問1計算書類の作成義務と範囲
会社法及び会社計算規則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。
- イ.会社法上の計算書類には、貸借対照表及び損益計算書のみが含まれ、株主資本等変動計算書及び個別注記表は含まれない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 会社法435条2項は各事業年度に係る計算書類・事業報告・附属明細書の作成を株式会社に義務付けており、記述のとおり正しい
会社法第435条第2項「株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。」e-Gov原文
- イ.誤り
- 会社計算規則59条1項により、貸借対照表・損益計算書に加え株主資本等変動計算書・個別注記表も計算書類に含まれるため、両者のみとする記述は誤り
会社計算規則第59条第1項「法第四百三十五条第二項に規定する法務省令で定めるものは、この編の規定に従い作成される株主資本等変動計算書及び個別注記表とする。」e-Gov原文
ひっかけ計算書類=貸借対照表と損益計算書の2つだけ、と思い込まない。株主資本等変動計算書・個別注記表も会社計算規則59条1項が定める計算書類の一部である。
解説会社法が定める「計算書類」の中身は、会社法本体だけでなく会社計算規則という下位規範で具体化されている。貸借対照表・損益計算書という代表的な2種類だけで完結すると考えず、株主資本等変動計算書・個別注記表まで含めた4点セットとして押さえる。
補足会社法435条2項(作成義務)と会社計算規則59条1項(計算書類の範囲)をセットで確認する。
問2計算書類等の監査
会社法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.監査役設置会社(会計監査人設置会社を除く。)においては、各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、監査役の監査を受けなければならない。
- イ.会計監査人設置会社においては、計算書類及びその附属明細書について監査役の監査を受ける必要はなく、会計監査人の監査のみを受ければ足りる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 会社法436条1項が定めるとおり、監査役設置会社(会計監査人設置会社を除く)の計算書類等は監査役の監査を受けなければならず、記述は正しい
会社法第436条第1項「監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含み、会計監査人設置会社を除く。)においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。」e-Gov原文
- イ.誤り
- 会社法436条2項1号により、会計監査人設置会社の計算書類等は監査役(等)と会計監査人の双方の監査を受ける必要があり、会計監査人のみで足りるとする記述は誤り
会社法第436条第2項「会計監査人設置会社においては、次の各号に掲げるものは、法務省令で定めるところにより、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。一前条第二項の計算書類及びその附属明細書監査役(監査等委員会設置会」e-Gov原文
ひっかけ会計監査人設置会社=会計監査人の監査だけで足りる、と考えない。監査役(等)の監査も別途必要。
解説監査主体は「監査役設置会社(会計監査人設置会社を除く)」と「会計監査人設置会社」で分岐する。会計監査人がいるからといって監査役の監査が不要になるわけではなく、両方の監査を受ける点を押さえる。
補足会社法436条1項(監査役設置会社)・2項(会計監査人設置会社)の主体の違いを対比して確認する。
問3計算書類等の株主への提供
会社法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.取締役会設置会社においては、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、株主に対し承認を受けた計算書類及び事業報告を提供しなければならない。
- イ.取締役会を設置していない株式会社であっても、定時株主総会の招集通知に際して計算書類及び事業報告を株主に提供する義務が会社法上明文で課されている。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 会社法437条は取締役会設置会社の取締役に定時株主総会の招集通知に際した計算書類・事業報告の提供義務を課しており、記述は正しい
会社法第437条「取締役会設置会社においては、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告(同条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)を提供しなければならない。」e-Gov原文
- イ.誤り
- 会社法437条は「取締役会設置会社においては」と定めており主体が限定されているため、取締役会非設置会社にも同条の提供義務が及ぶとする記述は誤り
