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民法・第14

民法(抵当権⑦)の問題(15問)

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14章では、抵当権の内容・抵当権の目的・抵当権の効力の及ぶ範囲・抵当不動産の果実への効力・抵当権の順位を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

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問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年6月時点の法令に準拠
1抵当権の内容

抵当権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
  • 同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
369条1項のとおり → 正しい

民法第369条他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有するe-Gov原文

正しい
373条のとおり → 正しい

民法第373条その抵当権の順位は、登記の前後によるe-Gov原文

ひっかけ抵当権者は担保不動産から『優先弁済』を受ける。順位は『登記の前後』による(369条・373条)。

解説抵当権者は、占有を移転しないで担保に供された不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する(369条1項)。同一の不動産に数個の抵当権が設定されたときの順位は登記の前後による(373条)。抵当権の優先弁済的効力と順位を押さえる。

補足抵当権は占有を移転しない非占有担保である。順位は設定の前後ではなく登記の前後で決まる。

2抵当権の目的(地上権・永小作権)

抵当権の目的及び内容に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。
  • 抵当権者は、債務者が債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
369条2項のとおり → 正しい

民法第369条地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができるe-Gov原文

誤り
他の債権者に先立って弁済を受ける権利を有する → 『有しない』は誤り

民法第369条他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有するe-Gov原文

ひっかけ地上権・永小作権も『抵当権の目的とできる』。抵当権者は担保不動産から『優先弁済』を受ける(369条)。

解説地上権及び永小作権も抵当権の目的とすることができる(369条2項。この場合は抵当権の規定を準用)。抵当権者は担保不動産について他の債権者に先立って弁済を受ける権利を有する(369条1項)。抵当権の目的と優先弁済的効力を押さえる。

補足抵当権の目的は不動産のほか、地上権・永小作権も可能である。賃借権は抵当権の目的とできない点と区別する。

3抵当権の効力の及ぶ範囲

抵当権の効力の及ぶ範囲及び時効取得による消滅に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産に付加して一体となっている物に及ぶ。
  • 債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当権は、これによって消滅する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
370条のとおり → 正しい

民法第370条抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産e-Gov原文

民法第370条に付加して一体となっている物に及ぶe-Gov原文

正しい
397条のとおり → 正しい

民法第397条抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当権は、これによって消滅するe-Gov原文

ひっかけ抵当権は『付加一体物』に及ぶ(抵当地上の建物を除く)。債務者等でない者の取得時効で抵当権は『消滅』(370条・397条)。

解説抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、抵当不動産に付加して一体となっている物(付加一体物)に及ぶ(370条本文。設定行為に別段の定めがある場合等を除く)。また、債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産について取得時効の要件を具備する占有をしたときは抵当権は消滅する(397条)。効力の及ぶ範囲と時効取得による消滅を押さえる。

補足土地への抵当権はその上の建物には及ばない(建物は別個の不動産)。第三者が抵当不動産を時効取得すると、抵当権の負担のない所有権を取得する。

4抵当不動産の果実への効力

抵当不動産の果実への効力及び効力の及ぶ範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。
  • 抵当権は、設定行為に別段の定めがない場合であっても、抵当不動産に付加して一体となっている物には及ばない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
371条のとおり → 正しい

民法第371条抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶe-Gov原文

誤り
抵当権は付加一体物に及ぶ → 『及ばない』は誤り

民法第370条に付加して一体となっている物に及ぶe-Gov原文

ひっかけ抵当権は『債務不履行後』に生じた果実に及ぶ。付加一体物には『及ぶ』(371条・370条)。

解説抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ(371条)。また、抵当権は抵当不動産に付加して一体となっている物に及ぶ(370条)。果実への効力と付加一体物への効力を押さえる。

補足抵当権は非占有担保なので、平常時は果実に及ばないが、債務不履行後は果実にも及ぶ(371条)。付加一体物には平常時から及ぶ。

5抵当権の順位

抵当権の順位及び消滅時効に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による。
  • 抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
373条のとおり → 正しい

民法第373条その抵当権の順位は、登記の前後によるe-Gov原文

正しい
396条のとおり → 正しい

民法第396条その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しないe-Gov原文

ひっかけ抵当権の順位は『登記の前後』。抵当権は債務者等に対しては被担保債権と『同時でなければ時効消滅しない』(373条・396条)。

解説同一の不動産に数個の抵当権が設定されたときの順位は登記の前後による(373条)。また、抵当権は債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ時効によって消滅しない(396条)。抵当権の順位と消滅時効を押さえる。

補足抵当権の順位は登記の前後で決まる。債務者・設定者との関係では、被担保債権が時効消滅しない限り抵当権だけが単独で時効消滅することはない。

6抵当権の順位の変更

抵当権の順位の変更及び順位に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができる。ただし、利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければならない。
  • 同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、被担保債権の成立の前後による。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
374条1項のとおり → 正しい

