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不正競争防止法・第5

不正競争防止法の問題(16問)

論点 16目安 約32組合せ 16
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この章で扱う論点16論点

周知表示混同惹起行為・著名表示冒用行為商品形態模倣行為差止請求権周知表示・形態模倣の要件不正競争に対する損害賠償営業秘密に関する差止請求権の消滅時効損害の額の推定信用回復の措置具体的態様の明示義務外国の国旗等の商業上の使用禁止国際機関の標章の商業上の使用禁止外国公務員等に対する不正の利益の供与等の禁止営業秘密の三要件営業秘密不正競争訴訟における書類提出命令書類提出命令の対象と申立て

各選択肢に根拠条文(e-Gov法令データ照合済み)と、正誤の理由・覚え方のコツをつけています。

問題と解説を読む16

通読・復習用に、この章の全問題と解説を掲載しています。1問ずつ解きながら進めたい場合は「この章を解く」からどうぞ。

1周知表示混同惹起行為・著名表示冒用行為

不正競争防止法上の不正競争に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 他人の周知な商品等表示と同一又は類似の表示を使用し、他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為は、不正競争に当たる。
  • 他人の著名な商品等表示と同一又は類似のものを自己の商品等表示として使用する行為は、混同が生じていなくても不正競争に当たりうる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
周知表示混同惹起(根拠:不正競争防止法第2条第1項第1号
正しい
著名表示冒用(根拠:不正競争防止法第2条第1項第2号

周知と著名で、必要な要件が違います。

不正競争防止法は、登録の有無にかかわらず一定の不正な競争行為を規制する。代表例が、(1) 他人の周知な商品等表示と同一・類似の表示を使用し、他人の商品・営業と混同を生じさせる周知表示混同惹起行為(2条1項1号)と、(2) 他人の著名な商品等表示と同一・類似のものを自己の表示として使用する著名表示冒用行為(同項2号)である。重要なのは、1号は『混同』が要件だが、2号は著名表示にただ乗り(フリーライド)等を防ぐため混同を要件としない点である。

2商品形態模倣行為

不正競争防止法上の商品形態の模倣に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 他人の商品の形態(その商品の機能を確保するために不可欠な形態を除く)を模倣した商品を譲渡する行為は、不正競争に当たる。
  • 商品形態の模倣行為が不正競争に当たるのは、その形態が意匠登録や特許で保護されている場合に限られる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
形態模倣(デッドコピー)(根拠:不正競争防止法第2条第1項第3号
誤り
登録なしでも保護(根拠:不正競争防止法第2条第1項第3号

「登録していないと守られない」と考えると、イで誤ります。

不正競争防止法は、他人の商品の形態(その商品の機能を確保するために不可欠な形態を除く)を模倣した商品を譲渡・貸渡し等する行為を不正競争とする(2条1項3号。いわゆるデッドコピー規制)。重要なのは、この保護に意匠登録や特許は不要で、登録していなくても成立する点である。先行投資して開発した商品形態のただ乗りを、新商品について一定期間(日本国内で最初に販売された日から3年間)防ぐ仕組みであり、登録制度を補完する役割を果たす。

3差止請求権

不正競争に対する差止請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 不正競争に対して差止請求をするには、現実に営業上の損害が発生していることが必要である。
  • 不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
おそれで足りる(根拠:不正競争防止法第3条第1項
正しい
差止請求権(根拠:不正競争防止法第3条第1項

差止めは『損害が出てから』でなくてもできます。

不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、その侵害の停止又は予防を請求することができる(不正競争防止法3条1項)。差止請求は侵害状態をやめさせ、あるいは未然に防ぐ救済なので、『侵害のおそれ』があれば足り、現実に損害が発生していることは要件でない。これは特許権等の差止請求と同様の考え方であり、損害賠償請求(故意・過失と損害が必要)とは要件が異なる点を押さえる。

4周知表示・形態模倣の要件(総合)

