問1所在等不明共有者の持分の譲渡
所有者不明土地等をめぐる民法の規律に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、所定の権限を付与することができる。
- イ.裁判所は、所有者による建物の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、管理不全建物管理命令をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 262条の3第1項のとおり → 正しい
民法第262条の3「共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により」e-Gov原文
- イ.正しい
- 264条の14第1項のとおり → 正しい
民法第264条の14「所有者による建物の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において」e-Gov原文
ひっかけ所在等不明共有者がいるとき裁判所は請求により『持分譲渡の権限』を付与できる。管理不適当で他人の利益侵害等のとき『管理不全建物管理命令』ができる(262条の3・264条の14)。
解説不動産が数人の共有に属する場合に、共有者が他の共有者を知ることができず又はその所在を知ることができないときは、裁判所は共有者の請求により、他の共有者全員が特定の者に持分全部を譲渡することを停止条件として所在等不明共有者の持分を譲渡する権限を付与できる(262条の3第1項)。所在等不明共有者の持分の譲渡を押さえる。
補足令和3年民法改正で、所有者不明土地問題に対応するため所在等不明共有者の持分の取得(262条の2)・譲渡(262条の3)や各種管理命令が新設された。
問2所有者不明土地管理命令
所有者不明土地管理命令及び所在等不明共有者の持分の譲渡に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.裁判所は、所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない土地について、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、所有者不明土地管理人による管理を命ずる処分をすることができる。
- イ.不動産の共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときであっても、裁判所は、所在等不明共有者の持分を譲渡する権限を付与することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 264条の2第1項のとおり → 正しい
民法第264条の2「裁判所は、所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない土地」e-Gov原文
- イ.誤り
- 持分譲渡の権限を付与できる → 『付与することはできない』は誤り
民法第262条の3「共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により」e-Gov原文
ひっかけ所有者不明土地について『利害関係人の請求』により所有者不明土地管理命令ができる。所在等不明共有者の『持分譲渡の権限』も付与できる(264条の2・262条の3)。
解説裁判所は、所有者を知ることができず又はその所在を知ることができない土地(共有の場合は共有持分)について、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により所有者不明土地管理人による管理を命ずる処分(所有者不明土地管理命令)をすることができる(264条の2第1項)。所有者不明土地管理命令を押さえる。
補足所有者不明土地管理命令は、特定の土地・共有持分を対象とし、利害関係人の請求により発せられる。従来の不在者財産管理制度より効率的に土地を管理・処分できる。
問3所有者不明土地管理人の権限
所有者不明土地管理人の権限及び報酬に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.所有者不明土地管理命令が発せられた場合には、所有者不明土地等の管理及び処分をする権利は、所有者不明土地管理人に専属する。
- イ.所有者不明土地管理人は、所有者不明土地等から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 264条の3第1項のとおり → 正しい
民法第264条の3「の管理及び処分をする権利は、所有者不明土地管理人に専属する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 264条の7第1項のとおり → 正しい
民法第264条の7「裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる」e-Gov原文
ひっかけ所有者不明土地等の管理処分権は管理人に『専属』する。管理人は『費用の前払及び報酬』を受けられる(264条の3・264条の7)。
解説所有者不明土地管理命令が発せられた場合には、対象土地・共有持分等(所有者不明土地等)の管理及び処分をする権利は所有者不明土地管理人に専属する(264条の3第1項)。ただし保存行為・利用改良行為の範囲を超える行為には裁判所の許可を要する。所有者不明土地管理人の権限を押さえる。
補足管理処分権が管理人に専属するため、所有者は管理・処分できなくなる。管理人が権限外の行為(売却等)をするには裁判所の許可を要する。
問4所有者不明土地等に関する訴えの取扱い
所有者不明土地等に関する訴えの取扱い及び管理人の権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.所有者不明土地管理命令が発せられた場合には、所有者不明土地等に関する訴えについては、所有者不明土地管理人を原告又は被告とする。
- イ.所有者不明土地管理命令が発せられても、所有者不明土地等の管理及び処分をする権利は所有者不明土地管理人に専属せず、所有者が自由に処分することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 264条の4のとおり → 正しい
民法第264条の4「所有者不明土地管理人を原告又は被告とする」e-Gov原文
- イ.誤り
- 管理処分権は管理人に専属する → 『専属せず所有者が自由に処分できる』は誤り
民法第264条の3「の管理及び処分をする権利は、所有者不明土地管理人に専属する」e-Gov原文
ひっかけ所有者不明土地等に関する訴えは『管理人を原告又は被告』とする。管理処分権は管理人に『専属』(264条の4・264条の3)。
