問1調査士の事務所
土地家屋調査士の義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士は、法務省令の定める基準に従い、事務所を設けなければならない。
- イ.調査士は、法務省令の定めるところにより、業務に関する帳簿を備え、かつ、関係書類を保存しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 20条のとおり → 正しい
土地家屋調査士法第20条「調査士は、法務省令の定める基準に従い、事務所を設けなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 21条のとおり → 正しい
土地家屋調査士法第21条「調査士は、法務省令の定めるところにより、業務に関する帳簿を備え、且つ、関係書類を保存しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ調査士は『事務所を設ける』義務と『帳簿の備付け・書類の保存』義務を負う(20条・21条)。
解説調査士は、法務省令の定める基準に従い、事務所を設けなければならない(20条)。また、法務省令の定めるところにより、業務に関する帳簿を備え、かつ、関係書類を保存しなければならない(21条)。事務所の設置と帳簿・書類の管理は、調査士業務の適正を担保する基本的な義務である。事務所は、調査士の業務活動の拠点として位置づけられる。
補足調査士は2以上の事務所を設けることはできず、事務所は1個に限られると解されている。事務所は、調査士が所属する調査士会の区域内に設けるのが原則である。
問2帳簿及び書類の備付け
土地家屋調査士の義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士は、法務省令の定めるところにより、業務に関する帳簿を備え、かつ、関係書類を保存しなければならない。
- イ.調査士は、事務所を設けることを要しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 21条のとおり → 正しい
土地家屋調査士法第21条「調査士は、法務省令の定めるところにより、業務に関する帳簿を備え、且つ、関係書類を保存しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 調査士は事務所を設けなければならない → 『設けることを要しない』は誤り
土地家屋調査士法第20条「調査士は、法務省令の定める基準に従い、事務所を設けなければならない」e-Gov原文
ひっかけ帳簿・書類の管理義務と事務所設置義務は、いずれも調査士の基本的義務(21条・20条)。
解説調査士は、業務に関する帳簿を備え、かつ、関係書類を保存しなければならない(21条)。また、法務省令の定める基準に従い、事務所を設けなければならない(20条)。これらは業務の適正と継続性を確保するための義務であり、いずれも『しなければならない』義務である点を押さえる。帳簿・書類は業務の記録として、後日の確認や監督の基礎となる。
補足業務に関する帳簿・関係書類の保存は、依頼内容や処理経過を記録するものであり、調査士の業務が適正に行われたことを示す資料となる。保存期間等は法務省令で定められる。
問3虚偽の調査・測量の禁止
土地家屋調査士及び調査士法人に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士は、その業務に関して虚偽の調査又は測量をしてはならない。
- イ.調査士法人は、その事務所に、当該事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された調査士会の会員である社員を常駐させなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 23条のとおり → 正しい
土地家屋調査士法第23条「調査士は、その業務に関して虚偽の調査又は測量をしてはならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 36条のとおり → 正しい
土地家屋調査士法第36条「調査士法人は、その事務所に、当該事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された調査士会の会員である社員を常駐させなければならない」e-Gov原文
ひっかけ調査士は虚偽の調査・測量が禁止。調査士法人は事務所に『管轄区域内の調査士会会員である社員』を常駐させる(23条・36条)。
解説調査士は、その業務に関して虚偽の調査又は測量をしてはならない(23条)。表示に関する登記の前提となる調査・測量の正確性は、登記の正確性を支える根幹であり、虚偽が禁じられる。また、調査士法人は、その事務所に、当該事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された調査士会の会員である社員を常駐させなければならない(36条)。事務所ごとに有資格の社員を常駐させることで、業務の適正を確保する。
補足虚偽の調査・測量の禁止は、調査士の職責(誠実な業務遂行)の具体化である。違反は懲戒事由となり得る。調査士法人の社員常駐義務は、無資格者だけで事務所を運営させないための規律である。
問4登録の取消し(必要的)
土地家屋調査士の登録の取消しに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士がその業務を廃止したとき、死亡したとき、又は調査士となる資格を有しないことが判明したときは、調査士会連合会は、その登録を取り消さなければならない。
