土地家屋調査士の進路
土地家屋調査士に合格したあとの登録手続き(申請の経路・入会・拒否される場合)
土地家屋調査士試験の合格後は、事務所を設けようとする地の調査士会を経由して日本土地家屋調査士会連合会に登録を申請し、名簿に登録されて初めて調査士になります。本記事は、土地家屋調査士法の条文(e-Gov法令検索)に基づいて、この流れと注意点を整理します(確認日:2026年10月17日)。登録手数料や会費などの金額、申請書の書式は、連合会と各調査士会の案内で最新のものを確かめてください。
合格から登録までの流れ
1. 調査士となる資格を得る
土地家屋調査士試験に合格した人は、調査士となる資格を有します(第4条第1号)。法務局などで不動産の表示に関する登記の事務に通算10年以上従事し、法務大臣の認定を受けた人にも資格があります(同条第2号)。ただし、第5条の欠格事由に当たる人は資格を有しません。
2. 調査士会を経由して登録を申請する
事務所を設けようとする地を管轄する法務局または地方法務局の管轄区域内の調査士会を経由し、調査士会連合会に登録申請書を出します(第9条第1項)。資格を証する書類を添付します(同条第2項)。申請と同時に、その調査士会へ入会する手続きもとります(第52条第1項)。
3. 連合会が名簿に登録し、書面で通知する
名簿の登録は連合会が行います(第8条第2項)。登録をしたときは、その旨を書面で申請者に通知します(第11条)。登録の時に、入会した調査士会の会員になります(第52条第2項)。
資格を得られない人と登録が拒否される場合
第5条は、調査士となる資格を有しない人として、拘禁刑以上の刑の執行を終えてから3年を経過しない人、未成年者、破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない人、公務員で懲戒免職の処分から3年を経過しない人などを挙げています。資格があっても、連合会は、入会の手続きをとらないとき、心身の故障で業務を行えないとき、調査士の信用や品位を害するおそれがあるときなどに登録を拒否します(第10条第1項)。後ろの2つを理由にする場合は、登録審査会の議決に基づき、あらかじめ申請者に弁明の機会を与えます。拒否に不服があるときは、法務大臣に審査請求ができます(第12条)。
登録後に必要な手続きと登録が取り消される場合
登録後に事務所を別の法務局の管轄区域へ移すときは、移転先の調査士会を経由して所属する調査士会の変更の登録を申請します(第13条第1項)。氏名や事務所の所在地など登録事項が変わったときは、遅滞なく、所属する調査士会を経由して連合会に届け出ます(第14条)。業務を廃止したとき、死亡したとき、資格がないと分かったとき、第5条の欠格事由(未成年者を除く)に当たるようになったときは、連合会が登録を取り消します(第15条第1項)。また、調査士は法務省令の基準に従って事務所を設け(第20条)、所属する調査士会と連合会が実施する研修を受けるよう努めます(第25条第1項)。
よくある質問
- 土地家屋調査士試験に合格すれば、すぐに調査士を名乗れますか?
名乗れません。土地家屋調査士法第8条第1項は、調査士となる資格を有する者が調査士となるには、日本土地家屋調査士会連合会に備える土地家屋調査士名簿に、氏名、生年月日、事務所の所在地、所属する土地家屋調査士会などの登録を受けなければならないと定めています。試験の合格は、調査士となる資格を得た段階です(第4条第1号)。 - 登録の申請はどこに出しますか?
第9条第1項は、事務所を設けようとする地を管轄する法務局または地方法務局の管轄区域内に設立された調査士会を経由して、調査士会連合会に登録申請書を提出するよう定めています。申請書には登録を受ける事項などを記載し、調査士となる資格を有することを証する書類を添付します(同条第2項)。書式や添付書類の細目は法務省令と連合会・各調査士会の案内で確認してください。 - 調査士会への入会は、登録とは別の手続きですか?
申請と同時に行います。第52条第1項は、登録の申請をする人は、その申請と同時に、申請を経由すべき調査士会に入会する手続きをとらなければならないと定めています。入会の手続きをとった人は、登録の時に、その調査士会の会員になります(同条第2項)。入会の手続きをとっていないときは、登録が拒否されます(第10条第1項第1号)。 - 登録を拒否されることはありますか?
あります。第10条第1項は、調査士となる資格を有しない場合のほか、入会の手続きをとらないとき、心身の故障により調査士の業務を行うことができないとき、調査士の信用や品位を害するおそれがあるときなど適格性を欠くときに、連合会は登録を拒否しなければならないと定めています。心身の故障や適格性を理由に拒否する場合は、あらかじめ申請者に通知して弁明の機会を与える必要があります(同条第2項)。 - 登録を拒否されたときは、どう争えますか?
第12条第1項は、登録を拒否された人が処分に不服があるときは、法務大臣に審査請求をすることができると定めています。また、申請の日から3か月を過ぎても何の処分もされないときは、登録を拒否されたものとして審査請求ができます(同条第2項)。 - 登録に費用はいくらかかりますか?
この記事では金額を挙げません。登録手数料や調査士会の入会金、会費は、連合会と各調査士会が定めて案内するもので、調査士会ごとに異なる場合があります。申請する調査士会の案内で、最新の額を確かめてください。
次に知りたいこと
出典
- e-Gov法令検索「土地家屋調査士法」第4条・第5条・第8条から第15条・第20条・第25条・第52条(確認日:2026年10月17日)