足抵当権消滅請求には時期的制限があり、競売手続が進んで差押えの効力が生じた後はできない。早めの請求が必要である。

10抵当権に係る法定地上権

法定地上権及び抵当権の順位に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至つたときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。
  • 同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
388条のとおり → 正しい

民法第388条その建物について、地上権が設定されたものとみなすe-Gov原文

正しい
373条のとおり → 正しい

民法第373条その抵当権の順位は、登記の前後によるe-Gov原文

ひっかけ『法定地上権』は、同一所有者の土地・建物の一方に抵当権が設定され、競売で所有者が分かれたとき建物のために成立(388条)。

解説土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合において、地代は当事者の請求により裁判所が定める(388条)。抵当権に係る法定地上権を押さえる。

補足法定地上権は、抵当権実行で土地と建物の所有者が分かれた際に建物収去を防ぐ制度である。①抵当権設定時に建物が存在、②土地建物が同一所有者、③競売で所有者が分離、が要件である。

11民法上の抵当地の上の建物の競売

抵当地の上の建物の競売及び抵当権消滅請求の時期に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる。
  • 抵当不動産の第三取得者は、競売による差押えの効力が発生した後であつても、いつでも抵当権消滅請求をすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
389条1項のとおり → 正しい

民法第389条抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができるe-Gov原文

誤り
差押えの効力発生前にしなければならない → 『効力発生後もいつでもできる』は誤り

民法第382条競売による差押えの効力が発生する前に、抵当権消滅請求をしなければならないe-Gov原文

ひっかけ抵当権設定『後』に築造された建物は土地とともに『一括競売』できる(優先権は土地の代価のみ)。抵当権消滅請求は差押えの効力発生前まで(389条・382条)。

解説抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる(389条1項)。抵当地の上の建物の競売を押さえる。

補足更地に抵当権を設定した後に建物が築造されると、抵当権者は土地と建物を一括競売でき、買受人が建物収去を求められる事態を防げる。ただし優先弁済は土地の代価に限られる。

12民法上の抵当建物使用者の引渡しの猶予

抵当建物使用者の引渡しの猶予に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする所定の者は、その建物の競売における買受人の買受けの時から直ちにその建物を買受人に引き渡さなければならない。
  • 抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする所定の者は、その建物の競売における買受人の買受けの時から六箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
6か月を経過するまで引渡しを要しない → 『直ちに引き渡さなければならない』は誤り

民法第395条買受人の買受けの時から六箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しないe-Gov原文

正しい
395条1項のとおり → 正しい

民法第395条買受人の買受けの時から六箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しないe-Gov原文

ひっかけ抵当権に対抗できない賃借人(抵当建物使用者)は、競売の買受けの時から『6か月』を経過するまで建物の引渡しを猶予される(395条)。

解説抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする所定の者(抵当建物使用者)は、その建物の競売における買受人の買受けの時から6か月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない(395条1項)。抵当建物使用者の引渡しの猶予を押さえる。

補足抵当権に劣後する賃借人は競売で保護されないが、明渡しまで6か月の猶予が与えられる(短期賃貸借保護制度の廃止に伴う代替措置)。マンションの賃借人にも関わる。

13民法上の抵当権の消滅時効

抵当権の消滅時効及び順位の変更に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権が時効消滅しない間であつても、抵当権のみが単独で時効によつて消滅する。
  • 抵当権の順位は、各抵当権者の合意によつて変更することができ、利害関係を有する者があるときであつても、その承諾を得る必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
担保する債権と同時でなければ消滅しない → 『抵当権のみが単独で時効消滅する』は誤り

民法第396条その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しないe-Gov原文

誤り
利害関係者の承諾が必要 → 『承諾を得る必要はない』は誤り

民法第374条抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができるe-Gov原文

ひっかけ抵当権は債務者・設定者に対しては被担保債権と『同時』でなければ時効消滅しない(付従性)。順位の変更には利害関係者の『承諾』が必要(396条・374条)。

解説抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しない(396条)。抵当権の消滅時効を押さえる。

補足抵当権は付従性があり、債務者・設定者との関係では被担保債権が存続する限り単独では時効消滅しない。ただし第三取得者・後順位抵当権者との関係では別に消滅時効が問題となりうる。

14民法上の抵当不動産の時効取得による抵当権の消滅

抵当不動産の時効取得による抵当権の消滅及び被担保債権の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときであつても、抵当権は消滅しない。
  • 抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、原則として、その満期となつた最後の五年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
取得時効の要件を満たす占有で抵当権は消滅する → 『消滅しない』は誤り

民法第397条抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当権は、これによって消滅するe-Gov原文

誤り
最後の2年分 → 『最後の五年分』は誤り

民法第375条その満期となった最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができるe-Gov原文

ひっかけ債務者・設定者『でない』第三者が取得時効の要件を満たす占有をすると抵当権は『消滅』。利息等の優先は最後の『2年分』(5年ではない)(397条・375条)。

解説債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当権は、これによって消滅する(397条)。抵当不動産の時効取得による抵当権の消滅を押さえる。

補足抵当不動産を時効取得した第三者は、抵当権の負担のない所有権を取得する(抵当権が消滅)。ただし債務者・設定者本人の占有では消滅しない。

15根抵当権

根抵当権及び抵当権の内容に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 根抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を担保するものであるが、極度額の定めをすることはできない。
  • 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転して債務の担保に供した不動産についてのみ、他の債権者に先立つて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
極度額の限度で担保する → 『極度額の定めをすることはできない』は誤り

民法第398条の2一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができるe-Gov原文

誤り
占有を移転しないで担保に供した不動産 → 『占有を移転して担保に供した不動産についてのみ』は誤り

民法第369条他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有するe-Gov原文

ひっかけ根抵当権は不特定債権を『極度額』の限度で担保(極度額の定めは必須)。抵当権は『占有を移転しない』非占有担保(369条・398条の2)。

解説抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる(398条の2第1項、根抵当権)。根抵当権を押さえる。

補足根抵当権は継続的取引から生じる不特定多数の債権を極度額の枠内でまとめて担保する。個別の債権に対応する普通抵当権と異なり、被担保債権の範囲と極度額を定める。