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労災保険法・第2

労働者災害補償保険法の問題(26問)

論点 26目安 約52組合せ 26
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この章で扱う論点26論点

通勤の定義と逸脱・中断業務災害に関する保険給付の種類労災保険の保護対象傷病補償年金の支給要件休業補償給付の支給要件と額遺族補償年金を受けることができる遺族第三者行為災害における求償と控除特別加入の対象年金たる保険給付の支給期間と支払期月療養補償給付と障害補償給付保険給付を受ける権利の保護公課の禁止と障害補償給付等の消滅時効保険給付の消滅時効と葬祭料未支給の保険給付と療養の費用の支給保険給付の支給制限不正受給による費用徴収と事業主の連帯責任

問題と解説を読む26

e-Gov逐語照合済み2026年6月〜2026年6月時点の法令に準拠
1通勤の定義と逸脱・中断

労災保険法上の通勤に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 労災保険法上の通勤とは、労働者が、就業に関し、住居と就業の場所との間の往復等の移動を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除く。
  • 労働者が通勤の経路を逸脱し又は中断した場合、その逸脱・中断が日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により最小限度で行うものであっても、その後の移動は一切通勤とされない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
合理的な経路・方法が要件

労働者災害補償保険法第7条合理的な経路及び方法により行うことe-Gov原文

誤り
一切通勤とされないとするのは誤り

労働者災害補償保険法第7条当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでないe-Gov原文

ひっかけ日常生活上必要な行為なら、逸脱・中断の『間』だけが通勤から外れる。

解説通勤災害の『通勤』は、就業に関し、住居と就業場所の往復等を合理的な経路・方法で行う移動(7条2項)。経路を逸脱・中断すると原則その後は通勤でなくなるが、日用品購入や通院など日常生活上必要な行為をやむを得ず最小限度行う場合は、逸脱・中断の間を除き通勤に復帰する(同3項ただし書)。

補足単身赴任先と帰省先住居の間の移動なども、要件を満たせば通勤に含まれる。

2業務災害に関する保険給付の種類

労災保険法上の業務災害に関する保険給付に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 業務災害に関する保険給付には、療養補償給付及び休業補償給付が含まれる。
  • 業務災害に関する保険給付には、障害補償給付及び遺族補償給付が含まれる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
療養補償給付は業務災害給付

労働者災害補償保険法第12条の8療養補償給付e-Gov原文

正しい
遺族補償給付は業務災害給付

労働者災害補償保険法第12条の8遺族補償給付e-Gov原文

ひっかけ業務災害は『○○補償給付』、通勤災害は『○○給付』と名称が異なる。

解説業務災害に関する保険給付は、療養補償給付・休業補償給付・障害補償給付・遺族補償給付・葬祭料・傷病補償年金・介護補償給付(12条の8第1項)。通勤災害ではこれらに対応する給付が『補償』の文字を除いた名称(療養給付・休業給付等)で支給される。

補足休業補償給付は、療養のため労働できず賃金を受けない日の第4日目から支給される(待期3日)。

3労災保険の保護対象

労災保険法の保護対象に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 労災保険による保険給付は、業務上の負傷・疾病等に関するもののみであり、通勤による負傷・疾病等は対象とされない。
  • 労災保険は、複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする負傷・疾病等(複数業務要因災害)も保険給付の対象とする。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
通勤災害は対象外とするのは誤り

労働者災害補償保険法第7条通勤による負傷、疾病、障害又は死亡e-Gov原文

正しい
複数業務要因災害も保護対象

労働者災害補償保険法第7条二以上の事業の業務を要因とするe-Gov原文

ひっかけ労災保険は『業務災害』だけでなく『通勤災害』『複数業務要因災害』も対象。

解説労災保険の保険給付は、業務災害(7条1項1号)、複数業務要因災害(同2号)、通勤災害(同3号)、二次健康診断等給付(同4号)に関するもの。複数業務要因災害は、複数の会社で働く労働者の負荷を合わせて評価する近年の制度。

