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民法・第1章

銀行取引関連法(銀行法・民法・電子記録債権法など)の問題(15問)

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この章で確認する論点

第1章は15問を収録し、主な論点は「取引時確認で確認する本人特定事項」「疑わしい取引の届出と顧客への秘匿」「保証契約の書面要件」「債権の譲渡制限の意思表示」「受領権者としての外観を有する者への弁済」です。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

他の資格との比較は、民法を学べる資格と無料問題も参照できます。

  • 職業は本人特定事項ではない。生年月日と入れ替えた選択肢に注意。
  • 届出の事実を顧客に知らせる義務はなく、むしろ漏らすことが禁じられる。
  • 口頭で明確に意思表示しても、書面がなければ効力は生じない。

この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

民法:446条・452条・457条・465条の2・466条・466条の2・478条・666条

犯罪による収益の移転防止に関する法律:4条・6条・7条・8条

銀行法:4条・5条・10条

電子記録債権法:2条・15条

偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律:5条

問題と解説を読む全15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov等の一次資料で確認済み2026年10月〜2026年10月時点の法令に準拠
問1取引時確認で確認する本人特定事項e-Gov等の一次資料で確認済み

犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づく取引時確認に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.特定事業者は、法人の顧客について、取引時確認として、その名称及び本店又は主たる事務所の所在地を確認しなければならない。
  • イ.自然人の顧客の本人特定事項は、氏名、住居及び職業である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
法人→名称・本店等の所在地

犯罪による収益の移転防止に関する法律第4条「法人にあっては名称及び本店又は主たる事務所の所在地をいう」一次資料を確認

イ.誤り
自然人→氏名・住居・生年月日(職業は別)

犯罪による収益の移転防止に関する法律第4条「自然人にあっては氏名、住居(本邦内に住居を有しない外国人で政令で定めるものにあっては、主務省令で定める事項)及び生年月日をいい」一次資料を確認

ひっかけ職業は本人特定事項ではない。生年月日と入れ替えた選択肢に注意。

解説本人特定事項は、自然人が氏名・住居・生年月日、法人が名称・本店等の所在地(4条1項1号)。取引を行う目的、職業・事業内容等は本人特定事項とは別に確認する(同項2号・3号)。

補足法人の場合は、事業経営を実質的に支配できる者の本人特定事項も確認の対象になる(同項4号)。

問2疑わしい取引の届出と顧客への秘匿e-Gov等の一次資料で確認済み

犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づく疑わしい取引の届出に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.特定事業者は、特定業務に係る取引において収受した財産が犯罪による収益である疑いがあると認められる場合には、速やかに、行政庁に届け出なければならない。
  • イ.特定事業者は、疑わしい取引の届出を行おうとすること又は行ったことを、当該届出に係る顧客等又はその者の関係者に漏らしてはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
疑い→速やかに→行政庁へ届出

犯罪による収益の移転防止に関する法律第8条「これらの疑いがあると認められる場合においては、速やかに、政令で定めるところにより、政令で定める事項を行政庁に届け出なければならない」一次資料を確認

イ.正しい
届出→顧客・関係者に漏らさない

犯罪による収益の移転防止に関する法律第8条「行おうとすること又は行ったことを当該疑わしい取引の届出に係る顧客等又はその者の関係者に漏らしてはならない」一次資料を確認

ひっかけ届出の事実を顧客に知らせる義務はなく、むしろ漏らすことが禁じられる。

解説疑いがあれば速やかに行政庁へ届け出る(8条1項)。届出をしようとすること・したことは、顧客等やその関係者に漏らしてはならない(同条3項)。

補足疑わしいかどうかの判断は、取引時確認の結果、取引の態様その他の事情などを勘案し、主務省令で定める方法により行う(同条2項)。

問3保証契約の書面要件e-Gov等の一次資料で確認済み

民法の保証に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.保証契約は、保証人となる者が口頭で保証する意思を明確に示せば、書面がなくても効力を生ずる。
  • イ.保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなされる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
保証→書面でしなければ無効

民法第446条「保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない」一次資料を確認

イ.正しい
電磁的記録→書面とみなす

民法第446条「保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして」一次資料を確認

ひっかけ口頭で明確に意思表示しても、書面がなければ効力は生じない。

解説保証契約は書面(又はその内容を記録した電磁的記録)でしなければ効力を生じない(446条2項・3項)。口頭の合意だけでは成立しない。

補足個人根保証契約の極度額の定めにも、同じ書面(電磁的記録)の要件が準用される(465条の2第3項)。

問4債権の譲渡制限の意思表示e-Gov等の一次資料で確認済み

民法の債権譲渡に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.当事者が債権の譲渡を禁止する旨の意思表示をしたときは、その意思表示に反してされた債権の譲渡は、常に無効である。
  • イ.譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
譲渡制限→譲渡自体は有効