- イ.調査士が引き続き2年以上業務を行わないときは、調査士会連合会は、その登録を取り消さなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 15条1項のとおり → 正しい
土地家屋調査士法第15条「調査士が次の各号のいずれかに該当する場合には、調査士会連合会は、その登録を取り消さなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 2年以上業務を行わないときは取り消すことができる(裁量的)→ 『取り消さなければならない』は誤り
土地家屋調査士法第16条「調査士が次の各号のいずれかに該当する場合には、調査士会連合会は、その登録を取り消すことができる」e-Gov原文
ひっかけ登録取消しには『取り消さなければならない(必要的)』15条と『取り消すことができる(裁量的)』16条がある(15条・16条)。
解説調査士が業務を廃止したとき、死亡したとき、資格を有しないことが判明したとき等は、調査士会連合会はその登録を取り消さなければならない(15条1項、必要的取消し)。これに対し、引き続き2年以上業務を行わないとき、心身の故障により業務を行うことができないときは、登録を取り消すことができる(16条1項、裁量的取消し)。『取り消さなければならない』と『取り消すことができる』の区別を、事由ごとに正確に押さえる。
補足登録に関する事務は調査士会連合会が行う(57条2項)。必要的取消事由(15条)は資格・存在に関わる客観的事由、裁量的取消事由(16条)は業務実態・心身の状況に関わる事由という違いがある。
問5登録取消事由該当の届出
土地家屋調査士の登録及び調査士会連合会に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士が登録の取消事由に該当することとなったときは、その者又はその法定代理人若しくは相続人は、遅滞なく、当該調査士が所属し、又は所属していた調査士会を経由して、調査士会連合会にその旨を届け出なければならない。
- イ.全国の調査士会は、会則を定めて、調査士会連合会を設立しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 15条2項のとおり → 正しい
土地家屋調査士法第15条「その者又はその法定代理人若しくは相続人は、遅滞なく、当該調査士が所属し、又は所属していた調査士会を経由して、調査士会連合会にその旨を届け出なければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 57条1項のとおり → 正しい
土地家屋調査士法第57条「全国の調査士会は、会則を定めて、調査士会連合会を設立しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ取消事由該当は『調査士会を経由して連合会へ届出』。連合会は全国の調査士会が設立(15条・57条)。
解説調査士が必要的取消事由に該当することとなったときは、その者又はその法定代理人・相続人は、遅滞なく、所属していた調査士会を経由して、調査士会連合会にその旨を届け出なければならない(15条2項)。届出は調査士会を経由して連合会へ行う点に注意する。また、全国の調査士会は、会則を定めて調査士会連合会を設立しなければならない(57条1項)。登録に関する事務は、各調査士会ではなく連合会が担う。
補足調査士会(都道府県単位)と調査士会連合会(全国組織)は役割が分かれる。登録に関する事務は連合会が行い、調査士会は会員の指導・連絡や注意勧告等を担う。届出が調査士会を『経由』する点が問われやすい。
問6登録の取消し(裁量的)
土地家屋調査士の登録の取消しに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士が引き続き2年以上業務を行わないとき、又は心身の故障により業務を行うことができないときは、調査士会連合会は、その登録を取り消すことができる。
- イ.調査士が死亡したときは、調査士会連合会は、その登録を取り消すことができるが、取り消さないこともできる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 16条1項のとおり → 正しい
土地家屋調査士法第16条「調査士が次の各号のいずれかに該当する場合には、調査士会連合会は、その登録を取り消すことができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 死亡は必要的取消事由で取り消さなければならない → 『取り消さないこともできる』は誤り
土地家屋調査士法第15条「調査士会連合会は、その登録を取り消さなければならない」e-Gov原文
ひっかけ『死亡・業務廃止・無資格判明』は必ず取消し(15条)。『2年以上業務不実施・心身の故障』は取り消すことができる(16条)。
解説調査士が引き続き2年以上業務を行わないとき、心身の故障により業務を行うことができないときは、調査士会連合会は登録を取り消すことができる(16条1項、裁量的取消し)。一方、死亡・業務の廃止・資格を有しないことの判明等は、登録を取り消さなければならない(15条1項、必要的取消し)。客観的に資格・存在が失われた事由は必要的取消し、業務実態・心身の状況に係る事由は裁量的取消しという整理を押さえる。
補足裁量的取消し(16条)の手続では、登録を取り消す旨及び理由を当該調査士に書面で通知し、登録拒否に準じて弁明の機会等が保障される(16条3項・4項)。必要的取消しと裁量的取消しで手続も異なる。
問7調査士法人の業務の範囲
