問1調査士法人の登記と対抗要件(30条)
調査士法人の登記に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士法人は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。
- イ.調査士法人が登記をしなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 30条1項が明文で登記義務を定める → 記述は正しい
土地家屋調査士法第30条第1項「調査士法人は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 30条2項が明文でその旨を定める → 記述は正しい
土地家屋調査士法第30条第2項「登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない」e-Gov原文
ひっかけ登記事項の内容自体は政令(弁理士法人の登記令に相当する政令)に委任されているため、条文上は『何を登記するか』ではなく『登記の効果(対抗要件)』が問われやすい。
解説調査士法人の登記は会社法上の商業登記と同じく対抗要件主義を採る。設立の登記自体は成立要件(32条)だが、それ以外の登記すべき事項(社員の変更等)は、登記をしなければ善意の第三者に対抗できないという構造を押さえる。
補足登記事項の具体的内容は政令に委任されており、条文自体には列挙されていない。試験対策上は『登記の効果=対抗要件』という原則を優先して押さえるとよい。
問2調査士法人の成立の時期(32条)
調査士法人の成立の時期に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
- イ.調査士法人は、法務大臣の認可を受けた時に成立する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 32条が明文でその旨を定める → 記述は正しい
土地家屋調査士法第32条「調査士法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによつて成立する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 32条が成立要件を設立登記と明文で定める → 「認可を受けた時」は誤り
土地家屋調査士法第32条「調査士法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによつて成立する」e-Gov原文
ひっかけ調査士個人の登録(8条・法務局及び地方法務局の長の管轄する土地家屋調査士名簿への登録)と調査士法人の成立(32条・設立の登記)を混同させる肢に注意。個人は登録、法人は登記という別の公示制度による。
解説調査士法人の成立時期は設立の登記という単純明快な基準による。定款作成の時点ではまだ法人格を取得していない。33条の成立の届出は、成立(=登記)後の事後手続にすぎず、届出が成立要件になるわけではない点も押さえる。
補足弁理士法人(弁理士法44条)・弁護士法人・税理士法人など、他の専門資格者法人も同様に『設立の登記』を成立要件とする点で共通する。
問3調査士法人の成立の届出(33条)
調査士法人の成立の届出に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士法人は、成立したときは、成立の日から1か月以内に、その旨を届け出れば足りる。
- イ.調査士法人の成立の届出は、登記事項証明書及び定款の写しを添えてしなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 33条が2週間以内と明文で定める → 「1か月以内」は誤り
土地家屋調査士法第33条「調査士法人は、成立したときは、成立の日から二週間以内に」e-Gov原文
- イ.正しい
- 33条が明文で添付書類を定める → 記述は正しい
土地家屋調査士法第33条「登記事項証明書及び定款の写しを添えて」e-Gov原文
ひっかけ届出先が『主たる事務所の所在地の調査士会及び調査士会連合会』の両方である点も問われやすい。片方のみへの届出で足りるとする肢に注意する。
解説調査士法人の成立の届出(33条)は、34条の定款変更の届出、39条の解散の届出とともに『2週間以内』という共通の期間制限を持つ。届出先は一貫して『主たる事務所の所在地の調査士会及び調査士会連合会』である点を押さえる。
補足『登記』(対外的な公示。法務局における設立登記)と『届出』(調査士会・調査士会連合会という業界団体への報告)は別の手続である。成立の効力は登記(32条)で生じ、届出(33条)は事後の報告義務にとどまる。
問4調査士法人の定款の変更(34条)
調査士法人の定款の変更に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士法人は、定款に別段の定めがある場合であっても、必ず総社員の同意により定款を変更しなければならない。
- イ.調査士法人は、定款を変更したときは、変更の日から1か月以内に届け出れば足りる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 34条1項が『別段の定めがある場合を除き』と明文で例外を定める → 「必ず総社員の同意による」は誤り
