問1表題部の意義
不動産登記の通則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.表題部とは、登記記録のうち、表示に関する登記が記録される部分をいう。
- イ.登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 2条7号のとおり → 正しい
不動産登記法第2条「表題部登記記録のうち、表示に関する登記が記録される部分をいう」e-Gov原文
- イ.正しい
- 16条1項のとおり → 正しい
不動産登記法第16条「登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない」e-Gov原文
ひっかけ表題部は表示に関する登記の記録部分。登記は原則『当事者の申請又は嘱託』による(2条・16条)。
解説登記記録は、表示に関する登記が記録される表題部と、権利に関する登記が記録される権利部とからなる(2条7号・8号)。表題部所有者・地目・地積・床面積などの物理的現況が表題部に記録される。また、登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請又は官庁・公署の嘱託がなければすることができない(16条1項、申請主義)。土地家屋調査士は、この表示に関する登記の申請手続の代理を業とする。
補足申請主義の例外として、表示に関する登記は登記官が職権ですることができる(28条)。表示に関する登記には、物理的現況を公示するという公益的性格があるため、職権発動が認められている。
問2登記の申請主義
登記の申請及び職権登記に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない。
- イ.表示に関する登記は、登記官が職権ですることはできず、必ず当事者の申請によらなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 16条1項のとおり → 正しい
不動産登記法第16条「登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 表示に関する登記は職権でできる → 『必ず申請による』は誤り
不動産登記法第28条「表示に関する登記は、登記官が、職権ですることができる」e-Gov原文
ひっかけ登記は原則『申請主義』。ただし表示に関する登記は『職権』でもできる(16条・28条)。
解説登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請又は嘱託がなければすることができない(16条1項、申請主義)。もっとも、表示に関する登記は、登記官が職権ですることができる(28条)。表示に関する登記は不動産の物理的現況を公示するものであり、現況と登記の一致を図る公益的要請から、申請がなくても登記官の職権で登記し得る点が、権利に関する登記との大きな違いである。
補足権利に関する登記は、原則として当事者の申請がなければ職権ですることはできない。表示に関する登記の職権主義は、表示登記の公益的性格を反映した特則である。
問3職権による表示に関する登記
職権による表示に関する登記及び登記記録に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.表示に関する登記は、登記官が、職権ですることができる。
- イ.登記記録は、一筆の土地又は一個の建物ごとに作成される電磁的記録である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 28条のとおり → 正しい
不動産登記法第28条「表示に関する登記は、登記官が、職権ですることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 2条5号のとおり → 正しい
不動産登記法第2条「一筆の土地又は一個の建物ごとに第十二条の規定により作成される電磁的記録」e-Gov原文
ひっかけ表示に関する登記は職権でできる。登記記録は『一筆の土地・一個の建物ごと』に作られる(28条・2条)。
解説表示に関する登記は、登記官が職権ですることができる(28条)。登記記録は、表示に関する登記又は権利に関する登記について、一筆の土地又は一個の建物ごとに作成される電磁的記録である(2条5号)。一筆の土地・一個の建物を単位として登記記録が編成され、その表題部に物理的現況が記録される。一物一記録(一不動産一登記記録)の原則を押さえる。
補足土地は『筆』、建物は『個』を単位として登記記録が作られる。分筆・合筆や建物の合体・分割は、この登記記録の単位を変更する登記である。
問4地目又は地積の変更の登記
土地の表示に関する登記に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.地目又は地積について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から1月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。
- イ.土地が滅失したときであっても、表題部所有者又は所有権の登記名義人に、土地の滅失の登記を申請する義務はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 37条1項のとおり → 正しい
不動産登記法第37条「地目又は地積について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 土地滅失は1月以内に申請義務 → 『義務はない』は誤り
不動産登記法第42条「土地が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から一月以内に、当該土地の滅失の登記を申請しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ地目・地積の変更も土地の滅失も『1月以内』に申請する義務がある(37条・42条)。
解説地目又は地積について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から1月以内に、変更の登記を申請しなければならない(37条1項)。また、土地が滅失したときも、これらの者はその滅失の日から1月以内に、土地の滅失の登記を申請しなければならない(42条)。表示に関する登記は現況との一致が求められるため、変更・滅失について1月以内の申請義務が課される。期間(1月以内)と申請義務を押さえる。
補足表示に関する登記の申請義務違反には過料の制裁がある(164条)。物理的現況の変動を登記に反映させるため、表示登記には1月以内の申請義務が広く課されている点が特徴である。
問5地目地積変更後に名義人となった者の申請期間
土地の表示に関する登記の申請に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.地目又は地積について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から1月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。