不正競争防止法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 周知表示混同惹起行為に当たるためには、その他人の商品等表示が全国的に著名な程度にまで知られていることが必要である。
  • 他人の商品の形態を模倣した商品を譲渡する行為は、その形態が意匠登録されている場合に限り、不正競争となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
周知<著名(根拠:不正競争防止法第2条第1項第1号
誤り
登録なしでも保護(根拠:不正競争防止法第2条第1項第3号

「著名でないと守られない」「登録がないと守られない」とどちらも思い込むと、両方で誤ります。

不正競争防止法の保護要件を正確に押さえる。周知表示混同惹起行為(2条1項1号)は、他人の商品等表示が需要者の間に広く認識(周知)されていれば足り、著名表示冒用行為(同項2号)の『著名』のように全国的に広く知られている必要はない(周知<著名)。また、商品形態模倣行為(同項3号)は、意匠登録や特許といった登録の有無を要件とせず、登録がなくても一定期間規制される。不正競争防止法は登録制度を前提とせず、現に生じている不正な競争行為を規制する点に特徴がある。

5不正競争に対する損害賠償

不正競争に対する損害賠償に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 不正競争に対する損害賠償を請求するには、相手方の故意又は過失は必要なく、不正競争の事実だけで足りる。
  • 不正競争防止法には、不正競争による損害の賠償に関する規定は存在しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
故意過失が要件(根拠:不正競争防止法第4条
誤り
損害賠償責任(根拠:不正競争防止法第4条

損害賠償には『故意・過失』が必要です(差止めとは違います)。

不正競争防止法は、差止め(3条)に加えて損害賠償の規定も置いている。故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる(不正競争防止法4条)。差止請求が故意・過失を要件としないのに対し、損害賠償請求は故意・過失が必要である点が異なる。なお、損害額の立証の困難を緩和するため、損害額の推定規定(5条)も設けられている。

6営業秘密に関する差止請求権の消滅時効

営業秘密の不正使用に対する差止請求権の消滅時効に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 営業秘密を使用する行為に対する差止請求権には消滅時効の適用がなく、いつまでも行使することができる。
  • 営業秘密を使用する行為に対する差止請求権は、その行為の開始の時から起算しても、期間の経過によって消滅することはない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
消滅時効あり(根拠:不正競争防止法第15条
誤り
20年の上限(根拠:不正競争防止法第15条

差止請求権も、放っておくと時効で消えます。

営業秘密を使用する行為に対する差止請求権(不正競争防止法3条1項)は、永久に行使できるわけではなく消滅時効にかかる。すなわち、その行為により営業上の利益を侵害される営業秘密保有者が、その事実およびその行為を行う者を知った時から3年間行わないとき、またはその行為の開始の時から20年を経過したときは、時効によって消滅する(同15条1項)。営業秘密の不正使用に気づいたら早期に権利行使すべき、という点を押さえる。

7損害の額の推定

不正競争による損害賠償における損害額の推定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 不正競争による損害賠償請求では、侵害者がその侵害行為によって利益を受けていても、その利益額を被害者の損害額と推定する規定はない。
  • 侵害者がその侵害行為によって利益を受けているときは、その利益の額が、被害者の受けた損害の額と推定される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
損害額の推定(根拠:不正競争防止法第5条第2項
正しい
立証負担の軽減(根拠:不正競争防止法第5条第2項

損害額の立証は難しいので、推定規定で助けられます。

不正競争による損害は、その額の立証が難しいことが多い。そこで不正競争防止法は損害額の立証を助ける規定を置いている。たとえば、侵害者がその侵害行為によって利益を受けているときは、その利益の額が、営業上の利益を侵害された者(被害者)が受けた損害の額と推定される(不正競争防止法5条2項)。このほか、譲渡数量に基づく算定(同1項)やライセンス料相当額の請求(同3項)の規定もある。被害者の立証負担を軽減する趣旨である。

8信用回復の措置

不正競争による信用毀損への対応に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の信用を害した者に対し、裁判所が信用を回復するのに必要な措置を命ずることは認められていない。
  • 信用回復の措置は、損害賠償に代えてのみ命じられ、損害賠償とともに命じられることはない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
信用回復措置(根拠:不正競争防止法第14条
誤り
賠償との関係(根拠:不正競争防止法第14条