土地家屋調査士法第34条第1項「調査士法人は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によつて、定款の変更をすることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 34条2項が2週間以内と明文で定める → 「1か月以内」は誤り
土地家屋調査士法第34条第2項「調査士法人は、定款を変更したときは、変更の日から二週間以内に」e-Gov原文
ひっかけ届出先は『主たる事務所の所在地の調査士会及び調査士会連合会』であり、弁理士法人の定款変更届出先(経済産業大臣)とは異なる点に注意。専門資格者法人ごとに監督官庁・届出先が異なる。
解説調査士法人の定款変更は、①原則は総社員の同意によるが定款に別段の定めを置くことができる(1項)、②変更後は2週間以内に主たる事務所の所在地の調査士会及び調査士会連合会へ届出が必要(2項)という2段階の規律である。33条の成立の届出と同じ届出先・同じ期間である点を対応させて覚える。
補足『届出』は事後報告であり、届出をしなくても定款変更自体の効力(総社員の同意等の要件充足時点で生ずる)には影響しない。届出義務違反の問題にとどまる。
問5調査士法人の業務の執行(35条)
調査士法人の業務の執行に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士法人の社員は、すべて業務を執行する権利を有し、義務を負う。
- イ.民間紛争解決手続代理関係業務を行うことを目的とする調査士法人における当該業務については、特定社員のみが業務を執行する権利を有し、義務を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 35条1項が明文でその旨を定める → 記述は正しい
土地家屋調査士法第35条第1項「調査士法人の社員は、すべて業務を執行する権利を有し、義務を負う」e-Gov原文
- イ.正しい
- 35条2項が明文でその旨を定める → 記述は正しい
土地家屋調査士法第35条第2項「のみが業務を執行する権利を有し、義務を負う」e-Gov原文
ひっかけ『特定社員』(3条2項に規定する特定侵害訴訟代理業務等の付記を受けた調査士である社員)は、ADR代理関係業務についてのみ業務執行権限が限定される点に注意。通常の表示登記業務は全社員が執行できる。
解説35条は原則(1項・全社員が業務執行)と例外(2項・民間紛争解決手続代理関係業務は特定社員限定)の2段階構造。これは6条の2に定める調査士のADR代理権限が『特定調査士』(付記を受けた者)に限定される制度と対応している。
補足特定社員以外の社員が調査士法人に所属していても、ADR代理業務自体は行えない。業務の種類によって執行権者の範囲が異なる点が、他の一般業務(表示登記の代理等)との違いである。
問6調査士法人の社員の競業の禁止(37条)
調査士法人の社員の競業の禁止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士法人の社員は、自己若しくは第三者のためにその調査士法人の業務の範囲に属する業務を行い、又は他の調査士法人の社員となってはならない。
- イ.社員が競業禁止に違反して利益を得た場合、当該利益の額と調査士法人に生じた損害の額との関係は無関係であり、損害額は別途立証しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 37条1項が明文で禁止する → 記述は正しい
土地家屋調査士法第37条第1項「調査士法人の社員は、自己若しくは第三者のためにその調査士法人の業務の範囲に属する業務を行い、又は他の調査士法人の社員となつてはならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 37条2項が損害額の推定を明文で定める → 「無関係・別途立証を要する」は誤り
土地家屋調査士法第37条第2項「当該業務によつて当該社員又は第三者が得た利益の額は、調査士法人に生じた損害の額と推定する」e-Gov原文
ひっかけ『推定する』という文言は、反証(損害がその額に満たないことの立証)により覆すことができる規定である。『みなす』(反証不可)と混同させる肢に注意する。
解説37条は、株式会社の取締役の競業避止義務(会社法356条・423条2項)と同様の構造を持つ。社員の競業行為を禁止する1項と、違反時の損害額の推定による立証負担の軽減を図る2項がセットになっている。
補足48条の『特定の事件についての業務の制限』(利益相反防止・個別事件単位の規律)とは異なり、37条は『他の調査士法人の社員となること自体』を禁止する、より包括的な地位の兼任禁止規定である点を区別する。
問7調査士法人の社員の法定脱退(38条)
調査士法人の社員の法定脱退に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士法人の社員は、定款に定める理由の発生によっては脱退しない。
- イ.調査士法人の社員は、調査士の登録の取消しによって脱退する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 38条2号が明文で脱退事由とする → 「脱退しない」は誤り
土地家屋調査士法第38条第2号「定款に定める理由の発生」e-Gov原文