解説所有者不明土地管理命令が発せられた場合には、所有者不明土地等に関する訴えについては所有者不明土地管理人を原告又は被告とする(264条の4)。管理処分権が管理人に専属する(264条の3)ことに対応して、訴訟の当事者適格も管理人に帰属する。訴えの取扱いを押さえる。
補足所有者不明土地等に関する訴訟は管理人が当事者となる(訴訟追行権が管理人に帰属)。管理処分権の専属と一体の規律である。
問5所有者不明土地管理人の義務
所有者不明土地管理人の義務及び管理不全土地管理命令に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.所有者不明土地管理人は、所有者不明土地等の所有者のために、善良な管理者の注意をもって、その権限を行使しなければならない。
- イ.裁判所は、所有者による土地の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、管理不全土地管理命令をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 264条の5第1項のとおり → 正しい
民法第264条の5「善良な管理者の注意をもって、その権限を行使しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 264条の9第1項のとおり → 正しい
民法第264条の9「所有者による土地の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において」e-Gov原文
ひっかけ所有者不明土地管理人は『善良な管理者の注意』をもって権限を行使する。管理不適当で他人の利益侵害等のとき『管理不全土地管理命令』ができる(264条の5・264条の9)。
解説所有者不明土地管理人は、所有者不明土地等の所有者のために善良な管理者の注意をもってその権限を行使しなければならない(264条の5第1項)。また、所有者による土地の管理が不適当で他人の権利等が侵害され又はそのおそれがある場合に管理不全土地管理命令ができる(264条の9第1項)。管理人の義務と管理不全土地管理命令を押さえる。
補足管理不全土地管理命令は、所有者は判明しているが管理不全(放置による崩壊・汚染等)の土地について発せられる。所有者不明を要件とする所有者不明土地管理命令と区別する。
問6所有者不明土地管理人の解任及び辞任
所有者不明土地管理人の解任及び辞任並びに訴えの取扱いに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.所有者不明土地管理人がその任務に違反して所有者不明土地等に著しい損害を与えたことその他重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の請求により、所有者不明土地管理人を解任することができる。
- イ.所有者不明土地管理命令が発せられても、所有者不明土地等に関する訴えについては、その土地の所有者を当事者としなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 264条の6第1項のとおり → 正しい
民法第264条の6「裁判所は、利害関係人の請求により、所有者不明土地管理人を解任することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 管理人を原告又は被告とする → 『所有者を当事者とする』は誤り
民法第264条の4「所有者不明土地管理人を原告又は被告とする」e-Gov原文
ひっかけ任務違反等の重要な事由があるとき裁判所は管理人を『解任』できる(正当な事由があれば許可を得て辞任も可)。訴えは『管理人』を当事者とする(264条の6・264条の4)。
解説所有者不明土地管理人がその任務に違反して著しい損害を与えたこと等の重要な事由があるときは、裁判所は利害関係人の請求により管理人を解任できる(264条の6第1項)。管理人は正当な事由があるときは裁判所の許可を得て辞任できる(同条2項)。管理人の解任及び辞任を押さえる。
補足管理人の解任は任務違反等の重要事由がある場合に利害関係人の請求により、辞任は正当事由がある場合に裁判所の許可を得て行う。
問7所有者不明土地管理人の報酬等
所有者不明土地管理人の報酬等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.所有者不明土地管理人は、その職務について、費用の前払及び報酬を受けることができない。
- イ.所有者不明土地管理人は、所有者不明土地等から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 費用の前払及び報酬を受けられる → 『受けることができない』は誤り
民法第264条の7「裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 264条の7第1項のとおり → 正しい
民法第264条の7「裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる」e-Gov原文
ひっかけ所有者不明土地管理人は『費用の前払及び報酬』を受けられる(所有者の負担)(264条の7)。
解説所有者不明土地管理人は、所有者不明土地等から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる(264条の7第1項)。管理に必要な費用及び報酬は所有者不明土地等の所有者の負担とする(同条2項)。所有者不明土地管理人の報酬等を押さえる。
補足管理人の費用・報酬は所有者不明土地等(管理対象財産)から支弁され、最終的に所有者の負担となる。
問8所有者不明建物管理命令
所有者不明建物管理命令に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.所有者不明土地管理命令の制度は土地についてのみ認められ、建物について所有者不明建物管理命令を発することはできない。
- イ.裁判所は、所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない建物について、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、所有者不明建物管理人による管理を命ずる処分をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 建物についても管理命令ができる → 『建物について発することはできない』は誤り
民法第264条の8「裁判所は、所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない建物」e-Gov原文
- イ.正しい