補足労災保険は、原則として労働者を使用する全事業に適用され、保険料は全額事業主負担。

4傷病補償年金の支給要件

労災保険法上の傷病補償年金に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 傷病補償年金は、業務上負傷した労働者について、その療養の開始後3年を経過した日において一定の傷病等級に該当する場合に支給される。
  • 傷病補償年金は、当該負傷又は疾病が既に治っていることを支給の要件とする。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
「3年」は誤り(1年6か月)

労働者災害補償保険法第12条の8療養の開始後一年六箇月を経過した日e-Gov原文

誤り
治っていることを要件とするのは誤り

労働者災害補償保険法第12条の8当該負傷又は疾病が治つていないことe-Gov原文

ひっかけ起点は『1年6か月』。傷病補償年金は『治っていない』段階の給付。

解説傷病補償年金は、療養開始後1年6か月を経過した日(又はその後)に、傷病が治っておらず、その障害の程度が傷病等級に該当する場合に、休業補償給付に代えて支給される(12条の8第3項)。『治っていない』ことが要件で、治った後に障害が残れば障害補償給付の対象となる。

補足傷病補償年金へ移行すると休業補償給付は支給されなくなる。

5休業補償給付の支給要件と額

労働者災害補償保険法上の休業補償給付に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 休業補償給付は、労働者が業務上の負傷又は疾病による療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第4日目から支給される。
  • 休業補償給付の額は、原則として、1日につき給付基礎日額の100分の60に相当する額である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
待期3日の後、4日目から支給

労働者災害補償保険法第14条労働することができないために賃金を受けない日の第四日目から支給するものとしe-Gov原文

正しい
給付は給付基礎日額の100分の60

労働者災害補償保険法第14条その額は、一日につき給付基礎日額の百分の六十に相当する額とするe-Gov原文

ひっかけ休業補償給付は『4日目から・60%』。待期3日は事業主補償。

解説休業補償給付は、業務上の傷病の療養で働けず賃金を受けない日の第4日目から、給付基礎日額の60%が支給される(14条)。最初の3日間(待期)は事業主が労働基準法上の休業補償を行う。これとは別に休業特別支給金(20%)があり、あわせて実質80%が補償される。

補足休業特別支給金(20%)を加えると、給付基礎日額の実質80%が補償される。

6遺族補償年金を受けることができる遺族

労働者災害補償保険法上の遺族補償年金の遺族の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 遺族補償年金を受けることができる遺族は、労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものである。
  • 遺族のうち、夫、父母又は祖父母については、労働者の死亡の当時に55歳以上であることが要件である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
兄弟姉妹まで含まれる(厚年遺族より広い)

労働者災害補償保険法第16条の2労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であつて、労働者の死亡の当時その収入によつて生計を維持していたものe-Gov原文

誤り
労災の遺族年金は60歳以上(厚年遺族は55歳)

労働者災害補償保険法第16条の2父母又は祖父母については、六十歳以上であることe-Gov原文

ひっかけ労災の遺族年金は『夫等60歳以上』『兄弟姉妹も含む』。厚年(55歳・兄弟姉妹なし)と区別。

解説遺族補償年金の遺族は、配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹(生計維持が前提)で、受給順位は配偶者が最先順位。妻以外の遺族には要件があり、夫・父母・祖父母は60歳以上、子・孫・兄弟姉妹は18歳到達年度末までが原則。厚生年金の遺族(夫等55歳以上、兄弟姉妹は含まない)との違いに注意。

補足受給権者がいなくなった場合等のため、遺族補償一時金の制度もある。

7第三者行為災害における求償と控除

労働者災害補償保険法上の第三者行為災害に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じた場合に政府が保険給付をしたときであっても、政府は、保険給付を受けた者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得することはない。
  • 保険給付を受けるべき者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で保険給付をしないことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
政府は給付価額の限度で求償権を取得する

労働者災害補償保険法第12条の4その給付の価額の限度で、保険給付を受けた者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得するe-Gov原文