- イ.正しい
- 38条1号が明文で脱退事由とする → 記述は正しい
ひっかけ38条は5号にわたる脱退事由(登録の取消し・定款に定める理由の発生・総社員の同意・28条2項各号該当・除名)を掲げる。一部の号のみを条文内容として提示し他を欠落させる肢に注意する。
解説法定脱退(38条)は社員の意思にかかわらず一定の事由の発生により当然に生ずる脱退である。これに対し社員自身の意思による任意脱退は41条2項が準用する会社法606条(会社法の持分会社に関する規定)等によって規律される、という体系上の位置付けを押さえる。
補足28条2項各号該当(4号)は、欠格事由該当・除名・懲戒による登録取消し等、調査士としての資格喪失に関連する事由を指す。1号(登録の取消し)と重複しそうだが、28条2項は独立の欠格・失格類型を指す点で異なる。
問8調査士法人の解散(39条)
調査士法人の解散に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士法人は、他の調査士法人との合併によっては解散しない。
- イ.調査士法人の清算人は、調査士でなくてもよい。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 39条1項3号が明文で解散事由とする → 「解散しない」は誤り
土地家屋調査士法第39条第1項第3号「他の調査士法人との合併」e-Gov原文
- イ.誤り
- 39条3項が明文でその旨を定める → 「調査士でなくてもよい」は誤り
土地家屋調査士法第39条第3項「調査士法人の清算人は、調査士でなければならない」e-Gov原文
ひっかけ39条1項は7号にわたる解散事由(定款に定める理由の発生・総社員の同意・合併・破産手続開始の決定・解散を命ずる裁判・43条1項3号の解散処分・社員の欠亡)を掲げる。すべてを機械的に覚えるより、『社員の意思によるもの』『外部の裁判・処分によるもの』『事実状態によるもの(社員の欠亡)』に分類すると整理しやすい。
解説清算人が調査士でなければならないとする39条3項は、調査士法人が士業法人である以上、清算事務(未了業務の結了・債権取立て・債務弁済等)にも専門資格者としての適格性を要求する趣旨である。一般の会社の清算人には資格要件がない点との違いを押さえる。
補足39条1項3号の事由(合併)による解散の場合、2項の届出義務は適用されない(『前項第三号の事由以外の事由により解散したとき』に限り届出を要する)。合併の場合は33条・53条等の別の届出手続でカバーされるためである。
問9調査士法人の調査士会への入会及び退会(53条)
調査士法人の調査士会への入会及び退会に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士法人は、その成立の時に、主たる事務所の所在地の調査士会の会員となる。
- イ.調査士法人は、その清算の結了の時又は破産手続開始の決定を受けた時に、所属するすべての調査士会を退会する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 53条1項が明文でその旨を定める → 記述は正しい
土地家屋調査士法第53条第1項「調査士法人は、その成立の時に、主たる事務所の所在地の調査士会の会員となる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 53条2項が明文でその旨を定める → 記述は正しい
土地家屋調査士法第53条第2項「調査士法人は、その清算の結了の時又は破産手続開始の決定を受けた時に、所属するすべての調査士会を退会する」e-Gov原文
ひっかけ既存の『調査士の入会及び退会』(個人の調査士に関する規律)と、本条『調査士法人の入会及び退会』(法人に関する規律)は別の制度。両者の入会・退会の契機(個人は登録・登録抹消、法人は成立・清算結了等)を混同させる肢に注意する。
解説53条は、①成立時の当然入会(1項)、②清算結了・破産時の当然退会(2項)に加え、③事務所の新設・移転に伴う新たな調査士会への入会(4項)、④事務所の移転・廃止に伴う退会(5項)という、事務所の管轄区域の変動に応じた入退会の規律も置く。個人の登録・登録抹消とパラレルな構造である。
補足入会・退会は届出(6項・7項)を要するが、効力自体は『登記をした時』(4項・5項)に生じる。届出は事後報告であり効力発生要件ではない点は、30条の登記の対抗要件構造と整合する。
問10登録審査会(62条)
登録審査会に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士会連合会には、登録審査会が置かれる。
- イ.登録審査会は、会長及び委員2人をもって組織される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 62条1項が明文でその旨を定める → 記述は正しい
土地家屋調査士法第62条第1項「調査士会連合会に、登録審査会を置く」e-Gov原文
- イ.誤り
- 62条3項が委員4人と明文で定める → 「委員2人」は誤り
土地家屋調査士法第62条第3項「登録審査会は、会長及び委員四人をもつて組織する」e-Gov原文
ひっかけ登録審査会の審議対象は『登録の拒否(10条1項2号・3号)』又は『登録の取消し(16条1項)』に限られる(62条2項)。あらゆる登録関係事項を審議するとする過度に広い記述に注意。