民法第466条「債権の譲渡は、その効力を妨げられない」一次資料を確認

イ.正しい
悪意・重過失の譲受人→履行を拒める

民法第466条「譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ」一次資料を確認

ひっかけ「常に無効」は誤り。譲渡自体は有効で、効果は債務者の抗弁にとどまる。

解説譲渡制限の意思表示があっても債権の譲渡は有効(466条2項)。ただし、悪意又は重過失の譲受人その他の第三者に対しては、債務者は履行を拒絶できる(同条3項)。

補足預貯金債権については、譲渡制限の意思表示を悪意・重過失の譲受人に対抗できる特則がある(466条の5)。

問5受領権者としての外観を有する者への弁済e-Gov等の一次資料で確認済み

民法の弁済に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有する者に対してした弁済は、弁済をした者が善意であれば、過失があっても有効である。
  • イ.民法上の「受領権者」とは債権者のみをいい、債権者から弁済を受領する権限を付与された第三者は含まれない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
外観弁済→善意・無過失のときだけ有効

民法第478条「その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する」一次資料を確認

イ.誤り
受領権者→債権者+権限を付与された第三者

民法第478条「受領権者(債権者及び法令の規定又は当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者をいう。以下同じ。)」一次資料を確認

ひっかけ善意だけでは足りず、無過失まで必要。受領権者の範囲も債権者に限られない。

解説受領権者(債権者及び受領権限を付与された第三者)以外の者でも、取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有する者への弁済は、弁済者が善意かつ無過失であったときに限り有効(478条)。

補足預金の払戻しで、真の預金者以外の者に払い戻した場合の金融機関の責任は、この規定の適用が問題になる。

問6銀行業の免許と資本金の減少e-Gov等の一次資料で確認済み

銀行法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.銀行業は、内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ、営むことができない。
  • イ.銀行は、その資本金の額を減少しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
銀行業→内閣総理大臣の免許

銀行法第4条「銀行業は、内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ、営むことができない」一次資料を確認

イ.正しい
資本金の減少→内閣総理大臣の認可

銀行法第5条「銀行は、その資本金の額を減少しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない」一次資料を確認

ひっかけ資本金の減少は届出では足りず、認可が必要。

解説銀行業は内閣総理大臣の免許制(4条1項)、資本金の額の減少は内閣総理大臣の認可制(5条3項)。資本金の額は政令で定める額以上で、その額は十億円を下回ってはならない(同条1項・2項)。

補足免許・認可の権限は、内閣総理大臣から金融庁長官等に委任されるのが通常である(銀行法の委任規定)。

問7電子記録債権の発生と定義e-Gov等の一次資料で確認済み

電子記録債権法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.電子記録債権は、発生記録をすることによって生ずる。
  • イ.電子記録債権とは、その発生又は譲渡について電子記録を要件としない金銭債権をいう。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
電子記録債権→発生記録で生ずる

電子記録債権法第15条「発生記録をすることによって生ずる」一次資料を確認

イ.誤り
電子記録債権→電子記録を要件とする金銭債権

電子記録債権法第2条「その発生又は譲渡についてこの法律の規定による電子記録(以下単に「電子記録」という。)を要件とする金銭債権をいう」一次資料を確認

ひっかけ「電子記録を要件としない」は誤り。電子記録そのものが成立要件。

解説電子記録債権は、発生記録によって生じ(15条)、その発生又は譲渡について電子記録を要件とする金銭債権である(2条1項)。

補足手形と異なり、電子記録債権は紙の証券を使わず、電子債権記録機関の記録原簿で管理される(2条2項・3項)。

問8個人根保証契約の極度額e-Gov等の一次資料で確認済み

民法の個人根保証契約に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.個人根保証契約は、極度額を定めなくても効力を生じ、保証人は主たる債務の全額について責任を負う。
  • イ.個人根保証契約における極度額の定めは、口頭の合意でもその効力を生ずる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
個人根保証→極度額なしは無効