会社法第437条「取締役会設置会社においては、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して」e-Gov原文
ひっかけ条文の主体限定(取締役会設置会社/会計監査人設置会社等)を無視して、全ての株式会社に同じ規定が及ぶと決めつけない。
解説会社法の条文は「取締役会設置会社においては」のように主体を限定する書き出しが多い。この限定句を読み飛ばすと、適用対象を誤って広げてしまう。
補足会社法437条の主語「取締役会設置会社においては」を条文の言葉どおりに確認する。
問4計算書類の公告
会社法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株式会社は、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表を公告しなければならないが、大会社は貸借対照表及び損益計算書を公告しなければならない。
- イ.その公告方法が官報又は日刊新聞紙に掲載する方法である株式会社は、貸借対照表の全文ではなく要旨を公告することで足りる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 会社法440条1項が定めるとおり、株式会社は貸借対照表を公告し、大会社は貸借対照表に加え損益計算書も公告する必要があり、記述は正しい
会社法第440条第1項「株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。」e-Gov原文
- イ.正しい
- 会社法440条2項が定めるとおり、公告方法が官報又は日刊新聞紙(会社法939条1項1号・2号)である株式会社は貸借対照表の要旨を公告すれば足り、記述は正しい
会社法第440条第2項「前項の規定にかかわらず、その公告方法が第九百三十九条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である株式会社は、前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。」e-Gov原文
ひっかけ大会社も損益計算書の公告が必要な点、公告方法によっては要旨で足りる点の両方を見落とさない。
解説計算書類の公告は「原則=貸借対照表(大会社は損益計算書も追加)」「公告方法が官報・日刊新聞紙なら要旨でよい」という2段階のルールでできている。公告義務の有無と、公告する中身の分量(全文か要旨か)を分けて理解する。
補足会社法440条1項(公告対象)・2項(要旨公告の特例)を続けて確認する。
問5臨時計算書類
会社法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株式会社は、最終事業年度の直後の事業年度に属する一定の日における財産の状況を把握するため、臨時計算書類を作成することができる。
- イ.臨時計算書類の作成は会社法上の義務であり、最終事業年度の直後の事業年度において全ての株式会社が必ず作成しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 会社法441条1項は臨時計算書類を「作成することができる」と定める任意規定であり、記述は正しい
会社法第441条第1項「株式会社は、最終事業年度の直後の事業年度に属する一定の日(以下この項において「臨時決算日」という。)における当該株式会社の財産の状況を把握するため、法務省令で定めるところにより、次に掲げるもの(以下「臨時計算書類」という。)を作成することができる。」e-Gov原文
- イ.誤り
- 会社法441条1項の文言は「作成することができる」であり義務規定ではないため、全ての株式会社が必ず作成しなければならないとする記述は誤り
会社法第441条第1項「次に掲げるもの(以下「臨時計算書類」という。)を作成することができる。」e-Gov原文
ひっかけ臨時計算書類も通常の計算書類と同じく作成義務があると思い込まない。あくまで任意に作成できる制度。
解説会社法435条2項の各事業年度の計算書類は「作成しなければならない」(義務)だが、441条1項の臨時計算書類は「作成することができる」(任意)。同じ「計算書類」という言葉でも、条文の語尾(しなければならない/することができる)で強制力が全く異なる点を対比して押さえる。
補足会社法441条1項の「作成することができる」という文言そのものを確認する。
問6計算書類等の備置き及び閲覧
会社法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株式会社は、各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書を、その本店に備え置かなければならない。
- イ.取締役会設置会社における各事業年度に係る計算書類等の本店での備置き期間は、定時株主総会の日の1週間前の日から5年間である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 会社法442条1項が定めるとおり、株式会社は各事業年度の計算書類等をその本店に備え置かなければならず、記述は正しい
会社法第442条第1項「株式会社は、次の各号に掲げるもの(以下この条において「計算書類等」という。)を、当該各号に定める期間、その本店に備え置かなければならない。一各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書」e-Gov原文
