問1地上権の地代
地上権の地代及び永小作権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.永小作権の小作料の減免・放棄・消滅請求に関する規定は、地上権者が土地の所有者に定期の地代を支払わなければならない場合について準用する。
- イ.永小作人は、小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 266条1項のとおり → 正しい
民法第266条「地上権者が土地の所有者に定期の地代を支払わなければならない場合について準用する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 270条のとおり → 正しい
民法第270条「小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利を有する」e-Gov原文
ひっかけ地上権の地代には『永小作権の地代関連規定を準用』。永小作権は『小作料を支払い耕作牧畜をする権利』(266条・270条)。
解説永小作権の小作料の減免(274条)・放棄(275条)・消滅請求(276条)の規定は、地上権者が定期の地代を支払う場合について準用される(266条1項)。永小作人は小作料を支払って他人の土地で耕作又は牧畜をする権利を有する(270条)。地上権の地代と永小作権の内容を押さえる。
補足地上権は無償が原則だが、定期の地代の定めがあるときは永小作権の地代関連規定や賃貸借の規定が準用される。
問2地上権者の工作物等の収去等
地上権者の収去権及び永小作権の内容に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.地上権者は、その権利が消滅した時に、土地を原状に復してその工作物及び竹木を収去することができるが、土地の所有者が時価相当額を提供して買い取る旨を通知したときは、正当な理由がなければこれを拒むことができない。
- イ.永小作人は、小作料を支払うことなく、他人の土地において耕作又は牧畜をする権利を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 269条1項のとおり → 正しい
民法第269条「地上権者は、その権利が消滅した時に、土地を原状に復してその工作物及び竹木を収去することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 小作料を支払って耕作牧畜をする権利 → 『小作料を支払うことなく』は誤り
民法第270条「小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利を有する」e-Gov原文
ひっかけ地上権者は消滅時に工作物等を『収去できる』(所有者の買取通知時は拒絶制限)。永小作権は『小作料を支払う』(269条・270条)。
解説地上権者は、その権利が消滅した時に土地を原状に復して工作物及び竹木を収去できる(269条1項本文)。ただし、土地の所有者が時価相当額を提供して買い取る旨を通知したときは、地上権者は正当な理由がなければ拒めない(同項ただし書)。永小作権は小作料を支払って耕作牧畜をする権利である(270条)。収去権と永小作権の内容を押さえる。
補足地上権者の収去権は原状回復が原則だが、所有者の買取通知により買取りに応じる義務が生じる(時価相当額の提供を要する)。
問3地下又は空間を目的とする地上権
区分地上権及び承役地の所有者の委棄に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.地下又は空間は、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権の目的とすることができる。
- イ.承役地の所有者は、いつでも、地役権に必要な土地の部分の所有権を放棄して地役権者に移転し、これにより工作物の設置等の義務を免れることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 269条の2第1項のとおり → 正しい
民法第269条の2「地下又は空間は、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権の目的とすることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 287条のとおり → 正しい
民法第287条「地役権に必要な土地の部分の所有権を放棄して地役権者に移転し、これにより前条の義務を免れることができる」e-Gov原文
ひっかけ地下・空間は上下の範囲を定めて『区分地上権』の目的にできる。承役地所有者は『委棄』で工作物設置義務を免れうる(269条の2・287条)。
解説地下又は空間は、工作物を所有するため上下の範囲を定めて地上権の目的とすることができる(269条の2第1項、区分地上権)。また、承役地の所有者は、いつでも地役権に必要な土地の部分の所有権を放棄して地役権者に移転し、工作物設置等の義務(286条)を免れることができる(287条、委棄)。区分地上権と承役地所有者の委棄を押さえる。
補足区分地上権は地下鉄・送電線等の立体的利用に用いられる。承役地所有者の委棄は、工作物設置義務の負担からの離脱手段である。
問4永小作権の内容
永小作権の内容及び区分地上権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.永小作人は、小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利を有する。
- イ.地下又は空間は、工作物を所有するためであっても、地上権の目的とすることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 270条のとおり → 正しい
民法第270条「小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利を有する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 地下空間も地上権の目的とできる → 『目的とすることはできない』は誤り
民法第269条の2「地下又は空間は、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権の目的とすることができる」e-Gov原文