民法第465条の2「個人根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない」一次資料を確認

イ.誤り
極度額の定め→書面(電磁的記録)が必要

民法第465条の2「第四百四十六条第二項及び第三項の規定は、個人根保証契約における第一項に規定する極度額の定めについて準用する」一次資料を確認

ひっかけ極度額の定めがなければ契約自体が無効。口頭の合意では足りない。

解説保証人が法人でない根保証契約(個人根保証契約)は、極度額を定めなければ効力を生じず(465条の2第2項)、極度額の定めも書面(又は電磁的記録)でしなければならない(同条3項、446条2項・3項)。

補足貸金等債務を主たる債務とする個人根保証契約は、元本確定期日の定めなど追加の規律がある(465条の3)。

問9預金契約と消費寄託e-Gov等の一次資料で確認済み

民法の消費寄託に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.受寄者が契約により寄託物を消費することができる場合には、受寄者は、寄託された物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還しなければならない。
  • イ.預金又は貯金に係る契約により金銭を寄託した場合には、寄託の規定は適用されず、消費貸借の規定だけが準用される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
消費寄託→同種・同質・同量の物で返還

民法第666条「受寄者は、寄託された物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還しなければならない」一次資料を確認

イ.誤り
預金→消費寄託+591条2項・3項を準用

民法第666条「第五百九十一条第二項及び第三項の規定は、預金又は貯金に係る契約により金銭を寄託した場合について準用する」一次資料を確認

ひっかけ「消費貸借の規定だけ」は誤り。消費寄託の規定の中で一部が準用される。

解説預金・貯金は消費寄託の一種で、返還は同種・同質・同量の物をもって行う(666条1項)。預金又は貯金に係る契約では、591条2項・3項が準用される(666条3項)。

補足預金債権の譲渡制限の意思表示の効力には特則がある(466条の5)。

問10盗難カード等による不正払戻しの補てんe-Gov等の一次資料で確認済み

偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律の盗難カードに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.預貯金者が盗難カード等を用いた不正な払戻しの補てんを求めるには、真正カード等が盗取されたと認めた後、速やかに金融機関へ盗取された旨を通知する必要はなく、被害額を知った後であればいつでも足りる。
  • イ.補てんの求めを受けた金融機関は、当該払戻しが盗難カード等を用いて行われた不正なものでないこと又は預貯金者の故意により行われたことを証明した場合を除き、補てん対象額の補てんを行わなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
盗取→速やかに金融機関へ通知

偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律第5条「当該真正カード等が盗取されたと認めた後、速やかに、当該金融機関に対し盗取された旨の通知を行ったこと」一次資料を確認

イ.正しい
補てんの求め→不正でない・故意を証明しない限り補てん

偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律第5条「当該補てんの求めに係る機械式預貯金払戻しが盗難カード等を用いて行われた不正なものでないこと又は当該機械式預貯金払戻しが当該補てんの求めをした預貯金者の故意により行われたことを証明した場合を除き」一次資料を確認

ひっかけ通知は「速やかに」。被害額を知ってからでよいとする選択肢は誤り。

解説盗難カード等による不正払戻しの補てんは、盗取と認めた後速やかな通知などの要件(5条1項)を満たせば求められ、金融機関は不正でないこと又は預貯金者の故意を証明した場合を除き補てんする(同条2項)。

補足金融機関が善意無過失で、預貯金者に過失(重過失を除く)があることを証明した場合は、補てん額が補てん対象額の四分の三になる(同条2項ただし書)。

問11譲渡制限の意思表示がされた債権の供託e-Gov等の一次資料で確認済み

譲渡制限の意思表示がされた金銭債権の譲渡後の債務者の供託に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.債務者は、譲渡制限の意思表示がされた金銭の給付を目的とする債権が譲渡されたときは、その債権の全額に相当する金銭を債務の履行地の供託所に供託することができる。
  • イ.供託をした金銭は、譲渡人及び譲受人のいずれも、還付を請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
譲渡制限付き金銭債権→全額供託可

民法第466条の2第1項「その債権の全額に相当する金銭を債務の履行地」一次資料を確認

イ.誤り
供託金→譲受人のみ還付請求可

民法第466条の2第3項「譲受人に限り、還付を請求することができる」一次資料を確認

ひっかけ供託をしても、還付を請求できるのは譲渡人ではなく譲受人だけである。

解説債務者は、譲渡制限の意思表示がされた金銭債権が譲渡されたとき、債権全額を履行地の供託所に供託できる(466条の2第1項)。供託後は遅滞なく譲渡人及び譲受人に通知し(同条2項)、還付を請求できるのは譲受人に限る(同条3項)。