- イ.誤り
- 会社法442条1項1号により、取締役会設置会社では定時株主総会の日の2週間前の日から備置きが必要であり、1週間前とする記述は誤り
会社法第442条第1項第1号「定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日」e-Gov原文
ひっかけ取締役会設置会社・非設置会社を問わず一律「1週間前」からと思い込まない。取締役会設置会社は2週間前から。
解説計算書類等の本店備置きの開始日は、取締役会の有無で「1週間前」と「2週間前」に分かれる。備置き期間そのもの(5年間)は共通だが、いつから備え置くかの起算点が組織形態で変わる点を区別する。
補足会社法442条1項1号の「一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)」という書き分けを確認する。
問7連結計算書類の範囲
会社計算規則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.会社計算規則の規定に従い作成される連結計算書類には、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結株主資本等変動計算書及び連結注記表が含まれる。
- イ.連結計算書類には連結キャッシュ・フロー計算書が含まれ、これは会社計算規則61条1号が掲げる4つの書類のうちの1つである。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 会社計算規則61条1号が定めるとおり、連結計算書類は連結貸借対照表・連結損益計算書・連結株主資本等変動計算書・連結注記表の4種類で構成され、記述は正しい
会社計算規則第61条第1号「この編(第百二十条から第百二十条の三までを除く。)の規定に従い作成される次のイからニまでに掲げるものイ連結貸借対照表ロ連結損益計算書ハ連結株主資本等変動計算書ニ連結注記表」e-Gov原文
- イ.誤り
- 会社計算規則61条1号が掲げる連結計算書類は連結貸借対照表・連結損益計算書・連結株主資本等変動計算書・連結注記表の4つに限られ、連結キャッシュ・フロー計算書は含まれないため記述は誤り
会社計算規則第61条第1号「イ連結貸借対照表ロ連結損益計算書ハ連結株主資本等変動計算書ニ連結注記表」e-Gov原文
ひっかけ「財務諸表4表」のイメージ(BS・PL・キャッシュフロー計算書・株主資本等変動計算書)をそのまま会社法の連結計算書類に当てはめない。
解説会社法上の「連結計算書類」と、金融商品取引法上の有価証券報告書に含まれる「連結財務諸表」は、対象書類の範囲が異なる(後者にはキャッシュ・フロー計算書が含まれる)。会社法の会社計算規則を根拠にする設問では、連結計算書類にキャッシュ・フロー計算書が含まれない点を区別する。
補足会社計算規則61条1号イ〜ニの4項目を条文の並び順で確認する。
問8計算書類等の定時株主総会への提出
会社法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.取締役会設置会社においては、取締役は、取締役会の承認を受けた計算書類及び事業報告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。
- イ.定時株主総会に提出された計算書類は、その総会において必ず決議による承認を受けなければならず、報告のみで足りる場合は一切認められていない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 会社法438条1項3号が定めるとおり、取締役会設置会社は436条3項の取締役会承認を受けた計算書類及び事業報告を定時株主総会に提出・提供しなければならず、記述は正しい
会社法第438条第1項第3号「三取締役会設置会社第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告」e-Gov原文
- イ.誤り
- 会社法439条により、会計監査人設置会社で一定要件を満たす計算書類は株主総会の承認(438条2項)が不要となり取締役の報告で足りる特則があるため、常に決議承認が必要とする記述は誤り
会社法第439条「前条第二項の規定は、適用しない。この場合においては、取締役は、当該計算書類の内容を定時株主総会に報告しなければならない。」e-Gov原文
ひっかけ計算書類=必ず株主総会の承認決議を経る、と一律に考えない。会計監査人設置会社には報告のみで足りる特則がある。
解説定時株主総会での計算書類の扱いは「承認決議が原則」(438条2項)だが、会計監査人設置会社で法務省令の要件(会計監査に相当する適正性が確認された場合)を満たせば「報告のみ」(439条)に軽減される特則がある。原則と例外をセットで押さえる。
補足会社法438条(原則:提出・承認)と439条(特則:報告で足りる場合)を対比して確認する。
問9連結会計年度
会社計算規則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.各事業年度に係る連結計算書類の作成に係る期間である連結会計年度は、当該事業年度の前事業年度の末日の翌日から当該事業年度の末日までの期間とする。