正しい
二重填補を避けるため給付を控除できる

労働者災害補償保険法第12条の4その価額の限度で保険給付をしないことができるe-Gov原文

ひっかけ第三者行為災害は『給付が先なら求償』『賠償が先なら控除』。

解説第三者行為災害(交通事故等、第三者の行為で生じた労災)では、損害の二重填補を避けるため、①政府が先に給付したら加害者への損害賠償請求権を取得(求償・12条の4第1項)、②被災者が先に賠償を受けたら政府はその限度で給付しない(控除・同2項)という調整が行われる。

補足被災者は加害者への損害賠償と労災給付を二重には受け取れない。

8特別加入の対象

労働者災害補償保険法上の特別加入に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 労災保険の特別加入は、事業の規模や種類にかかわらず、すべての事業主及び労働者でない者が一律に加入できる制度である。
  • 中小事業主が特別加入するためには、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託していることは要件とされていない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
誰でも一律に加入できるわけではない

労働者災害補償保険法第33条厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業e-Gov原文

誤り
事務組合への委託が特別加入の前提

労働者災害補償保険法第33条に同条第一項の労働保険事務の処理を委託するものである者e-Gov原文

ひっかけ特別加入は『中小事業主・一人親方等』限定。中小事業主は事務組合への委託が前提。

解説労災保険は本来労働者を対象とするが、業務の実態が労働者に準じる者(中小事業主、一人親方、特定作業従事者、海外派遣者)には特別加入が認められる。中小事業主の特別加入は、労働保険事務組合への労働保険事務の委託が前提となる。

補足一人親方等は団体を通じて特別加入する。

9年金たる保険給付の支給期間と支払期月

労働者災害補償保険法上の年金たる保険給付に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 年金たる保険給付の支給は、支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、支給を受ける権利が消滅した月で終わるものとする。
  • 年金たる保険給付は、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の6期に、それぞれその前月分までを支払う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
翌月支給開始・消滅月で終了

労働者災害補償保険法第9条年金たる保険給付の支給は、支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、支給を受ける権利が消滅した月で終わるものとするe-Gov原文

正しい
偶数月の6期払い

労働者災害補償保険法第9条毎年二月、四月、六月、八月、十月及び十二月の六期に、それぞれその前月分までを支払うe-Gov原文

ひっかけ年金は『翌月から消滅月まで』、支払は『偶数月の6期』。

解説労災保険の年金たる保険給付(障害補償年金・遺族補償年金等)は、支給事由が生じた月の翌月から支給が始まり、権利が消滅した月で終わる(9条1項)。支払は毎年2・4・6・8・10・12月の6期に、それぞれ前月までの2か月分を支払う(同3項)。厚生年金・国民年金の年金と同じ偶数月払いの仕組み。

補足権利が消滅した場合、その期の年金は支払期月でない月であっても支払われる(9条3項ただし書)。

10療養補償給付と障害補償給付

労働者災害補償保険法上の療養補償給付及び障害補償給付に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 療養補償給付は、療養の給付とする。
  • 障害補償給付は、障害等級にかかわらず、常に障害補償年金として支給される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
療養補償給付は原則として現物給付

労働者災害補償保険法第13条療養補償給付は、療養の給付とするe-Gov原文

誤り
等級により年金か一時金かが分かれる

労働者災害補償保険法第15条障害補償給付は、厚生労働省令で定める障害等級に応じ、障害補償年金又は障害補償一時金とするe-Gov原文

ひっかけ療養補償給付は『現物給付が原則』、障害補償給付は『等級に応じ年金又は一時金』。

解説療養補償給付は、診察・薬剤・処置・入院等の療養の給付(現物給付)が原則で、給付が困難な場合等に療養の費用が支給される(13条)。障害補償給付は、障害等級に応じ、重い等級(第1級から第7級)は障害補償年金、軽い等級(第8級から第14級)は障害補償一時金として支給される(15条)。

