問1根抵当権の意義
根抵当権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。
- イ.元本の確定後において現に存する債務の額が根抵当権の極度額を超えるときは、物上保証人等は、その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して、その根抵当権の消滅請求をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 398条の2第1項のとおり → 正しい
民法第398条の2「一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 398条の22第1項のとおり → 正しい
民法第398条の22「その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して、その根抵当権の消滅請求をすることができる」e-Gov原文
ひっかけ根抵当権は一定範囲の不特定の債権を『極度額の限度』で担保。元本確定後は『極度額相当額』を払い渡して消滅請求できる(398条の2・398条の22)。
解説根抵当権は、設定行為で定めるところにより一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保する抵当権である(398条の2第1項)。継続的取引から生ずる多数の債権を一括して担保できる。根抵当権の意義を押さえる。
補足根抵当権は通常の抵当権と異なり、被担保債権が増減変動しても消滅せず、元本確定時に存在する債権を極度額の限度で担保する。
問2根抵当権の被担保債権の範囲の限定
根抵当権の被担保債権の範囲の限定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.根抵当権の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。
- イ.根抵当権は、極度額の定めなく、債務者に対する一切の債権を担保するために設定することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 398条の2第2項のとおり → 正しい
民法第398条の2「債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 極度額の限度で一定範囲の債権を担保する → 『極度額なく一切の債権を担保する』は誤り(包括根抵当は不可)
民法第398条の2「一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる」e-Gov原文
ひっかけ被担保債権の範囲は『特定の継続的取引契約等』に限定して定める(包括根抵当は不可)(398条の2第2項)。
解説根抵当権の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他一定の種類の取引によって生ずるもの等に限定して定めなければならない(398条の2第2項)。債務者に対する一切の債権を担保する包括根抵当は認められない。被担保債権の範囲の限定を押さえる。
補足被担保債権の範囲は取引の種類等で限定する必要があり、債務者に対する一切の債権を担保する包括根抵当は無効である。
問3根抵当権の被担保債権の範囲
根抵当権の被担保債権の範囲及び元本の確定請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができる。
- イ.根抵当権者は、いつでも、担保すべき元本の確定を請求することができ、この場合において、担保すべき元本は、その請求の時に確定する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 398条の3第1項のとおり → 正しい
民法第398条の3「極度額を限度として、その根抵当権を行使することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 398条の19第2項のとおり → 正しい
民法第398条の19「根抵当権者は、いつでも、担保すべき元本の確定を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ根抵当権者は確定元本・利息・損害賠償の全部について『極度額を限度』に行使できる。根抵当権者は『いつでも』元本確定を請求できる(398条の3・398条の19)。
解説根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務不履行による損害賠償の全部について、極度額を限度として根抵当権を行使できる(398条の3第1項。普通抵当権の利息2年分の制限(375条)と異なり極度額まで)。被担保債権の範囲を押さえる。
補足根抵当権は極度額の枠内であれば利息・損害金も全額担保される点で、利息等が満期2年分に制限される普通抵当権(375条)と異なる。
問4根抵当権の被担保債権の範囲及び債務者の変更
根抵当権の被担保債権の範囲及び債務者の変更並びに元本確定期日に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.元本の確定前においては、根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をすることができ、債務者の変更についても、同様とする。
- イ.根抵当権の担保すべき元本の確定すべき期日は、これを定め又は変更した日から十年以内でなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 398条の4第1項のとおり → 正しい
民法第398条の4「根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をすることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 5年以内でなければならない → 『十年以内』は誤り
民法第398条の6「これを定め又は変更した日から五年以内でなければならない」e-Gov原文
ひっかけ元本確定前は被担保債権の範囲・債務者の『変更ができる』。元本確定期日は『5年以内』(398条の4・398条の6)。