民法第374条抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができるe-Gov原文

誤り
順位は登記の前後による → 『被担保債権の成立の前後による』は誤り

民法第373条その抵当権の順位は、登記の前後によるe-Gov原文

ひっかけ抵当権の順位は『各抵当権者の合意』で変更できる(利害関係人の承諾要・登記が効力要件)。順位自体は『登記の前後』(374条・373条)。

解説抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができる(374条1項。利害関係人があるときはその承諾を要する)。順位の変更は登記をしなければ効力を生じない(同条2項)。抵当権の順位(登記の前後)とその変更を押さえる。

補足順位の変更は当事者である抵当権者全員の合意で行い、利害関係人の承諾と登記が必要である。順位の譲渡・放棄(376条)とは異なる制度である。

7抵当権の被担保債権の範囲

抵当権の被担保債権の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、満期となった全期間分について、その抵当権を行使することができる。
  • 抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
最後の2年分についてのみ行使できる → 『全期間分について行使できる』は誤り

民法第375条その満期となった最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができるe-Gov原文

正しい
375条1項のとおり → 正しい

民法第375条その満期となった最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができるe-Gov原文

ひっかけ利息その他の定期金は『満期となった最後の2年分』についてのみ抵当権を行使できる(375条1項)。

解説抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、満期となった最後の2年分についてのみ抵当権を行使することができる(375条1項。それ以前の定期金は満期後の特別の登記により行使可)。後順位抵当権者等の保護のための制限である。被担保債権の範囲を押さえる。

補足利息は無制限に優先弁済を受けられるわけではなく、原則最後の2年分に制限される。後順位者・他の債権者の利益を保護するためである。

8抵当権の処分

抵当権の処分に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することはできない。
  • 抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
抵当権の処分ができる → 『することはできない』は誤り

民法第376条その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができるe-Gov原文

正しい
376条1項のとおり → 正しい

民法第376条その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができるe-Gov原文

ひっかけ抵当権者は『抵当権の処分』(転抵当・抵当権や順位の譲渡・放棄)ができる(376条1項)。

解説抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし(転抵当)、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のために、その抵当権若しくはその順位を譲渡し若しくは放棄することができる(376条1項)。抵当権の処分の方法を押さえる。

補足抵当権の処分には転抵当・抵当権の譲渡放棄・順位の譲渡放棄がある。処分の利益を受ける者の順位は付記の前後による(376条2項)。

9代価弁済

代価弁済に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当不動産について所有権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときであっても、抵当権は消滅しない。
  • 抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
代価弁済により抵当権は消滅する → 『消滅しない』は誤り

民法第378条抵当権は、その第三者のために消滅するe-Gov原文

正しい
378条のとおり → 正しい

民法第378条抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅するe-Gov原文

ひっかけ代価弁済(抵当権者の請求に応じて第三取得者が代価を弁済)により抵当権は『その第三者のために消滅』(378条)。

解説抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じて代価を弁済したときは、抵当権はその第三者のために消滅する(378条、代価弁済)。抵当権者の側からの請求による点が、第三取得者の側からの抵当権消滅請求(379条)と異なる。代価弁済を押さえる。

補足代価弁済は抵当権者の請求に基づき、抵当権消滅請求は第三取得者の側から行う。主導する側が異なる点を区別する。

10抵当権消滅請求

抵当権消滅請求及び共同抵当の配当に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当不動産の第三取得者は、所定の手続により、抵当権消滅請求をすることができる。
  • 債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権を有する場合において、同時にその代価を配当すべきときは、その各不動産の価額に応じて、その債権の負担を按分する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
379条のとおり → 正しい

民法第379条抵当権消滅請求をすることができるe-Gov原文

正しい
392条1項のとおり → 正しい

民法第392条その各不動産の価額に応じて、その債権の負担を按分するe-Gov原文

ひっかけ抵当不動産の第三取得者は『抵当権消滅請求』ができる。共同抵当の同時配当は『各不動産の価額に応じて按分』(379条・392条1項)。

解説抵当不動産の第三取得者は、所定の手続(383条)により抵当権消滅請求をすることができる(379条)。また、共同抵当において同時に代価を配当すべきときは、各不動産の価額に応じて債権の負担を按分する(392条1項、同時配当)。抵当権消滅請求と共同抵当の同時配当を押さえる。

補足抵当権消滅請求は第三取得者が一定額を提供して抵当権の消滅を求める制度である。共同抵当の同時配当では各不動産が価額に応じて負担を分担する。

11抵当地の上の建物の競売

抵当地上の建物の競売及び順位の変更に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる。
  • 抵当権の順位は、各抵当権者の合意によっても、変更することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
389条1項のとおり → 正しい

民法第389条抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができるe-Gov原文

誤り
順位は各抵当権者の合意で変更できる → 『変更することができない』は誤り

民法第374条抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができるe-Gov原文

ひっかけ抵当権設定後に築造された建物は土地とともに『一括競売』できる(優先権は土地の代価のみ)。順位は合意で『変更できる』(389条・374条)。

解説抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は土地とともにその建物を競売できる(389条1項本文、一括競売)。ただし優先権は土地の代価についてのみ行使できる(同項ただし書)。また、抵当権の順位は各抵当権者の合意で変更できる(374条1項)。一括競売と順位の変更を押さえる。