- イ.株式会社が成立した直後の事業年度であって前事業年度が存在しない場合、連結会計年度の始期は会社が成立した日の翌日となる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 会社計算規則62条が定めるとおり、連結会計年度は前事業年度の末日の翌日から当該事業年度の末日までの期間であり、記述は正しい
会社計算規則第62条「各事業年度に係る連結計算書類の作成に係る期間(以下この編において「連結会計年度」という。)は、当該事業年度の前事業年度の末日の翌日(当該事業年度の前事業年度がない場合にあっては、成立の日)から当該事業年度の末日までの期間とする。」e-Gov原文
- イ.誤り
- 会社計算規則62条は前事業年度がない場合の始期を「成立の日」と定めており、「成立の日の翌日」とする記述は誤り
会社計算規則第62条「当該事業年度の前事業年度がない場合にあっては、成立の日」e-Gov原文
ひっかけ「前事業年度がない場合」も一律「翌日から」にしない。この場合だけは成立の日そのものが始期。
解説期間計算の起算点は「◯◯の翌日から」というパターンが多いが、「前事業年度がない場合は成立の日から」という例外は「翌日」を挟まない点に注意する。数字・起算点のズレは会計系の条文でも頻出のひっかけパターン。
補足会社計算規則62条のかっこ書き「(当該事業年度の前事業年度がない場合にあっては、成立の日)」を条文の言葉どおり確認する。
問10事業年度の末日が異なる連結子会社の扱い
会社計算規則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.株式会社の事業年度の末日と異なる日をその事業年度の末日とする連結子会社は、当該株式会社の事業年度の末日において、連結計算書類の作成の基礎となる計算書類を作成するために必要な決算を行わなければならない。
- イ.連結子会社の事業年度の末日と株式会社の事業年度の末日との差異がどれほど大きくても、当該連結子会社の通常の決算に基づく計算書類をそのまま用いることが認められている。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 会社計算規則64条が定めるとおり、事業年度末日が異なる連結子会社は親会社の事業年度末日において決算を行わなければならず、記述は正しい
会社計算規則第64条「株式会社の事業年度の末日と異なる日をその事業年度の末日とする連結子会社は、当該株式会社の事業年度の末日において、連結計算書類の作成の基礎となる計算書類を作成するために必要とされる決算を行わなければならない。」e-Gov原文
- イ.誤り
- 会社計算規則64条ただし書は差異が3箇月を超えない場合に限り例外を認めており、差異の大きさを問わず認められるとする記述は誤り
会社計算規則第64条「当該連結子会社の事業年度の末日と当該株式会社の事業年度の末日との差異が三箇月を超えない場合において、当該連結子会社の事業年度に係る計算書類を」e-Gov原文
ひっかけ差異の大きさにかかわらず子会社の通常決算をそのまま使えると考えない。3箇月を超える差異には例外が適用されない。
解説連結子会社の決算日調整は「原則:親会社決算日に合わせる」「例外:差異3箇月以内なら子会社の通常決算を利用可」という構造。「3箇月」という具体的な数字の閾値を正確に押さえることが問われる。
補足会社計算規則64条本文(原則)とただし書(3箇月以内の例外)を対比して確認する。
問11連結子会社の資産及び負債の評価等
会社計算規則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連結計算書類の作成に当たっては、連結子会社の資産及び負債の評価並びに株式会社の連結子会社に対する投資とこれに対応する当該連結子会社の資本との相殺消去をしなければならない。
- イ.連結会社相互間の項目の相殺消去は、投資と資本の相殺消去にとどまらず、その他必要とされる連結会社相互間の項目についても行わなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 会社計算規則68条が定めるとおり、連結計算書類の作成には連結子会社の資産負債評価及び投資と資本の相殺消去が必須の手続として求められ、記述は正しい
会社計算規則第68条「連結計算書類の作成に当たっては、連結子会社の資産及び負債の評価並びに株式会社の連結子会社に対する投資とこれに対応する当該連結子会社の資本との相殺消去その他必要とされる連結会社相互間の項目の相殺消去をしなければならない。」e-Gov原文
- イ.正しい
- 会社計算規則68条は投資と資本の相殺消去に加え「その他必要とされる連結会社相互間の項目の相殺消去」も定めており、記述は正しい
会社計算規則第68条「その他必要とされる連結会社相互間の項目の相殺消去をしなければならない。」e-Gov原文
ひっかけ連結手続=投資と資本の相殺消去のみ、と範囲を狭めて理解しない。その他の項目の相殺消去も条文上明記されている。
解説連結手続の要素を「資産負債の評価」「投資と資本の相殺消去」「その他連結会社相互間項目の相殺消去」の3つに分解して押さえる。「投資と資本の相殺消去だけで連結手続が完結する」という単純化は誤り。