解説登録審査会は、会長(調査士会連合会の会長が充てる・4項)と委員4人(法務大臣の承認を受けて会長が調査士・法務省の職員・学識経験者から委嘱・5項)で構成される合議体である。委員の任期は2年(6項)で、欠員補充の委員は前任者の残任期間とする点も押さえる。
補足登録審査会は調査士会連合会『自身』の請求により審議を行う機関であり、登録の拒否・取消しに関する慎重な判断を担保するための内部的なチェック機構として位置付けられる。
問11公共嘱託登記土地家屋調査士協会の設立及び組織(63条)
公共嘱託登記土地家屋調査士協会の設立及び組織に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.公共嘱託登記土地家屋調査士協会の社員は、当該協会の主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域外に事務所を有する調査士又は調査士法人でもよい。
- イ.公共嘱託登記土地家屋調査士協会の理事の員数の過半数は、社員でなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 63条1項1号が管轄区域内を明文で要求する → 「管轄区域外でもよい」は誤り
土地家屋調査士法第63条第1項第1号「社員は、その主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に事務所を有する調査士又は調査士法人でなければならないものとすること」e-Gov原文
- イ.正しい
- 63条1項3号が明文でその旨を要求する → 記述は正しい
土地家屋調査士法第63条第1項第3号「理事の員数の過半数は、社員(社員である調査士法人の社員を含む。)でなければならないものとすること」e-Gov原文
ひっかけ公共嘱託登記土地家屋調査士協会(いわゆる公嘱協会)は『一般社団法人』として設立されるが、通常の一般社団法人と異なり、63条1項各号の定款の定めが必須で、かつ2項によりこれらの定めは変更することができない(変更不可な硬性の定款事項)点に注意。
解説公嘱協会は、社員(調査士・調査士法人)が専門的能力を結合して官公署等による不動産の表示に関する登記に必要な調査・測量等の適正かつ迅速な実施に寄与することを目的とする。社員資格の地域限定(1号)・加入拒否の制限(2号)・理事の過半数要件(3号)という3つの定款事項が、協会の公共性・中立性を担保する仕組みである。
補足2号(正当な理由がなければ加入を拒めない旨)は明示的な加入強制ではないが、公共嘱託登記という性質上、資格を満たす調査士・調査士法人を恣意的に排除できない構造になっている。
問12公共嘱託登記土地家屋調査士協会の業務(64条)
公共嘱託登記土地家屋調査士協会の業務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.公共嘱託登記土地家屋調査士協会は、その業務に係る事務を、調査士会に入会している調査士又は調査士法人でない者に取り扱わせることができる。
- イ.公共嘱託登記土地家屋調査士協会の業務は、官公署等の依頼の有無にかかわらず、任意の第三者からの依頼を受けて行うことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 64条2項が明文で禁止する → 「取り扱わせることができる」は誤り
土地家屋調査士法第64条第2項「協会は、その業務に係る前項に規定する事務を、調査士会に入会している調査士又は調査士法人でない者に取り扱わせてはならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 64条1項が官公署等の依頼を要件とする → 「任意の第三者からの依頼でも行える」は誤り
土地家屋調査士法第64条第1項「協会は、第六十三条第一項に規定する目的を達成するため、官公署等の依頼を受けて」e-Gov原文
ひっかけ協会の業務対象は『第3条1項1号から3号までに掲げる事務』のうち、2号・3号については『1号に掲げる調査又は測量を必要とする申請手続に関するものに限る』という限定が付く点に注意。協会の業務範囲は個人の調査士より狭い場面がある。
解説公嘱協会は『官公署等(官庁・公署その他政令で定める公共の利益となる事業を行う者)』からの依頼という公共性の高い業務に特化した組織である。一般個人からの依頼を直接受任する通常の調査士業務とは受任主体・依頼者の範囲が異なる点を押さえる。
補足64条2項の『調査士会に入会している調査士又は調査士法人でない者に取り扱わせてはならない』という規律は、49条(弁理士法人の業務執行方法)や土地家屋調査士法内の他の『資格者以外への業務代行禁止』規定と同じ趣旨(非資格者による専門業務の代行防止)である。
問13調査士会による公嘱協会への助言(66条)
調査士会による公共嘱託登記土地家屋調査士協会への助言に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士会は、所属の会員が社員である協会に対し、その業務の執行に関し、必要な助言をすることができる。
- イ.調査士会による協会への助言は、その調査士会に所属する会員が社員である協会に対するものに限られる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 66条が明文でその旨を定める → 記述は正しい
