問1遺言の方式
遺言及び遺留分に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。
- イ.遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 960条のとおり → 正しい
民法第960条「遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 1048条のとおり → 正しい
民法第1048条「相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する」e-Gov原文
ひっかけ遺言は法定の『方式』に従わなければできない(要式行為)。遺留分侵害額請求権は知った時から『1年』・相続開始から『10年』で消滅(960条・1048条)。
解説遺言は、民法に定める方式に従わなければすることができない(960条、要式行為)。方式を欠く遺言は無効である。遺言の方式には普通方式(自筆証書・公正証書・秘密証書)と特別方式がある。遺言の方式を押さえる。
補足遺言は厳格な要式行為であり、方式違反は無効となる。遺言者の最終意思を明確にし偽造変造を防ぐ趣旨である。
問2遺言能力
遺言能力及び遺言の方式に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.十五歳に達した者は、遺言をすることができる。
- イ.遺言は、この法律に定める方式に従わなくても、することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 961条のとおり → 正しい
民法第961条「十五歳に達した者は、遺言をすることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 方式に従わなければできない → 『方式に従わなくてもできる』は誤り
民法第960条「遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない」e-Gov原文
ひっかけ『15歳』に達した者は遺言をすることができる。遺言は法定の『方式』に従わなければできない(961条・960条)。
解説15歳に達した者は遺言をすることができる(961条)。行為能力の制限に関する規定は遺言には適用されず、成年被後見人も事理弁識能力を一時回復し医師2人以上の立会いがあれば遺言できる(973条)。遺言能力を押さえる。
補足遺言能力は15歳以上で認められ、未成年者でも法定代理人の同意なく遺言できる。制限行為能力者の規定は遺言に適用されない(962条)。
問3自筆証書遺言
自筆証書遺言及び遺留分の割合に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
- イ.兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、直系尊属のみが相続人である場合は三分の一、それ以外の場合は二分の一の割合を乗じた額を受ける。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 968条1項のとおり → 正しい
民法第968条「その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 1042条1項のとおり → 正しい
民法第1042条「直系尊属のみが相続人である場合三分の一」e-Gov原文
ひっかけ自筆証書遺言は『全文・日付・氏名の自書と押印』を要する。遺留分割合は直系尊属のみ『3分の1』・それ以外『2分の1』(968条・1042条)。
解説自筆証書によって遺言をするには、遺言者がその全文・日付・氏名を自書し、これに印を押さなければならない(968条1項)。ただし相続財産の目録を添付する場合はその目録は自書を要しない(同条2項)。自筆証書遺言を押さえる。
補足自筆証書遺言は全文自書が原則だが、平成30年改正で財産目録はパソコン作成等が可能になった(毎葉に署名押印が必要)。
問4公正証書遺言
公正証書遺言及び自筆証書遺言に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.公正証書によって遺言をするには、証人二人以上の立会いがあること、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること等の方式に従わなければならない。
- イ.自筆証書によって遺言をするには、遺言者がその全文、日付及び氏名をパソコン等で作成し、これに印を押せば足りる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- イ.誤り
- 全文日付氏名を自書する → 『パソコン等で作成すれば足りる』は誤り
民法第968条「その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない」e-Gov原文
ひっかけ公正証書遺言は『証人2人以上の立会い・公証人への口授』等を要する。自筆証書遺言は全文日付氏名の『自書』を要する(969条・968条)。
解説公正証書によって遺言をするには、証人2人以上の立会い、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること、公証人が筆記し遺言者・証人に読み聞かせ・閲覧させること等の方式に従わなければならない(969条)。公正証書遺言を押さえる。
補足公正証書遺言は公証人が関与するため偽造変造のおそれが少なく検認が不要である。証人には推定相続人・受遺者等の欠格事由がある(974条)。
問5共同遺言の禁止
共同遺言の禁止及び配偶者居住権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。
- イ.被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、所定の要件に該当するときは、配偶者居住権を取得する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 975条のとおり → 正しい
民法第975条「遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 1028条1項のとおり → 正しい
民法第1028条「被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは」e-Gov原文
ひっかけ『二人以上』の者が同一の証書で遺言することはできない(共同遺言の禁止)。配偶者は所定の要件で『配偶者居住権』を取得(975条・1028条)。
解説遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない(975条、共同遺言の禁止)。夫婦が同一の証書で遺言することも許されない。遺言撤回の自由や意思の独立を確保する趣旨である。共同遺言の禁止を押さえる。
補足共同遺言は各遺言者の撤回の自由を害するため禁止される。夫婦であっても別々の証書で遺言する必要がある。
問6遺言の効力の発生時期
遺言の効力の発生時期及び共同遺言の禁止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。
- イ.遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 985条1項のとおり → 正しい