解説元本の確定前においては、根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更ができ、債務者の変更も同様である(398条の4第1項。後順位抵当権者等の承諾は不要)。また、元本確定期日は定め又は変更した日から5年以内でなければならない(398条の6第3項)。範囲・債務者の変更を押さえる。
補足元本確定前の被担保債権の範囲・債務者の変更には後順位者等の承諾を要しない(398条の4第2項)が、元本確定前に登記をしなければ変更しなかったものとみなされる(同条3項)。
問5根抵当権の変更の登記
根抵当権の変更の登記及び極度額の変更に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更について元本の確定前に登記をしなかったときは、その変更をしなかったものとみなす。
- イ.根抵当権の極度額の変更は、利害関係を有する者の承諾を得なければ、することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 398条の4第3項のとおり → 正しい
民法第398条の4「元本の確定前に登記をしなかったときは、その変更をしなかったものとみなす」e-Gov原文
- イ.正しい
- 398条の5のとおり → 正しい
民法第398条の5「利害関係を有する者の承諾を得なければ、することができない」e-Gov原文
ひっかけ範囲等の変更は元本確定前に『登記』しないと効力を失う。極度額の変更は『利害関係人の承諾』が必要(398条の4・398条の5)。
解説根抵当権の被担保債権の範囲・債務者の変更を元本の確定前に登記しなかったときは、その変更をしなかったものとみなす(398条の4第3項)。また、極度額の変更は利害関係を有する者(後順位抵当権者等)の承諾を得なければできない(398条の5)。変更の登記を押さえる。
補足被担保債権の範囲・債務者の変更は登記が効力存続要件(確定前に登記しないと失効)、極度額の変更は利害関係人の承諾が必要である点を区別する。
問6根抵当権の元本確定期日の定め
根抵当権の元本確定期日の定め及び被担保債権の範囲の変更に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.根抵当権の担保すべき元本の確定すべき期日は、これを定め又は変更した日から五年以内でなければならない。
- イ.元本の確定前であっても、根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をすることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 398条の6第3項のとおり → 正しい
民法第398条の6「これを定め又は変更した日から五年以内でなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 元本確定前は範囲の変更ができる → 『変更することはできない』は誤り
民法第398条の4「根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をすることができる」e-Gov原文
ひっかけ元本確定期日は『5年以内』。元本確定前は被担保債権の範囲を『変更できる』(398条の6・398条の4)。
解説根抵当権の担保すべき元本の確定すべき期日は、これを定め又は変更した日から5年以内でなければならない(398条の6第3項)。元本確定期日は必須ではなく、定めない根抵当権も認められる。元本確定期日の定めを押さえる。
補足元本確定期日は任意であり、定めない場合は398条の19の確定請求等によって元本が確定する。期日を定める場合は5年以内に限られる。
問7根抵当権の被担保債権の譲渡等
根抵当権の被担保債権の譲渡等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができる。
- イ.元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 元本確定前に取得した債権は根抵当権を行使できない → 『行使することができる』は誤り
民法第398条の7「元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 398条の7第1項のとおり → 正しい
民法第398条の7「元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない」e-Gov原文
ひっかけ元本確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を『行使できない』(随伴性なし)(398条の7第1項)。
解説元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使できない(398条の7第1項)。元本確定前の根抵当権には随伴性がなく、個々の被担保債権が譲渡されても根抵当権は移転しない。被担保債権の譲渡等を押さえる。
補足元本確定前の根抵当権は随伴性を有しないため、被担保債権の譲渡・代位弁済があっても根抵当権は当該債権に伴って移転しない。普通抵当権との大きな違いである。
問8根抵当権者又は債務者の相続
根抵当権者又は債務者の相続に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.元本の確定前に根抵当権者について相続が開始したときは、根抵当権は、相続開始の時に存する債権のみを担保し、合意により定めた相続人が相続の開始後に取得する債権は担保しない。
- イ.元本の確定前に根抵当権者について相続が開始したときは、根抵当権は、相続開始の時に存する債権のほか、相続人と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続の開始後に取得する債権を担保する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 合意により定めた相続人が相続後取得する債権も担保する → 『担保しない』は誤り
民法第398条の8「相続人と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続の開始後に取得する債権を担保する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 398条の8第1項のとおり → 正しい
民法第398条の8「相続人と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続の開始後に取得する債権を担保する」e-Gov原文