- 264条の8第1項のとおり → 正しい
民法第264条の8「裁判所は、所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない建物」e-Gov原文
ひっかけ所有者不明建物についても『所有者不明建物管理命令』を発することができる(264条の8)。
解説裁判所は、所有者を知ることができず又はその所在を知ることができない建物(共有の場合は共有持分)について、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により所有者不明建物管理人による管理を命ずる処分(所有者不明建物管理命令)をすることができる(264条の8第1項)。所有者不明建物管理命令を押さえる。
補足所有者不明の管理命令は土地(264条の2)と建物(264条の8)の双方に認められる。建物管理命令には土地管理命令の規定の多くが準用される。
問9管理不全土地管理人の権限
管理不全土地管理人の権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.管理不全土地管理人は、管理不全土地等の管理をする権限を有するが、その処分をする権限は有しない。
- イ.管理不全土地管理人は、管理不全土地管理命令の対象とされた土地等の管理及び処分をする権限を有するが、所定の行為の範囲を超える行為をするには裁判所の許可を得なければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 管理及び処分をする権限を有する → 『処分をする権限は有しない』は誤り
- イ.正しい
- 264条の10第1項のとおり → 正しい
ひっかけ管理不全土地管理人は管理『及び処分』をする権限を有する(所定の行為を超えるには裁判所の許可)(264条の10)。
解説管理不全土地管理人は、管理不全土地管理命令の対象とされた土地等の管理及び処分をする権限を有する(264条の10第1項)。ただし所定の保存・利用改良行為の範囲を超える行為には裁判所の許可を要し、処分(売却等)には所有者の同意も必要となる。管理不全土地管理人の権限を押さえる。
補足管理不全土地管理人には管理処分権が専属しない(所有者も管理・処分できる)点が、専属する所有者不明土地管理人(264条の3)と異なる。
問10管理不全土地管理命令
管理不全土地管理命令及び所有者不明土地管理命令に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.裁判所は、所有者による土地の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、管理不全土地管理命令をすることができる。
- イ.裁判所は、所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない土地について、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、所有者不明土地管理命令をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 264条の9第1項のとおり → 正しい
民法第264条の9「所有者による土地の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において」e-Gov原文
- イ.正しい
- 264条の2第1項のとおり → 正しい
民法第264条の2「裁判所は、所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない土地」e-Gov原文
ひっかけ『管理不全』土地管理命令は管理不適当で他人の利益侵害等のとき、『所有者不明』土地管理命令は所有者不明のとき発せられる(264条の9・264条の2)。
解説裁判所は、所有者による土地の管理が不適当で他人の権利等が侵害され又はそのおそれがある場合に管理不全土地管理命令を(264条の9第1項)、所有者不明の土地について所有者不明土地管理命令を(264条の2第1項)、それぞれ利害関係人の請求によりすることができる。両命令の要件の違いを押さえる。
補足所有者不明土地管理命令は『所有者不明』が、管理不全土地管理命令は『管理不適当による権利侵害のおそれ』が要件で、対象・効果(管理処分権の専属の有無)も異なる。
問11管理不全土地管理人の義務
管理不全土地管理人の義務及び所有者不明土地管理人の義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.管理不全土地管理人は、管理不全土地等の所有者のために、善良な管理者の注意をもって、その権限を行使しなければならない。
- イ.所有者不明土地管理人は、自己の財産におけると同一の注意をもって、その権限を行使すれば足りる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 264条の11第1項のとおり → 正しい
民法第264条の11「管理不全土地管理人は、管理不全土地等の所有者のために、善良な管理者の注意をもって、その権限を行使しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 善良な管理者の注意をもって行使すべき → 『自己の財産におけると同一の注意で足りる』は誤り
民法第264条の5「善良な管理者の注意をもって、その権限を行使しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ管理不全土地管理人・所有者不明土地管理人はいずれも『善良な管理者の注意』をもって権限を行使する(264条の11・264条の5)。
解説管理不全土地管理人は、管理不全土地等の所有者のために善良な管理者の注意をもってその権限を行使しなければならない(264条の11第1項)。共有の場合は全員のために誠実かつ公平に行使する(同条2項)。所有者不明土地管理人も同様に善管注意義務を負う(264条の5)。管理不全土地管理人の義務を押さえる。
補足各管理人はいずれも善管注意義務を負い、共有持分が対象のときは共有者全員のために誠実かつ公平に権限を行使する義務も負う。
問12管理不全土地管理人の解任及び辞任
管理不全土地管理人の解任及び辞任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.管理不全土地管理人がその任務に違反して管理不全土地等に著しい損害を与えたことその他重要な事由があるときであっても、裁判所は、管理不全土地管理人を解任することができない。