土地家屋調査士法第66条「調査士会は、所属の会員が社員である協会に対し、その業務の執行に関し、必要な助言をすることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 66条の文言上、助言対象が限定される → 記述は正しい
土地家屋調査士法第66条「調査士会は、所属の会員が社員である協会に対し、その業務の執行に関し、必要な助言をすることができる」e-Gov原文
ひっかけ66条の『助言』は監督権限(懲戒等の処分権限)ではなく、あくまで任意の助言にとどまる点に注意。公嘱協会に対する処分権限は65条が準用する43条(法務大臣=実際には法務局又は地方法務局の長)に属する。
解説調査士会・調査士会連合会・公嘱協会の関係は、①調査士会が自らの会員が社員である協会への日常的な助言、②法務局又は地方法務局の長による懲戒処分(65条準用)という二層構造で理解できる。66条はあくまで前者の緩やかな指導的関与を定める。
補足66条は義務規定ではなく『することができる』という任意規定である。調査士会が助言をしなかったこと自体が法律上の義務違反になるわけではない。
問14虚偽の申請による登録の罪(69条)
虚偽の申請による登録の罪に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士となる資格を有しない者が、調査士会連合会に対しその資格につき虚偽の申請をして土地家屋調査士名簿に登録させたときは、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処せられる。
- イ.69条の罪の法定刑は、2年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 69条が明文で法定刑を定める → 記述は正しい
土地家屋調査士法第69条「調査士となる資格を有しない者が、調査士会連合会に対し、その資格につき虚偽の申請をして土地家屋調査士名簿に登録させたときは、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 69条が明文で刑を定める → 「2年以下・200万円以下」は誤り
土地家屋調査士法第69条「一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
ひっかけ70条(22条違反の罪=100万円以下の罰金のみで拘禁刑の定めがない)と69条(虚偽登録の罪=1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金)とで法定刑の構成が異なる点を入れ替えた肢に注意する。
解説69条は、資格を有しない者が虚偽の申請によって名簿に登録された場合という、いわば『登録詐取』を処罰する規定である。届出先が『調査士会連合会』である点(登録事務を担うのが調査士会連合会であるため)も併せて押さえる。
補足69条の主体は『調査士となる資格を有しない者』であり、既に適法に登録された調査士・調査士法人は主体とならない。資格詐称による登録という限定的な場面を対象とする罪である。
問1522条違反の罪と主体の広がり(70条)
22条の規定に違反した場合の罰則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.調査士が22条の規定に違反した場合、罰則の対象とはならない。
- イ.調査士法人が41条1項において準用する22条の規定に違反したときは、その違反行為をした調査士法人の社員又は使用人が100万円以下の罰金に処せられる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 70条1項が明文で罰則を定める → 「罰則の対象とならない」は誤り
土地家屋調査士法第70条第1項「第二十二条の規定に違反した者は、百万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 70条2項が明文でその旨を定める → 記述は正しい
土地家屋調査士法第70条第2項「調査士法人が第四十一条第一項において準用する第二十二条の規定に違反したときは、その違反行為をした調査士法人の社員又は使用人は、百万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
ひっかけ70条は、①調査士個人による22条違反(1項)、②調査士法人による22条準用規定違反=行為者処罰(2項)、③公嘱協会による22条準用規定違反=理事又は職員が処罰(3項)という3段階の主体別規律を置く。個人・法人・協会のいずれの主体が違反しても、実際に違反行為をした自然人が処罰される『両罰規定的な発想』(法人自体は処罰対象でない)である点を押さえる。
解説70条の各項はいずれも22条という同一の禁止規定(信用失墜行為の禁止)の違反を処罰する点で共通するが、違反の主体(個人の調査士か、法人・協会に所属する社員等か)に応じて処罰対象となる自然人が異なる構造を持つ。
補足70条には拘禁刑の定めがなく、罰金刑(100万円以下)のみである点で、69条(1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金)より軽い法定刑となっている。