補足療養の給付は、労災指定病院等で無料で受けられる現物給付である。

11保険給付を受ける権利の保護

労働者災害補償保険法上の保険給付を受ける権利に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更される。
  • 保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
退職しても給付を受ける権利は変わらない

労働者災害補償保険法第12条の5保険給付を受ける権利は、労働者の退職によつて変更されることはないe-Gov原文

正しい
受給権は処分・差押えできない

労働者災害補償保険法第12条の5保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができないe-Gov原文

ひっかけ受給権は『退職で変更されない』『譲渡・担保・差押え不可』。

解説労災保険の保険給付を受ける権利は、労働者が退職しても変更されない(12条の5第1項)。被災時に労働者であれば、その後退職しても給付を受けられる。またこの権利は、譲り渡し・担保供与・差押えが禁止され、労働者・遺族の生活保障を確実にしている(同2項)。

補足保険給付として支給を受けた金品には、租税その他の公課を課すことができない(12条の6)。

12公課の禁止と障害補償給付等の消滅時効

労働者災害補償保険法上の保険給付に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として課することができる。
  • 障害補償給付及び遺族補償給付を受ける権利は、これらを行使することができる時から2年を経過したときは、時効によって消滅する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
労災給付は非課税

労働者災害補償保険法第12条の6租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として課することはできないe-Gov原文

誤り
障害・遺族の給付は5年で時効

労働者災害補償保険法第42条障害補償給付、遺族補償給付、複数事業労働者障害給付、複数事業労働者遺族給付、障害給付及び遺族給付を受ける権利は、これらを行使することができる時から五年を経過したときe-Gov原文

ひっかけ労災給付は『非課税』。時効は『療養等2年・障害遺族5年』。

解説労災保険の保険給付として支給を受けた金品には、租税その他の公課を課すことができない(12条の6、非課税)。保険給付を受ける権利の消滅時効は、療養・休業・葬祭料・介護等は2年、障害補償給付・遺族補償給付は5年である(42条)。時効期間が給付の種類により異なる点が頻出。

補足時効の起算点は、それぞれの給付を行使することができる時である。

13保険給付の消滅時効と葬祭料

労働者災害補償保険法上の保険給付の時効及び葬祭料に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 療養補償給付、休業補償給付、葬祭料及び介護補償給付を受ける権利は、これらを行使することができる時から2年を経過したときは、時効によって消滅する。
  • 葬祭料は、遺族補償年金の額の100分の60に相当する額とする。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
短期の給付は2年で時効

労働者災害補償保険法第42条これらを行使することができる時から二年を経過したときe-Gov原文

誤り
葬祭料は大臣が定める額による

労働者災害補償保険法第17条葬祭料は、通常葬祭に要する費用を考慮して厚生労働大臣が定める金額とするe-Gov原文

ひっかけ短期給付の時効は『2年』、葬祭料は『大臣が定める金額』。

解説保険給付の消滅時効は、療養補償給付・休業補償給付・葬祭料・介護補償給付・二次健康診断等給付が2年、障害補償給付・遺族補償給付が5年である(42条)。葬祭料は、通常葬祭に要する費用を考慮して厚生労働大臣が定める金額による(17条)。給付ごとの時効期間と算定基準が問われやすい。

補足葬祭料(葬祭給付)は、原則として葬祭を行う者に対して支給される。

14未支給の保険給付と療養の費用の支給

労働者災害補償保険法上の未支給の保険給付及び療養の費用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保険給付を受ける権利を有する者が死亡し、その者に支給すべき保険給付でまだ支給しなかったものがあるときは、その者の相続人のみが、自己の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができる。
  • 政府は、療養の給付をすることが困難な場合その他厚生労働省令で定める場合には、療養の給付に代えて療養の費用を支給することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
生計を同じくしていた遺族が請求できる