- イ.土地が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1月以内に、当該土地の滅失の登記を申請しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 37条2項のとおり → 正しい
不動産登記法第37条「地目又は地積について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 42条のとおり → 正しい
不動産登記法第42条「土地が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から一月以内に、当該土地の滅失の登記を申請しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ変更後に名義人になった者は『その登記の日から1月以内』。土地滅失は『滅失の日から1月以内』(37条2項・42条)。
解説地目又は地積の変更後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る更正の登記又は所有権の登記があった日から1月以内に変更の登記を申請しなければならない(37条2項)。起算点が『変更の日』ではなく『自分が名義人となった登記の日』である点に注意する。土地が滅失したときは、滅失の日から1月以内に滅失の登記を申請しなければならない(42条)。起算点の違いを正確に押さえる。
補足37条2項は、変更後に承継等で新たに名義人となった者の申請義務の起算点を、その者が登記上の名義人となった時点に調整した規定である。申請義務者と起算点の対応関係を理解する。
問6土地の滅失の登記
土地の滅失及び地目地積の変更の登記に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.土地が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1月以内に、当該土地の滅失の登記を申請しなければならない。
- イ.地目又は地積について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から1年以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請すればよい。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 42条のとおり → 正しい
不動産登記法第42条「土地が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から一月以内に、当該土地の滅失の登記を申請しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 地目地積の変更は1月以内 → 『1年以内』は誤り
不動産登記法第37条「その変更があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ表示登記の申請期間は『1月以内』が基本。『1年以内』は誤り(37条・42条)。
解説土地が滅失したときは、滅失の日から1月以内に土地の滅失の登記を申請しなければならない(42条)。地目又は地積の変更があったときも、変更の日から1月以内に変更の登記を申請しなければならない(37条1項)。表示に関する登記の申請義務の期間は、原則として変更・滅失・新築等の事由が生じた日から『1月以内』である。期間の数字を1年などと取り違えないことが要点である。
補足表題登記(土地36条・建物47条)、地目地積の変更(37条)、滅失(42条・57条)など、表示登記の申請義務の期間はいずれも『1月以内』で統一されている。期間を共通理解として押さえると失点を防げる。
問7建物の表題部の変更の登記
建物の表示に関する登記に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.建物の表題部の登記事項について変更があっても、表題部所有者又は所有権の登記名義人に、変更の登記を申請する義務はない。
- イ.建物の表題部の登記事項について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から1月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 建物の表題部の変更は1月以内に申請義務 → 『義務はない』は誤り
不動産登記法第51条「当該変更があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 51条1項のとおり → 正しい
不動産登記法第51条「当該変更があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ建物の床面積・種類などの表題部の登記事項に変更があれば『1月以内』に変更登記を申請(51条)。
解説建物の表題部の登記事項(種類・構造・床面積など。44条1項各号のうち所在の地番等を除く)について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から1月以内に、変更の登記を申請しなければならない(51条1項)。増改築による床面積の変更などが典型である。土地の地目地積の変更(37条)と同じく、1月以内の申請義務が課される。
補足建物の所在する市区町村・字・地番の変更は、表題登記の所在の更正・変更として扱われる。種類・構造・床面積の変更(51条)と、所在(敷地)の変更とで規律が分かれる点に注意する。
問8建物の滅失の登記
建物の滅失の登記に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1年以内に、当該建物の滅失の登記を申請すればよい。
- イ.建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 建物滅失は1月以内 → 『1年以内』は誤り
不動産登記法第57条「その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 57条のとおり → 正しい
不動産登記法第57条「その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ建物の滅失も『滅失の日から1月以内』に滅失登記を申請する(57条)。
解説建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記等がある建物では所有者)は、その滅失の日から1月以内に、建物の滅失の登記を申請しなければならない(57条)。取壊しや焼失で建物が物理的に存在しなくなった場合、登記記録を閉鎖するための滅失の登記を1月以内に申請する義務がある。土地の滅失(42条)と同じく期間は『1月以内』である。
補足建物の滅失の登記がされると、その建物の登記記録は閉鎖される。滅失登記を怠ると存在しない建物の登記が残り、土地の利用や取引の妨げになるため、1月以内の申請義務が課されている。