補足一括競売は更地に抵当権を設定した後に建物が建った場合に、土地と建物を一括して買受人に取得させ、土地利用の円滑化を図る制度である。優先弁済は土地代価に限られる。

12抵当建物使用者の引渡しの猶予

抵当建物使用者の引渡しの猶予に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当建物を使用又は収益をする所定の者は、その建物の競売における買受人の買受けの時に、直ちにその建物を買受人に引き渡さなければならない。
  • 抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当建物を使用又は収益をする所定の者は、その建物の競売における買受人の買受けの時から六箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
6箇月を経過するまで引き渡すことを要しない → 『直ちに引き渡さなければならない』は誤り

民法第395条その建物の競売における買受人の買受けの時から六箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しないe-Gov原文

正しい
395条1項のとおり → 正しい

民法第395条その建物の競売における買受人の買受けの時から六箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しないe-Gov原文

ひっかけ抵当建物使用者は買受人の買受けの時から『6箇月』を経過するまで建物の引渡しを要しない(395条1項)。

解説抵当権者に対抗できない賃貸借により抵当建物を使用・収益する所定の者(競売手続開始前からの使用者等)は、競売における買受人の買受けの時から6箇月を経過するまでは建物を買受人に引き渡すことを要しない(395条1項、引渡しの猶予)。明渡しまでの猶予期間を押さえる。

補足短期賃貸借保護制度の廃止に代わる制度で、抵当建物の使用者に6箇月の明渡猶予を与え、急な退去を緩和する。

13抵当権の消滅時効

抵当権の消滅時効及び順位に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権が存続している場合であっても、当該抵当権のみが単独で時効によって消滅する。
  • 同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、被担保債権の額の大小による。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
被担保債権と同時でなければ時効消滅しない → 『単独で時効消滅する』は誤り

民法第396条その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しないe-Gov原文

誤り
順位は登記の前後による → 『被担保債権の額の大小による』は誤り

民法第373条その抵当権の順位は、登記の前後によるe-Gov原文

ひっかけ抵当権は債務者等に対しては被担保債権と『同時でなければ時効消滅しない』。順位は『登記の前後』(396条・373条)。

解説抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ時効によって消滅しない(396条)。被担保債権が存続する限り抵当権だけが時効消滅することはない。また、抵当権の順位は登記の前後による(373条)。抵当権の消滅時効と順位を押さえる。

補足債務者・設定者との関係では抵当権の付従性から、被担保債権が時効消滅しない限り抵当権も時効消滅しない。順位は登記の前後で決まる。

14抵当不動産の時効取得による抵当権の消滅

抵当不動産の時効取得による消滅及び効力の及ぶ範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときであっても、抵当権は消滅しない。
  • 抵当権は、抵当不動産に付加して一体となっている物には及ばない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
取得時効により抵当権は消滅する → 『消滅しない』は誤り

民法第397条抵当権は、これによって消滅するe-Gov原文

誤り
抵当権は付加一体物に及ぶ → 『及ばない』は誤り

民法第370条に付加して一体となっている物に及ぶe-Gov原文

ひっかけ債務者等でない者の取得時効で抵当権は『消滅する』。抵当権は『付加一体物』に及ぶ(397条・370条)。

解説債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当権は消滅する(397条)。また、抵当権は抵当不動産に付加して一体となっている物に及ぶ(370条)。時効取得による消滅と効力の及ぶ範囲を押さえる。

補足第三者が抵当不動産を時効取得すると、抵当権の負担のない所有権を原始取得し、抵当権は消滅する。債務者・設定者自身の占有では消滅しない。

15共同抵当における代価の配当

共同抵当の配当及び抵当権消滅請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権を有する場合において、同時にその代価を配当すべきときは、抵当権者は、任意の一個の不動産の代価から債権の全部の弁済を受けるべきものとされる。
  • 抵当不動産の第三取得者は、抵当権消滅請求をすることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
同時配当は各不動産の価額に応じて按分する → 『任意の一個から全部弁済』は誤り

民法第392条その各不動産の価額に応じて、その債権の負担を按分するe-Gov原文

誤り
第三取得者は抵当権消滅請求ができる → 『することができない』は誤り

民法第379条抵当権消滅請求をすることができるe-Gov原文

ひっかけ共同抵当の『同時配当』は各不動産の価額に応じて按分。第三取得者は『抵当権消滅請求』ができる(392条1項・379条)。

解説共同抵当において同時に代価を配当すべきときは、各不動産の価額に応じて債権の負担を按分する(392条1項、同時配当)。一個の不動産のみを配当する異時配当では抵当権者は全部の弁済を受けられ、次順位者に代位が生じる(同条2項)。また、抵当不動産の第三取得者は抵当権消滅請求ができる(379条)。共同抵当の配当と抵当権消滅請求を押さえる。

補足同時配当では負担を按分し、異時配当では次順位抵当権者が他の不動産に代位できる。第三取得者は代価弁済(378条)と抵当権消滅請求(379条)で抵当権の負担を除去できる。