労働者災害補償保険法第11条子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものe-Gov原文

正しい
現物給付が困難なら費用を支給

労働者災害補償保険法第13条療養の給付に代えて療養の費用を支給することができるe-Gov原文

ひっかけ未支給給付は『生計同一の遺族が固有の権利で請求』。療養は困難なら『費用支給』。

解説受給権者が死亡し未支給の保険給付があるときは、配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹で死亡当時生計を同じくしていた者が、自己の名で請求できる(11条、相続とは別の固有の権利)。療養補償給付は療養の給付(現物)が原則だが、それが困難な場合等には療養の費用が支給される(13条3項、いわゆる現金給付)。

補足未支給の保険給付を受けるべき者の順位は、条文に定める順序による(11条)。

15保険給付の支給制限(故意・重過失)

労働者災害補償保険法上の保険給付の支給制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 労働者が、故意に負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその直接の原因となった事故を生じさせたときは、政府は、保険給付を行わない。
  • 労働者が故意の犯罪行為若しくは重大な過失により負傷等を生じさせたときは、政府は、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
故意の自招事故は給付されない

労働者災害補償保険法第12条の2の2労働者が、故意に負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその直接の原因となつた事故を生じさせたときは、政府は、保険給付を行わないe-Gov原文

正しい
重過失等は一部不支給となりうる

労働者災害補償保険法第12条の2の2政府は、保険給付の全部又は一部を行わないことができるe-Gov原文

ひっかけ故意は『給付なし』、故意の犯罪行為・重過失等は『一部不支給もありうる』。

解説労災保険には支給制限がある。労働者が故意に負傷・疾病・障害・死亡又はその原因事故を生じさせたときは保険給付を行わない(絶対的支給制限)。故意の犯罪行為・重大な過失により、又は正当な理由なく療養指示に従わないことにより負傷等を生じさせ又は回復を妨げたときは、給付の全部又は一部を行わないことができる(相対的支給制限。12条の2の2)。

補足通勤災害について被災した場合も、故意・重過失等による支給制限の規定が適用される。

16不正受給による費用徴収と事業主の連帯責任

労働者災害補償保険法上の不正受給による費用徴収に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者があるときは、政府は、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる。
  • 事業主が虚偽の報告又は証明をしたためその保険給付が行われたときであっても、政府は、その事業主に対し、保険給付を受けた者と連帯して徴収金を納付すべきことを命ずることはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
不正受給は費用を徴収される

労働者災害補償保険法第12条の3偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者があるときは、政府は、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができるe-Gov原文

誤り
虚偽報告した事業主も連帯責任を負う

労働者災害補償保険法第12条の3保険給付を受けた者と連帯して前項の徴収金を納付すべきことを命ずることができるe-Gov原文

ひっかけ不正受給は『本人から費用徴収』、虚偽報告した事業主は『連帯責任』。

解説偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者からは、政府がその費用相当額の全部又は一部を徴収できる(12条の3第1項)。さらに、事業主が虚偽の報告・証明をしたためにその給付が行われたときは、政府はその事業主に対し、不正受給者と連帯して徴収金を納付すべきことを命じることができる(同2項)。徴収金には徴収法の督促等の規定が準用される。

補足費用徴収金については、徴収法の督促及び滞納処分等の規定が準用される(12条の3第3項)。

17介護補償給付と二次健康診断等給付

労働者災害補償保険法上の介護補償給付及び二次健康診断等給付に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 介護補償給付は、年を単位として支給するものとし、その年額は、常時又は随時介護を受ける場合に通常要する費用を考慮して厚生労働大臣が定める。
  • 二次健康診断等給付は、一次健康診断において、脳血管疾患及び心臓疾患の発生にかかわる一定の検査のいずれの項目にも異常の所見があると診断されたときに、その請求に基づいて行う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
介護補償給付は月額で支給される

労働者災害補償保険法第19条の2介護補償給付は、月を単位として支給するものとしe-Gov原文

正しい
一次健診で異常所見があると二次健診を受けられる

労働者災害補償保険法第26条当該検査を受けた労働者がそのいずれの項目にも異常の所見があると診断されたときにe-Gov原文

ひっかけ介護補償給付は『月単位』、二次健診等給付は『一次健診で全項目異常』が要件。

解説介護補償給付は、障害補償年金・傷病補償年金の受給者で常時又は随時介護を要する者に、月を単位として支給される(19条の2)。二次健康診断等給付は、事業者が行う定期健康診断(一次健診)で脳・心臓疾患に関わる検査の全項目に異常の所見があったとき、労働者の請求に基づき二次健康診断と特定保健指導を行う給付である(26条)。

