ホーム土地家屋調査士章別対策>第20
民法・第20

民法(意思表示・代理⑫)の問題(15問)

この章を解く(15問)→

この章で確認する論点

20章では、心裡留保・虚偽表示・錯誤・詐欺又は強迫・意思表示の効力発生時期を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

民法を他資格と横断して確認する場合は、民法を学べる資格と無料問題も使えます。

問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年7月時点の法令に準拠
1心裡留保

意思表示及び代理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。
  • 無権代理行為の追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
93条1項のとおり → 正しい

民法第93条表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられないe-Gov原文

正しい
116条のとおり → 正しい

民法第116条追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずるe-Gov原文

ひっかけ心裡留保の意思表示は原則『効力を妨げられない』。追認は原則『契約の時にさかのぼって』効力を生ずる(93条・116条)。

解説意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたとき(心裡留保)であっても、そのために効力を妨げられない(93条1項本文)。ただし相手方が真意でないことを知り又は知ることができたときは無効となる(同項ただし書)。心裡留保を押さえる。

補足心裡留保は原則有効だが、相手方が悪意・有過失のときは無効となり、その無効は善意の第三者に対抗できない(93条2項)。

2虚偽表示

虚偽表示及び心裡留保に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 相手方と通じてした虚偽の意思表示は無効とし、その無効は、善意の第三者に対抗することができない。
  • 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときは、そのために当然に無効となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
94条のとおり → 正しい

民法第94条相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とするe-Gov原文

誤り
原則効力を妨げられない → 『当然に無効となる』は誤り

民法第93条表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられないe-Gov原文

ひっかけ虚偽表示は『無効』(善意の第三者に対抗不可)。心裡留保は原則『効力を妨げられない』(94条・93条)。

解説相手方と通じてした虚偽の意思表示(通謀虚偽表示)は無効とする(94条1項)。ただしその無効は善意の第三者に対抗できない(同条2項)。心裡留保が原則有効なのと対照的に、虚偽表示は当事者間で無効である。虚偽表示を押さえる。

補足虚偽表示は当事者間で無効だが、善意の第三者を保護するためその無効を対抗できない(94条2項)。94条2項の類推適用が判例で重要である。

3錯誤

錯誤及び代理権の消滅事由に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 意思表示は、所定の錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
  • 代理権は、本人の死亡、代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと等によって消滅する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
95条1項のとおり → 正しい

民法第95条その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができるe-Gov原文

正しい
111条1項のとおり → 正しい

民法第111条代理権は、次に掲げる事由によって消滅するe-Gov原文

ひっかけ重要な錯誤に基づく意思表示は『取り消すことができる』。代理権は本人の死亡・代理人の死亡破産後見開始等で『消滅』(95条・111条)。

解説意思表示は、意思を欠く錯誤又は基礎事情の錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは取り消すことができる(95条1項。改正前は無効)。錯誤を押さえる。

補足錯誤は平成29年改正で無効から取消しに変更された。基礎事情の錯誤(動機の錯誤)は事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り取り消せる(95条2項)。

4詐欺又は強迫

詐欺又は強迫及び虚偽表示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 詐欺又は強迫による意思表示は取り消すことができ、詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
  • 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、取り消すことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
96条のとおり → 正しい

民法第96条詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができるe-Gov原文

誤り
虚偽表示は無効 → 『取り消すことができる』は誤り

民法第94条相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とするe-Gov原文

ひっかけ詐欺強迫は『取消し』(詐欺の取消しは善意無過失の第三者に対抗不可)。虚偽表示は『無効』(96条・94条)。

解説詐欺又は強迫による意思表示は取り消すことができる(96条1項)。第三者による詐欺は相手方が悪意・有過失のときに限り取り消せる(同条2項)。詐欺による取消しは善意無過失の第三者に対抗できない(同条3項。強迫にはこの制限がない)。詐欺又は強迫を押さえる。

補足詐欺は取消し前の善意無過失の第三者に対抗できないが、強迫は第三者保護規定がなく取消しを対抗できる(強迫の被害者を厚く保護)。

5意思表示の効力発生時期

意思表示の効力発生時期及び代理人の行為能力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。
  • 制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
97条1項のとおり → 正しい

民法第97条意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずるe-Gov原文

正しい
102条のとおり → 正しい

民法第102条制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができないe-Gov原文

ひっかけ意思表示は相手方に『到達した時』から効力を生ずる(到達主義)。制限行為能力者の代理行為は制限を理由に『取り消せない』(97条・102条)。

解説意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる(97条1項、到達主義)。相手方が正当な理由なく到達を妨げたときは通常到達すべき時に到達したものとみなされる(同条2項)。意思表示の効力発生時期を押さえる。

補足意思表示は到達主義が原則である。表意者が通知を発した後に死亡・意思能力喪失・行為能力制限を受けても意思表示の効力は妨げられない(97条3項)。

6代理行為の要件及び効果

代理行為の要件及び効果並びに錯誤に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
  • 錯誤による意思表示は、その錯誤が重要なものであるときは、無効となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
99条1項のとおり → 正しい