ひっかけ永小作権は『小作料を支払い耕作牧畜』。地下・空間も『区分地上権の目的とできる』(270条・269条の2)。
解説永小作人は小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利を有する(270条)。また、地下又は空間は工作物を所有するため上下の範囲を定めて地上権の目的とすることができる(269条の2第1項)。永小作権の内容と区分地上権を押さえる。
補足永小作権は耕作・牧畜を目的とする用益物権で、有償(小作料)が要素である。区分地上権は土地の上下の一定範囲を目的とする。
問5永小作人による土地の変更の制限
永小作人による土地の変更の制限及び共有と地役権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.永小作人は、土地に対して、回復することのできない損害を生ずべき変更を加えることができない。
- イ.土地の共有者の一人が時効によって地役権を取得したときは、他の共有者も、これを取得する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 271条のとおり → 正しい
民法第271条「永小作人は、土地に対して、回復することのできない損害を生ずべき変更を加えることができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 284条1項のとおり → 正しい
民法第284条「土地の共有者の一人が時効によって地役権を取得したときは、他の共有者も、これを取得する」e-Gov原文
ひっかけ永小作人は『回復不能の損害を生ずべき変更を加えられない』。共有者の一人の地役権時効取得は『他の共有者にも及ぶ』(271条・284条1項)。
解説永小作人は、土地に対して回復することのできない損害を生ずべき変更を加えることができない(271条)。また、土地の共有者の一人が時効によって地役権を取得したときは、他の共有者もこれを取得する(284条1項)。土地の変更の制限と共有と地役権の取得を押さえる。
補足永小作人は土地を毀損的に変更できない。地役権は要役地の便益のための権利であり、共有の場合は不可分性から共有者全員に効果が及ぶ。
問6永小作権の譲渡又は土地の賃貸
永小作権の譲渡又は土地の賃貸及び土地の変更の制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.永小作人は、設定行為で禁じられていない限り、その権利を他人に譲り渡し、又はその権利の存続期間内において耕作若しくは牧畜のため土地を賃貸することができる。
- イ.永小作人は、土地に対して、回復することのできない損害を生ずべき変更を加えることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 272条のとおり → 正しい
民法第272条「その権利を他人に譲り渡し、又はその権利の存続期間内において耕作若しくは牧畜のため土地を賃貸することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 回復不能の損害を生ずべき変更を加えられない → 『加えることができる』は誤り
民法第271条「回復することのできない損害を生ずべき変更を加えることができない」e-Gov原文
ひっかけ永小作人は設定行為で禁じられなければ『譲渡・賃貸できる』。土地に『回復不能の損害を生ずべき変更は加えられない』(272条・271条)。
解説永小作人は、設定行為で禁じられていない限り、その権利を他人に譲り渡し、又は存続期間内において耕作・牧畜のため土地を賃貸することができる(272条)。一方、土地に回復不能の損害を生ずべき変更は加えられない(271条)。永小作権の譲渡賃貸と土地の変更の制限を押さえる。
補足永小作権は原則として譲渡・賃貸が自由だが、設定行為で禁止できる。地上権が原則自由なのと同様、用益物権の処分性が認められる。
問7不可抗力による小作料の減免
不可抗力による小作料の減免に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.永小作人は、不可抗力により収益について損失を受けたときは、小作料の免除又は減額を請求することができる。
- イ.永小作人は、不可抗力により収益について損失を受けたときであっても、小作料の免除又は減額を請求することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 不可抗力でも小作料の減免を請求できない → 『請求することができる』は誤り
民法第274条「不可抗力により収益について損失を受けたときであっても、小作料の免除又は減額を請求することができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 274条のとおり → 正しい
民法第274条「不可抗力により収益について損失を受けたときであっても、小作料の免除又は減額を請求することができない」e-Gov原文
ひっかけ永小作人は不可抗力による損失でも『小作料の減免を請求できない』(274条)。
解説永小作人は、不可抗力により収益について損失を受けたときであっても、小作料の免除又は減額を請求することができない(274条)。永小作権は物権であり、賃借人の賃料減額請求(611条等)とは異なる。小作料の減免の不可を押さえる。
補足永小作人は不作でも小作料の減免を請求できない点が、賃貸借(不可抗力による賃料減額が認められうる)と対照的である。代わりに一定要件で永小作権を放棄できる(275条)。
問8永小作権の放棄
永小作権の放棄に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.永小作人は、不可抗力によって引き続き三年以上全く収益を得ない場合であっても、その権利を放棄することはできない。
- イ.永小作人は、不可抗力によって、引き続き三年以上全く収益を得ず、又は五年以上小作料より少ない収益を得たときは、その権利を放棄することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 所定の不収益のとき放棄できる → 『放棄することはできない』は誤り
民法第275条「引き続き三年以上全く収益を得ず、又は五年以上小作料より少ない収益を得たときは、その権利を放棄することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 275条のとおり → 正しい