- イ.管理不全土地管理人がその任務に違反して管理不全土地等に著しい損害を与えたことその他重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の請求により、管理不全土地管理人を解任することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 重要な事由があるとき解任できる → 『解任することができない』は誤り
民法第264条の12「裁判所は、利害関係人の請求により、管理不全土地管理人を解任することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 264条の12第1項のとおり → 正しい
民法第264条の12「裁判所は、利害関係人の請求により、管理不全土地管理人を解任することができる」e-Gov原文
ひっかけ任務違反等の重要な事由があるとき裁判所は管理不全土地管理人を『解任』できる(264条の12)。
解説管理不全土地管理人がその任務に違反して著しい損害を与えたこと等の重要な事由があるときは、裁判所は利害関係人の請求により管理不全土地管理人を解任できる(264条の12第1項)。管理人は正当な事由があるときは裁判所の許可を得て辞任できる(同条2項)。管理不全土地管理人の解任及び辞任を押さえる。
補足解任・辞任の規律は所有者不明土地管理人(264条の6)と管理不全土地管理人(264条の12)とで同様である。
問13管理不全土地管理人の報酬等
管理不全土地管理人の報酬等及び所在等不明共有者の持分の譲渡に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.管理不全土地管理人は、管理不全土地等から費用の前払及び報酬を受けることができない。
- イ.不動産の共有者が他の共有者の所在を知ることができないときであっても、裁判所は、所在等不明共有者の持分を譲渡する権限を付与することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 費用の前払及び報酬を受けられる → 『受けることができない』は誤り
民法第264条の13「管理不全土地等から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 持分譲渡の権限を付与できる → 『付与することはできない』は誤り
民法第262条の3「共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により」e-Gov原文
ひっかけ管理不全土地管理人は『費用の前払及び報酬』を受けられる。所在等不明共有者の『持分譲渡の権限』も付与できる(264条の13・262条の3)。
解説管理不全土地管理人は、管理不全土地等から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる(264条の13第1項)。管理に必要な費用及び報酬は管理不全土地等の所有者の負担とする(同条2項)。管理不全土地管理人の報酬等を押さえる。
補足各管理人の費用・報酬は管理対象財産から支弁され所有者の負担となる。報酬の規律は所有者不明土地管理人(264条の7)と同様である。
問14管理不全建物管理命令
管理不全建物管理命令及び所有者不明土地管理人の権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.管理不全土地管理命令の制度は土地についてのみ認められ、建物について管理不全建物管理命令を発することはできない。
- イ.所有者不明土地管理命令が発せられても、所有者不明土地等の管理及び処分をする権利は、所有者不明土地管理人に専属しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 建物についても管理命令ができる → 『建物について発することはできない』は誤り
民法第264条の14「所有者による建物の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において」e-Gov原文
- イ.誤り
- 管理処分権は管理人に専属する → 『専属しない』は誤り
民法第264条の3「の管理及び処分をする権利は、所有者不明土地管理人に専属する」e-Gov原文
ひっかけ管理不全建物についても『管理不全建物管理命令』を発することができる。所有者不明土地等の管理処分権は管理人に『専属』(264条の14・264条の3)。
解説裁判所は、所有者による建物の管理が不適当で他人の権利等が侵害され又はそのおそれがある場合に、利害関係人の請求により管理不全建物管理命令をすることができる(264条の14第1項)。管理不全の管理命令も土地・建物の双方に認められる。管理不全建物管理命令を押さえる。
補足管理命令は所有者不明(土地・建物)と管理不全(土地・建物)の4類型がある。管理処分権が管理人に専属するのは所有者不明の場合のみである。
問15所有者不明土地管理人の誠実公平義務
所有者不明土地管理人の義務及び管理不全土地管理命令に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.数人の者の共有持分を対象として所有者不明土地管理命令が発せられたときであっても、所有者不明土地管理人は、特定の共有持分を有する者のためにのみその権限を行使すれば足りる。
- イ.裁判所は、所有者による土地の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害されるおそれがある場合であっても、管理不全土地管理命令をすることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 全員のために誠実かつ公平に行使すべき → 『特定の者のためにのみ行使すれば足りる』は誤り
民法第264条の5「誠実かつ公平にその権限を行使しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 侵害されるおそれがある場合に管理命令ができる → 『することはできない』は誤り
民法第264条の9「所有者による土地の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において」e-Gov原文
ひっかけ共有持分が対象のとき管理人は『全員のために誠実かつ公平』に権限を行使する。侵害の『おそれ』の段階でも管理不全土地管理命令ができる(264条の5②・264条の9)。
解説数人の者の共有持分を対象として所有者不明土地管理命令が発せられたときは、所有者不明土地管理人は当該共有持分を有する者全員のために誠実かつ公平にその権限を行使しなければならない(264条の5第2項)。また、管理不全土地管理命令は権利侵害のおそれの段階でも発せられる(264条の9第1項)。誠実公平義務を押さえる。
補足共有持分が対象のときは全員のための誠実公平義務が加わる。管理不全の管理命令は現実の侵害だけでなく侵害のおそれでも発令できる。