調査士法人の業務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士法人は、定款で定めても、第三条第一項各号に規定する業務以外の業務を一切行うことができない。
- イ.調査士法人は、第三条第一項第一号から第六号までに規定する業務を行うほか、定款で定めるところにより、一定の業務を行うことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 定款で定めれば一定の業務を行える → 『一切行えない』は誤り
土地家屋調査士法第29条「調査士法人は、第三条第一項第一号から第六号までに規定する業務を行うほか、定款で定めるところにより、次に掲げる業務を行うことができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 29条1項のとおり → 正しい
土地家屋調査士法第29条「調査士法人は、第三条第一項第一号から第六号までに規定する業務を行うほか、定款で定めるところにより、次に掲げる業務を行うことができる」e-Gov原文
ひっかけ調査士法人は本来業務(3条1項各号)に加え、『定款で定めれば』一定の付随業務を行える(29条1項)。
解説調査士法人は、第三条第一項各号に規定する本来業務(調査・測量、表示に関する登記の申請手続の代理等)を行うほか、定款で定めるところにより、すべての調査士が行うことができるものとして法務省令で定める業務や、民間紛争解決手続代理関係業務を行うことができる(29条1項)。本来業務に限定されるわけではなく、定款の定めによって業務範囲を広げられる点を押さえる。
補足定款で業務範囲を定める仕組みは、調査士法人が組織として業務を行う以上、その範囲を対外的に明確にする必要があることによる。付随業務の範囲は法務省令等で枠づけられている。
問8調査士法人の民間紛争解決手続代理関係業務の制限
調査士法人の民間紛争解決手続代理関係業務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.民間紛争解決手続代理関係業務は、すべての調査士法人が当然に行うことができる。
- イ.民間紛争解決手続代理関係業務は、社員のうちに第三条第二項に規定する調査士がある調査士法人に限り、行うことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- ADR代理業務は要件を満たす法人に限る → 『すべての調査士法人が当然に行える』は誤り
土地家屋調査士法第29条「民間紛争解決手続代理関係業務は、社員のうちに第三条第二項に規定する調査士がある調査士法人(調査士会の会員であるものに限る。)に限り、行うことができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 29条2項のとおり → 正しい
土地家屋調査士法第29条「民間紛争解決手続代理関係業務は、社員のうちに第三条第二項に規定する調査士がある調査士法人(調査士会の会員であるものに限る。)に限り、行うことができる」e-Gov原文
ひっかけ民間紛争解決手続(ADR)代理業務は『認定を受けた調査士が社員にある法人』に限る(29条2項)。
解説民間紛争解決手続代理関係業務(境界に関する民間ADRの代理等)は、社員のうちに第三条第二項に規定する調査士(必要な研修を修了し法務大臣の認定を受けた調査士)がある調査士法人で、かつ調査士会の会員であるものに限り、行うことができる(29条2項)。ADR代理は高度な能力を要するため、認定調査士を社員に擁する法人に限定される。本来業務とADR代理業務とで、行い得る主体が異なる点を押さえる。
補足個人の調査士についても、ADR代理(民間紛争解決手続代理関係業務)は法務大臣の認定を受けた調査士(第三条第二項の調査士)に限られる。法人でも個人でも、ADR代理には認定という上乗せ要件がある。
問9調査士法人の社員の責任
調査士法人の社員の責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士法人の財産をもってその債務を完済することができないときであっても、各社員は、その弁済の責任を負わない。
- イ.調査士法人の財産をもってその債務を完済することができないときは、各社員は、連帯して、その弁済の責任を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 各社員は連帯して弁済責任を負う → 『責任を負わない』は誤り
土地家屋調査士法第35条の3「調査士法人の財産をもつてその債務を完済することができないときは、各社員は、連帯して、その弁済の責任を負う」e-Gov原文
- イ.正しい
- 35条の3第1項のとおり → 正しい
土地家屋調査士法第35条の3「調査士法人の財産をもつてその債務を完済することができないときは、各社員は、連帯して、その弁済の責任を負う」e-Gov原文
ひっかけ調査士法人の財産で債務を完済できないときは、各社員が『連帯して』弁済責任を負う(35条の3)。
解説調査士法人の財産をもってその債務を完済することができないときは、各社員は、連帯して、その弁済の責任を負う(35条の3第1項)。法人に対する強制執行が効を奏しなかったときも同様である(同条2項)。調査士法人の社員は、法人の債務について無限・連帯の責任を負う点で、株式会社の株主とは大きく異なる。社員の責任の性質(連帯・補充的)を押さえる。
補足社員は、法人に資力があり、かつ執行が容易であることを証明したときは、弁済責任を免れる(35条の3第3項)。社員の責任は、まず法人財産に執行し、それで足りないときに問われる補充的なものである。
問10調査士法人の社員の常駐