民法第985条「遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 同一の証書ですることができない → 『することができる』は誤り
民法第975条「遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない」e-Gov原文
ひっかけ遺言は遺言者の『死亡の時』から効力を生ずる。共同遺言は『できない』(985条・975条)。
解説遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる(985条1項)。遺言に停止条件を付し、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、条件成就の時から効力を生ずる(同条2項)。遺言の効力の発生時期を押さえる。
補足遺言は遺言者の死亡により初めて効力を生じるため、遺言者は生存中いつでも撤回できる(1022条)。停止条件付遺言は条件成就時に効力を生じる。
問7遺贈の放棄
遺贈の放棄に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.受遺者は、遺言者の死亡後、遺贈の放棄をすることができない。
- イ.受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも遺贈の放棄をすることができ、その放棄は、遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- いつでも放棄できる → 『放棄をすることができない』は誤り
民法第986条「受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 986条のとおり → 正しい
民法第986条「受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができる」e-Gov原文
ひっかけ受遺者は遺言者の死亡後『いつでも』遺贈を放棄でき、放棄は『死亡の時にさかのぼって』効力を生ずる(986条)。
解説受遺者は、遺言者の死亡後いつでも遺贈の放棄をすることができ(986条1項、特定遺贈の場合)、その放棄は遺言者の死亡の時にさかのぼって効力を生ずる(同条2項)。遺贈の放棄を押さえる。
補足特定遺贈の放棄はいつでもできる(986条)が、包括遺贈の受遺者は相続人と同一の権利義務を有し、放棄は相続放棄の規定に従い3箇月以内に家庭裁判所で行う(990条)。
問8遺言の撤回
遺言の撤回に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.遺言者は、いったんした遺言を撤回することができない。
- イ.遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- いつでも撤回できる → 『撤回することができない』は誤り
民法第1022条「遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 1022条のとおり → 正しい
民法第1022条「遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる」e-Gov原文
ひっかけ遺言者は『いつでも』遺言の方式に従いその全部又は一部を『撤回』できる(1022条)。
解説遺言者は、いつでも遺言の方式に従ってその遺言の全部又は一部を撤回することができる(1022条)。撤回する遺言は撤回される遺言と同じ方式である必要はない(自筆証書で公正証書遺言を撤回できる)。遺言の撤回権は放棄できない(1026条)。遺言の撤回を押さえる。
補足遺言の自由を保障するため撤回は自由であり、撤回権の放棄はできない。前の遺言と抵触する後の遺言や生前処分は撤回とみなされる(1023条)。
問9前の遺言と後の遺言との抵触
前の遺言と後の遺言との抵触に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.前の遺言が後の遺言と抵触するときであっても、その抵触する部分について、後の遺言で前の遺言を撤回したものとはみなされない。
- イ.前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 撤回したものとみなす → 『みなされない』は誤り
民法第1023条「後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす」e-Gov原文
- イ.正しい
- 1023条1項のとおり → 正しい
民法第1023条「後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす」e-Gov原文
ひっかけ前後の遺言が抵触する部分は、後の遺言で前の遺言を『撤回したものとみなす』(1023条1項)。
解説前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす(1023条1項、法定撤回)。この規定は遺言後の生前処分その他の法律行為が遺言と抵触する場合にも準用される(同条2項)。前の遺言と後の遺言との抵触を押さえる。
補足法定撤回(1023条)により、抵触する後の遺言・生前処分があれば前の遺言は撤回とみなされる。遺言書の破棄(1024条)も撤回とみなされる。
問10配偶者居住権
配偶者居住権及び遺言能力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき等の所定の要件に該当するときは、配偶者居住権を取得する。
- イ.十五歳に達した者は、遺言をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 1028条1項のとおり → 正しい
民法第1028条「被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは」e-Gov原文
- イ.正しい
- 961条のとおり → 正しい
民法第961条「十五歳に達した者は、遺言をすることができる」e-Gov原文
ひっかけ配偶者は相続開始時に居住していた建物について所定の要件で『配偶者居住権』(無償で使用収益)を取得。遺言能力は『15歳』(1028条・961条)。
解説被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、遺産分割・遺贈により配偶者居住権を取得するものとされたとき等の要件に該当するときは、居住建物の全部について無償で使用及び収益をする権利(配偶者居住権)を取得する(1028条1項)。配偶者居住権を押さえる。
補足配偶者居住権は令和2年施行で、配偶者が住み慣れた住居に住み続けられるよう新設された。登記により第三者に対抗でき、居住建物の所有者は登記義務を負う(1031条)。
問11配偶者居住権の存続期間
配偶者居住権の存続期間及び遺言の効力の発生時期に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.配偶者居住権の存続期間は、配偶者の終身の間とする。ただし、遺産の分割の協議若しくは遺言に別段の定めがあるとき等は、その定めるところによる。
- イ.遺言は、遺言者が遺言をした時からその効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 1030条のとおり → 正しい
民法第1030条「配偶者居住権の存続期間は、配偶者の終身の間とする」e-Gov原文
- イ.誤り
- 死亡の時から効力を生ずる → 『遺言をした時から効力を生ずる』は誤り