補足会社計算規則68条の3要素(資産負債評価/投資資本相殺消去/その他項目相殺消去)を条文の並びどおり確認する。
問12持分法の適用
会社計算規則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.非連結子会社及び関連会社に対する投資については、原則として持分法により計算する価額をもって連結貸借対照表に計上しなければならない。
- イ.財務及び事業の方針の決定に対する影響が一時的であると認められる関連会社に対する投資についても、例外なく持分法を適用しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 会社計算規則69条が定めるとおり、非連結子会社及び関連会社への投資は原則として持分法による価額で連結貸借対照表に計上され、記述は正しい
会社計算規則第69条「非連結子会社及び関連会社に対する投資については、持分法により計算する価額をもって連結貸借対照表に計上しなければならない。」e-Gov原文
- イ.誤り
- 会社計算規則69条ただし書1号により、財務及び事業の方針決定への影響が一時的と認められる関連会社への投資には持分法を適用しないため、例外なく適用しなければならないとする記述は誤り
会社計算規則第69条第1号「財務及び事業の方針の決定に対する影響が一時的であると認められる関連会社」e-Gov原文
ひっかけ関連会社であれば例外なく持分法を適用する、と機械的に判断しない。影響が一時的な場合は適用除外となる。
解説持分法は「原則適用」だが、影響力の実質(一時的か否か)に着目した例外が条文上定められている。形式的に「関連会社に該当するか」だけでなく、「その影響が一時的かどうか」という実質判断が持分法適用除外の分かれ目になる。
補足会社計算規則69条本文(原則適用)とただし書1号(一時的影響の例外)を対比して確認する。
問13各事業年度に係る計算書類の作成期間
会社計算規則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書の作成に係る期間は、当該事業年度の前事業年度の末日の翌日から当該事業年度の末日までの期間とする。
- イ.各事業年度に係る計算書類の作成期間は、いかなる場合であっても1年を超えることは認められていない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 会社計算規則59条2項が定めるとおり、計算書類等の作成期間は前事業年度末日の翌日から当該事業年度末日までであり、記述は正しい
会社計算規則第59条第2項「各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書の作成に係る期間は、当該事業年度の前事業年度の末日の翌日(当該事業年度の前事業年度がない場合にあっては、成立の日)から当該事業年度の末日までの期間とする。」e-Gov原文
- イ.誤り
- 会社計算規則59条2項は作成期間を原則1年としつつ「事…」と続けて一定の例外的取扱いに言及しており、いかなる場合も1年を超えられないと言い切る記述は条文の趣旨に照らして誤り
会社計算規則第59条第2項「この場合において、当該期間は、一年(事」e-Gov原文
ひっかけ「原則1年」を「常に1年ちょうど、例外なし」と読み替えない。
解説「原則1年」という数字だけを覚えて「例外は一切ない」と決めつけない。条文には原則の直後に例外的な取扱いへの言及が続く構造が多く、原則部分だけを読んで例外の存在を否定しないよう注意する。
補足会社計算規則59条2項の期間規定を、原則部分とそれに続く記載まで通して確認する。
問14計算関係書類の表示単位・言語
会社計算規則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.計算関係書類に係る事項の金額は、一円単位、千円単位又は百万円単位をもって表示するものとする。
- イ.計算関係書類は日本語をもって表示するものとされ、その他の言語による表示は、不当でない場合であっても一切認められない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 会社計算規則57条1項が定めるとおり、計算関係書類の金額は一円単位・千円単位・百万円単位のいずれかで表示するものとされ、記述は正しい
会社計算規則第57条第1項「計算関係書類に係る事項の金額は、一円単位、千円単位又は百万円単位をもって表示するものとする。」e-Gov原文
- イ.誤り
- 会社計算規則57条2項は原則日本語表示としつつ「その他の言語をもって表示することが不当でない場合は、この限りでない」というただし書を置いており、一切認められないとする記述は誤り
会社計算規則第57条第2項「計算関係書類は、日本語をもって表示するものとする。ただし、その他の言語をもって表示することが不当でない場合は、この限りでない。」e-Gov原文
ひっかけ日本語表示の原則を「例外なし」と決めつけない。不当でなければ他言語表示も認められる。
解説会社計算規則57条は「表示単位(1項)」と「表示言語(2項)」という2つの形式的ルールを定める条文。2項には「不当でない場合は日本語以外でもよい」というただし書があり、原則だけを暗記して例外を見落とさないようにする。
補足会社計算規則57条1項(表示単位)・2項(表示言語とただし書)をセットで確認する。