補足二次健康診断等給付は、保険給付の中で唯一、業務上の傷病の発生前(予防)に支給される給付である。

18事業主からの費用徴収と拘禁等による休業補償給付の不支給

労働者災害補償保険法上の費用徴収及び休業補償給付に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 政府は、事業主が故意又は重大な過失により保険関係成立の届出をしていない期間中に生じた事故について保険給付を行ったときであっても、その費用を事業主から徴収することはできない。
  • 労働者が刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されている場合であっても、休業補償給付は行われる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
届出を怠った事業主は費用を徴収される

労働者災害補償保険法第31条その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができるe-Gov原文

誤り
拘禁中は賃金喪失がなく休業補償しない

労働者災害補償保険法第14条の2休業補償給付は、行わないe-Gov原文

ひっかけ届出を怠った事業主は『費用徴収』、拘禁中は『休業補償なし』。

解説政府は、事業主が故意又は重大な過失により保険関係成立の届出をしていない期間中の事故や、一般保険料を滞納している期間中の事故について保険給付を行ったときは、その費用の全部又は一部を事業主から徴収できる(31条)。また、労働者が刑事施設等に拘禁され又は少年院等に収容されている場合は、休業補償給付を行わない(14条の2)。

補足費用徴収の割合は、無届期間中は給付額の100分の100、保険料滞納中は100分の40を限度とする(政令)。

19給付基礎日額と遺族補償一時金の支給事由

労働者災害補償保険法上の給付基礎日額及び遺族補償一時金に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 給付基礎日額は、原則として、労働基準法第12条の平均賃金に相当する額とする。
  • 遺族補償一時金は、労働者の死亡の当時、遺族補償年金を受けることができる遺族があるときに支給する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
給付額の算定基礎は平均賃金

労働者災害補償保険法第8条給付基礎日額は、労働基準法第十二条の平均賃金に相当する額とするe-Gov原文

誤り
年金の遺族がいない場合の補完給付

労働者災害補償保険法第16条の6労働者の死亡の当時遺族補償年金を受けることができる遺族がないときe-Gov原文

ひっかけ給付基礎日額は『平均賃金』、遺族補償一時金は年金の遺族が『ない』とき。

解説給付基礎日額は、原則として労働基準法12条の平均賃金に相当する額で、保険給付の額の算定基礎となる(8条)。遺族補償一時金は、労働者の死亡当時に遺族補償年金を受けることができる遺族がないとき、又は遺族補償年金の受給権が消滅し既支給額が一定額に満たないときに支給される(16条の6)。遺族補償年金を補完する給付である。

補足遺族補償一時金を受けるべき遺族の第一順位は配偶者である(16条の7)。

20遺族補償一時金を受けることができる遺族と療養指示違反による支給制限

労働者災害補償保険法上の遺族補償一時金及び支給制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 遺族補償一時金を受けることができる遺族の第一順位は、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた子である。
  • 労働者が、正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより負傷若しくは疾病の程度を増進させ、若しくはその回復を妨げたときは、政府は、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
一時金の第一順位は配偶者

労働者災害補償保険法第16条の7遺族補償一時金を受けることができる遺族は、次の各号に掲げる者とする。一配偶者e-Gov原文

正しい
療養指示違反は一部不支給となりうる

労働者災害補償保険法第12条の2の2正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことによりe-Gov原文

ひっかけ遺族補償一時金の第一順位は『配偶者』、療養指示違反は『一部不支給もありうる』。

解説遺族補償一時金を受けることができる遺族は、配偶者を第一順位とし、次いで生計維持関係にあった子・父母・孫・祖父母、さらにそれ以外の子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹の順とする(16条の7)。療養に関する指示に正当な理由なく従わず負傷・疾病を増進させ又は回復を妨げたときは、保険給付の全部又は一部を行わないことができる(12条の2の2第2項)。

