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財務諸表等規則・第4

キャッシュ・フロー計算書の問題(5問)

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この章で確認する論点

4章では、キャッシュ・フロー計算書の作成対象・キャッシュ・フロー計算書の表示区分・営業活動によるキャッシュ・フローの表示方法・投資活動・財務活動によるキャッシュ・フローの表示方法・利息及び配当金に係るキャッシュ・フローの表示方法を中心に5問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

  • 貸借対照表・損益計算書と同じ感覚で『全会社が必ず作成する書類』と思い込まない。
  • 『営業・投資・財務』の3区分だけで完結すると思い込まない。
  • 『総額表示が原則だから、それ以外は認められない』と決めつけない。

この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

財務諸表等規則111条112条113条114条115条117条

問題と解説を読む5問・答え付き

答え・解説つきで5問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年8月時点の法令に準拠
1キャッシュ・フロー計算書の作成対象

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(財務諸表等規則)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • キャッシュ・フロー計算書は、連結財務諸表を作成していない会社が作成するものとされている。
  • キャッシュ・フロー計算書は、連結財務諸表を作成しているかどうかにかかわらず、すべての会社が必ず作成しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
財務諸表等規則111条が定めるとおり、キャッシュ・フロー計算書は連結財務諸表を作成していない会社が作成するものとされているため、記述は正しい

財務諸表等規則第111条キャッシュ・フロー計算書は、連結財務諸表を作成していない会社が作成するものとする。e-Gov原文

誤り
財務諸表等規則111条により、キャッシュ・フロー計算書は連結財務諸表を作成していない会社が作成するものと限定されており、すべての会社が必ず作成するとする記述は誤り

財務諸表等規則第111条キャッシュ・フロー計算書は、連結財務諸表を作成していない会社が作成するものとする。e-Gov原文

ひっかけ貸借対照表・損益計算書と同じ感覚で『全会社が必ず作成する書類』と思い込まない。

解説キャッシュ・フロー計算書は、貸借対照表・損益計算書と異なり作成対象が限定されている点が特徴。連結財務諸表を作成する会社は連結キャッシュ・フロー計算書で足りるため、単体のキャッシュ・フロー計算書まで重ねて作成する必要はない。

補足財務諸表等規則111条が定める作成対象(連結財務諸表を作成していない会社)を確認する。

2キャッシュ・フロー計算書の表示区分

財務諸表等規則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • キャッシュ・フロー計算書には、営業活動・投資活動・財務活動によるキャッシュ・フローに加え、現金及び現金同等物に係る換算差額、増加額又は減少額、期首残高、期末残高の区分を設けて記載しなければならない。
  • キャッシュ・フロー計算書の区分は、営業活動・投資活動・財務活動によるキャッシュ・フローの3区分のみで足り、現金及び現金同等物に係る換算差額の区分を設ける必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
財務諸表等規則112条が定めるとおり、キャッシュ・フロー計算書は営業・投資・財務活動によるキャッシュ・フローに換算差額・増減額・期首残高・期末残高を加えた7区分で記載するため、記述は正しい

財務諸表等規則第112条キャッシュ・フロー計算書には、次の各号に掲げる区分を設けてキャッシュ・フローの状況を記載しなければならない。一営業活動によるキャッシュ・フロー二投資活動によるキャッシュ・フロー三財務活動によるキャッシュ・フロー四現金及び現金同等物に係る換算差額五現金及び現金同等物の増加額又は減少額六現金及び現金同等物の期首残高七現金及び現金同等物の期末残高e-Gov原文

誤り
財務諸表等規則112条により、キャッシュ・フロー計算書には営業・投資・財務活動の3区分に加えて換算差額・増減額・期首残高・期末残高の区分も設けなければならず、3区分のみで足りるとする記述は誤り

財務諸表等規則第112条キャッシュ・フロー計算書には、次の各号に掲げる区分を設けてキャッシュ・フローの状況を記載しなければならない。一営業活動によるキャッシュ・フロー二投資活動によるキャッシュ・フロー三財務活動によるキャッシュ・フロー四現金及び現金同等物に係る換算差額五現金及び現金同等物の増加額又は減少額六現金及び現金同等物の期首残高七現金及び現金同等物の期末残高e-Gov原文

ひっかけ『営業・投資・財務』の3区分だけで完結すると思い込まない。

解説キャッシュ・フロー計算書の区分は「営業・投資・財務活動」の3区分がよく話題になるが、条文上はそれに加えて換算差額・増減額・期首残高・期末残高までの7区分が必須。3区分だけを覚えて残り4区分を見落とさない。

補足財務諸表等規則112条の7区分(1号〜7号)を数え上げて確認する。

3営業活動によるキャッシュ・フローの表示方法

財務諸表等規則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 営業活動によるキャッシュ・フローの区分は、主要な取引ごとに総額表示する方法、又は税引前当期純利益金額に必要な項目を加算・減算して表示する方法のいずれかによる。
  • 営業活動によるキャッシュ・フローの表示方法は、主要な取引ごとの総額表示のみが認められており、税引前当期純利益金額から調整して表示する方法は認められていない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
財務諸表等規則113条が定めるとおり、営業活動によるキャッシュ・フローは主要取引の総額表示又は税引前当期純利益金額からの調整表示のいずれかの方法によるため、記述は正しい

財務諸表等規則第113条次の各号に掲げるいずれかの方法により、営業利益又は営業損失の計算の対象となつた取引に係るキャッシュ・フロー並びに投資活動及び財務活動以外の取引に係るキャッシュ・フローを、その内容を示す名称を付した科目をもつて掲記しなければならない。ただし、その金額が少額なもので一括して表示することが適当であると認められるものについては、適当な名称を付した科目をもつて一括して掲記することができる。一営業収入、原材料又は商品の仕入れによる支出、人件費の支出その他適当と認められる項目に分けて主要な取引ごとにキャッシュ・フローを総額により表示する方法二税引前当期純利益金額又は税引前当期純損失金額に、次に掲げる項目を加算又は減算して表示する方法e-Gov原文