補足譲渡制限の意思表示があっても債権譲渡そのものは有効である(466条2項)。供託は、債務者が二重払いのリスクを避けるための手段である。

問12銀行の固有業務と付随業務e-Gov等の一次資料で確認済み

銀行法に定める銀行の業務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.債務の保証又は手形の引受けは、銀行法第10条第1項に掲げる、銀行の固有業務である。
  • イ.銀行は、為替取引を営むことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
債務保証→2項の付随業務

銀行法第10条第2項第1号「債務の保証又は手形の引受け」一次資料を確認

イ.正しい
為替取引→1項の固有業務

銀行法第10条第1項第3号「為替取引」一次資料を確認

ひっかけ債務の保証を、預金や貸付けと並ぶ固有業務と取り違えやすい。

解説銀行の固有業務は、預金又は定期積金等の受入れ、資金の貸付け又は手形の割引、為替取引(銀行法10条1項)。債務の保証又は手形の引受け、有価証券の貸付け、両替などは付随業務(同条2項)である。

補足銀行業とは、預金又は定期積金の受入れと資金の貸付け又は手形の割引とを併せ行うこと、又は為替取引を行うことをいう(同法2条2項)。

問13保証人の催告の抗弁e-Gov等の一次資料で確認済み

保証人の催告の抗弁に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。
  • イ.主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたときは、保証人は催告の抗弁を主張することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
請求を受けた保証人→先に主債務者へ催告を請求可

民法第452条「まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる」一次資料を確認

イ.正しい
破産・行方不明→催告の抗弁は使えない

民法第452条ただし書「主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限りでない」一次資料を確認

ひっかけ催告の抗弁には、主たる債務者の破産や行方不明という例外がある。

解説催告の抗弁は、債権者から請求を受けた保証人が、まず主たる債務者に催告するよう求める権利である(452条)。主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき又は行方が知れないときは使えない(同条ただし書)。

補足連帯保証人は催告の抗弁も検索の抗弁も有しない(454条)。銀行融資で連帯保証が選ばれるのはこのためである。

問14主たる債務者に生じた事由の保証人への効力e-Gov等の一次資料で確認済み

主たる債務者について生じた事由の保証人への効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.主たる債務者に対する履行の請求による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対してはその効力を生じない。
  • イ.主たる債務者が債権者に対して相殺権を有するときでも、保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
主債務者への請求→保証人の時効も完成猶予・更新

民法第457条第1項「主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対しても、その効力を生ずる」一次資料を確認

イ.誤り
主債務者に相殺権等あり→保証人は限度で履行拒絶可

民法第457条第3項「保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる」一次資料を確認

ひっかけ主たる債務者に生じた事由が、保証人に不利にも有利にも及ぶ点を取り違えやすい。

解説主たる債務者に対する履行の請求による時効の完成猶予及び更新は保証人にも及ぶ(457条1項)。保証人は主たる債務者の抗弁を対抗でき(同条2項)、相殺権・取消権・解除権による免責の限度で履行を拒める(同条3項)。

補足保証債務の付従性により、主たる債務者について生じた事由は原則として保証人にも効力が及ぶ。

問15確認記録と取引記録等の保存期間e-Gov等の一次資料で確認済み

犯罪収益移転防止法に基づく記録の保存に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.特定事業者は、取引時確認を行った場合に作成した確認記録を、特定取引等に係る契約が終了した日その他の主務省令で定める日から、七年間保存しなければならない。
  • イ.特定事業者は、特定業務に係る取引を行った場合に作成した取引記録を、当該取引の行われた日から三年間保存しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
確認記録→契約終了日等から7年保存

犯罪による収益の移転防止に関する法律第6条第2項「確認記録を、特定取引等に係る契約が終了した日その他の主務省令で定める日から、七年間保存しなければならない」一次資料を確認

イ.誤り
取引記録→取引日から7年保存

犯罪による収益の移転防止に関する法律第7条第3項「当該取引又は特定受任行為の代理等の行われた日から七年間保存しなければならない」一次資料を確認

ひっかけ確認記録と取引記録は、どちらも保存期間が七年である。起算点だけが異なる。

解説確認記録は契約が終了した日等から七年間(6条2項)、取引記録等は取引の行われた日から七年間(7条3項)保存する。起算点が異なる点を押さえる。

補足確認記録は、取引時確認を行った事実と内容を後から検証するための記録であり、取引記録の検索の手がかりにもなる。

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