信用を傷つけられたら、お金以外の回復措置も求められます。

競争相手の信用を害する虚偽の事実を告知・流布する行為(不正競争防止法2条1項21号)などで他人の営業上の信用を害した場合、金銭賠償だけでは回復が難しいことがある。そこで、故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の信用を害した者に対しては、裁判所は、被害者の請求により、損害の賠償に代え、又は損害の賠償とともに、その営業上の信用を回復するのに必要な措置(謝罪広告など)を命ずることができる(同14条)。損害賠償と併せて命じられる点を押さえる。

9具体的態様の明示義務

不正競争の侵害訴訟に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 不正競争の侵害訴訟においては、侵害を主張される側(相手方)は、自己の行為の具体的態様を明らかにする義務を負うことはない。
  • 侵害の行為を組成したものとして主張された物又は方法の具体的態様を相手方が否認するときは、相手方は、自己の行為の具体的態様を明らかにしなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
立証の負担調整(根拠:不正競争防止法第6条
正しい
明示義務(根拠:不正競争防止法第6条

『違う』と否認するなら、自分の行為の中身を示す必要があります。

営業秘密の不正使用などでは、侵害の具体的な態様を権利者が把握しにくく、立証が困難なことがある。そこで、不正競争による侵害訴訟において、侵害の行為を組成したものとして主張される物又は方法の具体的態様を相手方が否認するときは、相手方は、自己の行為の具体的態様を明らかにしなければならない(不正競争防止法6条。明らかにできない相当の理由があるときは別)。当事者間の立証の負担を調整する規定である。

10外国の国旗等の商業上の使用禁止

不正競争防止法上の外国国旗等の使用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 外国の国旗等と同一又は類似の記章を商標として使用する行為は、不正競争防止法上、何ら規制されていない。
  • 何人も、外国の国旗等と同一又は類似の記章を商標として使用すること等は、原則として禁止される(権限ある外国官庁の許可がある場合を除く)。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
使用禁止(根拠:不正競争防止法第16条第1項
正しい
国際信義(根拠:不正競争防止法第16条第1項

外国の国旗・紋章を勝手に商標に使うことは禁止されています。

不正競争防止法は、競争行為の規制のほか、国際信義の保持のための規定も置いている。何人も、外国の国旗・国の紋章その他の記章であって経済産業省令で定めるものと同一・類似のもの(外国国旗等類似記章)を商標として使用し、又はこれを使用した商品を譲渡・輸出入等してはならない(同16条1項。権限ある外国官庁の許可がある場合を除く)。外国紋章(同2項)や外国政府の監督用・証明用記号(同3項)についても同様の規定がある。

11国際機関の標章の商業上の使用禁止

不正競争防止法上の国際機関の標章に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 国際機関を表示する標章と同一又は類似のものを商標として使用する行為は、不正競争防止法上、何ら規制されていない。
  • 何人も、国際機関と関係があると誤認させるような方法で、国際機関を表示する標章と同一又は類似のものを商標として使用すること等は、原則として禁止される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
使用禁止(根拠:不正競争防止法第17条
正しい
国際信義(根拠:不正競争防止法第17条

国連等の国際機関の標章も、勝手に商標に使えません。

国際信義の保持のための規定として、外国国旗等(不正競争防止法16条)に加え、国際機関の標章の保護がある。何人も、その国際機関と関係があると誤認させるような方法で、国際機関を表示する標章であって経済産業省令で定めるものと同一・類似のもの(国際機関類似標章)を商標として使用し、又はこれを使用した商品を譲渡・輸出入等してはならない(同17条。当該国際機関の許可がある場合を除く)。国連等の国際機関の標章の信用を保護する趣旨である。

12外国公務員等に対する不正の利益の供与等の禁止

不正競争防止法上の外国公務員贈賄の禁止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 何人も、外国公務員等に対し、国際的な商取引に関して営業上の不正の利益を得るために、その職務に関する行為をさせること等を目的として、金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をしてはならない。
  • ここでいう「外国公務員等」には、外国の政府又は地方公共団体の公務に従事する者が含まれる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
外国公務員贈賄(根拠:不正競争防止法第18条第1項
正しい
対象者(根拠:不正競争防止法第18条第2項