誤り
財務諸表等規則113条により、営業活動によるキャッシュ・フローは総額表示又は税引前当期純利益金額からの調整表示のいずれかの方法によるとされており、総額表示のみが認められるとする記述は誤り

財務諸表等規則第113条次の各号に掲げるいずれかの方法により、営業利益又は営業損失の計算の対象となつた取引に係るキャッシュ・フロー並びに投資活動及び財務活動以外の取引に係るキャッシュ・フローを、その内容を示す名称を付した科目をもつて掲記しなければならない。e-Gov原文

ひっかけ『総額表示が原則だから、それ以外は認められない』と決めつけない。

解説営業活動によるキャッシュ・フローには2つの表示方法(直接法・間接法に相当する2方法)が認められている点を押さえる。投資活動・財務活動の区分(総額表示のみ)と異なり、営業活動の区分だけは方法の選択制になっている。

補足財務諸表等規則113条1号(総額表示)と2号(調整表示)の2方法を確認する。

4投資活動・財務活動によるキャッシュ・フローの表示方法

財務諸表等規則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 投資活動によるキャッシュ・フローの区分も財務活動によるキャッシュ・フローの区分も、いずれも主要な取引ごとにキャッシュ・フローを総額により表示する方法による。
  • 投資活動によるキャッシュ・フローの区分は、営業活動の区分と同様に、複数の表示方法の中からいずれかを選択して記載すればよい。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
財務諸表等規則114条・115条が定めるとおり、投資活動・財務活動によるキャッシュ・フローはいずれも主要な取引ごとの総額表示の方法によるため、記述は正しい

財務諸表等規則第114条主要な取引ごとにキャッシュ・フローを総額により表示する方法により、有価証券(現金同等物を除く。以下この条において同じ。)の取得による支出、有価証券の売却による収入、有形固定資産の取得による支出、有形固定資産の売却による収入e-Gov原文

財務諸表等規則第115条主要な取引ごとにキャッシュ・フローを総額により表示する方法により、短期借入れによる収入、短期借入金の返済による支出、長期借入れによる収入e-Gov原文

誤り
財務諸表等規則114条は投資活動によるキャッシュ・フローについて総額表示の方法のみを定めており、営業活動のような複数方法からの選択制であるとする記述は誤り

財務諸表等規則第114条主要な取引ごとにキャッシュ・フローを総額により表示する方法により、有価証券(現金同等物を除く。以下この条において同じ。)の取得による支出、有価証券の売却による収入、有形固定資産の取得による支出、有形固定資産の売却による収入e-Gov原文

ひっかけ営業活動の表示方法(選択制)のルールを、投資活動・財務活動にもそのまま当てはめない。

解説営業活動によるキャッシュ・フローだけが2つの表示方法から選択できる特別な扱いで、投資活動・財務活動によるキャッシュ・フローは総額表示のみに一本化されている。3区分をひとまとめに『どれも選択制』と誤解しない。

補足財務諸表等規則113条(営業活動:選択制)と114条・115条(投資・財務活動:総額表示のみ)の違いを対比して確認する。

5利息及び配当金に係るキャッシュ・フローの表示方法

財務諸表等規則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 利息及び配当金に係るキャッシュ・フローの表示方法には2つの方法があり、そのいずれかを選択して記載する。
  • 利息及び配当金の受取額・支払額は、いずれの方法によっても、必ず営業活動によるキャッシュ・フローの区分にまとめて記載しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
財務諸表等規則117条が定めるとおり、利息及び配当金に係るキャッシュ・フローには2つの記載方法があり、いずれかを選択して記載するため、記述は正しい

財務諸表等規則第117条利息及び配当金に係るキャッシュ・フローは、次の各号に掲げるいずれかの方法により記載するものとする。一利息及び配当金の受取額並びに利息の支払額は第百十二条第一号に掲げる営業活動によるキャッシュ・フローの区分に記載し、配当金の支払額は同条第三号に掲げる財務活動によるキャッシュ・フローの区分に記載する方法二利息及び配当金の受取額は第百十二条第二号に掲げる投資活動によるキャッシュ・フローの区分に記載し、利息及び配当金の支払額は同条第三号に掲げる財務活動によるキャッシュ・フローの区分に記載する方法e-Gov原文

誤り
財務諸表等規則117条の方法によっては、利息・配当金の受取額は投資活動の区分に、支払額は財務活動の区分に記載されるため、必ず営業活動の区分にまとめて記載するとする記述は誤り

財務諸表等規則第117条利息及び配当金の受取額は第百十二条第二号に掲げる投資活動によるキャッシュ・フローの区分に記載し、利息及び配当金の支払額は同条第三号に掲げる財務活動によるキャッシュ・フローの区分に記載する方法e-Gov原文

ひっかけ利息・配当金は常に営業活動の区分にまとめられると決めつけない。方法によって投資活動・財務活動にも分かれる。

解説利息及び配当金の表示区分は、営業活動の区分の2表示方法(直接法・間接法)とは別の論点で、『どの区分に記載するか』について2つの方法から選択する仕組みになっている。表示方法の選択制と記載区分の選択制という2つの異なる選択制が併存する点を混同しない。

補足財務諸表等規則117条1号・2号それぞれの区分の振り分けを対比して確認する。

読み終えたら、解いて採点

この章の5問を、根拠条文つきで採点します。選択肢ごとの正誤を自分で判断してから答え合わせできます。

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