補足遺族補償年金の受給資格を持つ遺族と異なり、遺族補償一時金の遺族には年齢・障害の要件はない。

21休業給付基礎日額のスライド制

労災保険法上の休業給付基礎日額に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 休業補償給付等の額の算定に用いる休業給付基礎日額は、四半期ごとの平均給与額が一定の比率を超えて変動した場合に改定される(スライド制)。
  • 休業給付基礎日額には、年齢階層別の最低限度額・最高限度額の定めはない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
8条の2第1項2号がスライド制を定める

労災保険法第8条の2百分の百十を超え、又は百分の九十を下るに至つた場合e-Gov原文

誤り
8条の2第2項が年齢階層別限度額を定める

労災保険法第8条の2休業給付基礎日額の最低限度額として厚生労働大臣が定める額e-Gov原文

ひっかけ給付基礎日額は『1割超の賃金変動でスライド改定』、年齢階層別の限度額もある。

解説労災保険の給付額の基礎となる給付基礎日額は、賃金水準の変動に対応するため、四半期ごとの平均給与額が100分の110を超え又は100分の90を下る変動があったときに改定される(スライド制・8条の2第1項)。また、長期療養者の休業給付基礎日額には、年齢階層別の最低・最高限度額が設けられている(同条2項)。

補足年金給付の算定に用いる年金給付基礎日額にも、同様のスライド制と年齢階層別限度額がある。

22遺族補償年金の受給権の消滅事由

労災保険法上の遺族補償年金を受ける権利の消滅に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が婚姻(事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む)をしたときは、消滅する。
  • 遺族補償年金を受ける権利は、その遺族が直系血族又は直系姻族以外の者の養子となったときにも消滅する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
16条の4第1項2号が婚姻を失権事由とする

労災保険法第16条の4遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が次の各号の一に該当するに至つたときは、消滅するe-Gov原文

正しい
16条の4第1項3号が養子縁組を失権事由とする

労災保険法第16条の4直系血族又は直系姻族以外の者の養子e-Gov原文

ひっかけ遺族補償年金は『婚姻・養子縁組・18歳到達』等で失権する。

解説遺族補償年金の受給権者が、①死亡、②婚姻(事実婚を含む)、③直系血族・直系姻族以外の者の養子となること、④離縁による親族関係の終了、⑤一定の年齢到達(子・孫・兄弟姉妹が18歳到達年度末を過ぎたこと)等の事由に該当すると、その受給権は消滅する(16条の4第1項)。受給権者の生活状況の変化に応じた失権事由である。

補足失権事由のうち「養子」には、直系血族・直系姻族の養子となる場合は含まれない。

23遺族補償年金の転給

労災保険法上の遺族補償年金の転給に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 遺族補償年金の受給権者が失権した場合、同順位者がいないときであっても、後順位者がその年金を受けることはできない。
  • 遺族補償年金の受給権者が失権した場合において、同順位者がなく後順位者があるときは、次順位者に遺族補償年金が支給される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
16条の4第1項後段が転給を定める

労災保険法第16条の4同順位者がなくて後順位者があるときは、次順位者に遺族補償年金を支給するe-Gov原文

正しい
16条の4第1項後段が次順位者への支給を定める

労災保険法第16条の4次順位者に遺族補償年金を支給するe-Gov原文

ひっかけ遺族補償年金は失権時に後順位者へ『転給』される(遺族厚生年金にはない)。

解説遺族補償年金は、先順位の受給権者が失権した場合、同順位者がいなければ後順位者(次順位者)に支給される(転給・16条の4第1項後段)。例えば配偶者が再婚により失権した後、亡き労働者の子が受給権を取得するといった形である。厚生年金の遺族厚生年金には転給の制度がない点と対比される。