調査士法人に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士法人は、その事務所に、当該事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された調査士会の会員である社員を常駐させなければならない。
- イ.調査士法人は、総社員の同意があるときは、他の調査士法人と合併することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 36条のとおり → 正しい
土地家屋調査士法第36条「調査士法人は、その事務所に、当該事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された調査士会の会員である社員を常駐させなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 40条1項のとおり → 正しい
土地家屋調査士法第40条「調査士法人は、総社員の同意があるときは、他の調査士法人と合併することができる」e-Gov原文
ひっかけ調査士法人は事務所に有資格社員を『常駐』させる。合併は『総社員の同意』で可能(36条・40条)。
解説調査士法人は、その事務所に、当該事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された調査士会の会員である社員を常駐させなければならない(36条)。各事務所に有資格の社員を常駐させ、業務の適正を確保する趣旨である。また、調査士法人は、総社員の同意があるときは、他の調査士法人と合併することができる(40条1項)。法人の組織変動には総社員の同意という厳格な要件が課される。
補足合併は、合併後存続する法人又は合併により設立する法人が、主たる事務所の所在地において登記することによって効力を生ずる(40条2項)。同意(内部の意思決定)と登記(効力発生)の関係を押さえる。
問11調査士法人の合併
調査士法人に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士法人は、総社員の同意があるときは、他の調査士法人と合併することができる。
- イ.調査士法人は、その事務所に、調査士会の会員である社員を常駐させる必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 40条1項のとおり → 正しい
土地家屋調査士法第40条「調査士法人は、総社員の同意があるときは、他の調査士法人と合併することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 事務所に有資格社員を常駐させなければならない → 『必要はない』は誤り
土地家屋調査士法第36条「調査士法人は、その事務所に、当該事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された調査士会の会員である社員を常駐させなければならない」e-Gov原文
ひっかけ合併は『総社員の同意』。事務所には有資格社員を『常駐』させる義務がある(40条・36条)。
解説調査士法人は、総社員の同意があるときは、他の調査士法人と合併することができる(40条1項)。合併には総社員の同意が必要であり、多数決では足りない。また、調査士法人は、その事務所に管轄区域内の調査士会の会員である社員を常駐させなければならない(36条)。組織変動(合併)の要件と、日常の事務所運営(社員常駐)の義務を区別して押さえる。
補足合併したときは、合併の日から2週間以内に、登記事項証明書等を添えて、主たる事務所の所在地の調査士会及び調査士会連合会に届け出なければならない(40条3項)。合併後は消滅法人の権利義務が存続・新設法人に承継される。
問12調査士法人の合併の効力発生
調査士法人の合併の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士法人の合併は、総社員の同意があった時に、その効力を生ずる。
- イ.調査士法人の合併は、合併後存続する調査士法人又は合併により設立する調査士法人が、その主たる事務所の所在地において登記することによって、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 合併は登記によって効力を生ずる → 『総社員の同意があった時』は誤り
土地家屋調査士法第40条「合併は、合併後存続する調査士法人又は合併により設立する調査士法人が、その主たる事務所の所在地において登記することによつて、その効力を生ずる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 40条2項のとおり → 正しい
土地家屋調査士法第40条「合併は、合併後存続する調査士法人又は合併により設立する調査士法人が、その主たる事務所の所在地において登記することによつて、その効力を生ずる」e-Gov原文
ひっかけ合併の効力は『総社員の同意』ではなく『主たる事務所の所在地での登記』によって生ずる(40条2項)。
解説調査士法人の合併は、合併後存続する調査士法人又は合併により設立する調査士法人が、その主たる事務所の所在地において登記することによって、その効力を生ずる(40条2項)。総社員の同意(40条1項)は合併の意思決定の要件であり、効力発生は登記の時点である。同意(内部の決定)と登記(対外的な効力発生)を区別することが要点である。
補足婚姻が届出で効力を生ずるのと同様、組織法上の重要な変動は登記等の公示行為によって効力が発生することが多い。合併の効力発生時期を『同意の時』と取り違えないよう注意する。