民法第99条本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずるe-Gov原文

誤り
取り消すことができる → 『無効となる』は誤り

民法第95条重要なものであるときは、取り消すことができるe-Gov原文

ひっかけ代理人が権限内で『顕名』してした意思表示は本人に直接効力を生ずる。錯誤は『取消し』(無効ではない)(99条・95条)。

解説代理人がその権限内において本人のためにすることを示して(顕名して)した意思表示は、本人に対して直接その効力を生ずる(99条1項)。代理の効果が本人に帰属するには権限・顕名・権限内の行為を要する。代理行為の要件及び効果を押さえる。

補足代理の三要件は代理権の存在・顕名・権限内の代理行為である。錯誤は改正で無効から取消しに変わった点に注意する。

7本人のためにすることを示さない意思表示

本人のためにすることを示さない意思表示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、本人のためにしたものとみなす。
  • 代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、自己のためにしたものとみなす。ただし、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、代理行為として効力を生ずる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
自己のためにしたものとみなす → 『本人のためにしたものとみなす』は誤り

民法第100条代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、自己のためにしたものとみなすe-Gov原文

正しい
100条のとおり → 正しい

民法第100条代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、自己のためにしたものとみなすe-Gov原文

ひっかけ顕名なき意思表示は『自己のためにした』ものとみなす(相手方が悪意・有過失なら代理行為として効力)(100条)。

解説代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、自己のためにしたものとみなす(100条本文)。ただし、相手方が代理人が本人のためにすることを知り又は知ることができたときは、代理行為として本人に効力を生ずる(同条ただし書、99条1項準用)。顕名を押さえる。

補足顕名主義の原則により、顕名なき代理行為は代理人自身の行為とみなされる。ただし相手方が代理であることを知り得たときは本人に効果が帰属する。

8代理行為の瑕疵

代理行為の瑕疵に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 代理人が相手方に対してした意思表示の効力が詐欺、強迫等によって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、本人について決するものとする。
  • 代理人が相手方に対してした意思表示の効力が意思の不存在、錯誤、詐欺、強迫等によって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
代理人について決する → 『本人について決する』は誤り

民法第101条その事実の有無は、代理人について決するものとするe-Gov原文

正しい
101条1項のとおり → 正しい

民法第101条その事実の有無は、代理人について決するものとするe-Gov原文

ひっかけ代理人がした意思表示の瑕疵(詐欺・錯誤・善意悪意等)の有無は『代理人について決する』(101条1項)。

解説代理人が相手方に対してした意思表示の効力が意思の不存在・錯誤・詐欺・強迫・ある事情を知っていたこと等によって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は代理人について決する(101条1項)。代理行為の瑕疵を押さえる。

補足代理では実際に意思表示をする代理人を基準に瑕疵を判断する。ただし特定の法律行為を委託された代理人が本人の指図に従ったときは本人の悪意等も考慮される(101条3項)。

9代理人の行為能力

代理人の行為能力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限を理由として取り消すことができる。
  • 制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。ただし、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為については、この限りでない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
行為能力の制限によっては取り消せない → 『取り消すことができる』は誤り

民法第102条行為能力の制限によっては取り消すことができないe-Gov原文

正しい
102条のとおり → 正しい

民法第102条制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができないe-Gov原文

ひっかけ制限行為能力者が代理人としてした行為は制限を理由に『取り消せない』(他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為を除く)(102条)。

解説制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない(102条本文)。代理では効果が本人に帰属し代理人は不利益を受けないためである。ただし制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為は取り消しうる(同条ただし書)。代理人の行為能力を押さえる。

補足代理人は行為能力者であることを要しない(102条)。制限行為能力者を任意代理人に選任することもでき、その代理行為は制限を理由に取り消せない。

10権限の定めのない代理人の権限

権限の定めのない代理人の権限及び虚偽表示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 権限の定めのない代理人は、保存行為、並びに代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内においてその利用又は改良を目的とする行為のみをする権限を有する。
  • 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
103条のとおり → 正しい

民法第103条権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有するe-Gov原文

正しい
94条1項のとおり → 正しい

民法第94条相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とするe-Gov原文

ひっかけ権限の定めのない代理人は『保存行為・利用改良行為』のみできる。虚偽表示は『無効』(103条・94条)。

解説権限の定めのない代理人は、保存行為、及び代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内でその利用又は改良を目的とする行為(管理行為)のみをする権限を有する(103条)。処分行為はできない。権限の定めのない代理人の権限を押さえる。

補足権限の定めのない代理人は管理行為(保存・利用・改良)に限られ、財産の処分行為はできない。性質を変える利用・改良も権限外である。

11自己契約及び双方代理等

自己契約及び双方代理等並びに意思表示の効力発生時期に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。
  • 意思表示は、その通知を発した時からその効力を生ずる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
108条1項のとおり → 正しい