ひっかけ元本確定前の根抵当権者の相続では、相続開始時の債権のほか『合意により定めた相続人が相続後取得する債権』も担保(398条の8第1項)。
解説元本の確定前に根抵当権者について相続が開始したときは、根抵当権は相続開始の時に存する債権のほか、相続人と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続開始後に取得する債権を担保する(398条の8第1項)。債務者の相続も同様である(同条2項)。相続を押さえる。
補足根抵当権者・債務者の相続では、合意とその登記を相続開始後6箇月以内にしなければ、相続開始の時に元本が確定したものとみなされる(398条の8第4項)。
問9根抵当権の譲渡
根抵当権の譲渡に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得ることなく、その根抵当権を譲り渡すことができる。
- イ.元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権を譲り渡すことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 設定者の承諾を得て譲渡できる → 『承諾を得ることなく譲渡できる』は誤り
民法第398条の12「根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権を譲り渡すことができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 398条の12第1項のとおり → 正しい
民法第398条の12「根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権を譲り渡すことができる」e-Gov原文
ひっかけ元本確定前の根抵当権の譲渡は『根抵当権設定者の承諾』が必要(398条の12第1項)。
解説元本の確定前においては、根抵当権者は根抵当権設定者の承諾を得てその根抵当権を譲り渡すことができる(398条の12第1項、根抵当権の全部譲渡)。根抵当権を2個に分割して一方を譲渡する分割譲渡もできる(同条2項)。根抵当権の譲渡を押さえる。
補足元本確定前の根抵当権は被担保債権と切り離して処分でき、全部譲渡・分割譲渡・一部譲渡が認められる。いずれも設定者の承諾を要する。
問10根抵当権の極度額の変更
根抵当権の極度額の変更及び根抵当権の意義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.根抵当権の極度額の変更は、利害関係を有する者の承諾を得なければ、することができない。
- イ.抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 398条の5のとおり → 正しい
民法第398条の5「利害関係を有する者の承諾を得なければ、することができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 398条の2第1項のとおり → 正しい
民法第398条の2「一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる」e-Gov原文
ひっかけ極度額の変更は『利害関係人の承諾』が必要(元本確定の前後を問わず可)。根抵当権は『極度額の限度』で担保(398条の5・398条の2)。
解説根抵当権の極度額の変更は、利害関係を有する者(後順位抵当権者・転抵当権者等)の承諾を得なければできない(398条の5)。極度額の変更は元本確定の前後を問わずできる。極度額の変更を押さえる。
補足極度額の変更は元本確定後でもでき、利害関係人の承諾が必要である。被担保債権の範囲・債務者の変更(確定前のみ可、承諾不要)と区別する。
問11根抵当権の一部譲渡
根抵当権の一部譲渡及び極度額の変更に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権の一部譲渡をすることができる。
- イ.根抵当権の極度額の変更は、利害関係を有する者の承諾を得ることなく、することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 398条の13のとおり → 正しい
民法第398条の13「元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権の一部譲渡」e-Gov原文
- イ.誤り
- 利害関係人の承諾を得なければできない → 『承諾を得ることなくできる』は誤り
民法第398条の5「利害関係を有する者の承諾を得なければ、することができない」e-Gov原文
ひっかけ元本確定前は設定者の承諾を得て根抵当権の『一部譲渡』ができる。極度額の変更は『利害関係人の承諾』が必要(398条の13・398条の5)。
解説元本の確定前においては、根抵当権者は根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権の一部譲渡(譲渡人が譲受人と根抵当権を共有するため分割しないで譲り渡すこと)をすることができる(398条の13)。根抵当権の一部譲渡を押さえる。
補足一部譲渡により譲渡人と譲受人が根抵当権を共有する。全部譲渡・分割譲渡・一部譲渡のいずれも元本確定前に設定者の承諾を得て行う。
問12根抵当権設定者による元本の確定請求
根抵当権設定者による元本の確定請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.根抵当権設定者は、根抵当権の設定の時から一年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができる。
- イ.根抵当権設定者は、根抵当権の設定の時から三年を経過したときは担保すべき元本の確定を請求することができ、この場合において、担保すべき元本は、その請求の時から二週間を経過することによって確定する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 設定の時から3年経過で請求できる → 『一年を経過したとき』は誤り
民法第398条の19「根抵当権の設定の時から三年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 398条の19第1項のとおり → 正しい
