行政書士の進路
行政書士試験に合格したあとの登録手続き(申請先・入会・欠格事由)
行政書士試験に合格したあと、実際に行政書士として働くには登録が必要です。申請の窓口、登録と同時に起こる行政書士会への入会、登録できない場合の決まりを、日本行政書士会連合会の案内と行政書士法の条文で整理します(確認日:2026年10月17日)。費用の金額は公式の案内で確認できなかったため載せていません。
合格から行政書士になるまでの流れ
1. 試験に合格する(資格を得る)
行政書士となる資格を有する人は、行政書士法第2条で、試験の合格者のほか、弁護士・弁理士・公認会計士・税理士となる資格を持つ人、行政事務を通算20年以上(高校卒業者などは17年以上)担当した公務員などと定められています。
2. 事務所を置く都道府県の行政書士会へ申請する
登録の申請先は日本行政書士会連合会ですが、事務所の所在地の都道府県の行政書士会を経由して出します。資格を証する書類を添える決まりです(行政書士法第6条の2第1項)。提出書類の詳細は、その行政書士会に尋ねます。
3. 連合会が名簿に登録する
連合会は、申請者に資格があり、欠格事由などに当たらないと認めたときに行政書士名簿へ登録します。登録を拒否するときは、資格審査会の議決に基づいて行います(同条第2項)。
4. 登録と同時に行政書士会の会員になる
登録を受けた時に、当然、事務所の所在地の都道府県の行政書士会の会員になります(行政書士法第16条の5)。以後、事務所の移転や登録事項の変更は、所属する行政書士会を経由して申請します(第6条の4)。
登録を受けられない人(欠格事由)
行政書士法第2条の2は、試験に合格していても次の人は資格を有しないと定めています。未成年者、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない人、拘禁刑以上の刑に処せられ、執行を終えてまたは執行を受けることがなくなってから3年を経過しない人、公務員で懲戒免職の処分を受けてから3年を経過しない人、行政書士の登録の取消しや業務禁止の処分を受けてから3年を経過しない人などです。弁護士会からの除名や、他の士業の懲戒処分を受けて3年を経過しない人も含まれます。条文の全部は出典の連合会ページで読めます。
これとは別に、第6条の2第2項は、心身の故障で行政書士の業務を行えない人、信用や品位を害するおそれがあるなど適格性を欠く人の登録を拒否すると定めています。拒否された人は総務大臣に審査請求ができます(第6条の3)。
申請前に行政書士会へ確かめたいこと
- 登録の手数料と、入会後に毎年かかる会費の金額
- 提出書類の一覧と、事務所として認められる場所の条件
- 申請の受付日や、登録が完了するまでの目安の期間
連合会の案内は、手続きの詳細を行政書士事務所を設けようとする都道府県の行政書士会に尋ねるよう求めています。これらの項目は法令で全国一律に定まっているものではないため、申請する都道府県の行政書士会の案内が基準になります。
よくある質問
- 行政書士試験に合格すれば、すぐに行政書士を名乗れますか?
名乗れません。行政書士法第6条で、行政書士となる資格を持つ人が行政書士になるには、日本行政書士会連合会が備える行政書士名簿に登録を受けなければならないと定められています。合格はその資格を得る条件の1つで、登録を受けるまでは行政書士ではありません。 - 登録の申請はどこに出しますか?
日本行政書士会連合会に対する申請ですが、窓口は事務所を置こうとする都道府県の行政書士会です。行政書士法第6条の2は、事務所の所在地の属する都道府県の行政書士会を経由して申請すると定めています。提出書類や手続きの細部は、連合会の案内でも都道府県の行政書士会へ尋ねるよう案内されています。 - 登録すると、行政書士会にも入ることになりますか?
なります。行政書士法第16条の5は、登録を受けた時に当然、事務所の所在地の都道府県の行政書士会の会員になると定めています。別に入会の手続きを選ぶ形ではありません。 - 登録にかかる費用はいくらですか?
金額は本記事では示しません。日本行政書士会連合会の「行政書士になるには」のページには手数料や会費の金額が載っておらず、確認できた範囲では、都道府県の行政書士会に尋ねるよう案内されているためです。申請する都道府県の行政書士会に、登録の費用と入会後の会費を事前に確かめてください。 - 登録を受けられない場合はありますか?
あります。行政書士法第2条の2に、未成年者、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない人、拘禁刑以上の刑の執行を終えてから3年を経過しない人などの欠格事由が定められています。また第6条の2第2項では、心身の故障で業務を行えない人や、信用・品位を害するおそれがある人などの登録を拒否すると定めています。 - 登録を拒否されたときは、不服を申し立てられますか?
申し立てられます。行政書士法第6条の3により、登録を拒否された人は総務大臣に審査請求ができます。申請から3か月を経過しても処分がされないときも、拒否されたものとして審査請求ができます。 - 事務所の場所は、申請先の行政書士会に関係しますか?
関係します。申請先の行政書士会は事務所の所在地の都道府県で決まるため、事務所を置く場所を決めてから申請先を選ぶことになります。行政書士法第8条は、業務を行うための事務所を設けること、事務所を2つ以上設けてはならないことを定めています。事務所の要件や必要な書類は、申請する行政書士会に確かめてください。
次に知りたいこと
出典
- 日本行政書士会連合会「行政書士になるには」(確認日:2026年10月17日)
- e-Gov法令検索「行政書士法」第2条・第2条の2・第6条〜第6条の4・第8条・第16条の5(確認日:2026年10月17日)