問9共用部分である旨の登記
共用部分である旨の登記に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.共用部分である旨の登記は、当該建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の第三者も、申請することができる。
- イ.共用部分である旨の登記は、当該建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 表題部所有者・所有権登記名義人以外は申請不可 → 『第三者も申請できる』は誤り
不動産登記法第58条「当該共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をする建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 58条2項のとおり → 正しい
不動産登記法第58条「当該共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をする建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない」e-Gov原文
ひっかけ共用部分である旨の登記を申請できるのは『表題部所有者・所有権登記名義人』だけ(58条2項)。
解説区分建物の集会所・管理人室などを区分所有者全員の共用部分とするには、共用部分である旨の登記をする。この登記は、当該建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は申請することができない(58条2項)。共用部分とするかどうかは当該建物の権利者が決すべき事項だからである。申請適格者が限定される点を押さえる。
補足共用部分である旨の登記がされると、その建物の権利部の登記は抹消され、以後その建物は独立して所有権の客体とならない(規約共用部分)。申請適格を権利者に限るのは、こうした重大な効果を伴うためである。
問10筆界の意義
筆界及び筆界特定の意義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.筆界とは、表題登記がある一筆の土地とこれに隣接する他の土地との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた2以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。
- イ.筆界特定とは、一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、この章の定めるところにより、筆界の現地における位置を特定することをいう。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 123条1号のとおり → 正しい
不動産登記法第123条「当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう」e-Gov原文
- イ.正しい
- 123条2号のとおり → 正しい
不動産登記法第123条「一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、この章の定めるところにより、筆界の現地における位置を特定すること」e-Gov原文
ひっかけ筆界は『登記された時に境を構成するとされた線』(公法上の境界)。筆界特定はその現地の位置を特定する手続(123条)。
解説筆界とは、一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた2以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう(123条1号)。筆界は公法上の境界であり、当事者の合意で自由に動かせるものではない。筆界特定とは、一筆の土地及び隣接土地について、筆界の現地における位置を特定すること(特定できないときはその範囲を特定すること)をいう(123条2号)。所有権の境界(私法上の境界)とは区別される点を押さえる。
補足筆界特定制度(2005年改正で導入)は、筆界特定登記官が筆界の現地における位置を特定する行政手続である。当事者間の所有権の範囲を確定する境界確定訴訟とは目的・効果が異なる。
問11筆界特定の意義
筆界特定及びその申請に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.筆界特定とは、一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、この章の定めるところにより、筆界の現地における位置を特定することをいう。
- イ.筆界特定の申請は、土地の所有権登記名義人等であってもすることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 123条2号のとおり → 正しい
不動産登記法第123条「一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、この章の定めるところにより、筆界の現地における位置を特定すること」e-Gov原文
- イ.誤り
- 所有権登記名義人等は筆界特定の申請ができる → 『できない』は誤り
不動産登記法第131条「土地の所有権登記名義人等は、筆界特定登記官に対し、当該土地とこれに隣接する他の土地との筆界について、筆界特定の申請をすることができる」e-Gov原文
ひっかけ筆界特定は『土地の所有権登記名義人等』が申請できる手続(123条・131条)。
解説筆界特定とは、筆界の現地における位置を特定することをいう(123条2号)。そして、土地の所有権登記名義人等は、筆界特定登記官に対し、当該土地とこれに隣接する他の土地との筆界について、筆界特定の申請をすることができる(131条1項)。隣地との筆界が現地で不明確な場合に、訴訟によらず行政手続で筆界の位置を特定してもらう制度である。申請権者を押さえる。
補足「所有権登記名義人等」には、所有権の登記がある土地の所有権登記名義人のほか、表題登記がない土地・表題部所有者の登記がある土地の所有者等も含まれる(123条5号)。筆界特定は土地家屋調査士の代理業務の対象でもある。
問12対象土地の意義
筆界特定における対象土地に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.筆界特定における対象土地とは、筆界特定の対象となる筆界とは無関係の、任意の二筆の土地をいう。
- イ.筆界特定における対象土地とは、筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する一筆の土地及び他の土地をいう。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 対象土地は対象となる筆界で相互に隣接する土地 → 『無関係の任意の二筆』は誤り
不動産登記法第123条「対象土地筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する一筆の土地及び他の土地をいう」e-Gov原文