民法第985条「遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる」e-Gov原文
ひっかけ配偶者居住権の存続期間は原則『配偶者の終身の間』(別段の定めがあればそれによる)。遺言は『死亡の時』から効力(1030条・985条)。
解説配偶者居住権の存続期間は、配偶者の終身の間とする(1030条本文)。ただし遺産分割協議・遺言に別段の定めがあるとき、又は家庭裁判所が審判で別段の定めをしたときは、その定めるところによる(同条ただし書)。配偶者居住権の存続期間を押さえる。
補足配偶者居住権は原則として配偶者の終身の間存続し、配偶者の死亡により消滅する。有期とする定めも可能である。譲渡はできない(1032条2項)。
問12配偶者短期居住権
配偶者短期居住権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に無償で居住していた場合であっても、配偶者短期居住権を取得することはない。
- イ.配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に無償で居住していた場合には、所定の日までの間、居住建物取得者に対し、居住建物について無償で使用する権利(配偶者短期居住権)を取得する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 配偶者短期居住権を取得する → 『取得することはない』は誤り
民法第1037条「配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に無償で居住していた場合には」e-Gov原文
- イ.正しい
- 1037条1項のとおり → 正しい
民法第1037条「配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に無償で居住していた場合には」e-Gov原文
ひっかけ相続開始時に無償で居住していた配偶者は所定の日まで『配偶者短期居住権』(無償で使用)を取得(1037条1項)。
解説配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に無償で居住していた場合には、遺産分割により居住建物の帰属が確定した日又は相続開始時から6箇月を経過する日のいずれか遅い日等までの間、居住建物取得者に対し無償で使用する権利(配偶者短期居住権)を取得する(1037条1項)。配偶者短期居住権を押さえる。
補足配偶者短期居住権は配偶者居住権と異なり、遺産分割等が確定するまでの短期的な居住を保障する法定の権利で、登記はできず対抗力もない。使用のみで収益はできない。
問13遺留分の帰属及びその割合
遺留分の帰属及びその割合並びに遺言の方式に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.兄弟姉妹以外の相続人の遺留分の割合は、直系尊属のみが相続人である場合は二分の一、それ以外の場合は三分の一である。
- イ.遺言は、この法律に定める方式に従わなくても、することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 直系尊属のみは3分の1・それ以外は2分の1 → 割合を逆にするのは誤り
民法第1042条「直系尊属のみが相続人である場合三分の一」e-Gov原文
- イ.誤り
- 方式に従わなければできない → 『方式に従わなくてもできる』は誤り
民法第960条「遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない」e-Gov原文
ひっかけ遺留分割合は直系尊属のみ『3分の1』・それ以外『2分の1』。遺言は法定の『方式』に従わなければできない(1042条・960条)。
解説兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、直系尊属のみが相続人である場合は遺留分算定の基礎財産の3分の1、それ以外の場合は2分の1の割合を乗じた額を受ける(1042条1項)。相続人が数人あるときは各自の法定相続分を乗じる(同条2項)。兄弟姉妹には遺留分がない。遺留分の帰属及びその割合を押さえる。
補足遺留分は兄弟姉妹以外の相続人に認められ、総体的遺留分は直系尊属のみ3分の1・それ以外2分の1である。各人の個別的遺留分はこれに法定相続分を乗じて算定する。
問14遺留分侵害額の請求
遺留分侵害額の請求及び自筆証書遺言に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.遺留分権利者は、受遺者又は受贈者に対し、遺留分を侵害する遺贈又は贈与の目的物そのものの返還を請求することができる。
- イ.自筆証書遺言は、遺言者がその全文をパソコンで作成し、これに署名押印すれば有効である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 金銭の支払を請求できる → 『目的物そのものの返還を請求できる』は誤り
民法第1046条「遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 全文を自書する → 『全文をパソコンで作成すればよい』は誤り
民法第968条「その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない」e-Gov原文
ひっかけ遺留分侵害額の請求は『金銭の支払』を請求する(目的物返還ではない)。自筆証書遺言は全文の『自書』を要する(1046条・968条)。
解説遺留分権利者及びその承継人は、受遺者又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求できる(1046条1項)。平成30年改正で、従来の遺留分減殺請求(物権的効果)から金銭債権(遺留分侵害額請求権)に変更された。遺留分侵害額の請求を押さえる。
補足遺留分侵害額請求権は改正で金銭債権となり、目的物の共有関係が生じなくなった。受遺者等が金銭を直ちに準備できないときは裁判所が期限を許与できる(1047条5項)。
問15遺留分侵害額請求権の期間の制限
遺留分侵害額請求権の期間の制限及び遺言の撤回に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。
- イ.遺言者は、いったんした遺言を撤回することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 知った時から1年間 → 『三年間』は誤り
民法第1048条「知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する」e-Gov原文
- イ.誤り
- いつでも撤回できる → 『撤回することができない』は誤り
民法第1022条「遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる」e-Gov原文
ひっかけ遺留分侵害額請求権は知った時から『1年』・相続開始から『10年』で消滅。遺言は『いつでも撤回』できる(1048条・1022条)。
解説遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは時効消滅する(1048条前段)。相続開始の時から10年を経過したときも同様に消滅する(同条後段、除斥期間)。遺留分侵害額請求権の期間の制限を押さえる。
補足遺留分侵害額請求権は知った時から1年の消滅時効、相続開始から10年の除斥期間により行使できなくなる。短期間なので早期の権利行使が必要である。