民法第275条「引き続き三年以上全く収益を得ず、又は五年以上小作料より少ない収益を得たときは、その権利を放棄することができる」e-Gov原文
ひっかけ永小作人は不可抗力で『3年以上全く収益なし又は5年以上小作料未満の収益』のとき放棄できる(275条)。
解説永小作人は、不可抗力によって引き続き3年以上全く収益を得ず、又は5年以上小作料より少ない収益を得たときは、その権利を放棄することができる(275条)。小作料の減免は請求できない(274条)代わりに、一定の不収益が続けば放棄により負担を免れる。永小作権の放棄を押さえる。
補足永小作人は不可抗力による不収益でも小作料減免を請求できないが、3年/5年の所定要件を満たせば永小作権自体を放棄できる。
問9永小作権の消滅請求
永小作権の消滅請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.永小作人が引き続き二年以上小作料の支払を怠ったときであっても、土地の所有者は、永小作権の消滅を請求することができない。
- イ.永小作人が引き続き二年以上小作料の支払を怠ったときは、土地の所有者は、永小作権の消滅を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 2年以上怠れば消滅請求できる → 『請求することができない』は誤り
民法第276条「永小作人が引き続き二年以上小作料の支払を怠ったときは、土地の所有者は、永小作権の消滅を請求することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 276条のとおり → 正しい
民法第276条「永小作人が引き続き二年以上小作料の支払を怠ったときは、土地の所有者は、永小作権の消滅を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ永小作人が『2年以上』小作料を怠れば、土地所有者は永小作権の『消滅を請求できる』(276条)。
解説永小作人が引き続き2年以上小作料の支払を怠ったときは、土地の所有者は永小作権の消滅を請求することができる(276条)。永小作人の側の放棄事由(275条・3年/5年の不収益)と、所有者側の消滅請求事由(276条・2年の滞納)の数字を区別する。永小作権の消滅請求を押さえる。
補足永小作人の放棄(275条・3年/5年)と所有者の消滅請求(276条・2年)は要件と主体が異なる。数字の混同に注意する。
問10共有と地役権の取得
共有と地役権の取得及び承役地の時効取得による消滅に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.土地の共有者の一人が時効によって地役権を取得したときは、他の共有者も、これを取得する。
- イ.承役地の占有者が取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、地役権は、これによって消滅する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 284条1項のとおり → 正しい
民法第284条「土地の共有者の一人が時効によって地役権を取得したときは、他の共有者も、これを取得する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 289条のとおり → 正しい
民法第289条「承役地の占有者が取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、地役権は、これによって消滅する」e-Gov原文
ひっかけ共有者の一人の地役権時効取得は『他の共有者にも及ぶ』。承役地の取得時効で地役権は『消滅』(284条1項・289条)。
解説土地の共有者の一人が時効によって地役権を取得したときは、他の共有者もこれを取得する(284条1項)。また、承役地の占有者が取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、地役権はこれによって消滅する(289条)。地役権の不可分性に基づく取得と承役地の時効取得による消滅を押さえる。
補足地役権は不可分性を有するため、共有では取得も消滅も全員に及ぶ。承役地が地役権の負担のない状態で時効取得されると地役権は消滅する。
問11用水地役権
用水地役権及び共有と地役権の取得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.用水地役権の承役地において、水が要役地及び承役地の需要に比して不足するときは、設定行為に別段の定めがない限り、その各土地の需要に応じて、まずこれを生活用に供し、その残余を他の用途に供する。
- イ.土地の共有者の一人が時効によって地役権を取得しても、他の共有者は、これを取得しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 285条1項のとおり → 正しい
民法第285条「その各土地の需要に応じて、まずこれを生活用に供し、その残余を他の用途に供するものとする」e-Gov原文
- イ.誤り
- 他の共有者も取得する → 『これを取得しない』は誤り
ひっかけ用水地役権で水が不足するときは『まず生活用に供する』。共有者の一人の地役権時効取得は『他の共有者にも及ぶ』(285条・284条)。
解説用水地役権の承役地で水が要役地・承役地の需要に比して不足するときは、設定行為に別段の定めがない限り、各土地の需要に応じてまず生活用に供し、残余を他の用途に供する(285条1項)。また、共有者の一人の地役権時効取得は他の共有者にも及ぶ(284条1項)。用水地役権と共有と地役権の取得を押さえる。
補足用水地役権は他人の土地から水を引く地役権で、水不足時は生活用が優先される。設定行為で別段の定めが可能である。
問12承役地の所有者の工作物の設置義務等の承継
承役地の所有者の工作物設置義務の承継に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の費用で地役権の行使のために工作物を設け、又はその修繕をする義務を負担したときであっても、承役地の所有者の特定承継人は、その義務を負担しない。
- イ.設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の費用で地役権の行使のために工作物を設け、又はその修繕をする義務を負担したときは、承役地の所有者の特定承継人も、その義務を負担する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 特定承継人もその義務を負担する → 『負担しない』は誤り