海外での公務員への賄賂も不正競争防止法で禁止されています。

OECD外国公務員贈賄防止条約等を受け、不正競争防止法は外国公務員贈賄を禁止する。何人も、外国公務員等に対し、国際的な商取引に関して営業上の不正の利益を得るために、その職務に関する行為をさせ・させないこと等を目的として、金銭その他の利益を供与し、又はその申込み・約束をしてはならない(同18条1項)。外国公務員等には、外国の政府・地方公共団体の公務従事者、政府関係機関の事務従事者、国際機関の公務従事者等が含まれる(同条2項)。国際的な公正競争・腐敗防止のための規定である。

13営業秘密の三要件

不正競争防止法上の営業秘密に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 不正競争防止法上の「営業秘密」とは、秘密として管理されている、事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう。
  • 営業秘密として保護されるためには、秘密管理性・有用性・非公知性の3つの要件を満たす必要がある。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
三要件(根拠:不正競争防止法第2条第6項
正しい
要件充足(根拠:不正競争防止法第2条第6項

営業秘密は『秘密管理・有用・非公知』の3要件を満たす情報です。

不正競争防止法上の営業秘密とは、(1) 秘密として管理されている(秘密管理性)、(2) 生産方法・販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報(有用性)であって、(3) 公然と知られていない(非公知性)もの、をいう(不正競争防止法2条6項)。これら3要件をすべて満たして初めて営業秘密として法的に保護され、不正取得・使用・開示等が不正競争(同2条1項4号~10号)として規制される。特に秘密管理性(アクセス制限やマル秘表示等)が実務上問題になりやすい。

14営業秘密(総合)

不正競争防止法上の営業秘密に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 営業秘密として保護されるためには、秘密として管理されていれば足り、有用性や非公知性は要件ではない。
  • 公然と知られている情報であっても、秘密として管理されていれば、不正競争防止法上の営業秘密に当たる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
三要件(根拠:不正競争防止法第2条第6項
誤り
非公知性(根拠:不正競争防止法第2条第6項

「秘密管理だけで足りる」「公知でも営業秘密」はどちらも誤りです。

不正競争防止法上の営業秘密は、秘密管理性・有用性・非公知性の3要件をすべて満たす必要がある(同2条6項)。秘密として管理されていても、事業活動に有用でなければ(有用性を欠けば)、また公然と知られていれば(非公知性を欠けば)、営業秘密には当たらない。3要件のいずれか一つでも欠ければ営業秘密として保護されない点を正確に押さえる。

15不正競争訴訟における書類提出命令

不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 裁判所は、不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟において、当事者の申立てにより、当事者に対し、侵害行為の立証や損害の計算に必要な書類の提出を命ずることができる。
  • 書類の所持者が提出を拒むことについて正当な理由があるときであっても、裁判所は書類の提出を命じなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
条文が提出を命ずることができると定める(根拠:不正競争防止法第7条
誤り
ただし書が正当な理由による拒絶を認める(根拠:不正競争防止法第7条

ただし書を見落として誤る

不正競争訴訟では、裁判所が当事者の申立てにより、立証や損害計算に必要な書類の提出を命じられます。ただし、提出を拒むことに正当な理由があるときは命じられません。ただし書の例外を見落とさないようにしましょう。

16書類提出命令の対象と申立て

不正競争防止法上の書類の提出等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 書類の提出命令の対象には書類のみが含まれ、電磁的記録は提出を命ずることができる対象に含まれない。
  • 裁判所による書類等の提出命令は、当事者の申立てにより行われる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
条文が「書類又は電磁的記録」と明記する(根拠:不正競争防止法第7条
正しい
条文が「当事者の申立てにより」と定める(根拠:不正競争防止法第7条

対象を書類のみと誤る

不正競争訴訟の書類提出命令は、当事者の申立てにより行われます。対象は書類だけでなく電磁的記録も含まれます。対象範囲と申立要件の双方をおさえましょう。