補足遺族補償年金の受給資格者の順位は、配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹の順などにより定まる。

24社会復帰促進等事業

労災保険法上の社会復帰促進等事業に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 政府は、労災保険の適用事業に係る労働者及びその遺族について、社会復帰促進等事業として、療養に関する施設やリハビリテーションに関する施設の設置・運営等の事業を行うことができる。
  • 社会復帰促進等事業は、被災労働者の社会復帰の促進に関する事業に限られ、遺族の就学の援護や労働者の安全衛生の確保に関する事業は含まれない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
29条1項が社会復帰促進等事業を定める

労災保険法第29条社会復帰促進等事業として、次の事業を行うことができるe-Gov原文

誤り
29条1項2号3号が援護・安全衛生確保等事業を含める

労災保険法第29条その遺族の就学の援護e-Gov原文

ひっかけ社会復帰促進等事業は『社会復帰促進・援護・安全衛生確保等』の3本柱。

解説社会復帰促進等事業は、保険給付とは別に政府が行う事業で、①社会復帰促進事業(療養・リハビリ施設の設置運営等)、②被災労働者等援護事業(療養生活・介護の援護、遺族の就学援護、資金の貸付け等)、③安全衛生確保等事業(労働災害防止、健康診断施設、賃金支払確保等)の3つからなる(29条1項)。労働者災害補償保険の福祉的・予防的役割を担う。

補足特別支給金の支給も、社会復帰促進等事業の一環として行われる。

25労災保険の審査請求及び再審査請求

労災保険法上の不服申立てに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保険給付に関する決定に不服のある者は、まず労働保険審査会に対して審査請求をし、その決定に不服があれば労働者災害補償保険審査官に対して再審査請求をする。
  • 保険給付に関する決定に不服のある者は、労働者災害補償保険審査官に対して審査請求をすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
38条1項が不服申立ての順序を定める

労災保険法第38条労働者災害補償保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服のある者は、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができるe-Gov原文

正しい
38条1項が審査請求先を審査官とする

労災保険法第38条保険給付に関する決定に不服のある者は、労働者災害補償保険審査官に対して審査請求をしe-Gov原文

ひっかけ労災の不服申立ては『審査官(審査請求)→審査会(再審査請求)』の順。

解説労災保険の保険給付に関する決定に不服がある場合、まず労働者災害補償保険審査官に審査請求をし、その決定になお不服があれば労働保険審査会に再審査請求をする(38条1項)。二審制の不服申立ての仕組みである。なお、審査官の決定を経た後であれば、再審査請求を経ずに直ちに処分の取消しの訴えを提起することもできる。

補足この審査請求の制度は、健康保険・厚生年金・国民年金などの社会保険にも同様に設けられている。

26審査請求の特則

労災保険法上の審査請求の特則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 審査請求をしている者は、審査請求をした日から1箇月を経過しても決定がないときは、審査請求が棄却されたものとみなすことができる。
  • 労災保険の審査請求及び再審査請求は、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求とはみなされない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
38条2項がみなし棄却の期間を3箇月とする

労災保険法第38条審査請求をした日から三箇月を経過しても審査請求についての決定がないときe-Gov原文

誤り
38条3項が審査請求等を裁判上の請求とみなす

労災保険法第38条時効の完成猶予及び更新に関しては、これを裁判上の請求とみなすe-Gov原文

ひっかけ決定がないまま『3箇月』で棄却みなし。審査請求は時効上『裁判上の請求』とみなす。

解説審査請求をしてから3箇月を経過しても決定がないときは、審査請求人は審査請求が棄却されたものとみなして、次の段階(再審査請求や取消訴訟)に進むことができる(38条2項)。また、審査請求・再審査請求は、時効の完成猶予及び更新に関しては裁判上の請求とみなされ、給付請求権の消滅時効の進行が止まる(同条3項)。請求者の救済を図る規定である。

補足労災保険給付を受ける権利の消滅時効は、療養補償給付等は2年、障害補償給付・遺族補償給付は5年である。

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