民法第398条の19「根抵当権の設定の時から三年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ設定者は設定の時から『3年』経過で元本確定を請求でき、請求の時から『2週間』で確定(398条の19第1項)。
解説根抵当権設定者は、根抵当権の設定の時から3年を経過したときは担保すべき元本の確定を請求でき、この場合元本は請求の時から2週間を経過することによって確定する(398条の19第1項)。一方、根抵当権者はいつでも確定請求でき、その請求の時に確定する(同条2項)。設定者による元本確定請求を押さえる。
補足設定者の確定請求は3年経過後・2週間後に確定、根抵当権者の確定請求はいつでも・即時確定と、両者で要件・効果が異なる。元本確定期日の定めがある場合はこの確定請求はできない。
問13根抵当権者による元本の確定請求
根抵当権者による元本の確定請求及び根抵当権の意義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.根抵当権者は、根抵当権の設定の時から三年を経過しなければ、担保すべき元本の確定を請求することができない。
- イ.根抵当権は、特定の債権のみを担保するために設定することができ、不特定の債権を担保することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 根抵当権者はいつでも請求できる → 『3年を経過しなければ請求できない』は誤り
民法第398条の19「根抵当権者は、いつでも、担保すべき元本の確定を請求することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 不特定の債権を担保する → 『特定の債権のみ・不特定の債権は担保できない』は誤り
民法第398条の2「一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる」e-Gov原文
ひっかけ根抵当権者は『いつでも』元本確定を請求できる。根抵当権は『不特定の債権』を担保する(398条の19・398条の2)。
解説根抵当権者は、いつでも担保すべき元本の確定を請求でき、この場合元本はその請求の時に確定する(398条の19第2項)。設定者の確定請求(3年経過後・2週間後確定)と異なり、根抵当権者は即時に確定させられる。根抵当権者による元本確定請求を押さえる。
補足根抵当権者の確定請求はいつでもでき即時確定、設定者の確定請求は3年経過後・2週間後確定である。元本確定期日の定めがあるときは両者とも確定請求できない(398条の19第3項)。
問14根抵当権の極度額の減額請求
根抵当権の極度額の減額請求及び被担保債権の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.根抵当権の極度額の減額請求は、元本の確定前において、根抵当権設定者がすることができる。
- イ.根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償について、極度額を超えても、その根抵当権を行使することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 元本の確定後に減額請求できる → 『元本の確定前にできる』は誤り
民法第398条の21「元本の確定後においては、根抵当権設定者は、その根抵当権の極度額を」e-Gov原文
- イ.誤り
- 極度額を限度として行使できる → 『極度額を超えても行使できる』は誤り
民法第398条の3「極度額を限度として、その根抵当権を行使することができる」e-Gov原文
ひっかけ極度額の減額請求は『元本確定後』に設定者ができる。根抵当権の行使は『極度額を限度』とする(398条の21・398条の3)。
解説元本の確定後においては、根抵当権設定者は、その根抵当権の極度額を、現に存する債務の額と以後2年間に生ずべき利息その他の定期金及び損害賠償の額とを加えた額に減額することを請求できる(398条の21第1項)。極度額の減額請求を押さえる。
補足極度額の減額請求は元本確定後に設定者ができ、現存債務額+以後2年分の利息等の額まで減額できる。消滅請求(398条の22)とともに設定者・第三者の保護規定である。
問15根抵当権の消滅請求
根抵当権の消滅請求及び変更の登記に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.根抵当権の消滅請求は、元本の確定前において、物上保証人等が、その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して、することができる。
- イ.根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更について元本の確定前に登記をしなかったときであっても、その変更は効力を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 消滅請求は元本の確定後にできる → 『元本の確定前にできる』は誤り
民法第398条の22「その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して、その根抵当権の消滅請求をすることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 元本確定前に登記しないと変更しなかったものとみなす → 『効力を有する』は誤り
民法第398条の4「元本の確定前に登記をしなかったときは、その変更をしなかったものとみなす」e-Gov原文
ひっかけ消滅請求は『元本確定後』に現存債務額が極度額を超えるとき物上保証人等ができる。範囲等の変更は確定前に『登記』しないと失効(398条の22・398条の4)。
解説元本の確定後において現に存する債務の額が根抵当権の極度額を超えるときは、物上保証人や抵当不動産について所有権等を取得した第三者は、その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して根抵当権の消滅請求をすることができる(398条の22第1項)。根抵当権の消滅請求を押さえる。
補足消滅請求は元本確定後、現存債務が極度額を超える場合に、物上保証人・第三取得者が極度額相当額を支払って根抵当権を消滅させる制度である。債務者・保証人等はできない。