民法第108条相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなすe-Gov原文

誤り
到達した時から効力を生ずる → 『発した時から効力を生ずる』は誤り

民法第97条意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずるe-Gov原文

ひっかけ自己契約・双方代理は『無権代理行為とみなす』(債務の履行・本人の許諾を除く)。意思表示は『到達した時』から効力(108条・97条)。

解説同一の法律行為について相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為(自己契約・双方代理)は、代理権を有しない者がした行為とみなす(108条1項本文)。ただし債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為は有効である(同項ただし書)。自己契約及び双方代理等を押さえる。

補足自己契約・双方代理は本人の利益を害するおそれがあるため無権代理とみなされる。本人があらかじめ許諾すれば有効となる。利益相反行為も同様である(108条2項)。

12権限外の行為の表見代理

権限外の行為の表見代理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 代理人がその権限外の行為をした場合においては、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときであっても、表見代理は成立しない。
  • 代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときは、権限外の行為の表見代理が成立する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
正当な理由があれば表見代理が成立する → 『成立しない』は誤り

民法第110条代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときe-Gov原文

正しい
110条のとおり → 正しい

民法第110条代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときe-Gov原文

ひっかけ代理人が権限外の行為をした場合、第三者に権限があると信ずべき『正当な理由』があれば表見代理が成立する(110条)。

解説代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときは、本人が責任を負う(110条、権限外の行為の表見代理)。基本代理権の存在と正当な理由(善意無過失)が要件である。権限外の行為の表見代理を押さえる。

補足表見代理には代理権授与表示による表見代理(109条)・権限外の行為の表見代理(110条)・代理権消滅後の表見代理(112条)の3類型がある。

13代理権の消滅事由

代理権の消滅事由及び心裡留保に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 代理権は、本人の死亡によっては消滅しない。
  • 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときは、常に無効である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
本人の死亡は代理権の消滅事由 → 『消滅しない』は誤り

民法第111条代理権は、次に掲げる事由によって消滅するe-Gov原文

誤り
原則効力を妨げられない → 『常に無効である』は誤り

民法第93条表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられないe-Gov原文

ひっかけ代理権は『本人の死亡』によって消滅する。心裡留保は原則『効力を妨げられない』(111条・93条)。

解説代理権は、本人の死亡、代理人の死亡・破産手続開始の決定・後見開始の審判によって消滅する(111条1項)。委任による代理権はこれらのほか委任の終了によっても消滅する(同条2項)。代理権の消滅事由を押さえる。

補足本人の死亡・後見開始は代理権を消滅させないと誤りやすいが、本人の死亡は消滅事由(111条1項1号)である。代理人の後見開始も消滅事由だが本人の後見開始は消滅事由でない点に注意する。

14無権代理

無権代理及び代理行為の効果に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人が追認をしなくても、本人に対してその効力を生ずる。
  • 代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、代理人に対してその効力を生ずる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
追認がなければ効力を生じない → 『追認をしなくても効力を生ずる』は誤り

民法第113条本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じないe-Gov原文

誤り
本人に対して直接効力を生ずる → 『代理人に対して効力を生ずる』は誤り

民法第99条本人に対して直接にその効力を生ずるe-Gov原文

ひっかけ無権代理行為は本人の『追認がなければ』本人に効力を生じない。有権代理の効果は『本人に直接』帰属する(113条・99条)。

解説代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約(無権代理)は、本人がその追認をしなければ本人に対して効力を生じない(113条1項)。追認又はその拒絶は相手方に対してしなければ対抗できない(同条2項)。無権代理を押さえる。

補足無権代理は本人の追認により遡って有効となる(116条)。相手方には催告権(114条)・取消権(115条)・無権代理人への責任追及(117条)が認められる。

15無権代理行為の追認

無権代理行為の追認及び双方代理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 無権代理行為の追認は、別段の意思表示がないときは、追認の時からその効力を生ずる。
  • 同一の法律行為について当事者双方の代理人としてした行為であっても、本人があらかじめ許諾していない限り、有効な代理行為となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
契約の時にさかのぼって効力を生ずる → 『追認の時から効力を生ずる』は誤り

民法第116条別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずるe-Gov原文

誤り
双方代理は無権代理行為とみなす → 『有効な代理行為となる』は誤り

民法第108条相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなすe-Gov原文

ひっかけ追認は原則『契約の時にさかのぼって』効力を生ずる。双方代理は『無権代理行為とみなす』(116条・108条)。

解説無権代理行為の追認は、別段の意思表示がないときは契約の時にさかのぼってその効力を生ずる(116条本文)。ただし第三者の権利を害することはできない(同条ただし書)。無権代理行為の追認を押さえる。

補足追認には遡及効があるが、第三者の権利を害せない。双方代理は本人があらかじめ許諾しない限り無権代理行為とみなされ、追認により有効となりうる。