問13調査士会の注意勧告
調査士会及び調査士の義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士会は、所属の会員がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反するおそれがあると認めても、当該会員に対して注意を促し、又は必要な措置を講ずべきことを勧告することはできない。
- イ.調査士は、その業務に関して虚偽の調査又は測量をすることも許される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 調査士会は注意・勧告ができる → 『勧告することはできない』は誤り
土地家屋調査士法第56条「当該会員に対して、注意を促し、又は必要な措置を講ずべきことを勧告することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 虚偽の調査・測量は禁止 → 『許される』は誤り
土地家屋調査士法第23条「調査士は、その業務に関して虚偽の調査又は測量をしてはならない」e-Gov原文
ひっかけ調査士会は会員に『注意・勧告』ができる。調査士の虚偽の調査・測量は禁止(56条・23条)。
解説調査士会は、所属の会員がこの法律又はこれに基づく命令に違反するおそれがあると認めるときは、会則の定めるところにより、当該会員に対して、注意を促し、又は必要な措置を講ずべきことを勧告することができる(56条、注意勧告)。これは懲戒(法務大臣が行う)より前段階の、調査士会による自律的な是正措置である。また、調査士は虚偽の調査又は測量をしてはならない(23条)。会の自律的監督と、調査士の誠実義務を押さえる。
補足注意勧告(調査士会)は自律的な指導であり、懲戒(法務大臣)は不利益処分である点で性質が異なる。違反の『おそれ』の段階で会が早期に是正を促せるのが注意勧告の意義である。
問14調査士会連合会の設立及び目的
調査士会連合会に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士会連合会は、各調査士が任意に設立するものであり、調査士会にはこれを設立する義務はない。
- イ.調査士会連合会は、調査士の登録に関する事務を行うことを目的としない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 連合会は全国の調査士会が設立しなければならない → 『各調査士が任意に・設立義務なし』は誤り
土地家屋調査士法第57条「全国の調査士会は、会則を定めて、調査士会連合会を設立しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 連合会は登録に関する事務を行うことを目的とする → 『目的としない』は誤り
土地家屋調査士法第57条「調査士の登録に関する事務を行うことを目的とする」e-Gov原文
ひっかけ連合会は『全国の調査士会』が設立する義務がある。連合会は『調査士の登録に関する事務』を担う(57条)。
解説全国の調査士会は、会則を定めて、調査士会連合会を設立しなければならない(57条1項)。調査士会連合会は、会員の品位を保持し業務の改善進歩を図るため、調査士会及び会員の指導・連絡に関する事務を行い、並びに調査士の登録に関する事務を行うことを目的とする(57条2項)。登録の取消し(15条・16条)など登録に関する事務は連合会が担う。調査士会(地域)と連合会(全国・登録事務)の役割分担を押さえる。
補足調査士の登録・登録取消し・登録拒否は調査士会連合会の事務である。各調査士会は会員の指導連絡・注意勧告(56条)等を担う。登録事務の主体を『調査士会』と取り違えないよう注意する。
問15調査士会連合会の建議等
調査士会連合会及び調査士の義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士会連合会は、調査士又は調査士法人の業務又は制度について、法務大臣に建議し、又はその諮問に答申することはできない。
- イ.調査士は、業務に関する帳簿を備える必要はなく、関係書類の保存も要しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 連合会は法務大臣に建議・答申ができる → 『できない』は誤り
土地家屋調査士法第60条「調査士会連合会は、調査士又は調査士法人の業務又は制度について、法務大臣に建議し、又はその諮問に答申することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 帳簿の備付け・書類の保存義務がある → 『要しない』は誤り
土地家屋調査士法第21条「調査士は、法務省令の定めるところにより、業務に関する帳簿を備え、且つ、関係書類を保存しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ連合会は法務大臣に『建議・答申』ができる。調査士は『帳簿・書類』の管理義務を負う(60条・21条)。
解説調査士会連合会は、調査士又は調査士法人の業務又は制度について、法務大臣に建議し、又はその諮問に答申することができる(60条)。連合会は、制度の運用・改善について国に意見を述べる役割も担う。また、調査士は、業務に関する帳簿を備え、かつ、関係書類を保存しなければならない(21条)。連合会の対外的な権能と、個々の調査士の管理義務を押さえる。
補足建議(自発的な意見の申出)と答申(諮問に対する回答)は、いずれも連合会が国の制度形成に関与する手段である。専門家団体として制度の改善に寄与する役割が法律上認められている。