- イ.正しい
- 123条3号のとおり → 正しい
不動産登記法第123条「対象土地筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する一筆の土地及び他の土地をいう」e-Gov原文
ひっかけ対象土地は『筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する土地』。無関係の土地ではない(123条3号)。
解説筆界特定における対象土地とは、筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する一筆の土地及び他の土地をいう(123条3号)。すなわち、特定してほしい筆界をはさんで向かい合う2つの土地が対象土地である。これに対し、対象土地以外で対象となる筆界上の点を含む他の筆界で対象土地と接する土地は関係土地という(123条4号)。対象土地と関係土地の区別を押さえる。
補足筆界特定の手続では、対象土地の所有権登記名義人等が申請人・関係人となり、関係土地の所有者等も手続に関与し得る。用語の定義(対象土地・関係土地・所有権登記名義人等)は123条にまとめて置かれている。
問13筆界特定の申請権者
筆界特定の申請及びその却下に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.筆界特定の申請は、隣接する土地の所有者の承諾がなければ、することができない。
- イ.筆界特定登記官は、申請の権限を有しない者による申請であっても、これを却下することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 所有権登記名義人等は単独で申請できる → 『隣接所有者の承諾が必要』は誤り
不動産登記法第131条「土地の所有権登記名義人等は、筆界特定登記官に対し、当該土地とこれに隣接する他の土地との筆界について、筆界特定の申請をすることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 一定の場合は却下しなければならない → 『却下できない』は誤り
不動産登記法第132条「筆界特定登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、筆界特定の申請を却下しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ筆界特定は隣接所有者の承諾なく『単独』で申請できる。権限のない申請等は『却下』される(131条・132条)。
解説土地の所有権登記名義人等は、隣接土地の所有者の承諾を得ることなく、単独で筆界特定の申請をすることができる(131条1項)。筆界が現地で不明確なときに、相手方の協力が得られなくても手続を開始できる点に意義がある。もっとも、申請の権限を有しない者の申請、申請事項を欠く申請など一定の場合には、筆界特定登記官は理由を付した決定で申請を却下しなければならない(132条)。
補足却下事由には、管轄違い、権限のない者の申請、申請事項の不備、既に筆界確定訴訟の判決が確定している場合などがある(132条1項各号)。補正可能な不備は、相当の期間内に補正すれば却下されない(同項ただし書)。
問14地方公共団体による筆界特定の申請
筆界特定の申請及び筆界の意義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.地方公共団体は、その区域内の対象土地について、いかなる場合も筆界特定の申請をすることができない。
- イ.筆界とは、土地の所有者が合意によって自由に定めることができる境界線をいう。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 地方公共団体は同意を得て申請できる → 『いかなる場合もできない』は誤り
不動産登記法第131条「地方公共団体は、その区域内の対象土地の所有権登記名義人等のうちいずれかの者の同意を得たときは、筆界特定登記官に対し」e-Gov原文
- イ.誤り
- 筆界は公法上の境界で当事者が自由に処分できない → 『合意で自由に定められる』は誤り
不動産登記法第123条「当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう」e-Gov原文
ひっかけ地方公共団体も『同意を得れば』筆界特定を申請できる。筆界は合意で動かせない公法上の境界(131条・123条)。
解説地方公共団体は、その区域内の対象土地の所有権登記名義人等のうちいずれかの者の同意を得たときは、筆界特定の申請をすることができる(131条2項)。また、筆界は一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた点・直線であり(123条1号)、公法上の境界として当事者の合意で自由に動かすことはできない。所有権の及ぶ範囲を当事者の合意で定める私法上の境界(所有権界)との違いを押さえる。
補足所有権界は隣接所有者の合意で動かし得るが、筆界(公法上の境界)は合意で変更できない。両者が一致しない場合があり、筆界特定は筆界の位置を、境界確定訴訟は主に所有権の範囲を扱う点で役割が異なる。
問15筆界特定の申請の却下
筆界特定の申請の却下及び職権登記に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.筆界特定登記官は、対象土地の筆界について既に筆界の確定を求める訴えに係る判決が確定している場合であっても、筆界特定の申請を却下することはできない。
- イ.表示に関する登記は、いかなる場合も登記官が職権ですることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 一定の場合は却下しなければならない → 『却下できない』は誤り
不動産登記法第132条「筆界特定登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、筆界特定の申請を却下しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 表示に関する登記は職権でできる → 『いかなる場合もできない』は誤り
不動産登記法第28条「表示に関する登記は、登記官が、職権ですることができる」e-Gov原文
ひっかけ筆界確定の判決が確定済みなら筆界特定は『却下』。表示に関する登記は『職権』でもできる(132条・28条)。
解説対象土地の筆界について既に筆界の確定を求める訴えの判決が確定しているとき等は、筆界特定登記官は理由を付した決定で筆界特定の申請を却下しなければならない(132条)。判決で筆界が確定している以上、重ねて行政手続で特定する必要がないからである。また、表示に関する登記は登記官が職権ですることができる(28条)。却下の場面と職権登記の可否を正確に押さえる。
補足筆界特定がされた後に、その筆界について境界確定訴訟の判決が確定したときは、筆界特定はその判決と抵触する範囲で効力を失う(148条)。訴訟による筆界の確定が、行政手続である筆界特定に優先する関係にある。