民法第286条「承役地の所有者の特定承継人も、その義務を負担する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 286条のとおり → 正しい
民法第286条「承役地の所有者の特定承継人も、その義務を負担する」e-Gov原文
ひっかけ承役地所有者が負担した工作物設置・修繕義務は『特定承継人も負担』(286条)。
解説設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の費用で地役権の行使のために工作物を設け又は修繕する義務を負担したときは、承役地の所有者の特定承継人もその義務を負担する(286条)。義務が土地に随伴して承継される点を押さえる。
補足この義務は土地に付随し特定承継人にも及ぶ。義務を免れたい承役地所有者は土地の部分を委棄できる(287条)。
問13承役地の所有者の委棄
承役地の所有者の委棄及び区分地上権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.承役地の所有者は、地役権に必要な土地の部分の所有権を放棄して地役権者に移転しても、工作物の設置等の義務を免れることはできない。
- イ.地下又は空間は、工作物を所有するためであっても、上下の範囲を定めて地上権の目的とすることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 委棄により義務を免れることができる → 『免れることはできない』は誤り
民法第287条「地役権に必要な土地の部分の所有権を放棄して地役権者に移転し、これにより前条の義務を免れることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 地下空間も地上権の目的とできる → 『目的とすることはできない』は誤り
民法第269条の2「地下又は空間は、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権の目的とすることができる」e-Gov原文
ひっかけ承役地所有者は『委棄』で工作物設置義務を免れうる。地下・空間は『区分地上権の目的とできる』(287条・269条の2)。
解説承役地の所有者は、いつでも地役権に必要な土地の部分の所有権を放棄して地役権者に移転し、工作物設置等の義務(286条)を免れることができる(287条、委棄)。また、地下又は空間は上下の範囲を定めて地上権の目的とできる(269条の2第1項)。委棄と区分地上権を押さえる。
補足委棄は工作物設置義務からの離脱手段で、土地の部分の所有権を地役権者に移転して行う。区分地上権は立体的な土地利用を可能にする。
問14地役権の消滅時効
地役権の消滅時効及び永小作権の消滅請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.地役権の消滅時効の期間は、継続的に行使される地役権であっても、その設定の時から起算する。
- イ.永小作人が引き続き二年以上小作料の支払を怠ったときであっても、土地の所有者は、永小作権の消滅を請求することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 起算点は最後の行使の時又は行使を妨げる事実が生じた時 → 『設定の時から起算する』は誤り
民法第291条「継続的でなく行使される地役権については最後の行使の時から起算し」e-Gov原文
- イ.誤り
- 2年以上怠れば消滅請求できる → 『請求することができない』は誤り
民法第276条「土地の所有者は、永小作権の消滅を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ地役権の消滅時効の起算点は『行使態様により異なる』(設定の時ではない)。永小作権は2年以上の滞納で『消滅請求できる』(291条・276条)。
解説地役権の消滅時効の期間は、継続的でなく行使される地役権については最後の行使の時から、継続的に行使される地役権については行使を妨げる事実が生じた時から起算する(291条)。また、永小作人が2年以上小作料の支払を怠ったときは土地所有者が消滅を請求できる(276条)。地役権の消滅時効と永小作権の消滅請求を押さえる。
補足地役権の消滅時効の起算点は、行使の態様(継続的か否か)で異なる。設定時を起算点とするわけではない点に注意する。
問15承役地の時効取得による地役権の消滅
承役地の時効取得による消滅及び永小作権の譲渡に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.承役地の占有者が取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときであっても、地役権は消滅しない。
- イ.永小作人は、設定行為で禁じられていなくても、その権利を他人に譲り渡すことはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 承役地の取得時効により地役権は消滅する → 『消滅しない』は誤り
民法第289条「承役地の占有者が取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、地役権は、これによって消滅する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 設定行為で禁じられなければ譲渡できる → 『譲り渡すことはできない』は誤り
民法第272条「その権利を他人に譲り渡し、又はその権利の存続期間内において耕作若しくは牧畜のため土地を賃貸することができる」e-Gov原文
ひっかけ承役地の取得時効で地役権は『消滅する』。永小作人は設定行為で禁じられなければ『譲渡できる』(289条・272条)。
解説承役地の占有者が取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、地役権はこれによって消滅する(289条)。また、永小作人は設定行為で禁じられていない限り、その権利を他人に譲り渡すことができる(272条)。承役地の時効取得による消滅と永小作権の譲渡を押さえる。
補足承役地が地役権の負担のない状態で時効取得されると地役権は消滅する。永小作権は原則として譲渡自由だが設定行為で禁止できる。